死神幼女に勧誘されて異世界のスライムに転生。早く人間になりたい!

クラーゲン

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第四章

襲撃

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 夕闇が迫る中、俺は湖に到着した。

 さっそく移動に使っていた六本の足を船に変えて、湖に浮かぶメガフロートに変形。

 カメレオン能力も解除したので、湖岸に人がいたら突然湖に浮かぶ城が出現したように見えただろう。

 河童たちはさっそく潜って、今夜のおかずとなる魚を捕まえてきてくれた。

「この湖から流れ出る川を下ってしばらく行くと、街道に出ます。その街道を馬車で半日も行くと木の国の都となります」

 リビングのテーブルの上に広げた地図を前にして、じいさんが都までの道のりを説明してくれた。

 予定では明日の朝、船型分体を分離して、じいさんだけを乗せていくことになっていた。

 船が街道に着いたら、船型分体を馬車……馬に似た動物が引いているが厳密には地球の馬とは違う……に変形させて都へ向かうのだ。

 この時、俺の意識は馬に移すわけだが、そのために馬を一頭犠牲にして量子スキャンして殺してしまった。

 可哀そうだが、元々食用に飼われていたらしい。

 なので、死んだ馬はスタッフが美味しくいただきました。

 正直言うと馬なんかなくても、車体だけで移動できたのだが馬が引いていないと怪しまれるので用意した。そのために犠牲になった馬君ごめん。

 とにかく、明日俺は馬車になるわけだが、その場合俺の意識は馬に移すわけだがずっと意識が馬の中あったのではいろいろやりにくい。

 分体は俺の意識が抜けてもある程度自立行動ができるみたいだが、この馬分体は自立行動だけで馬車馬として行動できるだろうか?

 実験のために湖岸で馬車分体を作ってみた。

「ううん……上手くいかないな。やっぱり、元々食用だったからかな?」

 俺の意識が抜けた馬分体は、御者台から手綱を握っている俺の言う事をまったく聞こうとしない。

「ランドール殿。手綱を代わりましょう」
「じいさん、できるのかい?」
「一応、馬車の手綱を握った事はありますが、この馬が馬車馬の訓練を受けたことがあるなら動かせるでしょう」

 どうかな? 元々食肉用だったというし……

「はいよー!」

 馬は普通に走り出した。

「ドードー」

 馬は止まった。

 御者台からじいさんが振り返る。

「言う事を聞くようです」
「そうか。明日、御者はじいさんにやってもら……うわ!?」

 突然俺たちの周りに火矢が降り注いできた。
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