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第二章
水妖5
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じいさんと話している間に、エリスとの距離がかなり縮まっていた。
「エリス!」
俺の声が届いたようだ。
「君を捕まえている奴は河童だ。今、助けてやるぞ」
「え!? 河童?」
あれ? 突然目の前が真っ暗になった。
しまった!
俺はエリスの部屋の中にいた。正確には、エリスの部屋にあるヌイグルミの目を開いたのだ。
おそらく、舟とつながっていた糸状体を切断されたのだろう。
どうすればいいんだ?
「ランドール。こっちに戻ってきたの?」
声の方を見ると、しいちゃんがいた。
「しいちゃん。舟とつながっていた糸状体を切断された」
「なんですって?」
「どうすればいい? 今から舟を作って追いかけようにも、じいさんを舟において来ちゃって、エリスの位置が分からない」
「落ち着いて。ここから追いかける必要はないわ。あんた、中継体を分離したでしょう。あれを推進力のある何かに変形させて、切り離された舟を追いかけるのよ」
「そうか! でも見つけられるかな?」
「大丈夫。切り離されてそんな時間がだっていないから近づけば自分の身体だったから分かるはずよ。それに一時間以内なら、もう一度くっつく事もできるわ」
「分かった。やってみる」
俺は水の中にいた。光景がまるで魚眼レンズを通したかのように歪んでいる。
当然だ。魚の目を通しているのだから。
一番先頭にいた中携体を、さっき捕まえた魚に変化させたのだ。
魚のデータは料理する前に、量子スキャンしておいたから問題はない。
俺は水の中を猛スピードで進んでいた。
しばらくして、前方に光が見えてくる。見えて、すぐに理解した。あの光は切り離された俺の身体。舟だ。じいさんは無事だろうか?
舟の周りに三匹の河童。さっき、俺が殴って気絶させた奴ら。あいつらだな。糸状体を切ったのは……
俺はそのまま船尾に体当たり。舟と一体化する。失った身体を取り戻した。
感覚が戻ってくる。とりあえず、じいさんは無事……
さて、河童ども。今度は手加減しないぞ。
舟から腕を出したその時……
「待って! ランドールさん! 河童さんは敵じゃないの」
エリスの声が響いた。
「エリス!」
俺の声が届いたようだ。
「君を捕まえている奴は河童だ。今、助けてやるぞ」
「え!? 河童?」
あれ? 突然目の前が真っ暗になった。
しまった!
俺はエリスの部屋の中にいた。正確には、エリスの部屋にあるヌイグルミの目を開いたのだ。
おそらく、舟とつながっていた糸状体を切断されたのだろう。
どうすればいいんだ?
「ランドール。こっちに戻ってきたの?」
声の方を見ると、しいちゃんがいた。
「しいちゃん。舟とつながっていた糸状体を切断された」
「なんですって?」
「どうすればいい? 今から舟を作って追いかけようにも、じいさんを舟において来ちゃって、エリスの位置が分からない」
「落ち着いて。ここから追いかける必要はないわ。あんた、中継体を分離したでしょう。あれを推進力のある何かに変形させて、切り離された舟を追いかけるのよ」
「そうか! でも見つけられるかな?」
「大丈夫。切り離されてそんな時間がだっていないから近づけば自分の身体だったから分かるはずよ。それに一時間以内なら、もう一度くっつく事もできるわ」
「分かった。やってみる」
俺は水の中にいた。光景がまるで魚眼レンズを通したかのように歪んでいる。
当然だ。魚の目を通しているのだから。
一番先頭にいた中携体を、さっき捕まえた魚に変化させたのだ。
魚のデータは料理する前に、量子スキャンしておいたから問題はない。
俺は水の中を猛スピードで進んでいた。
しばらくして、前方に光が見えてくる。見えて、すぐに理解した。あの光は切り離された俺の身体。舟だ。じいさんは無事だろうか?
舟の周りに三匹の河童。さっき、俺が殴って気絶させた奴ら。あいつらだな。糸状体を切ったのは……
俺はそのまま船尾に体当たり。舟と一体化する。失った身体を取り戻した。
感覚が戻ってくる。とりあえず、じいさんは無事……
さて、河童ども。今度は手加減しないぞ。
舟から腕を出したその時……
「待って! ランドールさん! 河童さんは敵じゃないの」
エリスの声が響いた。
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「死神幼女に勧誘されて異世界のスライムに転生。早く人間になりたい!」エロ要素を抜いてこちらのサイトに載せてみました。よろしければブックマークなどの応援お願いします。
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