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第六章

降臨祭前打ち合わせ会⑵ ところによりリリアの恋愛講座

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 (side ローズ)


 一度立ち上がった後、しおしおと椅子に座り込んだプリシラさんを見て、リリアさんは眉を寄せながら首を傾げた。


「なぁに? しけた顔してぇ。プリシラさんは、ジェフ様一択でしょ? 良い機会だから、マリーさんにライバル宣言しとけば良いじゃん」

「リリアさんっ?」

「何よ、マリーさん。そうすれば、相手がどっちを選んでも、恨みっこなしでしょ?」


 いや、まぁ、リリアさんは一直線だし?
 意外にも竹を割ったような性格だから、そう考えられるかもしれないけど、大多数の女性はそうはいかないよね?わたしも含めて。

 しかも、プリシラさんは、昨日ジェフ様から、はっきりと拒絶されている。
 表面上は、ダンスをお断りしただけの話に見えるけど、その後その他大勢のご令嬢方と踊ったことから考えて、残酷な言い方をすれば、とりまき以下。
 つまり、脈なしってことになる。

 そのことに打ちのめされたプリシラ様が、わたしにジュースをぶち撒けたくなったのは、ある意味無理からぬことよね。
 こちらとしては、不可抗力を主張したいけど、どっちつかずの態度をしている点においては、多少負い目を感じるし。

 とにかく!
 これ以上続けると、プリシラさんの傷口に塩を塗りたくることになりそうだから。
 

「ええと!恋愛ってことになると、わたしもまだ、気持ちが曖昧だから、宣言されても困るかな。
 というか、今、確か、推しの話だったわよね?
王宮魔導士なら、やっぱりわたしは、ジェフ様が一番素敵だと思うわ。それから……王国騎士なら、今日はいらしてなかったけど、レイブン様かしら?」


 努めて笑顔で、わたしはそう答えた。

 ガチ恋愛トークということなら、外伝ヒロインのわたしにとっての選択肢は、ほぼ二択。
 でも、そういうの置いといて、憧れとかの話だから、問題ないよね?
 話の軌道を修正、かつ、ジェフ様の話を他に逸らすためにお名前を出すなんて、失礼極まりないけれど、彼は既に売約済みだし、聖堂の中で彼を知っている人は殆どいないし。
 

「レイブンて誰だっけ? って、ああ! 鬼畜ドSメガネ? マリーさん、趣味悪い」

「ねぇ。流石にそれは、双方向に失礼じゃない?」

「いや。だってさ……アレだよ? ってか、あれはスティーブン様のものだし」

「そうね。あ、ジュリーさんも素敵」

「女の人じゃん! もう。煮え切らないなぁっ」

「ふふふっ。リリアーナさんとローズマリーさんの掛け合いって、面白い」


 そこに、やんわりと言葉を挟んだのは、癒し担当マデリーンさん。
 いつもほんわか優しくて、すごく余裕がある。
 やっぱり、婚約者が決まっているからかしら?


「皆さんが言う通り、逞しい王国騎士の皆様は、普段見られないから、新鮮でかっこよかったわね。
 ……でも、やっぱり聖騎士の皆様の方が、麗しく感じるのは私だけ? ジャンカルロさんは、今日も優美で」

「そうそう! まるで王子様のようですよね」

「それを言うなら、男爵家出身のジョーダン様の方が」

「いえいえ。ここはやっぱりパトリック様よ。眠そうな瞳が色気たっぷりで……」


 神官見習いの子たちが話に食いついて、今度は聖騎士の推しに話題が変わったみたい。

 良かった。マデリーンさんに感謝だわ。
 わたしは、小さく息を落として、手元の作業に戻る。

 丁度焼き上がったソーセージをオーブンから取り出して、切れ目を入れた まるパンに、水気を拭き取ったレタスと一緒にサンド。
 ケチャップとマスタードは、それぞれのお好みで、かな?
 ラルフさんは甘党だからケチャップだけかもしれないし、レンさんはマスタードを結構かけるかも?
 ニコさんに至っては、全く分からないしね。

 ソーセージが三分の二くらいパンからはみ出しているけど、聖騎士さんたちって、炭水化物よりタンパク質を重視しそうだから、これも有りって感じで、許してくれるかな?
 不恰好な出来栄えが妙に愛おしくて、小さく笑いながら、油紙を敷き詰めたカゴの中に入れる。
 ついでに、部屋にあった何種類かの焼き菓子を添えて、と。
 パンが乾燥しないように、硬く絞った濡布巾を上からかけたら、夜食セット完成!

 普段だったら聖騎士事務室に届けるんだけど、今回はレンさんの組の分しかないから、二階の給湯室に置いておいて、後で回収してもらおうかな。

 何で、他の聖騎士さんの分がないかって?
 だって、昨日の件で頭に来てしまったんだもの!
 これはあくまでタルトのお礼なのだから、他の聖騎士さんが恩恵を受けるのは、口惜しいじゃない?


「聖騎士ねぇ~。長身マッチョで、ゴリラな印象しかないんだけど?」

「貴族組は、そうでも無いと思うけど……」


 あ。
 まだその話してた。

 リリアさんは相変わらず、騎士には興味がないみたい。
 タチアナさんが、苦笑いでフォロー入れている。


「マリーさんは、やっぱり、あのゴリラみたいなふわふわ頭?」


 っ??
 ふわふわ頭のゴリラ?

 リリアさんからの唐突な問いに、思わず笑ってしまった。
 わたしには大型犬に見えるけど、リリアさんにはゴリラに見えるのね。


「もしかして、ラルフさん? そうね。彼は逞しいし、性格も可愛くて、良い人よね」

「あれれ~? その言い方だと、そんなでもない?」

「そんなことは無いけど……」


 前から思っていたんだけど、こういう話をしている時、どうしてレンさんの名前が全然出てこないのかな?
 圧倒的な剣術に加え、魔導も使えて、あのビジュアル、柔らかな物腰。
 一番人気でも、おかしく無いと思うのだけど、平民出身だから? 
 それとも、神官長にいびられているせい?

 だったら、わたしくらいは推しても良いかな?


「聖騎士の中では、レンさんが一番格好良いかな?
 それでは、わたし、ちょっと行ってきますね」


 談話していた女の子たちがキョトンとした顔をしているけど、好みはそれぞれだから気にしない。

 わたしは笑顔で会釈すると、キッチンから出た。

 寮の玄関に向かって歩いていると、リリアさんが走って追いかけて来たみたい。


「ねぇ!待って待って!マリーさん!」 


 何かしら……?
 わたしは足を止めて、リリアさんが追いついてくるのを数秒待った。
 追いついてから、息を整えて、リリアさん。


「もしかして、今作ってたのって、その聖騎士さんへの差し入れ?」

「そうよ。昨晩から今日まで、お仕事本当に大変そうだったし、お菓子を頂いたから、そのお礼」

「確か、模擬戦の後も、差し入れしてたよね?」

「ええ。いつもお世話になっているし」


 答えると、リリアさんは視線を揺らして、少し口ごもりながら尋ねて来た。


「ええと……あのさ。マリーさん。もしかして、その聖騎士さんのこと、実は結構 気になってたり、とか?」

「え?」

「あ、いやいや。別に、そっちに誘導しようってわけじゃ無いよ?
 違ったら違うで良いんだけど……。
 ほら。エミリオ様とジェフ様の話をするのと同じくらい、いつもその、何だっけ……レンさん?
 その人の名前を聞くから、もしかして、彼も選択肢の中なのかな?って、ちょっと思っただけ」

「…………そう……かな?」


 一瞬、呆けちゃったよね。

 そんなこと、考えても見なかったわ。
 だって、物語の中のヒロインは、レンさんを便利なコマ扱いしていたし、レンさんの方だって、ヒロインに興味がある素振りもないもの。


 それは……確かに、レンさんは素敵だけど……。

 ……うん。

 初めて会った時に思ったよね。
 凄く、格好良い人だ!って。

 そう。
 実はわたし、どちらかと言うと、年上の落ち着いた男性の方が好みだったりする。
 その辺が、ヒロインと真逆なところだと、ストーリーを思い出した時に、思ったっけ。

 前世でも、優しい担当医の先生とか、休暇が取れた時、赴任先からうれしそうな笑顔で病院に来てくれる、前世の父のことが大好きだった。
 今世でも、『結婚するなら、今世の父のような、強くて頼り甲斐のある 優しい人が良いな』と、思ったものだ。

 つまり、物語を完全無視して考えれば、実はレンさんて、わたしのストライクゾーンなんじゃないの?

 …………でも。


「レンさんは、わたしには興味がないと思うんだけど……」

「……は?」

「……え?」


 今、すごく残念な人を見る目で見られたんですけど?
 リリアさんは、眉を寄せながら口を開いた。


「いや。私はその人のことよく知らないし、いつも無表情な感じで、感情とか読めないし?
 だから、その人がマリーさんに興味が有るかどうかは分かんないけど、恋って『相手が自分のことを好きだからする』ってわけじゃないよ?」

「…………!」


 目から鱗だった。

 そう……よね。
 だから、片想いとかあるわけで。

 物語のヒロインがレンさんに恋をしなかったからといって、わたしがしないと決まったわけじゃない。
 物語に引きずられて、そう思い込んでいただけで。

 考え込んだわたしに、リリアさんは苦笑しながら頬を掻いた。


「マリーさんて面白い。色々知ってて頭もきれて、普段は立ち回りもすごく上手なのに、どうして恋愛方面だけ、からっきし駄目なの?」


「ゔう……」


 返す言葉がなかった。


「ま、そこがマリーさんの可愛いところで、私は好きだけどね。
 良い機会だから、自分の気持ち、整理してみたら?
 マリーさんが聖騎士さんにいけば、私たちはラッキーだしぃ?」

「もぅ。リリアさんたら。恋愛偏差値高いなぁって、尊敬しかけてたのに、最後の一言で台無しっ!」


 頬を膨らませて見せると、リリアさんは笑った。


「訓練の騎士たちは一度解散になって、偉い人たちだけ大会議室に戻ったらしいよ。再会議だって。
 今日雑務の聖騎士は、お茶出しとか雑務で、そこに行ったみたい。
 マリーさん、さっき先に帰ったから教えとくね」

「そうなのね。ありがとう」

「い~よっ」


 リリアさんはニコッと笑って踵を返し、食堂の方へ戻っていく。

 ええと。
 何だか頭が真っ白になっちゃったけど、とりあえず、当初の目的を果たさないと……。
 
 わたしもまた踵を返し、事務局へ向かった。



 ◆



 事務局に入ると、想像以上に大勢の人が動き回っていた。

 これは、大会議室のある二階は、もっと凄いことになっていそう。

 そこでわたしは、持ってきたカゴを、とりあえず一階給湯室の棚に避難させた。

 後は、会議室にいるレンさんの組の誰かに、差し入れのことを伝えれば良い。


 階段を上っていると、扉が開く音と、一斉に人が動き出した気配。

 もう、会議が終わったのかな?

 会議室に行く道すがら、すれ違う人たちの顔は、一様に固い。
 頭を抱えてため息をつく人。
 胸ポケットから煙草を取り出しつつ、階段を駆け下りていく人。

 会議室を覗き込むと、中には、まだ大勢の人が残っていた。
 あれこれ議論を交わす人、机に突っ伏す人。

 あ。これ、まだ終わってないわ。
 休憩中かしらね?

 議題が書かれた板には、何人もの手で何度も加筆修正された配置図が貼られている。
 随分、議論が紛糾しているみたい。

 その板の前では、現在、王宮魔導士の皆さんが数人集まって、あれこれ話し合いながら、配置図に加筆している。
 その中には、ジェフ様の姿も。

 ここに来ている人たちは、多分、各隊の幹部クラスと、生え抜きの精鋭だけよね?
 学生のうちからここに呼ばれるほど、魔導士長様から信頼されているなんて、流石だわ。
 
 先輩魔導士さんたちの意見に頷きつつ、自らも意見を述べているジェフ様を見て、わたしは、感嘆のため息をもらす。

 運良く会えたら、と思って、お茶の包みを持ってきてみたけど、邪魔になってはいけないから、渡すのは難しいかな。


 その奥。窓際には、団長さんを中心に、お兄様とユーリーさん、ジュリーさんを含む十名程度の王国騎士。
 その横には、王女殿下付きの団長さんが束ねる騎士たちが、同様の規模で陣取っている。
 
 あ。
 お兄様が、こちらに気づいた?

 どうやら、出て来るみたい。


「ローズ」

「お兄様。お疲れ様です」

「ああ。今、ちょっと良いか?」


 笑顔で頷くと、お兄様は、バツが悪そうに首の後ろを掻きながら、柱の陰を指さした。
 
 指示通り移動したそこで、領地マグダレーンを、複数体の海棲魔獣が襲ったことを聞く。

 ちなみに、討伐は既に済んでおり、その内一体が逃走したこと。また、その一体が、魔物の可能性があることなど、大雑把な情報を共有した。

 領地や住人に大きな被害が無かったのは、不幸中の幸いだけど、魔界側から攻撃をうけるかもしれないと言うことで、降臨祭の警備が物々しくなったそう。
 
 なるほど。
 昨日からのドタバタは、やっぱり全部 連動していたのね。


「お父様は、大丈夫でしょうか?」

「あの人は強いから、大丈夫だろ。それより、ローズや母様が心配だ。特に聖堂は、一番外周だしな」

「ご心配頂き、ありがとうございます。急に慌ただしくなったこと以外は、今のところ特に変化を感じないですけどね」

「それなら良いが……ああ。このことは、聖堂職員には内密に。ここでは、補佐と聖女様、警戒にあたる聖騎士だけが情報を共有している」

「分かりました」


 頷くと、神妙な顔でお兄様も頷いた。


「話は以上だ。ところでローズ。
 あまりあちこちに、笑顔を振り撒くなよ?
 騎士団の中で、可愛いらしい聖女候補がいると、ちょっとした噂になっている」

「それ、わたしではないのでは? 聖女候補、五人もいるんですよ? 全員可愛いですし」

「お前な……。そういうところだぞ」
 

 お兄様に半眼で見られました。なんかイラっ。


「お兄様も、ほめられてましたよ? 聖堂の女性職員から」

「なにっ?」


 あら。赤くなっているわ。
 仕返し成功かしら。

 お兄様は、しどろもどろになりつつ話を戻した。


「とにかく、いざとなったら聖騎士を頼れよ」

「はい」


 お兄様の視線に合わせて目を動かすと、トレーにたくさんのお茶をのせて、レンさんとラルフさんが会議室に入って行くのが見えた。

 配るのかな?
 そしたら、終わったところで、声をかけてみよう。

 そう考えた時、何となく、そわそわと落ち着かない気分になった。
 
 もう。
 リリアさんがあんなことを言うから、変に意識しちゃうんですけど?
 
 

 
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