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第五章

公爵令嬢ヴェロニカの誤算⑵ 一番たちが悪いのは きまぐれ? 策士? ど根性?

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 (side レン)


「あ。いたいた!
 約束の場所と違うから、探したぞ? ヴェロニカ。
 んっ?
 おー! スティーブンも一緒なのかっ?」


 ホールの入り口方面から、聞き覚えのある はつらつとした声が聞こえたので、私はスティーブン様の背後へ移動し、顔を俯けた。
 

 声をかけて来たのは、エミリオ王子殿下。

 ミュラーソン公爵令嬢とスティーブン様が、その場で貴族らしく礼をしたので、その後方でスティーブン様に隠れるように、片膝をついて礼をする。

 気配は、出来るだけ希薄に……だが、完全には消さないように……『存在感の薄い、地味な人間が控えているな』程度に、認識されるのがベスト。
 
 この至近距離に、配下の騎士たちも含めて、これだけ見知った顔が並んでいるとなると、ちょっとした動きから身バレしかねない。

 唯一の安心材料は、あちらに私の事情を知るユーリーさんがいてくれる点だが、彼の立場を考えれば、無理はさせられない。
 
 慎重に……。
 
 自分に言い聞かせながら、状況を見守る。


 こちらに歩み寄って来た王子殿下に対し、スティーブン様は返事を返した。


「エミリオ様、ごきげんよう。今日はまた、凛々しいですわね。食べちゃいたいくらい!」
 
「ああ。勘弁しろ」


 良い笑顔で、さらりとかわした王子殿下。
 慣れているのか、あしらいが上手い。

 密かに感服していると、スティーブン様は口元に手を当てて、体をくねらせつつ、一歩前に出る。

 
「あはん。その気持ち良いまでの かわしっぷりが、また、堪らないですわね?」

「本気じゃ無いのが、分かってるからな」

「あら。私、いつでも本気でしてよ? 
 で、も、流石にベルからの視線が怖いですから、今日はここまでに致しますわ」

「ああ。そうしてくれ」


 片手を顔の横で振り、適当にあしらう王子殿下。


「ええ。それでは、また後ほど。
 ベルもね。楽しみにしているわ」


 スティーブン様は、殿下と公爵令嬢に会釈した後、こちらを振り向き、立ち上がるよう指で合図。
 私が頷いて立ち上がると、彼は笑みを浮かべて歩き出したので、その斜め後方に続く。
 このまま無事通過出来ることを願っていたのだが……。

 
「あれ? そいつも連れて来たのか。確か、あの晩にいたやつだろう?……ええと、光の騎士!」


 相手は、好奇心旺盛な王子殿下。
 そう簡単にはいかないか。

 固まっていると、スティーブン様は振り返り、妖艶な笑みをうかべた。


「そうですわよ?
 今日は、夜半まで楽しめると聞きましたもの。たっぷりと楽しませて頂こうと思って。ねぇ?」

「っっ……」


 するりと腰に腕が回ってきたので、若干 体を強張らせて耐えていた。
 そこへ、突然耳元に吐息混じりの声をかけられ、反射的に肩が跳ねる。
 
 耳は苦手なので、本当に勘弁してほしい。

 眉を寄せていると、
 

「あら。敏感」


 少し驚いたような笑い含みの声で、機嫌良さげに、スティーブン様。
 気恥ずかしさから頬に熱を感じ、私は更に顔を俯けた。

 完全に遊ばれている。

 ただ、私の この反応すら、スティーブン様の計算のうちだったようだ。


「あ~~~。余計だったな。悪い。
 心配するな。俺は何も見なかったから、気にせず向こうで いちゃついてくれ!」


 僅か頬を赤らめつつ視線を逸らして、王子殿下はしっしっと追い払うような仕草。
 スティーブン様は綺麗に微笑むと、回した腕はそのままに、私をホール入り口へと誘導した。


 ところで、私が公爵家の迎賓館に来たのは、実は、今回が初めてでは無い。
 昨年冬に行われた婚約式に、聖女様が出席なさったから。

 それ故に、構造などは、ある程度頭に入っていた。

 ……このままだと、スティーブン様に腰を抱かれた状態で、中央ホールの一番目立つ場所から入場することになってしまうのだが、それは彼にとってもマイナスではないだろうか?
 
 何事もないかのように微笑んでいるスティーブン様に、冷めた視線を送ると、意図を理解したのか、腕を離してくれた。


「やっだぁ。怒ったの?」


 ドアマンが開けてくれた扉を通りつつ、くすくす笑うスティーブン様。
 それに対し、幾分不愉快な気分になったが、ゆっくりと息を吐き出すことにより、苛立ちを抑えた。
 
 分かっている。
 悪いのは自分。

 スティーブン様が、気まぐれに遊んでいることを理解していながら、のこのこついて来たのだから。

 やはり、お断りして、さっさと帰れば良かったのだ。それを……。

 気の迷いとしか言いようがない。
 私がここに来たところで、何が変わるわけでもないのに……。

 そこまで考えて、ふと違和感に眉を寄せる。

 …………っ??

 私は、『何かを変えたい』と思っていたのか?


 と、その時。
 不意に、人差し指で顎を掬い上げられて、硬直する。


「怒らないでよ。フォローしてあげたんだって、貴方だって分かっているでしょう?」


 しまった。
 そう言えば、まだ返事を返していなかった。


「失礼。考えごとをしていました」

「えーっ⁈ もうっ。レディーの話をスルーするなんて無礼よ!」

「すみません」


 話をスルーしてしまったことに関しては 、仰る通りだ。
 怒った素振りで頬を膨らませているスティーブン様に、小声で謝罪していると、前方から人が近づいて来た。

 顎を固定されているため、目だけ動かして様子を伺う。
 それは、小柄な使用人らしき女性……ジェファーソン様のメイドの、アメリさんだ。

 彼女は一礼すると、事務的な口調で告げた。


「ご歓談中、失礼致します。スティーブン様。主人が、折り入ってお願いごとをしたいと申しておりまして……」


 ここで、ようやくスティーブン様が顎から指を離してくれたので、私は彼から半歩分下がった。


「まぁ、アメリ。
『何かしら?』と、聞いてあげたいところだけど、どんなお願いか、大体予測がつくわ。
 でも……ごめんなさいね。
 仕掛け人がベルである以上、私と言えど、ドレスのカーテンからジェフを脱出させるのは難しいわ」

「そうですか。断られた場合は、隣の方を……」


 次の瞬間、彼女から放たれた攻撃的な気配。
 一瞬で距離を詰められたかと思うと、肘が鳩尾みぞおち付近に素早くとんで来たので、インパクトの瞬間、右手で受け止めた。


「無理矢理でも良いから、拉致してくるよう言われたのですが、驚きました。意外とお強いのですね?」


 …………。

 驚いたのはこちらだし、お強いのはそちらだろう。

 ところで、守備よく気絶させた場合、上背もウエイトも彼女よりある私を、どうやって運ぶつもりだったのだろうか?

 疑問に思いつつも、ずっと肘を掴んでいるわけにもいかず、手を放すと、今度はその腕を掴んで引き寄せられ、耳元で告げられた。


「拉致が難しければ、自発的について来て頂く様に、とのこと。
 主人が握っている、貴方の秘密をばらされたくなければ、どうぞ、ご同行くださいませ。レイブン様?」


 また、耳か。
 首筋から、ゾワゾワしたものが這い上がって来たので、可能な限り丁寧に、アメリさんを引き剥がした。

 秘密とは、すなわち変装のことだろうか?
 であれば、王宮の影の耳に入った瞬間、ほぼ極刑が確定する。
 行かない選択肢は無い。

 偽名まで出たあたり、ジェファーソン様は、ドレスのカーテンの中に居ながらにして、会場内の物事を把握しているということか?……恐ろしい方だ。

 私が頷いたのを見て取ると、アメリさんは先導を始める。


「あ? あっ! ちょっと、待ちなさい!レイン!」


 ジャケットの裾を掴むスティーブン様に、小声で要件だけ聞いてくる旨を伝えた。

 先ほどから、彼に挨拶をしたい者たちが周囲に集まって来ているから、私がしばらく席を外していた方が、彼にとっても都合が良いだろう。


「仕方ないわね。でも、新作ドレスの発表の前には、ちゃんと戻ってくるのよ? 
 あと、どんなに周りのレディーが魅力的でも、デレデレしたら怒っちゃうんだからね!」


 周囲を欺くためのであっても、しっかりと愛人としてのポーズをとってくるのだから、スティーブン様も徹底している。
 私が何をしていようと、実際のところは興味もないだろうに。

 私は頷いて、足早にアメリさんの後を追った。


 それにしても……。

 何回か見たことはあったが、ジェファーソン様を囲っている貴婦人の人数には圧倒される。
 
 『同行する』は良いが、果たして彼の前まで辿り着けるのだろうか?
 疑問に思っていたところ、中からハスキーな美声が聞こえた。


「レイブンさん! 良かった。来てくれたんですね。
 さ、こちらへどうぞ」


 それと同時に、ご令嬢方が左右に分かれて道ができた。

 今後一生見ることはないだろうその光景に、なんとなく頭痛を覚える。
 これまでにない経験に、数時間警戒にあったった後のような精神的疲労を感じつつ、ジェファーソン様の前に進み出た。
 
 さて。さしあたって、ご挨拶を。

 ジェファーソン様の前で片膝をつくと、彼は首を横に振って立ち上がるよう指示し、彼が掛けていたソファーの横に座るよう示す。
 半ば命令のようなものだから、私は彼の指示に従った。
 身バレを防ぐため、声を出さなくて済むよう、配慮して下さったのかもしれない。


「さてと。ベアトリス様。向日葵柄の素敵な扇子ですね! 少しの間だけ、貸して頂けませんか?」


 甘い笑顔でねだられて、嬉しそうに扇子を差し出すご令嬢。
 その表情は、完全に蕩けている。

 ジェファーソン様は、体をこちらに寄せると顔を傾け、扇子で双方の口元を隠し、私に話しかけて来た。


「賭けの話は、ステファニー様から聞きましたけど、ご親切に、アフターまで受け付けているんですか?」

「断るつもりだったのですが、言葉巧みに誘導されてしまいました」

「それは、お気の毒です。それにしても、こんなところまで連れてくるなんて、ステファニー様、実は貴方に本気だったりしないのかな?」

「それは無いですね。連れて来た理由については、幾つか思い当たりますが、気まぐれによる部分が大きいかと」

「あはは。気まぐれって。
 僕が考えていたより、随分彼のことを理解してるみたいだな。
 因みに、思い当たる理由って何です?」

「こちらを私に正しく受け渡したと、マグダレーン閣下に伝えるため、でしょうか?」


 胸元のブラックパールを示すと、ジェファーソン様は頷いた。


「あとは、住む世界の違いを見せつけられているのかもしれません。
 結局、玩具の扱いでしょうから、どうせ、すぐに飽きましょう」

「ステファニー様も、酷いものだな」


 全く その通りだ。
 口に出しては言えないが、心中でこっそり同意する。


「ところで、今日『ローズちゃんを王子殿下の第二夫人として、広く周知させる』計画があることを、ご存じですか?」

「大まかには」

 
 私が頷くと、彼も頷き返す。


「多分、ローズちゃんはその企みに気づいていない。
 だからこそ、僕はそれを阻止したい。
 でも、ドレスの発表が終わるまで、僕はここで足止めされるでしょう。
 敵を欺いて、自由に動ける手足があったら……」

「……私に、その手足になれと?」

「話が早いですね。貴方も、ステファニー様にやられてばかりで悔しいでしょう?」


 ジェファーソン様は、笑顔で同意を求めてくる。

 私からすれば、双方が私を利用しようとしているだけで、大きな違いは無く見える。

 ただ、先程 私は『何かを変えたい』と感じた。
 そして、変えてくれる可能性が有るのは……。


「承知しました。ドレス発表までの短時間で良ければ、手をお貸しします」

「助かるなぁ。では、早速……」


 話を聞き終えた私は、ジェファーソン様の予想外な提案に驚きつつも頷いた。

 これで、本当に何かが変わるのならば。

 私はドレス集団から離れて、アメリさんと共に移動を開始した。


 ◆


 (side  リリア)


「ありえない!ありえない!ありえなぁ~いっ‼︎」


 何よここ!
 何でエミリオ様がいないの?
 ドレスの発表会が、あの丘の上のダンスフロアってどういうこと?

 ねぇ。めっちゃ遠い!
 ってか、エミリオ様はあっちの館の中にいるってこと?

 はぁ?

 それじゃ、ダンス踊れないじゃん!

 ヴェロニカ様だ。
 これ、絶対ヴェロニカ様の嫌がらせだもん!

 私は格下だと見せつけるために、わざと下の迎賓館にしたのよ。

 さいってーーー!

 怒りのあまり拳を握りしめていると、お母さんが背中を撫でてくれた。


「庶民は、本来、この下のゲストハウスなのよ、リリー。一階層上げてくれただけ、ヴェロニカ様は優しさがあるわ」


 執事らしき男性に誘導されてついた先の迎賓館は、丘の中腹だった。

 だから、優遇だって言うわけね?

 でも、私違うと思う。

 この下の館だと、一番上にいる人なんて豆粒程度にしか見えないから、悔しいとか案外感じないんじゃないかな?

 それで、わざと真ん中にしたのよ!
 こんなに近くに見えるのに、エミリオ様には手が届かない!
 つまり、これが階層ってのを見せつけようとしてるんだ。
 まじむかーっ!


「お母さん!私、上に行きたい」


 だって、ここ、よく見ると、庭がつながってる。
 ダンスフロアは少し高くなっているけど、下からのぼる階段が見えるし。

 私、元々山育ちだから、登って登れないことないよ!多分。


「よく言ったわ!リリー。
 ええ。そうなの!そうして貰うつもりだったの!」


 力を込めてそう言い切ると、お母さんは指を鳴らした。
 すると、使用人の子たちがわらわらっと出て来て、底が平らな靴を出してくれる。

 これなら、ヒールを壊さず登れる!


「それから、このステッキ!」


 それぞれ二本ずつ、合計四本の杖を取り出したお母さんは、ドレスの裾を汚さないよう、紐であげている。

 よし!
 私も!

 準備を終えて、私とお母さんは、芝生の隅に見えている石造の小道へと足を踏み出す。

 大丈夫!
 目的地は見えているから、遭難とか絶対しないし。


「ではダーリン、行ってくるわね。貴方にも、良い商談があると良いわね」

「ああ、ハニー。無理をしないように。
 降りるまでが登山だからな」


 お義父さんとお母さんがハグするのを横目で見ながら、私は丘の上の迎賓館へ向かって足を踏み出した。




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