175 / 288
第五章
絡み合う恋と策謀のイト ⑸
しおりを挟む
(side エミリオ)
ドリンクを頼みに行ったジェフと一時的に別れ、護衛の騎士数人と共に近場のガーデンに足を踏み出した時、
「あれれぇ? エミリオ様だぁ!まさかこんなところでお会いできるなんて、もしかして運命?」
耳に届いた 聞き覚えのある能天気な声に、俺はうっかり そちらを向いてしまった。
過ちに気づいたのは、リリアと完全に目が合ってしまった後。
彼女は、掛けていた椅子から立ち上がると、嬉しそうにこちらにやって来て、やや不恰好ながら 淑女らしく礼をした。
そのまま満面の笑みを浮かべると、少し上目遣いに、こちらの顔を覗き込んでくる。
……しまったっ!
流石にこの状況では、気づかなかった振りでスルーすることも出来ない。
だが、うっかり話しかけたりなどした日には、絶対話が長くなる。
別に、リリアと話すのが嫌ってわけじゃないんだが、こういった公の場所では、それはあまりよく思われない……らしい。
そりゃぁ、王子が、婚約者の休憩中に、別の女性、しかも名目貴族 実質庶民の娘と二人きりで仲良く話していたら、イメージ良いわけがないよな。
まぁ……。
しばらく待てば ジェフが来るから、『俺が女性と二人きりで話していた』などといった噂を立てられることは、とりあえず ないと思うが……。
そう考えて口を開きかけ、ふと考え直した。
いや。待てよ?
確かにジェフは、ここに来るだろう。
それは間違いないが、果たして助け舟を出すだろうか?
彼奴にとって この状況は、寧ろ都合が良いかもしれない。
何故って?
リリアが俺に近づくと、大概の場合、マリーが遠慮して引くから。
今日はマリーが来ていないから、気にすることは無いのかもしれない。
だが、もし仮に、社交界で妙な噂を立てられて、それがマリーの耳に入ったら?
控えめなマリーのことだ。
リリアに譲って身を引いて、今後、俺のことを避けるようになるかもしれない。
それは、断じて困る!
すると、ここは、リリアに話しかけるべきではないな!
瞬時に答えを導き出し、俺は小さく頷いた。
……ただまぁ、挨拶を受けたのに シカトってわけには いかないから。
俺は、他の貴族たちに対するのと同様、顔に笑みを浮かべると、とりあえず片手を上げて挨拶を返し、そのまま通り過ぎようとした。
相手が 常識のある まともな貴族であれば、これで大体理解する。
つまり、『今は立場上話せない。どうしてもということならば、婚約者が同席しているときに出直してくれ』という、やんわりとした拒否だ。
だが……よく考えたら、リリアに常識を求めても無駄だった。
「えぇ? ちょっと待ってくださいよぅ。エミリオ様。リリア、ちょっとだけで良いから、エミリオ様とお話ししたいですぅ!」
リリアは慌てて俺に駆けよると、両手を胸の前で組み、上目遣いで甘えた声を出す。
そしてそのまま、腕にしがみついて、彼女の胸のあたりを俺の腕に押し付けて来た。
……相変わらず、ダイレクトに肋骨の感触しか しないわけだが。
「っう……あ、あぁ。そうか。気持ちは嬉しいが、腕を組むのはダメだ。離してくれないか?」
「いやっ。いやっ!」
リリアは首を左右に振って、頬を膨らませてみせた。
おいおい……。
俺は苦笑を浮かべる。
参ったな。
だが……まぁ、ある意味可愛いらしく見えないこともない。
この天真爛漫さは、庶民ゆえなのか、それともリリアが元々持っている性格なのか。
こんなことを言ったらヴェロニカに叱られそうだが、正直、悪い気はしない。
『俺と話したい』って言う素直な気持ちを、ここまでストレートに言葉や態度に出してくる奴は初めてだし。
社交界のルールやマナー。
ここ数ヶ月の間、教育係のマダムにきっちり習ったから、俺にとっては、既に当然のことになりつつあったが、俺もつい最近まで似たかよったか……いや、もっと酷かった自覚があるから、リリアばかりを責められない気もするしな……。
リリアの髪からふわりと苺みたいな甘い香りがして、『少しの間だけなら、まぁ良いか』などと絆されそうになる。
…………。
いいや!駄目だろう。
今、一瞬何を考えた?
慌てて頭を振って、俺はリリアの腕を押した。
「リリア。駄目だ。そういう決まりだから」
「どうして? 初めて会った時は、そんなこと言わなかったのに。決まりなんて知らない! 私は、エミリオ様と一緒にいられるだけで良いのに……」
目元を潤ませるリリアに、どう対処したら良いのか分からなくなる。
泣くほど俺と一緒にいたいと言ってくれているのに、それを許さないとか、俺ってもしかして酷い奴?
いや。しかし、決まりが。
だが、決まりのために人を泣かせて良いのか?
そのルールは間違っていないか?
ぐるぐる考えていたら、俺の横にユリシーズが立った。
彼奴は眉間に皺を寄せ、リリアに向かって硬質な口調で告げる。
「失礼? 御令嬢。エミリオ王子殿下は、長時間のご公務で、大変お疲れなのです。どうかお手を離して頂きたい」
「何このオッサン。こわーい! エミリオ様、助けて?」
「オッさん……⁈」
不満げに、ボソっっと呟かれたユリシーズの声にクスッときて、そこで急激に 思考が正常に戻った。
なんだか、今、ちょっとぼーっとしてたみたいだ。やっぱり、疲れているんだろうか?
ルールを破るのは、当然、まずいに決まっている。
そりゃぁ、誰も泣かせないで済むなら それが一番良いが、優先順位は存在する。
そして、俺が最も大事にしなければならないのは、婚約者のヴェロニカだ。リリアじゃない。
「リリア。こいつの言う通り、疲れているから少し休みたいんだ。腕を離してくれ」
「いやです」
「リリア?」
「えーん。やだやだ!やっとお会いできたのに」
「また、いつだって会えるだろう?」
駄々っ子のように俺にしがみついて、首を振っているリリアに対し、宥めるようにそう告げると、彼女は唇を噛みながら潤んだ瞳でこちらを見つめて来た。
「それじゃぁ、エミリオ様。私のお願いを聞いてくれますか?」
「なんだ? 俺にできる範囲でなら聞くが?」
「それじゃぁ、もし、私が次の聖女に選ばれたら、私をエミリオ様のお嫁さんにして下さい!」
「……はっ?」
何だって唐突に、そんなことを思いついたんだ?
突然飛び出した爆弾発言に、俺は目を見開いた。
「……いや。そんな重要なこと、俺の一存じゃ……」
「聖女との婚姻は、王族にとって誉れなんですよね? だったら、王宮は絶対許可するわ!
約束してくれなきゃ、この手は離さないんだから!」
本気か?
好意を寄せられているのは、分かっていたが、そこまでだとは思わなかった。
困惑してリリアの表情を伺い見るが、冗談を言っているようにも見えない。
現役の聖女候補は現状五名で、まだ増える可能性もあるから、こちらとしては、それほど分の悪い賭けではないが、流石に即決できる内容じゃない。
「俺には婚約者がいるんだが?」
「そんなの気にしないもん。エミリオ様が、私を一番愛してくれれば……」
それは、無理だ。
素直にそう思って、断るべく口を開こうとしたところを、戸口から聞こえた別の声に遮られた。
「流石の押しの強さですね? リリアーナさん。でも、やりすぎは禁物ですよ?
殿下が賭けに乗ってこなければ、元も子もないでしょう?」
「ジェフ……」
「ジェファーソン様……」
俺は忌々しげに小さく舌打ちをし、リリアは唇を噛みながらジェフに視線を向けた。
アイツ……。
全然気づかなかったが、さては、少し前からガーデンに来ていて、様子を伺っていたな?
だから、俺がリリアの願いを断る直前を見計らって、口を挟んだのだろう。
リリアは、ジェフの意図に気づかず、邪魔されたと勘違いしているようだが、あのままストップが掛からなければ、俺はこの場で、完全に彼女をふっていた。
つまり、ジェフが口を挟んだタイミングは、リリアにとって最良だった。
では、対する俺にとっては最悪のタイミングだったのか?と言うと、決してそうではない。
実際に、リリアが聖女に選ばれる可能性がある以上、今この場で関係を完全に切ってしまうのは、王宮と聖堂との関係を悪くしかねないから。
結果、双方にとってプラスになるタイミングだったのだ。
ジェフの、そういう小賢しいところがどうにも気にくわないが、フォローを入れてくれたのは間違いないから、文句のつけようもない。
「そういうことですから、僕に免じて、『賭けは暫く保留』ってことにしませんか? こういうのは、よく考えて、お互いが納得したところでスタートするべきです。そう思いませんか?ご婦人」
ジェフは、先程リリアが居たテーブル席に佇んでいる夫人に視線を向ける。
彼女は、その場で会釈をした
「仰る通りですわ。殿下。この度は、常識なしの娘が、大変ご無礼を致しました」
リリアの母親と思しき夫人は、深々と頭を下げた。
「いや。構わない」
「ジェファーソン様も。この度は、未熟な娘のフォローを頂き、ありがとうございました」
「いえいぇ」
「リリー。今日のところはこれで帰りましょう。家で少し、マナーを学ばないとね」
「…………はい」
がっくりと項垂れたリリアを引き連れ、夫人がガーデンを辞するのを、俺たちは苦笑いで見送った。
ドリンクを頼みに行ったジェフと一時的に別れ、護衛の騎士数人と共に近場のガーデンに足を踏み出した時、
「あれれぇ? エミリオ様だぁ!まさかこんなところでお会いできるなんて、もしかして運命?」
耳に届いた 聞き覚えのある能天気な声に、俺はうっかり そちらを向いてしまった。
過ちに気づいたのは、リリアと完全に目が合ってしまった後。
彼女は、掛けていた椅子から立ち上がると、嬉しそうにこちらにやって来て、やや不恰好ながら 淑女らしく礼をした。
そのまま満面の笑みを浮かべると、少し上目遣いに、こちらの顔を覗き込んでくる。
……しまったっ!
流石にこの状況では、気づかなかった振りでスルーすることも出来ない。
だが、うっかり話しかけたりなどした日には、絶対話が長くなる。
別に、リリアと話すのが嫌ってわけじゃないんだが、こういった公の場所では、それはあまりよく思われない……らしい。
そりゃぁ、王子が、婚約者の休憩中に、別の女性、しかも名目貴族 実質庶民の娘と二人きりで仲良く話していたら、イメージ良いわけがないよな。
まぁ……。
しばらく待てば ジェフが来るから、『俺が女性と二人きりで話していた』などといった噂を立てられることは、とりあえず ないと思うが……。
そう考えて口を開きかけ、ふと考え直した。
いや。待てよ?
確かにジェフは、ここに来るだろう。
それは間違いないが、果たして助け舟を出すだろうか?
彼奴にとって この状況は、寧ろ都合が良いかもしれない。
何故って?
リリアが俺に近づくと、大概の場合、マリーが遠慮して引くから。
今日はマリーが来ていないから、気にすることは無いのかもしれない。
だが、もし仮に、社交界で妙な噂を立てられて、それがマリーの耳に入ったら?
控えめなマリーのことだ。
リリアに譲って身を引いて、今後、俺のことを避けるようになるかもしれない。
それは、断じて困る!
すると、ここは、リリアに話しかけるべきではないな!
瞬時に答えを導き出し、俺は小さく頷いた。
……ただまぁ、挨拶を受けたのに シカトってわけには いかないから。
俺は、他の貴族たちに対するのと同様、顔に笑みを浮かべると、とりあえず片手を上げて挨拶を返し、そのまま通り過ぎようとした。
相手が 常識のある まともな貴族であれば、これで大体理解する。
つまり、『今は立場上話せない。どうしてもということならば、婚約者が同席しているときに出直してくれ』という、やんわりとした拒否だ。
だが……よく考えたら、リリアに常識を求めても無駄だった。
「えぇ? ちょっと待ってくださいよぅ。エミリオ様。リリア、ちょっとだけで良いから、エミリオ様とお話ししたいですぅ!」
リリアは慌てて俺に駆けよると、両手を胸の前で組み、上目遣いで甘えた声を出す。
そしてそのまま、腕にしがみついて、彼女の胸のあたりを俺の腕に押し付けて来た。
……相変わらず、ダイレクトに肋骨の感触しか しないわけだが。
「っう……あ、あぁ。そうか。気持ちは嬉しいが、腕を組むのはダメだ。離してくれないか?」
「いやっ。いやっ!」
リリアは首を左右に振って、頬を膨らませてみせた。
おいおい……。
俺は苦笑を浮かべる。
参ったな。
だが……まぁ、ある意味可愛いらしく見えないこともない。
この天真爛漫さは、庶民ゆえなのか、それともリリアが元々持っている性格なのか。
こんなことを言ったらヴェロニカに叱られそうだが、正直、悪い気はしない。
『俺と話したい』って言う素直な気持ちを、ここまでストレートに言葉や態度に出してくる奴は初めてだし。
社交界のルールやマナー。
ここ数ヶ月の間、教育係のマダムにきっちり習ったから、俺にとっては、既に当然のことになりつつあったが、俺もつい最近まで似たかよったか……いや、もっと酷かった自覚があるから、リリアばかりを責められない気もするしな……。
リリアの髪からふわりと苺みたいな甘い香りがして、『少しの間だけなら、まぁ良いか』などと絆されそうになる。
…………。
いいや!駄目だろう。
今、一瞬何を考えた?
慌てて頭を振って、俺はリリアの腕を押した。
「リリア。駄目だ。そういう決まりだから」
「どうして? 初めて会った時は、そんなこと言わなかったのに。決まりなんて知らない! 私は、エミリオ様と一緒にいられるだけで良いのに……」
目元を潤ませるリリアに、どう対処したら良いのか分からなくなる。
泣くほど俺と一緒にいたいと言ってくれているのに、それを許さないとか、俺ってもしかして酷い奴?
いや。しかし、決まりが。
だが、決まりのために人を泣かせて良いのか?
そのルールは間違っていないか?
ぐるぐる考えていたら、俺の横にユリシーズが立った。
彼奴は眉間に皺を寄せ、リリアに向かって硬質な口調で告げる。
「失礼? 御令嬢。エミリオ王子殿下は、長時間のご公務で、大変お疲れなのです。どうかお手を離して頂きたい」
「何このオッサン。こわーい! エミリオ様、助けて?」
「オッさん……⁈」
不満げに、ボソっっと呟かれたユリシーズの声にクスッときて、そこで急激に 思考が正常に戻った。
なんだか、今、ちょっとぼーっとしてたみたいだ。やっぱり、疲れているんだろうか?
ルールを破るのは、当然、まずいに決まっている。
そりゃぁ、誰も泣かせないで済むなら それが一番良いが、優先順位は存在する。
そして、俺が最も大事にしなければならないのは、婚約者のヴェロニカだ。リリアじゃない。
「リリア。こいつの言う通り、疲れているから少し休みたいんだ。腕を離してくれ」
「いやです」
「リリア?」
「えーん。やだやだ!やっとお会いできたのに」
「また、いつだって会えるだろう?」
駄々っ子のように俺にしがみついて、首を振っているリリアに対し、宥めるようにそう告げると、彼女は唇を噛みながら潤んだ瞳でこちらを見つめて来た。
「それじゃぁ、エミリオ様。私のお願いを聞いてくれますか?」
「なんだ? 俺にできる範囲でなら聞くが?」
「それじゃぁ、もし、私が次の聖女に選ばれたら、私をエミリオ様のお嫁さんにして下さい!」
「……はっ?」
何だって唐突に、そんなことを思いついたんだ?
突然飛び出した爆弾発言に、俺は目を見開いた。
「……いや。そんな重要なこと、俺の一存じゃ……」
「聖女との婚姻は、王族にとって誉れなんですよね? だったら、王宮は絶対許可するわ!
約束してくれなきゃ、この手は離さないんだから!」
本気か?
好意を寄せられているのは、分かっていたが、そこまでだとは思わなかった。
困惑してリリアの表情を伺い見るが、冗談を言っているようにも見えない。
現役の聖女候補は現状五名で、まだ増える可能性もあるから、こちらとしては、それほど分の悪い賭けではないが、流石に即決できる内容じゃない。
「俺には婚約者がいるんだが?」
「そんなの気にしないもん。エミリオ様が、私を一番愛してくれれば……」
それは、無理だ。
素直にそう思って、断るべく口を開こうとしたところを、戸口から聞こえた別の声に遮られた。
「流石の押しの強さですね? リリアーナさん。でも、やりすぎは禁物ですよ?
殿下が賭けに乗ってこなければ、元も子もないでしょう?」
「ジェフ……」
「ジェファーソン様……」
俺は忌々しげに小さく舌打ちをし、リリアは唇を噛みながらジェフに視線を向けた。
アイツ……。
全然気づかなかったが、さては、少し前からガーデンに来ていて、様子を伺っていたな?
だから、俺がリリアの願いを断る直前を見計らって、口を挟んだのだろう。
リリアは、ジェフの意図に気づかず、邪魔されたと勘違いしているようだが、あのままストップが掛からなければ、俺はこの場で、完全に彼女をふっていた。
つまり、ジェフが口を挟んだタイミングは、リリアにとって最良だった。
では、対する俺にとっては最悪のタイミングだったのか?と言うと、決してそうではない。
実際に、リリアが聖女に選ばれる可能性がある以上、今この場で関係を完全に切ってしまうのは、王宮と聖堂との関係を悪くしかねないから。
結果、双方にとってプラスになるタイミングだったのだ。
ジェフの、そういう小賢しいところがどうにも気にくわないが、フォローを入れてくれたのは間違いないから、文句のつけようもない。
「そういうことですから、僕に免じて、『賭けは暫く保留』ってことにしませんか? こういうのは、よく考えて、お互いが納得したところでスタートするべきです。そう思いませんか?ご婦人」
ジェフは、先程リリアが居たテーブル席に佇んでいる夫人に視線を向ける。
彼女は、その場で会釈をした
「仰る通りですわ。殿下。この度は、常識なしの娘が、大変ご無礼を致しました」
リリアの母親と思しき夫人は、深々と頭を下げた。
「いや。構わない」
「ジェファーソン様も。この度は、未熟な娘のフォローを頂き、ありがとうございました」
「いえいぇ」
「リリー。今日のところはこれで帰りましょう。家で少し、マナーを学ばないとね」
「…………はい」
がっくりと項垂れたリリアを引き連れ、夫人がガーデンを辞するのを、俺たちは苦笑いで見送った。
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

妹が聖女の再来と呼ばれているようです
田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。
「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」
どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。
それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。
戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。
更新は不定期です。

私は聖女(ヒロイン)のおまけ
音無砂月
ファンタジー
ある日突然、異世界に召喚された二人の少女
100年前、異世界に召喚された聖女の手によって魔王を封印し、アルガシュカル国の危機は救われたが100年経った今、再び魔王の封印が解かれかけている。その為に呼ばれた二人の少女
しかし、聖女は一人。聖女と同じ色彩を持つヒナコ・ハヤカワを聖女候補として考えるアルガシュカルだが念のため、ミズキ・カナエも聖女として扱う。内気で何も自分で決められないヒナコを支えながらミズキは何とか元の世界に帰れないか方法を探す。

聖女のわたしを隣国に売っておいて、いまさら「母国が滅んでもよいのか」と言われましても。
ふまさ
恋愛
「──わかった、これまでのことは謝罪しよう。とりあえず、国に帰ってきてくれ。次の聖女は急ぎ見つけることを約束する。それまでは我慢してくれないか。でないと国が滅びる。お前もそれは嫌だろ?」
出来るだけ優しく、テンサンド王国の第一王子であるショーンがアーリンに語りかける。ひきつった笑みを浮かべながら。
だがアーリンは考える間もなく、
「──お断りします」
と、きっぱりと告げたのだった。

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています

『伯爵令嬢 爆死する』
三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。
その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。
カクヨムでも公開しています。

〖完結〗私は旦那様には必要ないようですので国へ帰ります。
藍川みいな
恋愛
辺境伯のセバス・ブライト侯爵に嫁いだミーシャは優秀な聖女だった。セバスに嫁いで3年、セバスは愛人を次から次へと作り、やりたい放題だった。
そんなセバスに我慢の限界を迎え、離縁する事を決意したミーシャ。
私がいなければ、あなたはおしまいです。
国境を無事に守れていたのは、聖女ミーシャのおかげだった。ミーシャが守るのをやめた時、セバスは破滅する事になる…。
設定はゆるゆるです。
本編8話で完結になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる