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第五章

いかにも。私、全てを聞いておりました。んっふっふ。

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(side ローズ)


「お待たせ~っ!ちゃんと乙女を救出 出来たかしら? ご褒美、貰いに来たわよ~!」

 
 なんの前触れもなく開いた扉。

 両手を広げて庭園に出て来たのは、何やらご機嫌な表情のスティーブン様だった。

 と、その後ろから、後を追いかけて来たらしい二人の騎士が顔を出す。


「『私を連れていきなさい』って、言ったくせに、一番最初に突入してどうするんですか⁈」


 息を切らして走り寄り、苦言を言いつつ彼を押し退けたのは、ジュリーさん。

 私の横にしゃがんでいるエミリオ様を見つけて、慌ててこちらに駆けてくる。

 その後ろから、凄い勢いで、もう一人の騎士こと、お兄様も追従する。
 そして二人は、ほぼ同時に言葉を放つ。


「殿下っ!お怪我はありませんか?」
「ローズ!無事か?」


 わたしとエミリオ様は、思わず顔を見合わせた後、申し合わせたような苦笑いで、ほぼ同時に答えた。


「……ああ。大事ない」
「……はい。大丈夫です」


 二人が、胸を撫で下ろすのを見て、居た堪れない気分になる。
 
 たくさんの人に、あれほど注意して頂いたのに、こんな大事件に巻き込まれてしまうなんて、我ながら情けない。

 反省して肩を落としていると、お兄様に抱きしめられた。


「っ全く!お前は……どれだけ心配したと……!」


 お兄様が絞り出すように呟く声に、視界が潤んでいく。


「ごめんなさい」


 その広い胸に顔をうずめると、ようやく落ち着いた心地がした。

 ああ。
 もう大丈夫だわ。


「あまり叱らないでやってくれ。専属の聖騎士が 聖女様の名を語って、ここへ連れて来たらしい」


 言いながら、エミリオ様は扉の横を指差す。
 そこには、泡を吹いて気絶しているターナーさんがいた。

 ……光の騎士様の壁ドン(?)の威力、凄まじいわ。


「ちょっと!……状況を聞こうにも失神しちゃってるじゃない。そういえば、今、結構大きな音がしたけど、貴方一体何をしたの?」


 扉の前にいたスティーブン様が、少し離れて立っている光の騎士様を、ジト目で睨むと、光の騎士様は一拍置いて、スティーブン様から顔を背けた。

 スティーブン様の顔が、引き攣り笑いに歪む。

 彼は、ツカツカと光の騎士様に歩み寄り、腕を掴み上げた。


「ちゃーんと、私のお顔を見なさい?  そうしないと、痛いところ、思いっきり押すわよ?」


 その発言を受けて、スティーブン様に視線を戻す光の騎士様。

 痛いところ?

 よく見ると、スティーブン様に掴まれている光の騎士様の腕には、力任せにつかまれたような、真っ青なアザが……痛そう。


「全く……やりすぎよ」


 頬を膨らませるスティーブン様に対し、光の騎士様は、顔を左右に振った。

 無口な方なのかしら?
 彼は、声こそ出さないけれど、微妙に不満げな雰囲気を醸し出していて、なんというか……ちょっと可愛い。

 二人は、とっても仲が良さそうだけど……。


「まぁ良いわ。それより、魔力たっぷり使っちゃったから、返してちょうだい。貴方の、熱ぅいキスで!」

「「「 っ⁈⁈ 」」」
 

 場の空気が、一瞬固まった。

 え?……あ。
 つまり、光の騎士様は、スティーブン様の?

 そう言えば、先程ロビーで、スティーブン様が 恋人の騎士にキスをして、騒ぎになったとか……。
 と、言うことは、彼がその?
 

 言われて、妙に納得する。

 どうして光の騎士様が、見ず知らずのわたしを助ける手伝いをしてくれたのか。
 
 先ほどのジェフ様の詩。

 きっと、あれを何処かでスティーブン様が聞いていて、光を放てる彼を送り込んでくれたってことだわ。
 

 ……あれ?

 でも、それだと、ご褒美貰うのは、光の騎士様の方ってことに?

 そんなことをごちゃごちゃ考えていた矢先、光の騎士様は 小さく息を落とすと、こちらに背を向ける形でスティーブン様の前に進み出た。
 そして、スティーブン様の束ねられた長い髪に手を伸ばすと、指を絡めてそっと引く。
 髪を引かれて、スティーブン様が前傾姿勢になったところで、二人の頭のシルエットが重なった。

 耳に届いたのは、周囲の人たちが息をのむ音。
 
 と、その時。
 間が良いのか、悪いのか。


「ステファニー様。下の方は適当に誤魔化しときましたけど、こっちは大丈夫でしたか? ……っ⁈ 」


 尋ねながら、庭園に出てきたユーリーさんが、その場で固まる。

 そこから、たっぷり十数秒。

 その場にいる人たちは、誰も口を開くことができず、二階の舞踏会会場から流れてくるワルツだけが、やけに大きく聞こえていた。


 ええと。
 これ、どう収拾するの?

 などと思っていたら、スティーブン様が満面の笑みで、ガバッと顔を上げた。


「んもう……。
 レインったら、お茶目なんだからっ!そういうところ、たまらないわぁ。
 オーケー。あとは任せなさい」


 うわぁっ。
 機嫌良さそう。

 スティーブン様は、そのまま斜め後方に首をめぐらせる。


「丁度良いところに来たわね、ユーリー。そろそろ時間だから、この子の手配、お願いできる?」

「……了解です」


 いち早く、正常な思考回路に戻ったらしいユーリーさん。
 引き攣り笑いで頷く。

 すると、光の騎士様……今、レイン様と呼ばれていたけど……は、何事も無かったかのようにスタスタと進み、ユーリーさんの横に並んだ。

 ……あ。
 行ってしまう!


「あのっ!」


 思わず大きな声が出て、全員の視線がこちらに向く。

 しまった。
 少人数とは言え、流石に はしたなかったかしら。

 でも、お礼だけは言わないと。


「助けて頂き、ありがとうございました。いずれ何か、お礼をさせて下さい」


 本来、座ったままでは失礼だけど、すぐに立ち上がるのは難しそうなので、そのまま頭を下げる。

 光の騎士様は、小さく首を横に振った後、横にいるユーリーさんに 何か耳打ちをして、美しい騎士の礼を残し、庭園から出て行った。


「ローズさん。『職務ですので、お気遣いなく』だそうです。
 では、ステファニー様。おれ、少し外しますけど?」

「ええ。後でエミリオ様の控室に集合ね。そうそう。ついでに、聖騎士のライアン氏にも声をかけて頂戴。 出来たら屋上まで来て欲しいんだけど……」

「了解」


 そう言うと、ユーリーさんも庭園を後にする。


「それじゃ、ライアン氏が来るまで、ジェフ。簡単に説明してくれる?」

「ええ。でも、その前に、足を見てあげてください。素人判断だと、少し心配なので」


 ジェフ様がそう言うと、スティーブン様はこちらに寄ってきた。
 お兄様とジュリーさんも、わたしの右足を覗き込み、顔をしかめる。
 ジュリーさんが、心配そうに声をかけてくれた。


「これは……痛かったでしょう? かなり腫れてしまっている」

「僕が来た時には、既に痛めていた様だったけど?」


 ジェフ様に尋ねられ、わたしは、ジェフ様が来てくれるまでの経緯を、ざっくりと説明した。


「あの聖騎士が……折角だから、もっと痛めつけて貰えば良かったな」


 エミリオ様が憎々しげに唇を噛み、ジェフ様も憮然とした顔で、同意する様に頷く。


「更に、動きを止めるために兄に蹴られて……本当にごめんね。ローズちゃん」

「いえ!ジェフ様のせいでは」

「責任をとらせてくれるなら、僕がいくらでもとるんだけど……」

「それはダメだ」


 エミリオ様が瞬時につっこみ、周囲の張り詰めた空気は、幾分柔らかいものになる。

 以前から思っていたけど、息がぴったりですね。
 お二人は、とても仲が良くていらっしゃる。


「ずっと痛いか?ローズ」


 足に触れていたお兄様に問われ、わたしは首を捻る。


「どちらかと言うと、触られた時と、動かす時が痛いです」

「なら、多分折れてはいないが、固定して冷やして、様子見だな。今日は動かない方がいい」

「……はい」


 それは、自分の不注意が招いたことだから仕方がない。


「そうか。残念だが、ダンスは次の機会だな」

「折角お誘い頂きましたのに、申し訳なく思います」


 残念そうにエミリオ様が仰るので、その場で丁寧に詫びた。


「どのみち、ドレスがそれでは、舞踏会には戻せないわね。この事件についても、もう少し詳しく聞かないといけないし」


 スティーブン様が仰るので、わたしは頷く。

 確かに。
 転んでしまったので、あちこち土で汚れてしまっている。


「スティーブン様も、ご助力頂き、ありがとうございました」

「あら。本当に良い子ね。気にしないで? 私は、ジェフからご褒美貰うから」

「さっき、貰ってたじゃないですか……」

「それはそれよ?」


 二人の気の置けない会話に、笑みが溢れた。

 多分、わたしの負担にならないように、して下さったのね。

 皆さんの気遣いに、心が温かくなる。

 ジェフ様は、苦笑いをなさっていたけど、しばらくして表情を引き締めた。


「それで、どうなりますか?」


 スティーブン様が、すっと目を細めたので、その場の全員は口を閉ざした。


「エミリオ様は、いつこちらへ?」

「ジェフが来た直後だな。マリーがここにきて、聖騎士が道を塞いだのが見えたから、慌てて駆けつけた」

「では、そこまでの会話は?」

「いや」

「それだと、少々不利ですわね」

「何故だ?」

「『彼女が、自らフランに会いに来た』そう口裏を合わせられた場合、覆す確実な証拠がないので」

「ああ。さっき、アレがそんなことを言ってた」


 未だ倒れているターナーさんを見ながら、エミリオ様は顔を顰める。


「すると、『事件化しない』ということですか?」


 ジェフ様は、眉をひそめる。
 それを受けて、立ち上がったのはお兄様。


「それは、彼らを罪に問えなくなる、ということですか?」

「オレガノ君、貴方の気持ちは、分かるわ。
 でも、下手に事件化すると、逆に彼女のイメージが悪くなる可能性もあるの。
 今回、彼女は手を出されていない。
 それは、私が保証するけど、こういう事件があると、必ず好奇の目に晒されることになる。
 私は、内密に済ませることを、おすすめするわね」


 スティーブン様の意見は、もっともだった。
 無事助けていただいたけど、襲われかけたのは事実。
 妙な噂を流されてしまうと、わたしは最悪、聖女候補を外される。
 

「わたくしは、スティーブン様の指示に従います」

「ローズ……」


 お兄様は、眉を寄せていたけど、他に良い手も浮かばないようで、項垂れた。
 スティーブン様は、優しく微笑む。


「賢い娘は好きよ。私に任せておきなさい。悪いようにはしないわ」


 スティーブン様の目を見ながら頷くと、彼は立ち上がる。
 そして、南側に建てられた四阿に顔を向けると、声を張った。


「そう言うことですから、いい加減隠れてないで出ていらっしゃいな」

「あら? 気付いていたなら、先に言ってよ。しゃがみこんでいたから、疲れちゃったわ」


 可愛らしい声で返答があって、驚きのあまりそちらを向くと、二人の御令嬢が姿を表していた。

 最初にこちらにやって来たのは、何と!クリスティアラ王女殿下!

 エミリオ様とスティーブン様以外は、慌ててその場で頭を下げる。


「顔をあげて? 驚かせてしまったわね」

「本当ですわ。クリス姫。お付きのものが血相を変えておりましてよ? 今すぐ控室にお戻り頂けるかしら?」

「ええ。貴方の言う通りに、ステファニー。エスコートはどなたがして下さるの?」

「私、と言いたいところですけど、生憎、この場を頼まれてしまいました。ですから、ここはエミリオ様とジュリーにお願い致しますわ」

「え゛っ?   俺か?」

「お願いするわ。エミリオ」


 突然話を振られて、エミリオ様は狼狽えていたけれど、渋々立ち上がり、姉である王女殿下に手を差し伸べる。


「後でどうなったか、ちゃんと話せよ?」

「御意」


 エミリオ様は、返事をするスティーブン様に、一つ頷くと、三人で庭園から出て行った。
 丁度それと入れ違いになって、聖騎士ライアンさんがこちらにやって来る。

 わたしたちの前に、未だ佇んでいるのは、ショッキングピンクのドレスに身を包んだ、豊満な体のご令嬢。

 ええと。どなた?


「先ほどは、どうも? ビアンカ様」

「スティーブン様からお声がけ頂けるなんて、光栄ですわ。でも、いつお気付きになったの?」

「それは秘密よ」


 スティーブン様には、唇の前に人差し指を立てる。


「それより、教えてくださる? 二人の殿下が来るより前から、貴女はここに居て、話を全て聞いていたのではなくて?」


 ビアンカ様と呼ばれた御令嬢は、顔の前でたおやかに扇を開くと、クスクス笑った。


「いかにも。私、全てを聞いておりました。んっふっふ」

「っ!」


 え?
 ずっと、そちらの影にいらっしゃったの?


「誤解しないでほしいのだけど、私も彼らに拘束されておりましたの。先程ようやく王女殿下に、縄を解いて頂いたのですわ」


 そう言いながら、上に掲げられた両腕には、くっきりと縄の跡が。


「何てことを!酷いっ!」


 わたしだけじゃなかったなんて!
 なんて外道なの⁈ 信じられない!


「んふっ。正義感の強い娘。
 私、貴女のようなタイプは嫌いですけど、今回は味方をして差し上げてよ?」

「?」


 何故だか いきなり嫌われて、それなのに味方する?
 ちょっとよく分からないんですが?
 
 彼女は、視線をジェフ様にうつし、甘えた声をだす。


「ねぇ、ジェファーソン様。私、貴方のお義姉ねえ様に、なりたいんですの。いかが?」


 ???

 言っていることの意味がよく飲み込めずに、目を白黒させているわたしの横で、ジェフ様がクスクス笑い出した。


「なるほど。そんなことで、こちらに味方して下さるので? 」

「なんでしたら、あちらに転がっている騎士たちも、全部面倒みましてよ?」

「それは、僕にとっては願ったりですがね。どうでしょう? ステファニー様」

「良いんじゃない? 騎士としては死んだも同然らしいから、どうせ明日にも離職することになるでしょうし」


 三人は、悪い顔で笑う。

 ええと?
 暗黒オーラが半端ない上、どういうことで決着したのか、イマイチよく分からないんですが?


「後は、そこの聖騎士だけど……それに関しては、ライアン様と、じ~っくり相談しないとね?」


 スティーブン様にウィンクしながら言われて、全く状況が分かっていないライアンさんは、タジタジと冷や汗を浮かべた。
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