上 下
151 / 272
第五章

かくれんぼ in 王宮

しおりを挟む
(side エミリオ)


 王族関係者席に戻ると、青ざめて今にも泣き出しそうな顔の正妃様を、父様が宥めていた。

 俺と同時期に、姉様の状態を聞いたらしい側妃の母様は、心配そうに眉を寄せているが、口元にほんのわずかな笑みを浮かべている。
 今までとは、立場が逆転したから、喜びが隠せないんだろう。

 俺の考えなしの行動が、いかに母様のストレスになっていたかが分かり、反省しきりだ。

 その他の王家血筋の客人たちは、詳しい内容を知らされていないままの退席に、不満気だったり、不安そうにしていたり、その反応は まちまちだ。
 
 足を止めると、俺を見つけたらしいヴェロニカが直ぐにこちらに寄って来て、状況を教えてくれる。


「エミリオ様、周囲を捜索していた王女殿下付きの騎士が戻りましたが、やはり、みつからなかった様です」

「分かった。当時の配置など幾つか聞きたいから、配置人員にはここに集まってもらう。団長、頼めるか?」

「了解」

「うん。それから、ハロルド。大雑把な物で良いから、王宮内の見取り図を用意してくれ」

「王宮内全てですかな?この棟だけでなく」

「ああ。全部だ」

「かしこまりました」


 二人に指示を出した後、俺は姉様が掛けていた椅子に座り、会場を眺めた。
 そこは、王族席の一番後方の奥まった席で、外敵から守るには打ってつけの場所。
 袋小路になっていると思われがちだが、実は、有事の際の抜け道が幾つか有ったりする。

 団長に連れられ、やって来た姉様付きの騎士たちに、居なくなった当時の警備配置について貰うと、想像していた通り、背面には人がいなかったことが分かった。

 逃げた場所が背後に限定されるなら、俺の知る限り、抜け道は二つ。
 その他に、隠し小部屋が一箇所。

 小部屋は、内部の反逆から身を守るためのもので、王宮に住んだことのある王族と、王族専属執事など、一部の人間しか知らない。

 隠し通路に関しても、一つは同様だが、もう一つに関しては、王族でも知らないかもしれない。
 これは、小さい頃に姉様と探検ごっこをしていて、偶然見つけたものだ。

 何れのルートも、一般の職員や騎士たちには知られたくないわけだが、姉様が見つからないのではどうしようもない。

 さて、どうやって探して貰うかな。

 ハロルドから、王宮全体の見取り図を受け取り、しばらく考えてから、一部の人間なら知っている抜け道の出口周辺三カ所を、広めにペンで囲った。
 ピンポイントで伝えると、反逆を目論む者に、出口の場所を教えてしまいかねないから。
 

「見当違いになるかもしれないが、俺付きの騎士たちを三班に分けて、このあたりをしらみつぶしに探してもらう」

「ふむ。抜け道の出口周辺ですな」
 
「ああ。ハロルド、お前と団長は、緊急避難用の小部屋と抜け道を知っているな?」

「もちろんです」

「よし。では、他の人間に気取られないように、二人は内部を探してくれ。留まっている可能性は低いけど、一応潰しといた方が良いだろう?」

「仰る通りですな」


 ハロルドは、感心したように答え、団長は頷いた。


「姉様付きの騎士は、姉様の部屋のある棟を集中的に探させてくれ。戻ってくる可能性がある。俺は、個人的に気になる場所があるから、そこを見てくるつもりだ。……やっぱり一人じゃ不味いか?」

「不味いですね」


 即答する団長に、苦笑いする。
 

「この状況で、俺まで逃げたりしないぞ?」

「そこは心配しておりません。ですが、安全上の問題が。せめて、信頼出来る護衛を二人くらいは、お連れ下さい」

「ふむ。それなら……ジュリーとオレガノで良いか?」

「結構です」

「よし。では、会場から王族が退席した後、団長から、捜索担当の騎士に指示を出してくれ。ジュリーとオレガノは、俺の控え室まで同行してもらう」

「了解」


 返事を聞いて立ち上がる。

 これで、逃げ道は粗方潰した形になるが、時間の経過とともに、行動範囲は広がるわけだから、ここからは時間との勝負になる。

 王族連が全員立ち上がり、しずしずと退席を始める中、先頭を行く父様の後ろについて、早い段階で会場から出た。


「エミリオ、頼んだぞ」


 正妃様の肩を抱いて進む父様が、俺に視線を向けてきたので、一つ頷き、先行して自分の控室に戻る。

 俺の後ろには、団長の指示を受けてついて来た、ジュリーとオレガノ。

 ジュリーは、普段通りの表情で飄々としているが、オレガノは、不安げに眉間に皺を寄せている。
 何かあったことだけは分かっているだろうが、詳しいことは聞かされていないから、オレガノの反応の方が普通だろうな。
 
 そう思いながら、控室の中に入り、
 
 
「もう舞踏会は、お開きですか?」


  とんでも無いところから、聞き覚えのある声がして、驚いて振り返った。

 俺が口を開く前に、オレガノが俺を庇い、ジュリーの剣が唸りを上げる。


「貴様。今日は、王宮の外周警護の割り当てだろう?どうやって、ここに入った」


 声の主、剣の切っ先を喉元に突きつけられて、両手を上げた状態のユーリーは、額に冷や汗を浮かべながら、愛想笑いを浮かべている。


「お許し頂けるならば、弁明の機会を。 ジュリー副長?」

「ならん。この場で切り捨てる」

「そう仰らず。別に、悪事を働いていたわけでは」

「問答無用」

「怒った顔も凛々しくて素敵ですけどね?どうか話を聴いてください。オレガノ君も、何とか言ってくれ」

「いや。流石に弁解の余地が無いかと」

「そんな薄情な……」


 笑顔を引き攣らせ、冷や汗を浮かべるユーリー。
 だが、流石に言い訳するには厳しかろう。

 ユーリーは、俺の控室の中。
 誰もいないはずの、扉横の壁付近から、突然現れたのだから。

 唯一あるのは、衣装棚のみ。
 部屋の外には、俺付きの騎士が二人で扉を守っていた。
 つまりは、密室に忽然と現れたってことになる。

 ま、実際は密室じゃ無いから、いきなり現れるのは不可能では無いんだが、問題は、ユーリーが何故その抜け道を知っていたのかってことだな。

 ジュリーも、抜け道の存在は当然知っていたから、比較的反応が速かったんだろう。
 何も知らないオレガノが、咄嗟に俺とユーリーの間に入ったのは、流石の判断力ってところだ。


「おれは、ステファニー様からの密命で、こちらに伺っただけで。少々、不自然な動きをしている人間がおりましたのでね?」
 
「ほう。お前以上に不自然な動きの奴がいるのか?」

「これは、手厳しい」

「それで?上官命令を無視してまで、ステファニー様に従ったようだが、では、抜け道みちを使ったのも、ステファニー様の指示か?」

「いえ。それに関しては、『おれ自身が知りうる立場にある』とだけ。どうかお察しください」


 そう言うと、ユーリーは制服の襟元を寛げて、ジュリーにだけ見えるように、徽章の裏側を見せたようだった。


「お前……それ」

「ええ。ご内密に」

「……わかった。但し、後で説明だけは、して貰うぞ」

「おや? 食事のお誘いですか? それは光栄……おっと」


 一度下げられた剣の切っ先が、再度ユーリーの首元にあてられたのは、言うまでもない。
 
 あいつ……まさか馬鹿なのか?

 いや、逆か。
 多分、ものすごく有能なんだろう。
 今だって、ジュリーに気が有ってじゃれついている様に見えなくもないが、交渉を成立させた。

 証拠に、ジュリーはどうやら、彼奴を切り捨てるのを思いとどまった様だしな。

 そもそも、俺付きの騎士団に所属しているとは言え、平騎士が、隠し通路の位置まで把握出来るわけがない。
 知っているのは、団長とせいぜい副官クラスだけのはずだ。

 だけど、知りうる立場だと言った。

 模擬戦での戦い方なんかを思い出しても、確かに、門兵などに置かれる様な人材じゃないもんな。
 
 まぁ、とりあえずは良いか。
 ジュリーが信用できると判断したなら、問題無い。
 事情があって、今のところ明かすつもりはない様だが、状況が変われば、俺にも話してくれるだろう。


「で? 不自然な動きをしている、人間ってのは?」


 俺が尋ねると、ユーリーは、こちらに向き直った。


「はい、殿下。聖女候補の一人、プリシラ様と仰る方ですが、先ほど落とし物と偽って、ジェファーソン様に会いに来ましてね」

「それの、どこが不自然なんだ?」

「聖堂の関係者が言うには、ジェファーソン様が、今日こちらで仕事をしているといった情報を、聖堂職員は持っていなかった様なのです」

「つまり、誰かがプリシラとやらに話したってことか?」

「ええ。先ほど、担当聖騎士にそれとなく聞いてみましたら、舞踏会が始まってから慌て始めたそうなので、その辺りで接触した人物から、情報を貰ったと思われるのですが」

「それの何処が問題なんだ?」

「はい。その、情報を渡した人間が問題でして。ジェファーソン様が予測していましたが、担当聖騎士の話を聞いてみても、どうやら、フランチェスコ様のようなのです」

「フラン? あいつが、ジェフとプリシラとやらを、くっつけようとしたってことか?」

「いえ。フランチェスコ様の性格を考えれば、そんな気の利くことはしないかと。『同等の情報を交換したのではないか?』と言うのが、ジェファーソン様のヨミです」

「情報?」


 何の情報だろうか?
 イマイチ、ピンと来ないが、フランならば、先ほどマリーに、執拗なまでにちょっかいをかけていた。


「さっき、マリーに絡んでいて追い払ってやったんだが、そういやその後、見なかったな」

「ローズマリー様にですか? なるほど。するとまさか、フランチェスコ様の狙いは……」

「……冗談でしょう? 妹とフランチェスコ様には、一切接点は無いはずです」


 オレガノが、焦ったように口を挟む。


「『綺麗な女性は、手当たり次第』がモットーのような人物ですので、単純に標的になっている可能性も十分ですけど」

「そんな……」


 オレガノが顔を青くする。
 全く心配性だ。


「さっき追い払ったし、マリーは、今、会場にいるから大丈夫だろう?」

「会場?つい先ほど見た時には、いませんでしたが?」

「なに?」


 訝しげな表情をするユーリーの言葉に、眉を寄せる。


「王族席がごちゃつき始めた時、おれも会場で聖騎士から話を聞いていましたが、見かけませんでしたけどね?」

「直ぐ戻るから、待っているように言ったんだが?」

「女性ですから、お化粧直しかもしれません。それに、護衛の聖騎士がついていますから……」


 ジュリーが、なだめるような口調で言ってきたが、何だか胸騒ぎがする。

 しばらく、考えるように顎に触れていたユーリーは、小さく頷くと、提案してきた。


「念のため、ローズマリー様の控室に寄って、様子を見ておきましょうか?」

「そうだな。でも、外からだぞ? 部屋の中に入るのは無しだ」


 マリーは綺麗だからな。
 変な気を起こさないとも限らない。


「了解しました。『外から』。誓って、お約束致します。……ええと、それで、王族席では一体何が起きたのでしょう? お手伝いは、必要ですか?」

「ああ……そういやお前、スティーブンから言いつかって来たとか、言っていたか?」

「はい。この後、報告に参りますが?」

「では、ついでに伝えてくれないか?『今、かくれんぼしているんだけど、お前もやらないか?』ってな」

「……!それは……。了解しました。急ぎ、お伝えします」

「頼む」


 あれだけで、意味を理解したか。
 やはり有能だな。
 同時に、彼奴は、姉様の状態を知っている人間だってことも分かった。
 場合によっては、父様直属の影かもな。

 一つ頷くと、ユーリーは、窓から外へ出ていく。

 って!おい!
 ここ、宮殿の三階っ!

 まぁ、身体能力高そうだから、大丈夫か。


「さて。マリーのことも心配だが、とりあえずは、かくれんぼだ。一度宮殿から出て、北東の塔まで行くぞ」

「「塔ですか?」」


 目を剥く二人に、笑みを返す。


「ああ。塔だ。意味が分からないだろうが、ちゃんと団長に許可をとってあるから、大船に乗ったつもりで、ついて来い」


 一瞬、嫌そうな顔をしたオレガノに、苦笑しつつ、俺たちは部屋を後にした。

 




 屋上庭園……。

 舞踏会の会場から三階ほど上がった宮殿の屋上に、それは有った。

 宮殿で会が催される時、ここは決まって、成立したカップルたちの逢瀬の場所となる。

 一部の貞操観念の低い人間からも、人気の場所だ。
 なんと言っても、咲き乱れる花々や、方々にある小さな四阿のお陰で、死角が出来やすいから。


 フランは、四阿の壁面に寄りかかって、今日の獲物がやって来る予定の扉を、舌舐めずりをしながら、眺めていた。

 彼の周囲には、茂みに身を隠している数人の護衛の騎士たち。

 今回ばかりは、必ずモノにするため、ジェフに嗅ぎつけられても大丈夫なように、現役騎士の友人たちに頼んでいた。


(幾らあいつの腕が立つからって、流石に現役騎士六人の相手はキツかろう。その間に、彼女の唇を奪えれば、僕の勝ち)


 フランは、ほくそ笑む。

 ジェフの、絶望に歪んだ顔を見るのは久しぶりで、それを想像するだけで、彼は興奮を禁じ得なかった。


「本当に、俺らにも良い思いをさせてくれるんでしょうね?」

「勿論だとも。婚姻後は、好きに遊んでくれて構わないって、約束だろう?」

「楽しみだ」


 舌舐めずりをする騎士に、フランチェスコは、笑みを返す。

 
ーーカチャ


 小さな音を立てて、開いた扉の先。
 

「あぁん!フランチェスコさまぁ!」


 そこに立っていたのは、ホワイトオーク……もとい、ビアンカ=オークウッド嬢。

 フランは軽くコケつつ、それでも笑顔で優しく彼女を迎え入れる。


「やぁ、ビアンカ。こんなところでどうしたんだぃ?」

「私、貴方様をずっとお慕いしていて。どうか一晩で良いの。私を……」

「そう。この後は予定があって。でも……」


 そう言って、フランは、夢見心地のビアンカの腕に、自然な仕草で縄をかけ、四阿の椅子に固定する。


「今日は相手を抱けないから、消化不良だったんだ。君たち喜びなよ?遊んで良いって」


 護衛たちが笑う中、フランは再び、扉に視線を向けた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。

友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」 貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。 「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」 耳を疑いそう聞き返すも、 「君も、その方が良いのだろう?」 苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。 全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。 絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。 だったのですが。

王命を忘れた恋

須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』  そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。  強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?  そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】薔薇の花をあなたに贈ります

彩華(あやはな)
恋愛
レティシアは階段から落ちた。 目を覚ますと、何かがおかしかった。それは婚約者である殿下を覚えていなかったのだ。 ロベルトは、レティシアとの婚約解消になり、聖女ミランダとの婚約することになる。 たが、それに違和感を抱くようになる。 ロベルト殿下視点がおもになります。 前作を多少引きずってはいますが、今回は暗くはないです!! 11話完結です。

番から逃げる事にしました

みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。 前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。 彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。 ❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。 ❋独自設定有りです。 ❋他視点の話もあります。 ❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

何を間違った?【完結済】

maruko
恋愛
私は長年の婚約者に婚約破棄を言い渡す。 彼女とは1年前から連絡が途絶えてしまっていた。 今真実を聞いて⋯⋯。 愚かな私の後悔の話 ※作者の妄想の産物です 他サイトでも投稿しております

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

処理中です...