投稿小説のヒロインに転生したけど、両手をあげて喜べません

丸山 令

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第五章

あれ?誰がヒロインだったっけ?

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(side ローズ)


 エミリオ様に先導して頂き、わたしはヴェロニカ様に手を引かれて、ホール脇にある休憩スペースまで移動した。

 後ろからリリアさんがやってきて、ヴェロニカ様と反対側から、わたしの腕を取る。


「マリーさん。大丈夫?」

「……えぇ。なんとか?」


 もう!
 さっきは、しれっと避難したくせに、エミリオ様が一緒となると、ちゃっかり付いてくるんだから!


 執事のハロルドさんが、侍従に席を整えさせている間、ヴェロニカ様が苦笑いで口を開いた。


「驚かせてごめんなさいね? 名前が出たから、気が付いたかしら? アレはフランチェスコ=ドウェイン。私の従弟いとこで、ジェフの兄よ」

「はい。途中まで分からなかったのですが、ジェフ様と似た薔薇の香りがしたので、もしかして 、と」

「まぁ。流石ね。薔薇の精油はドウェイン領特産でしょう?だから、家族全員が必ず取り入れているのよ」

「そうでしたか」

「全員があの容姿だから、良い宣伝になるのよね」

「分かります」


 確かに、あのルックスで、上品な薔薇の香りがしていたら、その香水に興味を持つ人もいるよね。
 薔薇の香りなら、性別関係なく使えるし、憧れの方と同じ香りをまとえるなら、男女問わず買い求めたくなるのも頷ける。

 もっとも、フランチェスコ様のせいで、個人的に、イランイランの香りのイメージが悪化したけど。
 これは、完全にとばっちりね。

 かなり甘い香りだったから、彼が付けていたのは、もしかしたら女性ものかな?

 思い出して身震いしたら、それに気づいたヴェロニカ様は、困ったように眉を寄せる。


「フランチェスコは、可愛い娘をみつけると、いつもあんな調子なのよ。あの子も、ジェフくらい理性があれば、立場が全く変わっていたと思うのだけど」

「あんなのは無茶苦茶だ!許可も無くマリーに触れるなんて」

「まぁ。本当に品性が身についてきたようで、ヴェロニカは嬉しゅうございます」


 整えられたソファーに腰をおろしながら、吐き捨てるエミリオ様を、ヴェロニカ様は、笑顔でちくりと刺す。

 言われてみれば、エミリオ様も つい最近まで、あちこちの御令嬢にいたずらして歩いてましたっけね。

 そのことを考えれば、彼は本当に短い期間で成長をとげた。


「もう絶対しないから、そろそろ許してくれ」

「信じておりますわ」


 恥ずかしそうに視線を逸らすエミリオ様に、ヴェロニカ様は優しい笑みをおくる。

 作中では、噛み合わない感じで描かれていたけど、所詮、ヒロイン目線だったってことかな?

 わたしから見ると、この二人。
 しっかりとした信頼関係で結ばれているのが分かる。
 今はまだ、恋愛では無いのかもしれない。
 でも、年月をかけて深い愛情を育んでいくに違いない。

 少しだけ胸が痛む気がして、わたしは二人から、僅かに視線を逸らした。

 ヴェロニカ様は、自然な動作でエミリオ様の横にかけ、わたしとリリアさんに、対面に座るよう促す。


「あっ!ずるい!」


 衝撃発言の主は、勿論リリアさん。

 いやいや。
 そこに座って許されるのは、この国ではヴェロニカ様だけだからね?

 苦笑いを浮かべて、リリアさんの手に触れ制止したけど、よく考えたら止まるような性格じゃなかったわ。


「私もお隣に座りたいです!」

「リリアさん!」


 ダメよ!と言う前に、パッとわたしの手を振り払い、エミリオ様の横 目掛けて進もうとするリリアさん。

 まってーーーっ‼︎

 視界に入っていたヴェロニカ様の笑顔が、氷のように冷たくなってるから!

 慌てて止めようとした時、側方から早足に歩み寄ってきた女性が、彼女の前に割って入った。


「それ以上は、ご遠慮ください」

「げっ!ジュリーさん」


 流石のリリアさんも、後ずさった。
 王子殿下付き騎士副官のジュリーさんだわ。
 今までいらっしゃらなかったけど、晩餐会の間エミリオ様の真後ろにいらっしゃったから、舞踏会の前半は休憩だったのかもしれない。
 
 とりあえず、良かった。
 わたしは、ほっと胸を撫で下ろした。

 
「ジュリー、もう交代か?早いな」

「いえ。私は別件で先に」

「そうか」

「はい。ですが、もうしばらくでオレガノ君も来ますよ」


 そう言いながら、わたしに向けてウィンク。

 ジュリーさんて、美人でカッコよくて機転が効いて、オマケにチャーミング。
 憧れる!


「さて。では、こちらにおかけ下さい」


 席を指定して勧められては、リリアさんもそこに座らざるを得ないみたい。

 わたしもリリアさんの横にかけると、彼女は唇を噛み締めていた。

 凄い。
『ぐぬぬ』って言葉が見える気がする。


「まぁ、何だ。とりあえず、マリー。アレには近寄っちゃダメだぞ?フランは危険人物だから」

「は、はい!気をつけます!」


 エミリオ様に言われて、背筋が伸びた。
 ジェフ様にも言われているから、気をつけないと!


「でも、丁度よかったですわね?エミリオ様。お陰で、ダンスに誘う口実が出来ましたわ」

「うっ。それは、だが、お前は……」


 ヴェロニカ様の揶揄からかうような発言に、エミリオ様は やや焦りながら、最後は言葉を濁した。
 ヴェロニカ様は、こちらにも笑みを向けて来る。

 わたしは、笑みを返したあと、視線を下げた。

 前回のサロンの時もそうだったけど、これ、完全に許可頂けている状態と言うことよね?

 原作では、悪役令嬢であるはずのヴェロニカ様なのに、わたしへの待遇が破格すぎて、申し訳ない気すらして来るんですが?
 少しくらい、イヤミを言って来ても良さそうなものなのに。

 それとも、何か他に意図が?

 などと、深読みをしていたら、突然会場の外から、複数の女性の悲鳴が聞こえた。


「何ごとだ?」


 エミリオ様がジュリーさんを見ると、彼女は苦笑いを浮かべた。


「あー。……ええ。その、下の階のロビーで、ですね? その、会に参加していた女性たちが、みつけてしまったのかと」

「何を?」

「はぁ。まぁ」

「はっきりしないな。何が有るんだ?」


 眉を寄せるエミリオ様に、ジュリーさんはチラリとこちらを見た後、諦めたように口を開く。


「私が来た時、丁度配置場所に移動なさってましたので。その、ジェファーソン様が……」

「ぇ?」


 わたしは思わず、小さく声を上げてしまった。

 あれ?
 参加しないと仰っていたけど。


「あいつは……会に出席しなくても、この騒ぎか」

「本日は、魔導士のローブをお召しになり、精悍な面持ちで警戒に当たっていらっしゃいました。周囲に、御令嬢の壁もありませんから、普段は自身の身分を気にされて近寄れない御令嬢方も、お顔を見られる機会となったのでしょう」


 なるほど!
 ジェフ様は、もしや今日お仕事で?

 ……でも、まだ学生さんよね?


「まぁ。それでは、壁が出来るのも、時間の問題かしら? 警護要員の警護が必要なんて、笑い話ね」


 楽しそうにヴェロニカ様は笑う。

 困惑を顔に浮かべて、リリアさんが、わたしに向かって尋ねてくる。


「あれ?ジェファーソン様って、今日来ないって」

「そうね。学生さんなのに、お仕事かしら?」

「あら、ご存じなかった?あの子、王宮魔導士の仮登録を済ませたのですって」

「そうなんですか!凄い!」


 まだ、学生になって数ヶ月なのに、そんなこともあるのね。
 流石は、魔力チート。


「それなら、後で挨拶に行かなきゃね?マリーさん!」


 リリアさんが、意味ありげに笑いながら言ってくるので、苦笑を浮かべる。
 それは……出来たら後で、ご挨拶に行きたいとは思うけど、この場でその振りは、ちょっといぢわるだわ。


「……そうね」

「別に!仕事なんだから、そんな必要は無いぞ!」

「まぁまぁ。そんなことより、ダンスの話を致しましょう?」


 慌てて止めに入るエミリオ様を遮って、ヴェロニカ様が、ちょっと強引に話を戻した。


「それでしたらぁ、リリアが踊らせて頂きたいです。ねぇ?エミリオさまぁ」


 俯き加減に上目遣いで、甘えた声をあげるリリアさん。

 うぅわっ。あざとっ!
 なんてヒロイン属性高いのかしら。

 一方のエミリオ様は、狼狽えている。


「う。だが……」

「ダメですわ」


 隣で微笑みを浮かべたまま、呼吸をするように拒否するヴェロニカ様。


「どうしてダメなんですかぁ? 私、悪いこと何もしてないです」

「あのみっともないダンスで?よく仰るわ。基本のステップを覚えてから、出直して下さいな」

「ひどい!私、一生懸命練習したのに!」

わたくし、『一生懸命やったならば、出来なくても仕方がない』という考え方が、好きになれませんの」

「そんなっ!頑張ったって出来ない人がいること、分かりもしないくせに!」

「分かりたくも無いですわね。期限迄に出来なかったのならば、大人しく壁の花でもしていれば良いのですわ」


 ……これこれ!
 これこそ、ヒロインと悪役令嬢の会話っぽい!
 って、あれれ~?
 わたしの立場は?
 なんだか、完全にポジション奪われてる気がするんですが?
 

「でも、マリーさんは、あんな事があって、精神的にかなり参っていると思うし、ダンスどころじゃないでしょう?」

「え?っぁ。それは……」


 突然話を振られて、『そんなことは』と言おうとしたんだけど、睨みつけるようなリリアさんの勢いに押されて、最後は言葉を濁した。


「そうなのか?」


 心配そうに覗き込んでくるエミリオ様。

 困った。
 返事が『はい』でも『いいえ』でも、必ず、ヴェロニカ様かリリアさん、どちらかの機嫌を損ねる。
 かと言って、ただ言葉を濁せば、自分の意見を言えない残念な娘になってしまう。

 返事に詰まりつつ、仕方なく口を開こうとした時、先ほどの悲鳴とは明らかに種類の異なる複数の悲鳴が、会場の外で響き渡った。

 返答に困っていた わたしとしては、渡りに船だったけど、いったい何事かしら?
 さっきのが、黄色い歓声の『きゃー』ならば、今回のは、明らかに濁点が入り混じった感じだったけど?

 流石のジュリーさんも、眉根を寄せた。


「確認して来てくれ」

「了解」


 部下の騎士が、駆け足で会場を後にする。
 周囲もざわざわと騒ぎ始め、外に様子を見にいく人も多数。
 こちらがメインの会場であるはずなのに、じわじわ人が減っていく。

 会場入り口に視線を向けていると、ヴェロニカ様が咳払いをして、話を引き取った。


「そうね。確かに、ローズ様の体調は心配ですから、客人の気が逸れている今なら、踊ってらしても良いですわ」

「わかった」


 答えるエミリオ様。
 おそらく二人は、わたしを気遣って、代案を出して下さったんだわ。
 
 リリアさんは、ぱぁっと顔を輝かせる。
 エミリオ様は、頬を掻きながら立ち上がり、リリアさんに手を差し出した。


「一曲だけですわよ」


 釘を刺す、ヴェロニカ様。
 エミリオ様は、真剣な表情で頷いている。
 これは、既に、完全にお尻に敷かれてますね。


 苦笑いで二人を見送っていると、先程出ていったばかりの騎士さんが、もう戻って来たみたい。

 はやっ!
 いくら有能にしても、早すぎない?

 と、思っていたら、後ろからお兄様が一緒にやって来た。


「随分早いな」

「オレガノ君が、一部始終を見ていたようで。階段のところで、人混みから抜けて来たところを拾いました」

「お疲れ様です」


 ジュリーさんに向かって、ピシっとお辞儀をするお兄様。
 正装できっちりしてらっしゃると、中々の美青年に見える。

 お兄様は、挨拶の後、わたしが席に居ることに気づき、一瞬ゲンナリとした顔をした。

 気苦労かけて、ごめんなさい。
 でも、不可抗力なんです!

 わたしは、小さく頭を下げた。


「それで? どうなっている」

「悲鳴の件ですね?」


 ジュリーさんの声に、お兄様は視線を戻す。


「最初は、御令嬢方がジェファーソン様を遠巻きに眺めて、ざわめいている程度だったのですが、そこにスティーブン様がやって来たので、悲鳴が上がりました」

「それが一度目か?」
 
「はい」

「それで?」

「ええ。その、見目麗しい集団が会話を始めましたので、遠巻きに見るだけでは飽き足らなくなった御令嬢の一団が、スティーブン様に同行していた騎士の一人に、声をかけました。一番控えめな印象だったので、話しかけやすかったのでしょう」

「ふむ」

「ところが、それが運悪くスティーブン様の所有だったようで、手出し無用を宣言なさった後、その場で、その……口づけを」

「それが、二度目の悲鳴か」


 お兄様は、引き攣った笑みで状況を告げ、ジュリーさんは、額を抑えた。


「ステファニー様は、いったい何を遊んでいらっしゃるのかしら。それでは、ロビーの方が、会場より賑やかになってしまうわね?」


 ヴェロニカ様は、クスクスと笑っている。

 え?待って?
 所有って?
 所有って、そういうこと⁈

 ふわ~ぉ。
 しかも大勢の前でなんて、スティーブン様、大胆!


「相手の子も可哀想に。青ざめてなかった?」

「恥ずかしそうに、俯いていましたが」

「あらあら。罪作りなステファニー様」
 

 全く動じていない様子のヴェロニカ様。
 同格の公爵家だし、親しくされているのかもしれない。

 会場内は、ちょっとした騒ぎになっていて、落ち着かない様子。
 情報収集に余念のない貴族の皆様は、其々の従者を物見にいかせ、噂好きの御令嬢方は、自ら野次馬しているようで、会場の中には半数程度しか人がいなくなっている。

 そこで、エミリオ様とリリアさんが、辿々しい感じのダンスをしているから、どうにもシュールな光景だ。

 でも、外の騒動に注意が向いているから、王子殿下が誰かと踊っていても、一曲だけなら周囲の興味をひかずに終われそう。

 流石はヴェロニカ様。

 感心のため息を落としていると、わたしの後方にターナーさんが戻って来た。
 ジャンカルロさんは、ダンスホールの横。

 やっぱり交代は却下されたみたい。

 



「ラッキー! 今日はステファニーもついてないし、この隙に……。ずっと微笑みを湛えて座ってるだけなんて、退屈すぎて普通に死ねるわよねー!」

 抜き足差し足……などと小さく呟きながら、少女がこっそり会場から抜け出したことに、その時、誰も気付いていなかった。

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