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第五章

社交界って、華やかなイメージがあるけど、やっぱり何処か暗黒面を感じてしまうのは、わたしだけじゃないよね?

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(side ローズ)


 ヴェロニカ様から、突然、エミリオ様と二人になる時間を頂き、ガチガチに緊張してしまったわたし。

 足と手は、両方同じ側が前にでるし、遂には、ドレスの裾を踏んで転びそうになる始末。
 エミリオ様が支えて下さったから、事なきを得たけど、あのまま転倒していたら、かなり残念なことになっていたと思う。

 それにしても、エミリオ様って、見た目よりずっと逞しいわ。
 それは……わたしもそんなに重く無い……と思いたいけど、わたしが倒れかかっても、平然と受け止めて下さったのには驚いた。

 身長も、初めて会った時より随分高くなって、あと数ヶ月もすれば追い抜かれてしまいそう。

 突然、距離が近付いたことに驚いて、見開かれた瞳が、陽光で煌めいて見えた。
 その透明感のある緑が、やがて優しく細められていく。

 綺麗。

 少年らしい元気さを残しつつも、僅かに頬がシャープになって来た顔は、とても凛々しい。
 至近距離で見た、その格好良さに、思わず見惚れていたのも束の間、ふわりと香ったムスクの香で我に帰り、慌てて体を離した。

 二人で一緒に並んでいても、周囲が不快に感じないように、調香されている。

 そう、気付いてしまったから。


 先程ご挨拶した時、ヴェロニカ様からは、華やかなジャスミンの香りがしていた。
 時間を同じくして、エミリオ様から淡く香るホワイトムスク。

 きっと、王宮に仕えている調香師が香りを合わせ、本人たちの体温や体調などを加味しつつ、同タイミングで相性の良い香りを放つように計算されている。

 二人は婚約者だから当然のこと。

 だからこそ、わたしがでしゃばるわけにはいかない。

 四阿あずまやまでエスコートして下さったエミリオ様に、ベンチの隣に座るよう勧められたけど、やはりお受けすることはできなかった。
 小説のヒロインなら、嬉々として擦り寄る場面だろうけど、わたしは、そこまで図々しくなれない。

 だって、そこは、ヴェロニカ様の場所だもの。

 ツキン……。

 それは僅かだけど、確かに小さな棘となって、わたしの胸に突き刺さった。

 『エミリオ様に恋をする』ということは、きっと、次第に積み重なって大きくなっていくだろうこの痛みを、ずっと抱え続ける、ということだ。
 そして、それは同時に、ヴェロニカ様にも、同様の痛みを与え続けるということなのだと思う。

 もちろん、多妻が普通な世の中だから、割り切ってしまえば、案外気にならないモノなのかもしれない。

 正妻の立場で考えると、誰かが妾に入るのが確定事項なら、自分が気に入った娘の方が良い。
 それも理解できる。

 もし、わたしが妾に入ったとしたら、きっとヴェロニカ様は、とても親切にして下さるだろうし、お互いに引くところは引いて、仲良くやっていけると思う。

 でも、胸が痛むのは、理解とは別の問題で、止めようもないよね。
 
 わたし……自分で思っているよりもずっと、執着心が強くて、嫉妬深いのかもしれない。

 じわじわと、自己嫌悪が湧いて来て、慌てて思考を切り替えた。

 エミリオ様は、楽しそうに来週の晩餐会の話をなさっている。
 それなのに、暗く沈んだ顔をしていては、また、ヴェロニカ様のせいではないかと、エミリオ様に誤解を与えかねないわ。
 

 小説のヒロインは、悪役令嬢やその周囲の御令嬢たちの言動を、全て悪い方に受け止めていた。
 そして、今回わたしも、危うくそういった捉え方をしてしまうところだった。

 でも、実際は真逆。
 嫌がらせどころか、エミリオ様と上手に引き合わせて下さった。
 社交歴が、わたしなどとは比べ物にならないほど長いヴェロニカ様だからこそできる、深い配慮と気遣い。

 こちらも、それをしっかり受け止めて、感謝を込めた対応を心がけよう。
 
 それにしても、『悪役令嬢』って、主人公視点による、かなり一方的なカテゴリーよね。
 引きで見れば、ものの善悪なんて、ひどく曖昧だ。


 エミリオ様との会話に意識を集中していると、次第に緊張が溶けて、体の強張った感じも随分和らいだ気がした。


 しばらくして、サロン会場で弦楽器の演奏が始まると、エミリオ様は立ち上がり、わたしを室内へとエスコートしてくれる。

 出会ってから数ヶ月しか経っていないのに、随分とスマートな所作を為さるようになった。
 日々、しっかり勉強なさっているに違いない。
 
 ホテルで軽食を頂いた時に、お母様が話していたけれど、王宮内や社交場で流れるエミリオ様の噂は、かなり良い物に切り替わっているらしいし、先程、晩餐会の話になった時も、不安を口にするわたしに、『それなら、俺の側にいれば良い』と、自信たっぷりに言ってのけた彼の横顔は、とても頼もしく見えた。





 室内に入ると、両親に笑顔で迎え入れられた。

 って!
 いったい今まで、何処にいたんです?
 お兄様は、視界の隅っこの方に座っているのが見えていたけど、お二人は、ガーデンに入った直後に消えましたよね?

 それは、何人も張り付いているのも、どうかと思うけど……。

 エミリオ様は、わたしを両親の元へエスコートすると、静かに手を離す。

 そこへ、しずしずとヴェロニカ様が、やって来た。
 わたしたちは慌てて頭を下げ、エミリオ様は彼女を迎えに行き、手を引いて、こちらに戻って来た。


「少しは、緊張が解けたかしら?」
 
「はい、ヴェロニカ様。ありがとうございます。ご心配をおかけしました」

「それなら良かったわ。マグダレーン閣下、ジゼル様、先程はご挨拶の途中で失礼いたしました」

「いえ。お気遣い頂き、ありがとうございます」

「お陰様で、ローズの顔色も随分良くなりましたわ。久しぶりに会ったと思ったら、真っ青な顔をしていて、私どもも心配しておりましたの」


 マニュアル通りの挨拶を返すお父様と、柔らかい口調で話すお母様。

 やっぱり、踏んでいる場数の違いは顕著だわ。
 そうでなくとも、お父様は、こう言った場は得意では無いようで、常に一歩下がっている。
 ただ、おどおどしたところが無く、態度が堂々としているから、そんな風でも素敵に見えてしまって、随分得しているよね。

 ヴェロニカ様は、わたしたち家族をソファーに案内すると、向かいにかけて話し始める。
 時間をあけずに、パーラーメイドが、人数分の飲み物を用意してくれた。


「ところで、ジゼル様。失礼を承知でお聞きしますが、今日のお召し物、もしかして……」

「あら、流石はヴェロニカ様。お気づきですのね?」

「やはりですか?素晴らしいですわ!まさかとは思ったのですけど、全く別物に見えますわね」


 ヴェロニカ様が気づいたのは、今日のわたしとお母様のドレスのこと。

 実は、成人の儀で着ていたドレスを、そっくり交替した上で、わたしが今着ているレモンイエローのドレスは、上半身とそれに付随していたカバースカート部分を取り払い、バッスルスタイルのペチコートを、Aラインのペチに変えたもの。
 お母様の着ている薄ピンクのドレスは、首元のホルダー部分をとり外し、ビスチェスタイルにしたもの。さらに、オーバースカート部分も取り外し、大人っぽい真紅のストールを重ねた。

 着ている人も、見かけ上のデザインも変わっているから、一見、分からないはずだけど、興味のある人に、じっくり観察されてしまえば、隠しようもない。

 高位貴族の皆さんは、同じドレスを何度も着ることなど、あまり無いだろうけど、下位貴族である我が家は、リメイクしたり、着まわしたりが普通だったりするのよね。
 ドレス一着にかかる金額を考えれば、それも当然。

 だから、お母様は常に何パターンかの用途を考えながら、ドレスをデザインしている。
 手持ちのドレスや、小物とも掛け合わせられるようにとか、その手腕は本当に見事で、見習いたい。

 などと、お母様のことを誉れに思っているうちに、ヴェロニカ様とお母様二人のドレス談義は、より広がりを見せていく。


「古着に出すにしても、なかなか買い手もつきませんのよ」

「それは。ヴェロニカ様のドレスを着こなせる自信のある者は、何処の国を探してもおりませんでしょうから」

「まぁ!ありがとうございます。派手で綺麗なモノも嫌いでは無いのですけど、その分記憶に残りやすく、そう何度も着ることは出来ませんしょう?かと言って、普段着に使うわけにも。また、寄付するにしても、結局端切れになるだけで、何というか、勿体無いのですわ」

「そうですのね。国民のことを考えれば、裕福な方には、やはり沢山消費をして頂くのが一番有難いことですけど、折角作った素敵なドレスが、そういったことになるのは、確かに残念ではありますわねぇ」

「流行物は特に。すぐ着られなくなりますでしょう?」

「仰る通りですわ。かと言って、誰でも着られるようなドレスでは、折角の抜きん出たスタイルの、無駄遣いとなりましょうから」

「あら。褒め上手ですわ」

「本心ですのよ?」


 微笑み合う二人。

 凄い。

 ドレスのデザインの話から、寄附などの奉仕活動の話題、市場経済の話まで広がって、最終的にお互いを褒め合って決着しましたよ。
 これがサロンでの会話なの?
 何というテクニック。
 何かの時の為に、メモっておきたいわ。


「はぁ。ローズ様が羨ましいわ。私も、一度でも良いからジゼル様デザインのドレスを着てみたいもの」


 ヴェロニカ様から、急に話題を振られて、わたしは内心焦りつつ、出来るだけ柔らかく笑みを浮かべた。
 こういう時に、するっと気の利いた言葉が出てくるレディーになりたいものよね。

 この場合、どう応えるのがスマートかしら。
 謙遜するのは違う。
 お母様のことを、褒めて下さっているのだし。
 かと言って、『いいでしょー!』などと威張るのは、かなり子どもっぽい。

 お礼が良いのかな?
 褒めていただいたことが嬉しいと、伝えるのはどうかしら?


「わたくしも、母のデザインが好きですので、ヴェロニカ様にそう言って頂けるのは、とても嬉しいです」


 少し考える間は空いてしまったけれど、二人の優しげな微笑みが返ってきたので、今の返事は、一応のところ、及第点を頂けたみたい。
 とりあえず、ほっと胸を撫で下ろす。
 余計なことを言わないうちに、視線をお母様に送りバトンタッチ!


「私からしましたら、ヴェロニカ様のドレスをデザイン出来る栄誉を勝ち取ったデザイナーの方が羨ましいですわ。考えるのも楽しいでしょうし、絶対完璧に着こなして下さるもの」

「もしジゼル様ならば、どういったデザインをなさいますか?」

「そうですわね。例えば、今の流行からは外れますが、スレンダーな体に沿った、シンプルなストレートライン。もしくは、美しく整った体を際立たせるマーメイドラインも素敵かもしれません」


 話しながら、お母様は、後ろに控えていたポーラから紙とペンを受け取り、サラサラとデザインをおこしていく。
 ヴェロニカ様は、それをじっと見つめていたけれど、完成したスケッチを見て目を輝かせた。


「素敵!素晴らしい才能ですわ。お店を出しませんの?」

「いえいえ。まだ、趣味の域を出ませんし、自領内で店を出しても、ターゲットになる買い手がいませんわ。それに、大都市に店舗を出すためには、出資を募らねばなりません。それは、私どもにとって冒険です」

 
 困ったように微笑むお母様。
 ヴェロニカ様は、少し考えると、真っ青な瞳をキラキラ輝かせて提案する。

「では、デザインブランドを立ち上げるのはいかが?ジゼル様には、デザイン料をお支払いして、私御用達のドレスメーカーにドレスを作らせるの。もちろん、メーカーが同じデザインのドレスを受注する都度、デザイン料を支払う契約で」

「あらあらまぁまぁ。それでは私ばかり得になってしまいませんか?」

「そんなこと無いですわ。いつの時代も新鮮なのに、下品さのないジゼル様のドレスを着られるなんて、私にとってもプラスしかありませんもの」

「まぁまぁ。光栄ですこと」

「折角の機会ですもの。先程頂いたドレスの案を纏めましょう。夏の装いに合う、涼しげな。当然パールはマグダレーン産を使うとして……雰囲気の違うニ種類のドレスを、同時にお披露目するのも良いですわね?私のような年齢層から、若々しいお嬢様までターゲットにした。そう、丁度ローズ様のような」

「でしたら、全く違ったパターンなのに、何処かお揃い感のあるデザインなども良いですわね。今日の私たちのドレスですが、装飾に同じ布を使って、並んだ時に統一感が出るようにしていますの。実は、主人のチーフの縁取りとベストの裏地にも」

「縫製に使った絹糸も、一緒ですわよね?グレーにレモンイエローの縫い目は、一見珍しいですが、オシャレですわ。ご家族揃ってトータルコーディネートでしたのね。素敵!」


 凄い……。
 とんとん拍子にお話しが進んでいって、ついにはドレスを作る話になりました。
 これなら、ドレスメーカーやその下請けの針子さんには、普段通りに仕事が回るし、パールの受注が増えれば、マグダレーンも潤う。
 社交会って、経済を回す役割もあったのね。
 勉強になる。


「お披露目は、次のサロンに致しましょうか。降臨祭の前あたりにどうでしょう?」

「それなら余裕が有りますわね」

「では、色味は……私とローズ様の間をとって紫?それなら、二人とも似合うかしら?」


 ん?
 待って?
 今、恐ろしい言葉を、耳が拾った気がします。


「もう一人のモデルは、本当にローズで良ろしいのですか?」

「もちろんですわ。是非プレゼントさせてくださいな。パターンの違ったおそろいコーデ、楽しみですわね?ローズ様!そうだわ!折角ですもの、エミリオ様も合わせましょう?」


 それまで、話についていけず視線を彷徨わせていたエミリオ様は、慌てて首を縦に振る。
 多分聞いてなかったよね。

 それにしても、そんな高級ドレスをプレゼントしていただけるなんて、凄く光栄だけど、無性に恐ろしく感じてしまう。
 何でかな?

 社交会って、華やかで煌びやかな雰囲気で覆い隠されているけれど、何となく暗黒面を感じちゃう瞬間あるよね?
 わたしだけ?

 
 サロンも中盤になると、会場は、いよいよ賑わい華やかになってくる。
 ヴェロニカ様とお話ししたい人たちが、遠巻きに幾重もの輪になってきているし、わたしたちも、お暇するには丁度良い頃合いだ。

 両親も、それには気付いているようで、どう切り出すか機を伺っている。
 丁度、そんな時、耳馴染みの良いハスキーな美声が、声をかけてきた。


「殿下、ベル従姉様。折角盛り上がってきたところ、申し訳ないけど、僕はこれでおいとまするね」

「あら。ジェフ。そうなの?」

「もう帰るのか?」

「ええ。残念ですけど」


 申し訳なさそうに眉を下げるジェフ様。
 彼は、その後直ぐに、こちらに向き直った。


「マグダレーン閣下、奥様、ローズさん。出会いの挨拶がお暇の挨拶となってしまい、残念です。僕の名前は、ジェファーソン=ドウェイン。以後、お見知り置きを。ところで、今オレガノ様とお話ししていたのですが、すみません、少し強い酒を飲まれたようで」


 ジェフ様が視線で示した先、ソファーにもたれるように、お兄様が眠っていた。
  
 ちょっと……。
 あの人、いったい何やってるの……?


「こちらも不注意でした。すみません。皆様は、この後どのようなご予定でしょう?良ければ、彼は僕が送りますけど?」

「いえ、それではご迷惑に……それに我々もそろそろお暇を、と考えていたところで……」


 お父様が言うと、ジェフ様は、柔らかく微笑んだ。


「男爵ご夫妻は、折角の催しです。今しばらくサロンを楽しまれては?」

「ですが」


 お父様の視線の先は、わたし。
 午前中から色々あって、消耗しているわたしを気遣ってくれている。
 それを見て、ジェフ様は人好きのする笑みを浮かべた。


「ローズさんもお疲れと言うことでしたら、僕が二人をお送りしましょう」

「何っ⁈」


 その言葉に噛み付いたのは、エミリオ様。
 でも、ハッとしたように、瞬時に押し黙った。
 彼に向かって、ヴェロニカ様が、美しく微笑んでいたから。


「ご心配無さらずとも、ぼくはヴェロニカ様の顔を潰すような真似は、決して致しませんよ。確実に送り届けます」


 両親が、心配そうな顔でこちらを見ているけれど、断る理由も見つからない。
 ジェフ様は信頼に足る人物だ。

 ヴェロニカ様は、苦笑混じりにため息をつき、言葉を紡ぐ。


「そうね。狐につままれたような気分だけど、こちらにも負い目が有るから、今日のところは、引き分けね。マグダレーン閣下、このジェフは、私の従兄弟に当たります。信用して頂いて問題ありませんわ」


 主催者に太鼓判を押されては、両親に断る理由は無かった。

 そんなわけで、わたしはドウェイン家の豪華な馬車で、聖堂まで送っていただけることになったのだった。
 
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