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第五章
慌ただしい日常の中で起こった、突発的な事件
しおりを挟む(side ローズ)
いよいよ社交シーズンに突入した今週。
聖堂は、通常運転だったりする。
それもそうよね。
夏になったからと言って、一般の人たちからすれば、日常生活に変化は無いわけで。
というより寧ろ、社交シーズン到来により、各領地から貴族たちが、わんさか押し寄せるこの時期こそが、都民にとってかき入れ時だそうだ。
聖堂周辺も、観光地として賑わうので、例年通りならば、今後一か月程度の間、聖堂職員は、息を吐く暇もないらしい。
地方の貴族たちも、このタイミングに、こぞって聖堂に参拝されるらしく、先週あたりから、人員の配置を担当しているミゲルさんは、青白い顔で神官長室にこもっていた。
いつもご苦労されているから、倒れてしまわなければいいけれど。
では、もう一人の補佐であるマルコさんに手伝ってもらえば、と考えがちだけど、ミゲルさんの職務が、聖堂の内務的なこと全般であるとすれば、マルコさんの職務は、聖女様関連の内外調整全般にあたるので、マルコさんはマルコさんで大忙しだったりする。
なんと言っても、社交シーズンの終盤に、王都で催される『降臨祭』の準備が、今、彼にとっての最重要な仕事よね。
それこそ、人員配置から、王都にやってくる貴族の把握、警備の応援を王宮側に依頼したりと、手足になる神官たちを総動員して動いているけど、やはり手が足りないらしくて、深夜ふらふらしながら歩いているところを、見かけたという噂も聞いた。
王都をあげた、大きなお祭りの総責任者の苦労は、想像しただけでも筆舌に尽くしがたい。
因みに、わたしとリリアさん、タチアナさんの三人は、普段、ミゲルさんの下で、神官のお仕事を手伝う形で働いているのだけど、この期間だけは、上の二人の先輩に従う形で、マルコさんの下で働くことになっている。
聖女になる可能性があるわけだから、お祭りを熟知しておくことが大切だということは、言うまでもないものね。
聖女様は聖女様で、シーズン中は、王宮で開かれる晩餐会や、高位の貴族連からのお誘いに応じて、あちこち動き回らねばならないらしい。
だから、先々週から今日までの間、都外での御公務が立て込み、一度も聖堂に戻って来られないあり様。
聖女様って、本当に大変なお仕事だ。
そんな激務が、わたしに務まるのだろうか、という不安は、いつも心の何処かにあって、焦りを感じてしまうことも多い。
でも、マグダレーン、ひいては王国、そして、そこに住まう人たちを守るために必要なことなら、頑張ろうとも思える。
まぁ、聖女に選出されなければ、それまでだけどね。
で、意図的に約一名ほど、触れなかった神官長だけど、本来だったら、二人の補佐の中央で、対外的な交渉や会合参加の部分を担うはずの役職らしい。
でも、名ばかりの名誉神官長に、そんな細やかな対応を要求される仕事が務まるわけもなく、出席だけはするけれど、結局、補佐のどちらかが同行するハメになり、しかも、無駄に不必要な提案をして会議を引っ掻き回しては、仕事を増やす始末。
聖堂関係者のみならず、多方面の関係者に『いない方がマシ』と思われていることに、全く気づいていないのか、それとも気にならないのか不明だけど、面の皮の厚さだけは、別の意味で尊敬だ。
ところで、わたしたち聖女候補は、社交シーズンになると、貴族のサロンやパーティーに招待される人も少なくない。
聖女候補として、半分仕事の扱いで参加する企画も有れば、今日のわたしのように、個人的に招待を受ける人もいるから、ここのところの勤務形態は、凄く複雑になっている。
やっぱり、貴族階級にある人の方が、そういう機会が多いから、不快に思われないように、仕事の日は精一杯働くようにしないとね。
そんなわたしの、今日の日程。
午前中は聖女様のお出迎え。
終わり次第、両親が滞在している宿泊施設へ向かって着付けを済ませ、午後からはミュラーソン公爵家の領館で開かれるサロンに、出席の予定だ。
現地集合も考えたけど、両親の到着が昨晩にずれ込んだので、ドレスの搬入が間に合わず、丁度休みのシフトだったお兄様が、馬車の代わりに馬を出して下さることになった。
お兄様は、見物も兼ねて、午前中から聖堂周辺に来るそうで、ブラブラしながら待ってくれているらしい。
聖女様のご帰還パレードも見られるから、ある意味、いい息抜きになるかもしれない。
わたしたちが、聖堂正門前階段下に待機してからほどなくして、先触れが来たらしく、広場に詰めかけた人々のざわめきが、じわじわと大きくなってゆく。
やはり、社交シーズン到来ということで、広場に集まる人の数は、いつもの数倍以上に膨れ上がっていた。
これは、警護の聖騎士さんたち、大変だわ。
今日は、聖女様の通る道に沿って、紫色の絨毯が敷き詰められ、通常勤務の聖騎士以外は、ほぼ全員体制で警護に当たっている。
階段下で待つわたしたちから見て、左の列二人目の位置に、ラルフさんが立っていた。
彼は気合い十分の面持ちで、鼻を鳴らしている。
そのお向かいには、ジャンカルロさん。
この二人、相変わらず、口では喧嘩しながらも、最近よく一緒に鍛錬を行なっている。
ジャンカルロさんは、本当に改心した様で、朝鍛錬には、夜勤明け以外、必ずでてくるようになっていた。
早朝鍛錬に関しては、レンさんが、ここのところずっと出張だったので、『日の出と共に!』ということは、無かった様だけど、わたしが散歩を終える頃には、罵り合ったり、蹴り合ったりしながら、二人でランニングしていることもあった。
それにしても、ラルフさん、今日は何だかご機嫌だな。
レンさんが帰ってくるから、やっぱり嬉しいのかもしれない。
月末だし、『ご飯奢ってください』的な意味合いを多分に含んでいそうな気がして、そこもまた可愛いくてクスッとくるけれど。
それでまた、レンさんも腹ペコのラルフさんを放っておくわけもなく、阿吽の呼吸で食事に連れていくんだろうな。
想像するだけで微笑ましい。
二人は、やっぱり好相性だ。
ラルフさんの髪が、ふわふわと揺れているのを見て、何となくほっこりしていたら、広場の馬車停まりに、聖女様の馬車がやってくるのが見えた。
本当に、いつ見ても壮麗だわ。
こうしてお出迎えするのも、何度目かになるので慣れてきたけど、今日はまた、見物客が多いから、響き渡る歓声も、いつもの比ではなくて、聖女様が国民から深く愛さていることを、身をもって感じた。
わたしも、あんな風になれるよう、自己研鑽に励もう。
いつもの如く、馬車から降り立ち、広場に集まった観衆に、柔らかな笑顔で応えつつ、美しく手を振る聖女様。
ゆっくりと歩みを進めながら、いよいよ階段下まで数メートルというところ。
聖堂関係者は、角度を揃えてお辞儀をする。
ここまでは、いつも通りの光景だった。
いつもと違ったのは、そのタイミングで、鮨詰め状態の観客を強引に押し退け、太やかな体型の少年が、聖女様の元に突進したこと。
突然の事態に、恐慌状態に陥る観衆。
「ダメですっ!どうか止まって下さい!こんな無礼なことをしたらっ!」
「黙れ!聖女様に直接謝るだけだ!こんなところから、さっさと出ていくんだ!」
しがみついて、必死に進行を止めようとしているのは、体の小さい、真っ白な少年セディー君。
その彼を、引き摺り、時には蹴り飛ばしながら、突進をやめないダミアンさん。
完全に我を忘れている。
「聖女様!聖女さまっっ‼︎」
大声で喚き散らしながら、聖女様に近付こうとしたところを、通路前で待機していたラルフさんに取り押さえられ、地面に体を押し付けられた。
「聖女様っ!どうかお許しを!僕は聖堂でこき使われて、酷い目に……。どうか御慈悲をっ!」
数メートル先にいる聖女様に、手を伸ばし、尚も、にじり寄ろうとするダミアンさんに、聖女様は小さく悲鳴を上げた。
聖女様を守るように、ダミアンさんとの間に展開する、聖女様付きの聖騎士たち。
聖女様が、逃れるように身を翻すと、後方に控えていたエンリケ様が、手を差し伸べた。
にも関わらず、その手がまるで見えていないかのように、聖女様は後方へ逃れ、随行していたプリシラ様の後ろから、聖女様に向かって駆け寄って来ていた、聖騎士の胸へと飛び込む。
そして……
「レン……」
そう、震える声で呟くと、聖女様は意識を失い、倒れこんだ。
崩れ落ちないように聖女様を支えた聖騎士、レンさんは、瞬時にエンリケ様に視線をおくる。
「運べるか?」
「はい」
「では、部屋まで頼む。聖女付きは、配置に戻れ。カタリナ殿、至急、二人の補佐に連絡。ラルフ、ニコ、逃げないよう、しっかり取り押さえておけ。補佐が来るまでの指揮はライアンに一任する」
「「「はい!」」」
エンリケ様に先導され、聖女様を軽々と抱き上げたレンさんは、速い歩調で歩き出した。
聖女様付きの聖騎士たちは、三人を囲み、聖堂の中に入っていく。
カタリナさんも、その後を追った。
事件が起こってから、たった数分の決着。
わたしは、呆然と、それを見ているだけだったけど、暫くしてようやく我に帰った。
え?
えっ⁈
ええぇぇえっ⁈⁈
今、何が起こったの?
わたしの頭の中で、先ほどの光景が再生される。
それは、すがるように制服の胸元にしがみついた聖女様と、気を失った彼女を支えるレンさんの姿。
倒れた聖女様を、抱き上げ進むその光景は、さながら絵物語のお姫様と騎士そのもので、ため息が出るほど美しく、何処か艶やかだった。
聖女様は、どうしてわざわざ、レンさんのところまで走ったの?
すぐ近くで、エンリケ様が手を差し伸べていたのに。
……無性に、もやもやとしたものが、胸の内に膨れ上がってくる。
聖女様は何も悪く無いのに、何だか、わたし、嫌な娘だ。
初めて感じる、よく分からない、でも何処か浅ましい感情に蓋をしたくて、わたしは頭を振る。
そもそも今は、それどころじゃ無いよね。
大問題なのは、ダミアンさんよ!
ライアンさんの指揮を受けて、聖騎士達は観衆の誘導に動き始めた。
付近にいて、現場をばっちり見てしまった観衆達を一箇所に集めるつもりみたい。
守備よくダミアンさんを捕らえ、地面に組み伏せているラルフさんの周辺は、ニコさんを中心に数人の聖騎士で囲っている。
ダミアンさんは、錯乱して、わけのわからないことを叫んでいる。
聖堂入り口付近にいたはずの神官長は、いつの間にか居なくなっていて、暫くしてから、事務局に詰めていたミゲルさんが、慌ただしく階段を駆け降りてきた。
そして、その光景を目の当たりするや否や、その場で昏倒してしまう。
それはもう、過労に心労が堆く積み重なっての、極限状態だよね。無理もない。
周囲では小さく悲鳴が上がり、近くにいたライアンさんが、ミゲルさんを支えた。
ああ。
どうするんだろう。
この事態。
どうなるのか見当もつかないけれど、遅れてやってきたマルコさんの指示で、聖騎士以外は業務に戻ることになった。
ところで、わたし、この後、公爵家のサロンに出席予定なんですけど……。
こんな精神状態で大丈夫かな⁈
◆
(side オレガノ)
「……ローズ?」
両親が滞在している宿泊施設へ、馬でゆっくりと向かう道すがら、自分の前に座らせた、先程から無言の妹に、声をかける。
返事は帰ってこない。
あの事件は、やはり、かなり衝撃的だったんだろう。
それはそうだ。
自分もやがて、聖女になるかもしれないと思っていれば尚更、今日の事件は恐ろしかったに違いない。
王都の外に出れば、あの程度の事は、幾らでも起こりうる事だが、王都は平和だから、あの様な事は、滅多に無い。
のんびりと観光を決め込んでいた、こちらも少し驚いた。
なされたのが、暴力行為で無かったのが、せめてもの救いだったな。
現場を目撃した人たちは、自分も含めて、事件後聖堂に集められ、ミゲル神官長補佐から、説明を受けた。
曰く、『今回の事件は「精神に異常をきたした平民」が、聖女様に懺悔に来たものである』と。
当人たちも、無茶を言っている自覚はあったんだろうが、『それで押し通す』と、決めたようだった。
聖堂で、ダミアン様を預かってしまった以上、ダミアン様の罪を確定してしまえば、聖堂側も管理責任を問われるから。
運が良かったのは、事件を目撃した観衆が、殆ど庶民だったこと。
お陰で、無茶な説明にもかかわらず、納得して帰っていく人が大半だった。
因みに、自分だけは、後で事細かに説明された。
ある意味、関係者だから。
それにしても、聖堂側としては、文句の一つや二つ、言いたいところだろうな。
ダミアン様を聖堂に奉公に出すことに関しては、バーニア公爵家並びに、スティーブン様に、何か深いお考えがあってのことだったのだろうが、側から見れば、教育の丸投げであり、程のいい厄介払いだ。
誰が預かることを許可したんだか知らないが……いや、この浅慮ぶり、どうせ神官長の判断だろう。
やれやれ。
スティーブン様か。
自分としても苦手だが、妹にまでストレスを与えてくるのは、やめて欲しいものだ。
当人にそんな気は無いだろうけど。
呆然として、何も語らないローズを気遣いつつ、引き続きゆっくり馬を走らせる。
聖堂で説明を受けた後、ローズが出てくるまでの間、広場にある喫茶店で休憩していたのだが、そんな折、レン君を見かけた。
彼は、どうやら、馬を連れに戻って来たらしい。
他の聖騎士達が乗っていた白馬は、広場の奥にある通路から、聖堂の敷地の中に連れて行かれたようなのに、漆黒の馬は、馬車停まりに、ずっと繋がれたままでいた。
彼は、縄を解くと、体重を感じさせない動作で、ひらりと馬に飛び乗った。
その様は、上から下まで真っ黒で、『黒騎士』の二つ名は、確かにピッタリ来る。
全身黒って、実際に見ると、かなりインパクトがあるんだな。
先日会ったばかりの、第七旅団の騎士達が言っていたが、『死ぬかもしれない』という瀬戸際の戦地で戦っている時、彼の姿が見えるだけで『もう大丈夫』と言う気にさせられるほど、旅団にとって黒騎士の存在は大きいそうだ。
そうそう。
彼らから託された、レン君宛ての祝勝会の招待状を、ローズに頼んで渡して貰わないといけない。
「ローズ?宿に着いたら手紙を渡すから、後でレン君に届けてくれないか?」
ダメ元で声をかけてみたら、今度は反応があった。
でも、その言い方は、珍しく険のある響き。
「わたしが……ですか?」
「え?」
なんだ?
喧嘩でも、したのだろうか?
レン君と喧嘩って、想像もつかないが。
訝しんで聞き返すと、ローズは、はっとした様に頭を振った。
「あ、いえ!分かりました」
「ローズ……大丈夫か?別に、嫌なら無理しなくていいぞ?」
「いえ。大丈夫です。ちょっとだけ、自己嫌悪に陥っていただけで」
「……そうか?」
自己嫌悪?
……なんだかな。
ダミアン様の強襲に恐れを抱いての放心状態かと思っていたが、ローズは、全く見当違いのことで、頭を悩ませていたらしい。
こんな精神状態のまま、公爵家のサロンに参加などさせて、大丈夫だろうか?
一抹の不安を感じつつも、ドタキャンというわけにもいかない。
「とりあえず、両親と軽食をとって、落ち着くとしよう」
目当ての宿泊施設に到着したので、先に馬を降り、手を貸すと、ローズは小さく息をつき、ようやくいつも通りの、柔らかな笑みを浮かべた。
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