120 / 288
第五章
水面下での攻防は、相手が上手で負け戦(いくさ)
しおりを挟む(side ジェフ)
「どうしたの?少し苛立っている様だけど」
ベル従姉様が、声をかけてきたので、僕は慌てて表情を取り繕った。
ミュラーソン公爵家の領館にある会場は、いつ来ても洗練されていて、過ごしやすい空間だ。
そこに立っている、淡い水色のドレスを着た、氷の彫像の様に美しい女性。
見ているだけで涼やかだ。
「これはこれは、ベル従姉様。ご機嫌麗しゅう。本日の装いもまた、涼しげで……」
「相変わらず、完璧な挨拶をありがとう?ジェフ。さっきは、眉間に皺が寄っていたけど、大丈夫?」
「そんなに、ひどい顔だったかな」
僕は、顔に苦笑を浮かべた。
「物憂げな表情で思い悩む美少年というのも、まぁ、有りかしら?今日は、珍しく早く来てくれたから、こんな風にゆっくり話せて嬉しいわ。貴方の周りは、いつもドレスのカーテンが出来ていて、なかなか近寄れないものね」
「今更だけど、一応デビュタントとしては、早めに来て、主人にご挨拶しないと」
「まぁ。初々しさが一切感じられないデビュタントですこと」
「あれ? けなされてるのかな?」
苦笑いを返すと、ベル従姉様は、ころころと、鈴を転がすように笑った。
「どうせ、特定の生真面目なデビュタントのお嬢様が、サロンの早い時間に主人に挨拶に来るのを、狙っての行動でしょう?いつもなら、のんびり来るものね」
「囲まれるのは光栄だけど、時間が長いと顔面が筋肉痛になるからね。今日は、折角従姉様が作ってくれた機会だし、存分にアプローチさせて貰わないと。来週は、僕は蚊帳の外らしいから」
「あら、それで、ご機嫌斜めだったわけ?」
ベル従姉様は、呆れた顔でため息をつくと、くすりと笑った。
そう。
僕の、今日一番の不機嫌の原因は、そこにある。
社交シーズンが始まった今週、領地から、両親と兄が揃って王都にやって来た。
学校が休みに入ったので、僕も今は領館に戻っている。
僕の両親は、善良で領地の民からも愛される、素晴らしい人柄の持ち主だ。
でも、兄のフランチェスコだけは特殊。
正直、子どもの頃から、僕は兄が苦手だった。
兄は、外見だけは相応に整っていて、母親譲りの長い銀糸の髪がトレードマークの、所謂プレイボーイだ。
成人になった当初、家柄も顔も良い彼は、中身がダミアン様並みに残念でも、教養が無い女性や、経験が少ない御令嬢に、大ウケした。
そのことに機嫌をよくした彼は、遊ぶだけ遊んでポイ捨てする、を繰り返し、責任の所在で、何度も大きな騒ぎを起こした。
その都度、両親が謝罪に出向き、少なくない額の金が動いたのは、言うまでもない。
僕の社交デビューが早まったのも、実はそれがきっかけだ。
本来ならば、成人と共にデビューとなり、それ以下の子どもたちは、夜会などには参加しない。
では、僕が何をやらされていたかと言うと、兄の毒牙にかかりそうなご令嬢の、救済活動ってところ。
『兄が、女性と二人で会場を抜け出したら、僕が回収に向かう』そんな役回りを、押し付けられたわけだ。
両親も、社交があるから、ここは仕方がないわけで、僕もご婦人たちに囲まれながら、夜会の間中、目を光らせなければならなかった。
剣術を習った癖に、棒術履修の僕にあっさりと叩きのめされる残念な兄は、僕が目に入ると、いつも女性を置いてあっさり逃げる。
そんなことを一年も繰り返していれば、周囲の、特に高位貴族は理解するわけで、最近では、『ドウェイン侯爵家の長男には近寄るべからず』と、影で注意喚起されている。
結果、貴族のサロンでは上手く女性が釣れずに、最近は花町に入り浸っていると言うから、げんなりな話だ。
で、その残念な兄が、朝食の時に機嫌良く宣ったのが、この発言。
「あぁ~!来週の王宮主催の晩餐会が楽しみだな。今年は、初心な聖女候補が二人も入ったんだって?」
僕は凍りついた。
ふざけるな。冗談じゃ無いぞ。
いつもなら平然としていられたが、今回ばかりは、そうもいかない。
父も、眉を寄せ、チラリと母に視線を向けた。
この場で注意できる人間が、母しかいないことが、この兄の残念ぶりを助長させている。
父は、後夫だから、血の繋がらない長男には文句が言い難い様だ。
そうは言ったって、放蕩が原因で離縁された兄の父親より、父の方が血筋は良い。
公爵家の出身なのだから。
にも関わらず、我が家のカーストにおける父の順位は、三位。
僕が四位だから、母と兄が何処に入るかは分かるよね。
何故父がそんな立場に甘んじているのか、僕にはさっぱり分からない。
普通の貴族の家庭なら、位の高い後夫の方が、当然強い勢力を持つだろうし、長男を廃嫡して、自分の子どもを嫡男にするべく動くと思うんだけど。
それなのに、父はあっさりと僕を学校に出した。
これで兄が領地を継ぐことがほぼ確定し、兄は益々やりたい放題になるだろう。
聡明な父が、何の考えも無く、愚鈍な血の繋がらない息子を立てるのは、どう考えても不自然だから、きっと何か、理由があるんだろう。
そのうち僕にも、教えてくれるかも知れない。
今までは、そんな程度に考えていた。
その理由を聞けないまま成人し、しばらくして、僕は少しずつ違和感を感じるようになる。
例えば、僕には招かれない社交の場があるというのが、その一つ。
来週王宮で行われる、聖堂の要職を招いての晩餐会が、まさにそれだ。
昨年までも招待されなかったけど、公式な行事だから、きっと成人すれば招かれるのだろうと、当時は簡単に考えていた。
出席せずに済めば、気が楽だというのもあったけど。
ところが、蓋を開けてみれば、今年も僕には招待状が届かない。
素行不良で有名な兄には、例年通り届いたのに。
絶対に何かある。
ステファニー様も含みのある様なことを言っていたし、それは間違い無いんだけど、なかなか父と二人きりになる機会がなくて、今日に至る。
今日はローズちゃんに会えるから、せめて例の晩餐会で、僕の兄には極力近づかない様に、しっかり話しておかないと。
ご家族も参加するだろうから、オレガノ様にも、それとなく注意喚起しておいた方がいい。
「ジェフが、こんなにしょんぼりしているとは思わなかったわ。ちょっと可哀想なことしちゃったかしら?」
ベル従姉様の言葉に顔を上げると、彼女は気まずそうに窓の外を眺めた。
視線を追いかけてそちらを向いて、息を呑む。
温かな陽光に満ちたガーデンの四阿で、和やかに語らう男女の姿が見える。
殿下とローズちゃんだった。
殿下は椅子にかけていて、ローズちゃんは、隣に立って話しをしているみたいだ。
「ほら。私としては、確実に彼女を捕まえたかったから、貴方が早めに来ると踏んで、思わず先手を打ってしまったの」
「敵わないな。殿下を早い時間に呼んで、入り口でバッティングさせたわけか。男爵家は真面目な性質だから、来訪時間は想像がつくものね」
「私には、他の来客のお出迎えがあるから、良ければガーデンでお話しをされたら?と、勧めたのよ?そうしたら、エミリオ様ったら、しっかりと気をつかって、『本当にいいのか?』って、もう可愛いったらなかったわ」
「ローズちゃんは、恐縮してたんじゃない?」
「それはもう、頬を染めて真剣に困った表情をしていて、可愛らしかったわ。もっと近くでじっくり見ていたかったけど、確実に手に入れたいから、引いてきたのよ。彼女のお兄様がピッタリ張り付いてるから、流石に横に座らせるのは難しいみたいだけど」
二人から少し距離を置いたガーデンのベンチで、疲れ切った表情のオレガノ様が、腹部に手を当てながら、用意されたらしいアペリティフを飲んでいる。
「午前中に、聖堂で何かあったみたいなの。貴方何か知っていて?」
「いや?」
「『気が動転しているので、短い時間で』と、御家族が心配してらしたから、しばらくしたら会場に来るとは思うけど」
「ふぅん。聖堂でね。……そう言えば、今朝、兄が、ダミアン様をからかってくるって出かけて行ったっけ。仲がいいと思っていたんだけど、折り合いの悪い部分もあったのかな?」
「あら、ジェフ知らないの?フランだって、アレでもダミアン様にかなり我慢していたのよ。公爵家の方が階級は上だし、使えるお金も多かったから」
「知らなかった。あの二人が絡んでいたら近寄らないことにしていたから」
「賢い対応ね。それで、ご両親とそのフランは?」
「普段通りだろうから、まだ小一時間は来ないんじゃないかな?」
「良かった。周りをうろうろされたら迷惑だから、その時間だけは、エミリオ様に側にいて頂かなくては」
「そうだね。もっと早く殿下を回収してくれても、僕は良いんだけど?」
「だめよ。だって貴方、いつになく目が本気なんだもの。こちらが手を抜いた瞬間に持って行かれてしまうわ」
「たまには、可愛い従弟を応援してくれたら良いのに」
「どうしても手に入れたいのは、こちらも同じだもの。彼女、本当に可愛らしいから」
やれやれ。
困ったものだ。
まぁ、確かに?
妾とは一生の付き合いになるのだから、自分が気に入っている娘を選びたいのは、当然だよな。
別方向の下心が伺えてしまうから、想像すると、ある意味ときめいてしまうなんて言えないけど。
ベル従姉様とローズちゃんが、同時に手に入るかもしれないなんて、王子殿下は前世で、どんな善行を積んだんだろう。
ここまで順風満帆だったのに、最近ケチがつきまくりの自分と比べて、思わず嫉妬してしまう。そして、そんな自分が嫌いだ。
レンさんに関してもそうだ。
聖騎士数人とローズちゃんが、ランチを一緒に食べたくらいのこと、何だというのだろう。
そんなちっぽけなことで、あたふたするなんて、我ながら惨めったらしい。
ここ最近、自分が、酷く卑小な存在に思えて、気分が悪くなる。
「ヴェロニカ様」
「あら。どうしたの?」
ローズちゃんを眺めながら、物思いに耽っていたら、ベル従姉様の従者が、彼女に何事か耳打ちをした様だった。
「残念なお知らせよ。ステファニー様、ドタキャンですって。ご家族も」
「え?」
「はっきりと、言わなかったみたいだけど、従者の方が沈痛な面持ちだったそうだから、何かあったわね。ゴシップが盛り上がるかしら?」
「あのステファニー様がポカするとか、ないでしょ。つい最近会ったばかりだけど、相変わらず余裕そうでしたよ?」
「私も先日会ったばかりだわ。聞いたわよ?『聖女候補に手を出すのはダメ』と忠告したら、ジェフにしては珍しく、フーフーシャーシャー、仔猫みたいに威嚇してきて可愛かったって。そんな話を聞いていたから、私も今日、先手を打ったのだけど」
なるほどな。そういうことか。
二人で情報交換していたならば、僕が一人で足掻いたって、最初から勝てるわけがなかった。
「はぁ。二人の手にかかれば、僕なんて、まるで子どもだ。掌の上でころころ転がされて、悔しいったら無いですよ」
「貴方がそんなこと言うなんて、明日雪でも降るのかしら?」
「酷いなぁ。僕はまだ、成人になったばかりの若輩者なのに。少しくらい手加減して下さいよ」
頬を膨らませてみせると、ベル従姉様は困ったように笑った。
そんな時、僕の後ろに、アメリが立った。
「お話し中、失礼致します。ジェファーソン様」
おや?
何かあったかな?
「うん?」
「少々問題が発生致しまして、ご家族は本日、参加を遠慮なさるそうです」
「え?うちも?僕も帰るべきかな?」
「いえ。ジェファーソン様には直接関係しない話ですので、そのまま楽しむ様にと。事情の説明は帰ってから、とのことでした」
「分かった。ベル従姉様、僕の家族も来られなくなった様です。僕も、今日は程々のところで帰りますね」
「あら。残念だわ。バーニア公爵とドウェイン侯爵、美しいご兄弟が久しぶりに並び立って、目の保養になると確信していたのに」
「残念がっていたと伝えますよ。それにしても、同時になんておかしいな?」
「案外、同じ事件に巻き込まれていたりして? 」
「あり得そうで、笑えないですよ」
ドウェイン家とバーニア家。
王国内でも屈指の大貴族である両家が揃って、しかもミュラーソン公爵夫人のサロンをドタキャンなんて、普通に考えて大事だ。
ダミアン様を揶揄うと言って、朝から聖堂に赴いた兄。
そう言えば、聖堂で何かあったとか言っていた。
無性に嫌な予感がしてきた。
まさか、兄さん、何かやらかしていないだろうな?
聖堂で何があったかは、ローズちゃんに聞けば分かるんだろうけど、気が動転しているらしい彼女に、それを思い出させるような、無粋な真似はしたくない。
それなら……ああ。
案外、ちょうど良いかもな。
家族が心配していたということなら、当然、オレガノ様も事情を知っているだろう。
ガーデンでは、ホールで楽器の演奏が始まったことに気付いたらしい殿下が、ローズちゃんに手を差し出して、エスコートしているところだった。
オレガノ様も席を立ち、距離をあけてついて来ている。
全く心配性なことだ。
模擬戦の後も、救護テントの外に張り付いていたと護衛から聞いたし、何とか彼を味方に出来ないかな?
とりあえず、聖堂で起きたことを確認して、ついでに、王宮の晩餐会で、僕の兄に注意する様に伝えよう。
「それでは、また後で、ベル従姉様。僕はオレガノ様と、少し話してきます」
「ええ。意地悪しちゃってごめんなさいね?何か分かったら、私にも教えてくれる?」
「状況次第ですね」
僕は、苦笑いで席を立ち、丁度ホールに入ってきたオレガノ様に向かって歩み寄った。
「これは、オレガノ様!先日は、お世話になりました」
挨拶をすると、慌てた様に礼が返ってくる。
やっぱり彼は、貴族の礼よりも騎士の礼のが、様になっているな。
頬のあたりが若干赤らんでいるようだけど、もしかして、アルコールに弱い?
「これは、ジェファーソン様。こちらこそ……」
ああ。やっぱり。
少し、ふわふわしているみたいだ。
あれ?
飲んだのは、スパークリングワインを、グラスに一杯だけだったはず。
そうなると、かなり弱いのか?
ちゃんと話してもらわないとだし、話も聞いてもらわないと困るんだけど。
「君、水と紅茶をお願いできるかな?そこの席に」
パーラーメイドに声をかけ、オレガノ様を席に誘う。
アルコールの強弱って、確か家族兄妹で似るはずだから、ローズちゃんも弱いかもしれない。
まぁ、あと五年は飲めないし、飲ませられないけれど。
思わぬ情報を手に入れて、僕は、ほんのちょっとだけ気分を良くした。
1
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。

『伯爵令嬢 爆死する』
三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。
その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。
カクヨムでも公開しています。

私は聖女(ヒロイン)のおまけ
音無砂月
ファンタジー
ある日突然、異世界に召喚された二人の少女
100年前、異世界に召喚された聖女の手によって魔王を封印し、アルガシュカル国の危機は救われたが100年経った今、再び魔王の封印が解かれかけている。その為に呼ばれた二人の少女
しかし、聖女は一人。聖女と同じ色彩を持つヒナコ・ハヤカワを聖女候補として考えるアルガシュカルだが念のため、ミズキ・カナエも聖女として扱う。内気で何も自分で決められないヒナコを支えながらミズキは何とか元の世界に帰れないか方法を探す。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは

聖女のはじめてのおつかい~ちょっとくらいなら国が滅んだりしないよね?~
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女メリルは7つ。加護の権化である聖女は、ほんとうは国を離れてはいけない。
「メリル、あんたももう7つなんだから、お使いのひとつやふたつ、できるようにならなきゃね」
と、聖女の力をあまり信じていない母親により、ひとりでお使いに出されることになってしまった。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる