投稿小説のヒロインに転生したけど、両手をあげて喜べません

丸山 令

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第四章

狐と狸の化かし合い 一周回って好印象

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(side レン)


「謹んで乞い願い奉る
 その赫灼かくしゃくたる銀朱
 炎の守護サラムレリアの眷属よ
 我に宿りし古の血を媒介に
 その力賜らん」


 呪文を口にしながら、机の棚の中から取り出した箱を開け、中から、シーリングワックスを取り出した。

 小規模な魔導でも、最後だけはそれなりに集中が必要なので、左手に視線をうつす。
 自分の部屋とはいえ、ボヤを出すわけにはいかないから。

 低級以下の下級精霊が、人差し指にのる程度の大きさで掌に集まっているのを確認してから、力ある言葉を紡いだ。


「小さき炎よ 我が手に宿れ」


 蝋燭程度の炎が掌に現れたのを確認してから、右手に持ったワックスの芯にそれをそっとうつす。
 
 かつて同じことをして、祖父に魔導の無駄遣いと笑われたが、マッチをわざわざ買いに行く手間を考えると、有意義な気すらしている。
 
 用意した三通の封筒に、溶けたワックスを落とし、聖堂の紋章である盾に自らのイニシャルが刻まれた刻印で封印した。

 手持ちの刻印は二つだけ。
 一つは、聖騎士に任命された時に授かったもの。
 もう一つは、祖父の形見だが、こちらは年に一度使うか使わないかで、常に鍵付きの木箱に収められている。


 最後に、既に何度か確認した宛先を、念のため、もう一度確認した。


 一通は、王宮騎士寮内オレガノ様宛てのお礼状。
 無理せざるを得ない状況だったとはいえ、酷い失態を晒してしまったことに対するお詫びと、過分にご心配とご配慮を頂いたことに対するお礼を綴った。

 思い返すだけでも居た堪れない。
 身動きも取れないほど消耗するなど、さぞ、呆れ果てただろうに、日除けのためのテントを運ぶことまで手伝って頂いたのだと、意識が戻った後にラルフから聞いた。
 朦朧としていたとはいえ、オレガノ様がいる間くらい、せめて意識を保ち、お礼を言うべきだったのにと、反省しきりだ。


 それから、王都第三の城壁南門勤務ユリシーズさん宛てのお詫び状。
 お借りしていた貴重な魔法具を、身を守る為に壊してしまったから。
 配置換えで忙しいだろうから、落ち着いた頃、連絡をいただきたい旨書き添えた。


 最後の一通は、魔導士専門学校生徒寮内キャサリン=ロス様宛ての返信。
 彼女は、昨日ジェファーソン様の従者、アメリさんから手渡された手紙の主で、暴走した魔導から遠ざけた学生のうちの一人らしい。
 あの時は、咄嗟の判断だった為、力任せに後方へ投げ飛ばしてしまった気がするのだが、あれのどこに感謝する要素があったのだろうか?殊勝な方だ。

 この手のお礼状は、男女を問わずたまに頂くが、聖女様付きになってから、特に増えた気がする。
 こちらとしては、職務をこなしているに過ぎないため、定型化した内容を綴った。

 まず、無事と聞き安心したこと。
 咄嗟とはいえ、乱暴に扱ってしまったことに対するお詫び。
 それから、お守りすることは職務であり、気にする必要は無いこと。
 よって、お礼等の気遣いは一切不要であることを書き添えて、文章を締めくくっている。
 
 ところで……頂いたお礼状には、今回もそうだったが、お礼として食事をご馳走したい、と書かれている事が多い。

 昨日、ラルフやジャンカル……ジャンにも言われたが、どうやら私は、周囲から、相当貧相に見られているようだ。
 一応、身長比で考えれば、ウエイトはそれなりに有るのだが。

 そこで、ふと気付いた。
 だからローズさんは、昨日昼食を用意して下さったのだろうか?

 愕然とした。
 護衛対象に不安がられるほど、見た目が貧弱というのは、問題だし、情けない。

 今までも、周囲の聖騎士の体型を、羨ましく思うことはあったが、動きに支障が出るわけでも無いので、それほど問題視してこなかった。

 以前ラルフに、どうするとそういった体型になるのかを聞いたこともあった。
 その時は『運動、食う、寝る!これだけっす!』と、笑顔で返され、半ば諦めていた。ラルフの食事量は、とても真似できないから。

 周囲に不安がられているならば、これについては、早急に対策を考えるべきだろう。
 とりあえず……今日は外泊になるから、宿でエンリケ様に相談してみよう。


 それにしても……タマゴサンドは美味しかったな。
 不意に思い出して、頬が緩んだ。

 ローズさんには、いつも頂いてばかりなので、こちらこそ、何かお礼ができたら良いのだが。

 そんなことを考えつつ、切手を貼り、封筒をまとめて机の脇に寄せた。
 後は、事務局に持っていけば、担当の者がまとめて配達業者に持っていってくれる。


 次に、机の上に置かれたペンダントを見て、私は小さく息を落とした。

 それは、魔力切れによる昏倒から意識を取り戻した際、首から下げていた物で、誰からお借りした物かが不明。
 付いていてくれたラルフに確認したが、微妙な答えしか返ってこなかった。
 
 曰く、『王国騎士のいかついオネエさんが「あげるわ」って言ってたっす!確か、すてふぁにー様とか?オレガノ様が美味しそうで、先輩が美人で、俺がカワいくて、今度また来るから、欲しいもの考えとけっ!て?』

 ……何を言っているか、理解できなかった。

 『王国騎士の女性で、ステファニー様という方が下さった、ということで間違い無いか?』と確認したところ、『男性でオネエさんだ』という。

 その時は、人物像が全く分からず困惑した。
 王国騎士ならば、オレガノ様の応援に来ていた方の中の何方どなたかなのだろうが、観客の中で、そういった人物に覚えがない。

 そもそもこのペンダント、かつて無い魔術の術式を用いた物であり、目覚めた当初、まだ土精霊の癒しが発動した状態だった。
 その上、この材質。
 長時間首にかけていたのに、一向に黒ずむ気配の無い銀色の金属など、私は今まで見たことが無い。
 その時点で、思考を停止したい気持ちに駆られたが、知識にある金属の中から割り出すと、おそらく白金ではないだろうか?
 更に、この小ぶりなのに長時間魔導を持続していた魔法石……原石はダイヤだろう。

 希少価値の高いそれらを使用した、最新鋭の魔法具。
 それを、簡単に庶民に投げ与えられるほど裕福。つまり、その人物は、豪商若しくは高位の貴族階級出身者で、魔力持ちの王国騎士。

 誰だろうか……その、異常な属性を寄せ集めたような人物は。
 しかも、お姉様なのに厳つくて男性。
 益々正体不明だ。
 
 理解不能に陥ってラルフを見ると、こちらを向いて、泣きそうな顔で『オレ可愛いですか?』などと聞いてきたので、更に疲労感が増した。
 その場は、とりあえず『可愛げは、有るのではないか?見た目は十分精悍だと思うが』と、返しておいたが、その答えがラルフにとって、果たして適切であったかどうか。

 
 結局、今日に至っても、その人物が誰か思い当たらないが、後日こちらにお越し頂けるそうなので、その時には、是が非にでも、これをお返ししなければ。
 魔法石の魔力自体は使い切ってしまった状態だが、それを差し引いたとしても、かなり高価な品物だから、頂くわけにはいかない。

 チェーンを摘み上げて、ペンダント部分を細かく見るが、やはり持ち主に繋がるものは見当たらない。
 

 小さく息を吐き出した時、誰かが凄い勢いで階段を駆け上がってくる気配に気付き、眉を寄せる。
 その無駄に騒がしい足音に、聴き覚えがあった。

 立ち上がって入口に向かい、解錠して人が通れるスペースを確保。
 内開きの扉を開く。
 すると、勢いよくノックしようとした体勢のまま、支えを失ったラルフが、部屋の中に倒れ込んで来た。


「せ……先輩。急に開けないで下さい」

「すまない。以前ドアを壊されたから、つい」

「……その節は、すいませんでした」


 立ち上がりながら肩を落とし、ラルフは小さく謝罪した。


「それで?何か用だったんだろう?」

「それそれっ!来たんですよ!すてふぁにー様が‼︎ 今、寮の管理室の前でバッタリ会って、先輩呼んできてくれって!」


 言いながら、ラルフは何故か身震いした。


「み……耳元で」


 …………。

 そんな事を、泣きそうな顔で言われても、反応に困るんだが。


「分かった。直ぐに行く」


 私は、一度机に戻り、ペンダントを新しい封筒に入れ、胸のポケットにしまうと、部屋を出た。
 施錠していると、ラルフは何故かその場でモジモジしている。


「お……おともしますけど、先輩俺のこと守ってくださいね?」

「嫌なら、ラルフは無理に行かなくていいんじゃないか?」

「一緒に来てって言われたっす」

「……そうか」


 どうやら来訪者は、ラルフのことを随分と気に入っているようだ。
 




 管理室に顔を出すと、応接を示される。
 顔を向けると、応接に座っていた二人が立ち上がった。
 
 一人は見知った顔。
 相変わらず非常に安定感のある体型の彼は、憮然とした表情を浮かべている。
 もう一人は、土と水の精霊の気配を纏った、すらりと背の高い痩身の……男性……。

 なるほど。
 彼が、そのステファニー様だろう。
 真逆の印象を受ける二人だが、虹彩の色が全く一緒だ。
 ということは、恐らく血縁者。

 私は、彼らに近付き片膝をついた。
 まだ制服を着ていなかったから。
 ダミアン様は公爵家の出身だと、ジェファーソン様から伺っている。


「はっはっはっ!ようやく僕に膝をついたな、この愚民ぶっ……」

「何を偉そうにしているのかしら?」

「おにいはは!ほへんなはぃ」


 片手で両頬を押しつぶされて、ダミアン様はジタバタと暴れた。


「立って貰って良いわ。突然呼び出したことと、愚弟の無礼な態度に関して、まずお詫びをいわせてね。ごめんなさい」

「いえ」

「改めて、こうして会うのは初めてね。私の名前はスティーブン=バーニア。今日は、模擬戦での愚弟の失態のお詫びに来たの」

「そうでしたか。わざわざご足労頂きまして恐縮です。レン=クルスと申します。どうぞ、おかけ下さい」 


 立ち上がって、ソファーを勧めると、彼は、暴れているダミアン様の首根っこをつかんでソファーに沈め、自身もその隣に掛けた。
 そして、品の良い女性的な笑みをうかべ、対面する席に座るよう促される。


「二人もかけて?ラルフ君、呼びに行ってくれて、ありがとう」

「い……いえ!その……失礼します」


 スティーブン様のウィンクに、私の後ろに隠れるように立っていたラルフは、たじろぎながら腰を下ろした。
 私も一礼し、腰を下ろす。


「さて、単刀直入に言うわね?今回の件、多方面から話を聞いて、貴方に一切の非が無いことは理解しているわ。その上で、どういった条件なら許してもらえるか、聞きに来たの」


 困った様に微笑んで、スティーブン様は話し始めた。
 
 私は、一つ頷いた後、思考を巡らせる。


 まさか、ダミアン様がバーニア公爵家の出身だったとは……。

 最悪だ。
 こちらとしてもだが、きっと相手も同様の感想を抱いたことだろう。
 いや、それ以上か。
 借りを作るなど、もってのほかで、本当は面識を持つことすら避けたかったはず。

 もっとも、公爵家としては、まさかこちらもそう考えているとは思わないだろうから、下手に利用されないようにと、警戒しているかもしれない。


「その件に関しましては、私は聖騎士ですので、聖堂の判断に従うまでです。無論、他言するつもりもございませんので、どうぞ、お気になさいませんよう」


 言葉を発しながら、僅かに緊張して握りしめていた両手を、ゆっくりと開いた。

 ここからは、互いに腹の探り合いになる。
 先程から、一切の隙を感じられないこの方の事、ちょっとした仕草や表情の変化で、何か勘づくかもしれない。
 何も知らない振りをして、こちらの情報は、可能な限り隠し通したいところだ。


「そういうわけには、いかないわ。借りを作ったままには、しておけないでしょう?」


 一つずつ言葉を選ぶ様に、スティーブン様は、ゆっくりとした口調で話す。

 なるほど。
 何らかの区切りを付けなければ、なんとなく縁が繋がったままになってしまい、後々懸念が残るか。

 ここできっちり終わらせたいのは、こちらも同じこと。
 それなら、意地汚く金銭などを要求すれば、軽蔑して、後腐れなく切り捨ててくれるだろうか?
 だが、私が突然金銭交渉などを始めたら、ラルフが違和感を感じるだろう。
 そして、間違いなく顔に出る。

 そこで気付いた。
 ラルフを同席させたのは、それが狙いか。

 参った。
 私が普段通りでない行いをすれば、ラルフを通して筒抜けになる。

 相手の方が一枚上手のようだ。
 ここは、慎重に。
 私は、ゆっくり息を吸い込んだ。
 

「私に癒しの魔導をかけてくださったのは、スティーブン様だと伺いました。それで十分です。それから、こちらはお返しします。ありがとうございました」


 胸ポケットから封筒を取り出し、スティーブン様の前に置く。
 彼はそれを手に取り微笑んだ。


「人命救助は王国騎士として当然の職務だもの。それとこれとは話が別だわ」

「ですが、解呪の方法が分からず、魔法石の魔力を使い切ってしまいましたし」

「そういう物だから気にしないで?」

「そうですか。恐れ入ります」

「ところで、貴方。この子の暴走した火球を弾き返したと聞いたけど、もしかして普段は力を封じているの?」


 いよいよ切り込んできた。
 下手な嘘は、簡単に見破られるだろうから、一部真実をまじえて……。

 私は、ズボンのポケットから、小石ほどの大きさの封印石を取り出し、机の上に置く。


「ここのところ少々魔力量が増えましたので、制御ミスを防ぐため幾分抑えています」

「まぁ。ふふ。ね。これは、あの子が思わずライバル視しちゃったのも分かるわ」

「あの子?」

「いいえ。こっちの話。ねえ。それほどの魔力を持っていたら、王宮魔導士にならないのは惜しいわね?」

「それは……」


 なれないことなど、知っているだろうに。

 ……私の出自に気づいていないふりなのか、はたまた、私がそのことを知っているかの確認か。

 どちらでもいいように、曖昧な返答を返す。


「貴方様は、或いは、ご存知かと思いますが」

「……ええ。そうね」

 
 スティーブン様は目を細めた。
 なるほど。
 『出自を知っている』と、遠回しに伝えるための、布石も含んでいた訳か。
 やはり、かなり頭が切れる。
 
 それなら……。


「もし、一つ願いを叶えて下さるのでしたら、出来ればその件を」

「内密にしろと?」

「そこまでは申しませんが、あまり大っぴらにされますと、日常に障りが」


 多くの同族たちは、この時代になっても、自分に亡き帝国の血が流れていることを、人に知られるのを恐れる。
 それを交換条件に持ち出せば、程よく小物感も演出できるだろう。


「良いわ。そういう気持ち、私もわかるから」

「恐れ入ります」


 これで話はまとまった。

 こちらは、ダミアン様の罪を被ったことを公言しないこと、あちらは、私の出自を他言しないこと。
 良い具合に折り合いがついたと言えそうだ。

 二人だけで話しているような、濃い時間だった。
 私はゆっくり息を吐き出す。

 すると、周囲の音が戻ってきた。
 話の外にいた二人は、目を泳がせている。
 あえて本質部分を隠した会話だったから、意味不明だろう。
 それでいい。


「本日は、お越し頂き有難うございました」

「いいえ。とても楽しい時間だったわ」


 示し合わせたように立ち上がり、手を差し出して来たスティーブン様と、握手をかわす。
 二人はこの後事務局に行くそうなので、寮の外まで見送った。

 扉を出たところで、スティーブン様は歩みを止め、振り返ると、にっこりと微笑んだ。


「そう言えば、ラルフ君のお願い事、聞きそびれちゃったわ。何でも言ってみて?」

「いいいいぇっ!オレ、何もしてないんで。お気持ちだけでっ!ホントに」
 
「あら?怖がらなくて良いのに。今度ディナーでもどぉ?」

「……どうぞ、お気遣い無く」


 ラルフは、小刻みに震えながら、明後日の方向に視線を向け、引き攣った笑みを浮かべている。

 スティーブン様は、ころころと笑うと、次の瞬間、突然、攻撃的な気配をこちらに向けて放った。
 それは本当に突然だったので、思わず体が迎撃の構えを取ってしまった。
 帯剣していなかったのは幸いだった。
 呼吸を整えて、姿勢を戻す。

 同じ場にいたラルフは、気に当てられて腰を抜かしたらしく、座り込んでいる。


「レン君。貴方、起きていると三割り増しで、イイ男ね。私、久しぶりにたかぶっちゃった」


 スティーブン様は、私の前に立つと、先ほど返したペンダントを、再び私の首にかけた。


「ご褒美よ。もし、今後貴方が手に余る困難に見舞われた時、バーニア家は一度だけ、貴方を助けてあげる。その時は、これを見せるといいわ」

「お気持ちだけで」

「いいから受け取っておきなさいな。後日、かえの魔法石を贈るわね。それじゃ」


 投げキスをして踵を返すと、呆然と立ちすくむ私たちを残して、二人は事務局に向かった。


 
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