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第四章

ミッション 大切な女性を守り暴走火球を鎮火せよ

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(side ローズ)
 

 ダミアン先輩が大声で叫んだ直後、異常なほど膨れ上がった火球から分裂した火の玉は、会場のあちこちに飛び散った。

 各テントには、専門学校の学生さんたちが壁を作りに来てくれていたのだけど、突然の事態にかなり緊張している感じだったわ。

 それもそのはず。

 既に作られていた魔導の壁は、土魔法で作られた一メートル四方、厚さ十センチ程度のもので、上から降ってくる火の玉なんて防ぎようも無い。
 一緒に聖女様テントに来ていた、もう一人の生徒さんは、風魔法の呪文詠唱に入っていたけど、とても間に合うタイミングではなかったようで、顔を青ざめさせていた。


 その四方に散らばった拳大こぶしだいの火球を、一瞬で全て消し去ってくれたのは、ジェフ様!

 悲鳴を上げていた観客席からは、たくさんの安堵の溜息が聞こえたよね!


 ジェフ様は、周囲に浮かんでいた水の玉を、両手を上げて一斉に操作。
 不規則に散らばった火の玉に、全てピンポイントで当てる、しかも水球の威力は、全ての火球を凌駕したって、いったいどういう制御能力なのかしら?
 
 それを、口元にいつもの微笑を浮かべながら、『ちょっと魔導でも見せちゃいますかね?』とか言い出しそうなほどの気楽さで、やってのけてしまった。

 もちろん、相当凄い事をしたってことは、魔力の無いわたしにだって分かる。
 だって、生徒さんたち全員、ぽかんと口を開けて固まってしまっているもの。

 ともあれ、今の暴走(?)で怪我人が出なかったのは、全部ジェフ様のおかげだわ!

 流石は魔力チート!
 ……でも、それだけじゃないよね?

 以前、お茶会の時に、真剣な表情で伝えてくれた言葉を思い出す。


『僕も頑張るよ。だから、ちゃんと見ていてね?』


 あの時、彼はわたしにそう言い、美しく微笑んでくれた。

 彼の言う『頑張る』は、普通の人の言う『頑張る』とはレベルが全然違うと思うのよね。
 
 きっと、血の滲むような努力をされたに違いない。でなければ、一カ月程度の実技授業であんなこと、出来るわけがないもの。


 そのジェフ様は、いつの間にか競技場の上を、専門学校テント前まで移動している。

 あそこに水の壁を作るつもりなのね。


 一方のダミアン様は、何とか火球を支えているけれど、足元はフラフラとおぼつかない。
 火球は、今や、ダミアン様の身長と変わらないサイズにまで成長を遂げていた。


 あれ……アレを、ジェフ様が受け止めるの?
 一人で?

 一応ジェフ様の後ろで十人ほどの学生たちが、そこそこのサイズの土壁を用意しているけれど、それはあくまで女子寮を守る為のもので、ジェフ様は壁の前にいる。

 単純に想像しただけで、血の気が引いていくのを感じた。

 もしジェフ様に何かあったらどうするの?
 わたしに何か、守るための力が有ったら良かったのに!
 でも、わたしにはどうすることも出来ない。
 
 心中で葛藤しつつも、何故か勝手に足が動いた。

 せめて、近くに行かなくちゃ。
 『見ている』と約束したもの。

 わたしには何のチートも無いから、行ったって何も出来ないし、かえって邪魔かもしれない。
 でも、ジェフ様の後ろで、彼の魔導を信じて見届けることだけは出来るから。


 神官テントから、リリアさんや聖女候補の先輩方、他にもたくさん、『危ないから行かないように』と、声をかけてくれているのが聞こえたけれど、わたしには、行かない選択肢は無かった。


 急いでジェフ様の後ろに走り寄り、競技場下から彼を見上げると、こちらに気付いたのか、彼は僅かに振り返る。
 そして、驚いたように口を小さく開くと、困ったように僅かに眉を寄せて、やがて、優しく微笑んだ。


「頑張ってください!」

「ありがとう。ローズちゃん。必ず君を守るよ」

「はい!ジェフ様!」


 彼の目を真っ直ぐに見つめてうなずき、今できる精一杯の笑顔を返す。
 
 ジェフ様は頷くと、視線を前に戻した。
 わたしもそれをおって、視線を競技場に向ける。


 今や真っ青な顔色をして、額から脂汗を流し、肩で息をしているダミアン様。

 炎はもはや丸い形を保ってすらいなかった。


「お……おい!ジェフ……ジェフくん!すまないが、その水の玉をここに投げて、少し威力を弱めてくれたまえ!」


 必死の形相を、何とか笑みに変え、ジェフ様に話しかけてくる。

 
「ご相談頂き嬉しいですよ?ダミアン先輩。ですが、その火球、大きすぎて、そこに水の玉を放り込むと、その場で爆発してしまいそうです!」


 ジェフ様は、涼しげな声で返答した。

 なるほど!

 真っ赤に燃えている炉の中に、突然中途半端な量の水をかけたらどうなるか。
 一気に高温になったお湯や水蒸気が、周囲に飛び散るに違いない。

 ダミアン先輩は、それを頭から全身に浴びることになる。
 大怪我じゃ済まないわ。
 その勢いで魔導が完全に暴走したら、その場で大爆発なんてことも十分あり得る。

 だから壁に向かって撃たせることにしたのね。
 自分の身を危険に晒すことになると言うのに。
 ダミアン先輩のこと、苦手そうにしていらしたのに、ちゃんと守ることを考えていらっしゃるのだから、本当にお優しいわ。


「解呪」


 ふと気付くと、二人の話し合いは済んだようで、ジェフ様の周囲に浮いていた水球は全て水に戻り、彼の足元を濡らしていた。

 ジェフ様は、一呼吸すると、左腕に付けていた水晶のブレスレットを抜き取り、競技場の下に投げる。

 途端、背筋が凍るような恐ろしさを感じて、わたしは身をすくめた。

 あ。
 これ、いつも感じるあの何だか怖い感覚だわ。
 突然だったからいつも以上に恐ろしく感じてしまったけれど。

 封印石であるブレスレットを外した直後に感じたと言うことは、やっぱり魔力が関係しているの?
 でも、レンさんには、特に何も感じないのだけど……持っている魔力量の違いかな?

 ブレスレットは、いつの間にかわたしの後方に控えていたらしいアメリさんが、宝石箱のようなしっかりした作りの箱にしまった。

 アメリさん有能!
 
 感心している間に、ジェフ様は呪文の詠唱に入っている。


「謹んで乞い願い奉る
 その静謐せいひつなる群青
 水の守護ウムディバータの眷属よ……」

「無理だ!も、もう……持たない……」


 そ………。
 そこは死ぬ気でもたせてっ!!

 両手を胸の前に組みながら、心中で絶叫する。


 ジェフ様は、壁を作るための呪文詠唱の最中で、丸腰の状態。
 精霊が集まることによる魔法障壁があるとはいえ、あんなの投げつけられたらひとたまりもないわ。
 それに、今このタイミングで、先程のような小規模の暴走が起こったら、誰にもどうにも出来ないんじゃないかな?

 全部ダミアン先輩が耐えられるかにかかっているって、なんて嫌な状況なの⁈


「謹んで……たて…………風の……」


 不意に、競技場の上、第三旅団テント方向から別の声が聞こえて視線を向ける。
 強烈な火炎に行く手を阻まれて、なかなか近づけないながらも、右手に水晶を強く握り締めながら、呪文を詠唱しつつ、僅かずつダミアン先輩に近づいていくのはレンさんだ!
 

 でも……え?
 これは風の魔導?

 レンさん火属性ですよね?
 他属性を使うと、魔力消費が多いのでは?

 心配に思うけど、あとは二人に任せるしかなく、わたしは祈るように組んだ指に力を入れる。

 その時だった。


 ぽてっ。


 それはあまりに冗談めいた光景で、現実のことと頭が理解するまでに、たっぷり一秒以上はかかったように思う。

 まるで、質の悪いコメディーのように、二つの歪な丸が転がっている。

 一つは巨大な炎。
 もう一つは、今や完全に気を失って仰向けに転がっているダミアン先輩。

 わたしが我に返ったタイミングから更に一秒後、周囲から大きな悲鳴が上がった。
 その場で爆発しなかったのは幸いだけど、異様な形状に膨れ上がった火球が転がっていった先は……!?


 いけないっ‼︎
 聖女様がいらっしゃる方だわ!

 聖女様付きの聖騎士たちが、すぐさま聖女様の前に進み出て、人の壁になるのが見えた。
 聖騎士テントの中に残っていた、ライアンさんやジャンカルロさんたちも、剣を抜き、聖女様の前に向かって走っていく。

 でも、生身の人間があの火球に耐えられるわけがないよね?

 その集団の前には、真っ青になって立ちすくんでいる専門学校の生徒たち。
 目の前に二重に作られた土壁は、迫り来る巨大な火球に比べて、どうにも頼りない。

 火球は、競技場から転がり落ちると、その直ぐ下に作られた一つ目の土壁を一瞬で呑み込み、そのまま突き進む。

 学生さん二人は、体を震わせながら呪文を唱えているみたいだけど、無理だわ!絶対間に合わない!

 その時、二人の学生さんの体が後方に引っ張られ、一瞬宙を舞った。
 テントから走って来ていたライアンさんとジャンカルロさんが、慌てたように身構えて、二人の学生さんが転ばないようしっかりとキャッチ。

 風のような速さで火球を迂回しつつも二人の学生さんに走り寄り、二人の真ん中のスペースで急旋回すると同時に、背中の服を掴んで引っぱることで、彼らを後方に退けたのは、レンさん。

 今にも爆発しそうな炎の塊は、既にレンさんの目前に迫っている。

 レンさんは呪文を再開しながら、ベルトにつけていたボール状のものを手の中で破壊した。

 あれは、ユーリーさんの魔法具?


「風……。…………をなせ」


 よく聞きとれないけれど、レンさんが力ある言葉を放った。
 その直後、レンさんの左手と、炎の塊が衝突。
 まさか素手で止めるつもりなの?と焦ったけれど、ごうごうと響く風の音に、直接触れているわけではなく、風の魔導で押し留めているのだと気付いた。

 でも、炎の威力が強すぎて、押し込まれないようにするのが精一杯の状態にみえる。

 あのままでは、もたないわ!

 
「ローズマリー様」
 
 
 名前を呼ぶ声に横を見ると、アメリさんがジェフ様に向かって手の平を向けた。
 
 ジェフ様を見ると、何かジェスチャーしている。

 自分の後ろに?
 ……真後ろに来るように、ってことかしら?

 わたしがジェフ様の背後に移動すると、ジェフ様は優しく微笑んだ。
 そして、視線をレンさんにむけると、大きく頷く。

 その合図を見たレンさんが、右手に持つ石を投げ捨て、剣を抜くのが見えた。
 その時、


「水よ。我が前に防壁を為せ」


 ジェフ様の口から、力ある言葉が紡がれる。

 一瞬で、目の前にかなり厚さのある水の壁が出現した。
 しかも、観客を少しでも守れるようにと考えたのか、その形状は、僅かにアーチ型。
 前世の記憶で言うならば、巨大な水槽のよう。


「凄い!」


 こんなに膨大な量の水を出現させるだけでなく、正確に操るなんて!
 しかも、先程二人で作戦を立てていた時の話よりも、随分と大きな壁だわ。
 横幅七、八メートル、高さ三メートル、暑さも三メートル近くあるのではないかしら?

 もう、ここまで習得なさったなんて、どれほどの練習をなさったのだろう!


「来るよ?」


 ジェフ様が鋭く言った。

 視線を前に戻すと、水の壁越しに、真っ赤な炎が渦を巻きながら、凄まじい勢いでこちらに向かってくるのが見えた。

 水の向こう、目前に迫った炎。
 屈折してグニャリと曲がったように渦巻く赤に、思わず身をすくめる。

 接触の瞬間、バチバチと表面が蒸発するような音がしたかと思うと、鼓膜を震わせるような大音量を立て、巨大な火球は水の壁に激突した。

 爆弾が幾つも爆発するような轟音が轟き、わたしと隣にいたアメリさんは耳を押さえてその場にしゃがみ込む。

 ジェフ様はその場に立っていて、状況を確認しているみたい。
 さすがに耳を両手で覆っているけれど。

 凛と立っている彼の背中が、ひとまわり大きく見えて頼もしい。

 しばらくして音が止むと、ジェフ様は一つ息をついて両手を下ろした。
 周囲は蒸発する大量の水蒸気でもやがかかった状態で、特に競技場側は数メートル先も見えない。

 ゆっくりと立ち上がって競技場を見ると、水の壁は揺らがず、その場に存在していた。

 振り向いて後ろを見る。
 後ろで壁を作っていた学生さんたちも大丈夫だったみたい。

 良かった!

 腰が抜けたように、全員その場に座り込んではいたけれど。


「うん。なんとかもったみたいだ」


 呟くように言うと、ジェフ様は人差し指で陣を描く。

 魔術?

 目の前の水の壁は、水蒸気になって空間に溶けて消えた。

 凄い!

 状態変化の魔術です。
 先程は水を氷に変えていたけど、今度はその逆のことをあっさりやって退けてしまった。

 確かに、あの水をそのまま普通の状態にしたら、鍛錬場が水浸しよね。

 それにしても、次から次へと本当に凄い!
 直ぐにでも王宮魔導士になれるレベルなんじゃないかしら?

 尊敬の眼差しで見つめると、視線に気付いたのか、ジェフ様がこちらを向いた。
 何か……そう、お礼を!


「お守り頂き、ありがとうございました」

「こちらこそ、僕を見守ってくれてありがとう」


 優しく笑みを返してくださるジェフ様。

 だけど…………。

 ん?

 どこか違和感を感じて、表情をうかがう。
 最近わたしに向けてくれる、優しい笑みなんだけど、どこか…………。
 あ。分かった。

 いつも薔薇の花のように美しい頬から、赤みが消えている。
 お顔が紙のように真っ白だわ。


「あの……大丈夫ですか?」

「あぁ、うん。ちょっと大規模な魔導だったから、一時的に魔力量が減っただけだよ。すぐ戻るから」
 

 と言うことは、軽い魔力切れ?


「心配してくれて、ありがとう」

「いえ。でもご無理はなさらないでくださいね?」


 嬉しそうに微笑まれる表情がとても綺麗で、心臓の動きがおかしくなる。

 もう!
 本当に心配しているんですよ?
 なんでそんな、余裕な笑みを……。
 はぁ、顔が熱い。

 わたしは恥ずかしくなって、視線を逸らした。


 水蒸気になって消えていった水の壁の向こう側は、全体的に霧に覆われていたのだけど、風が吹いて霧が晴れてくると、周囲の状況がはっきりと見えてきた。

 観客は、それぞれ驚きの表情を浮かべているけれど、全員無事。
 本当に良かった!

 ダミアン先輩は、未だにその場に倒れたまま。
 顔が真っ青なので、彼も魔力切れだわ。
 幸いにも、全身が幾らか煤けた程度で、大きな怪我は無さそうだけど、早めに救護テントに運ばないと。

 そして、一番心配された聖女様も、また、その前に進み出た聖騎士や、手伝いに来ていた学生さんたちも、特に怪我などは無いみたい。
 強いて言うならば、前列にいた聖騎士さんの顔が、多少煤けているくらいかな。
 

 その集団の手前、剣を地面に刺して、支えるように片膝をついているレンさんが見えた。

 怪我は無さそうだけど、ゆっくりと立ち上がった時に見えた顔が真っ青だ。

 以前一度見たことのあるその表情。
 何事もなく立ち上がったけれど、彼も絶対魔力切れだわ。
 直ぐに休ませてあげないと。


 それにしてもこの事態……。

 どうやって収拾つけるのかしら……。
 競技場以外もあちこちボロボロだし、ダミアン先輩は中央で倒れているし、観客はドン引きだし。
 閉会式どころじゃなくない?

 神官長……に、なんとか出来るわけがないよね……。

 そういえば、神官長どこに行ったのかしら?
 周囲を見た限り見つからないんだけど。

 わたしはキョロキョロと周辺を見回した。
 
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