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第四章

第三試合

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(side レン)


 王宮テントの動きが慌ただしくなって来たので、そろそろ試合が始まるだろうか?

 そんなことを考えていると、後方から気配が近づいて来た。
 それが、あまりにもわざとらしかったので、私は小さく息をつく。

 避けてもいいが、そうすると後で反抗期だとか何だとか、恨み言を言われそうだ。
 最近何故だか特にその傾向が強いので、仕方なくそのまま待つ。
 すると、左右から両腕で顎のあたりを抱え込まれた。


「おい。レン」

「あの……苦しいです」


 思いの他、ガッチリと締め上げられてしまい、身動きが取れないので苦情を言う。
 筆頭ともあろうお方が、公衆の面前で一体何をしてくれているのだろうか?


「さっき防衛を見たから、次は攻撃主体でいけ」


 作戦を授けに来て下さったらしいが、背筋が冷たくなるので、耳元で話すのはやめてほしい。


「……ちょっと、何を仰っているか分かりません」

「聖騎士が、ちゃんと動けるところを見せてこい。汚名返上する良い機会だからな」
 

 こちらとしては、そうでなくても先程の一戦で気が昂っているから、攻撃に重きを置くのは出来たら避けたいのだが。


「『防御こそ聖騎士の本分』と散々教えて下さった方の言葉とは思えませんね?」

「お前の言う通り、『聖騎士の本分は防御』だ。そもそも、完全なる防御と敵の捕縛は、攻撃して敵を倒すよりずっと難しい。が、ぶっちゃけ華がない。これは模擬戦だからな。かっこいいところが見たいそうだぞ?」

「ますます何を言ってるか分かりません」

「相変わらず鈍いやつだな。まあいい。とにかく攻撃主体だ。いいな?」


 頭痛がしてきたので、締め付けている腕を掌で軽く叩くと、エンリケ様はすんなり離してくれた。


「……ですが」

「反論は無しだ。聖女様からの命だからな」


 聖女様の?
 攻撃主体の戦闘が?
 何故そこに聖女様が言及してくるのか、全く意味が分からない。
 だが、聖女様がそう仰っているならば、反論の余地は無いか。


「了解しました」


 小さく息を吐いて、乱れた制服を整えた。
 とりあえず狙う場所を一点に絞ろう。
 それに集中していれば、多少気は紛れるだろう。
 またオレガノ様クラスの騎士が出て来てしまったら、気持ちに抗えるか若干不安だが。


 競技場に対戦相手が上るのが視界に入ったので、視線をやって目を疑う。
 
 ユリシーズさん?

 来ていたのも知らなかったが、南門の門兵の彼が、王宮側の二人目なのか?
 てっきり、王子殿下付きの騎士が出てくると思ったのだが。
 それとも配置変更だろうか?
 だとすれば、かなり急だ。
 彼とは一昨日、南門で会ったばかりだ。
 
 競技場中央に進むと、ユリシーズさんが笑顔で挨拶をしてくれた。


「やぁ。レン君」

「こんにちは。ユリシーズさん」

「ユーリーでいいったら」


 毎回そう言ってくれるのだが、顔見知りということ以外の接点が特にないので、いまいち距離感が掴めない。
 そもそも、私に関わって彼にプラスになることは無いだろう。
 きっと、誰に対してもフランクな方なのだろうが、こちらからあまり馴れ馴れしくするのは気が引ける。
 とりあえず、愛称の件はスルーして、何故彼が試合に出ることになったのかを遠回しに聞いてみよう。
 

「失礼ながら、その……驚きました」

「そうだよね。経緯はあとでこっそり話すけど、君と手合わせをする機会が得られて嬉しいよ」

「ご期待に沿えるか分かりませんが」


 ここでは言い難いようだ。
 では、後日聞けばいいか。


「何か申請事項はあるかな?」


 主審が尋ねて来たので、ユリシーズさんを見る。

 見たところ、かなりの重装備だ。
 どの程度の技量か不明だから、念のため魔導使用を申請しておくべきか……?
 
 考えていると、ユリシーズさんは、こちらに笑顔を向けてきた。


オレガノ様に、魔法を使わなかったんだから、当然おれにも使わないよね?」


 …………。

 上手く魔導を封じられてしまったな。
 ここで魔導使用を申請すると、前の試合で魔導を使わなかった手前、オレガノ様の名誉に傷がつくか。

 実際は、剣の腕に差がある方が、一般的な魔導は使いやすい。
 魔力制御のイメージがし易く、詠唱時間が取れるから。
 

「使わないよね??」


 念押しされて、諦めがついた。
 どのみち攻撃主体で戦うのだから、魔導が絶対必要というわけでもない。


「申請事項は有りません」

「ははっ。君が良い子でよかった。では、おれの申請事項ですね」


 ユリシーズさんは、申し訳なさそうに笑いながら、審判に申請事項を伝えている。

 戦術として必要な事だったのだろうから気にする必要などないのに、基本人が良いから、気がひけるのだろうか?


 それにしても……凄いな。
 申請された武器の種類は多種多様。
 中距離戦を睨んだ投擲用のナイフを持っているかと思えば、どう見ても超接近戦向けのダガーも持っている。

 まさか中距離から、ダガーを投げつけてくるわけでも無いだろう。
 見る限り、それなりに刃渡りも長く、重量もありそうな代物だ。

 申請事項の魔法に関しても、よく分からない。
 ユリシーズさんから感じられる魔力は、一般人のレベルで、専門はおろか魔導師学校の基準にも引っかからないだろう。
 魔力を封印している可能性も無いことは無いが、魔法使用を宣言した以上隠す必要が無いし、今の状態では単純な魔術すら使えまい。
 
 では、魔法具で魔導を使うという事なのか?

 私はユリシーズさんの右腰につけられた魔法具に視線を移す。
 一見ただのガラス玉だが、確かに魔力を放っている。

 しかし、あれで魔法が使えるのだろうか?
 一般人が、魔法具を用いて魔導攻撃するなど、聞いたこともない。
 そもそも制御はどうするのだろう?

 様々な疑問が脳裏に浮かぶ。

 或いは、ハッタリか?

 こちらは魔導を封じられているから、相手がそれを使用するとなると、僅かながら精神的に焦りが生じる。
 それが狙いなら、魔法具はこちらの視線を惹きつけておくためのブラフ。
 本当の目的は、別のところにあるのかもしれない。
 
 とすると……。

 魔法具の影に隠したかった道具。
 一見あからさまに場違いな持ち物。
 しかし、野戦では時として鉄粉などに種類を変えて、稀に見かける代物。

 案外、本命は小麦粉かもしれない。

 一番単純な使用例としては、先程私が砂塵を巻き上げたように、小麦粉を撒き散らしての目眩し。
 粉末が細かい小麦粉は、滞空時間も長く、視界を奪われる時間は砂塵の比ではない。
 特に今は、各テントの置かれた氷の気化熱の影響で、緩やかに上昇気味の風が吹いている。

 目的がただの目眩しだけならば、大した問題ではないが、ここに投擲用のナイフが加わると話が変わる。
 視界が不良でも、気配だけでナイフを叩き落とすことは可能だが、剣とナイフがぶつかった際に火花が散れば、爆発を起こしかねない。
 しかも、相手は爆発に巻き込まれない位置にいられる。

 厄介だな。

 小麦粉の袋を使わせないのが一番だが、開始直後にいきなり使われたら、防ぎようもない。

 どうやらユリシーズさんは、相当戦い慣れているようだ。
 しかも、かなり実践的な方面で。

 彼は、何故門兵に落ち着いているのだろう?
 何かの手違いか、何らかの目的があってそこに配置されているのか。

 使用できる武器の種類を見ても、かなり器用なのだろうが、極め付けは手に出来たの位置。
 左右両方、同じ場所に出来ている。
 剣は左側にまとめて差しているので、基本は右利きだろうが、もしかすると同程度に左手を使える可能性もある。

 やりにくい。
 いや……考えようによっては、やりやすいとも言える。

 今回は、エンリケ様から余計な注文をつけられているので、勘や慣れで動くパワー型の騎士よりは、頭を使った戦い方をしそうなユリシーズさんの方が、思考を冷静に保つのに丁度いいかもしれない。


「承知しました」


 考えが纏まったので頷くと、何故か驚いたような顔で見られた。

 ユリシーズさんを観察することに思考の大半を使っていたため、あまり気を使っていなかったのだが、大分周囲がざわついていたようだ。
 

「クレームをつけないのかい?」


 ユリシーズさんは、拍子抜けしたように呟く。

 自分でそうなるよう仕向けたのに、何を驚いているのだろう?


「特に有りません」

「随分と余裕があるな」

「いえ。余裕は無いですが、戦場とはそういうものでしょう。装備が対等とは限りません。それに、それらを全て使いこなせるとしたら、それだけで尊敬に値します」

「やっぱり君とは仲良く出来そうだ」


 ユリシーズさんが、苦笑気味に息を吐きつつ剣を抜いたので、こちらも黙礼して剣を抜いた。



「第三試合、始め!」


 審判の声が聞こえると同時に、ユリシーズさんは一足飛びいっそくとびに距離を詰めてきた。

 聖女様守護の旅程で、様々な騎士の動きを目にするが、それらと比較しても、ユリシーズさんの動きは、かなり速い。
 試合開始直後のオレガノ様のスピードと、同程度くらいだろうか?
 ただ、オレガノ様のように速度を抑えている感じではなく、どちらかというと、様子見とかペース配分など一切考えていない、全力といった感じだ。
 証拠に、剣を振るうたびに、少しずつ息が乱れていく。

 短時間で決着をつけるつもりだろうか?
 今回に限っては、その方がこちらも都合が良い。
 攻撃を弾きながら、彼の動きに意識を集中する。

 最初の構えより、僅か前傾した姿勢に若干の違和感を覚えるものの、とりあえず、次の右上からの振り下ろしをさばくべく、右足を一歩前進させた。
 
 そこで気づいた。

 左手前の構え?
 いつ切り替えたのか、全く気づかなかった。
 或いは試合開始直後からだったのか。
 では、彼は左利き?
 いや。
 それだと鞘の位置が不自然すぎる。
 
 速い振り下ろしを、剣の刃を立てて受け、上方向へ押し返し前に押し込む。
 ユリシーズさんの上体が上向いたところで、一度距離を取るべく、左足に力を入れようとした、その瞬間、

 柄から離れていたユリシーズさんの右手から、小麦粉の袋が宙を舞う。

 やはり早い段階で使ってきた。
 恐らく狙いは粉塵爆発。

 すぐさま、後方に跳んで距離を取る。

 袋は既に破られていて、私とユリシーズさんの間に空間に、大量の小麦粉が撒き散らされていた。
 どうやら今までの攻撃は、風向きがこちらに向くまでの繋ぎだったようだ。

 そして大方の予想通り、投擲用のナイフが飛んでくる。
 今いる地点は、まだ粉の密度が高いので、迂闊に剣では受けられないな。

 迫ってくる気配を頼りにナイフを左右に避けながら、粉が密集した場所の外へ向かう。

 ユリシーズさんは、気配を読むのも上手いようで、この見通しの悪い中、確実に体に当たる部分を狙ってナイフを投げてくる。

 三本避けたから、残りはあと二本。

 右肩と左足付近を狙ったらしい二本のナイフが、ほぼ同時に飛んできた時には、粉塵の中を抜けていたので、剣を使って叩き落とした。

 なんとかしのいだか……。
 
 競技場の上は、まだ幾分煙っているが、この濃度なら火花が散っても問題ないだろう。
 
 ユリシーズさんもそのことは分かっているらしく、上方から飛びかかる勢いで気配が迫る。
 大きく振りかぶって斬りかかってくるユリシーズさんを見上げ、剣を構え直した。
 その時だった。


ーーパシャン


 突然響いた水音は、足元付近。
 
 何事かを確認する余裕もなく、右上方から剣が振り下ろされた。
 すかさず剣で受け止めたが、ユリシーズさんは直ぐには引かず、力を入れて押し付けるように圧をかけてくる。
 ギリギリと剣が軋み音を立てる中、ユリシーズさんの右手が左腰に動くのが見えた。

 ダガーナイフを抜く気か?

 瞬時に抜き放たれたダガーが、左下から迫る。
 まさかの両手攻撃。
 剣は右上からの押し付けを抑えているので使えないし、振り払ってもタイミング的に間に合わないだろう。
 私は一度後方に逃れようとしたが、一瞬、足が動かなかった。
 地面に、靴の底が縫いとめられたような感触。
 少し遅れて、足に冷気が伝ってくる。

 やられた。

 小麦粉がブラフで、魔法具の方が奥の手か。
 まさか、本当にそんな魔法具が存在するとは。

 この程度の足止めでも、速い速度の戦いでは十分致命打になりうる。

 恐らく、かかっていた魔導は単純な水球、魔術は固体への状態変化。

 状況に合った使い道から察するに、魔導を付与したのは試合の前か?
 
 すると、手を貸したのは……ジェファーソン様!





 第三試合が始まると、それまで騒がしかった王宮テントも静かになった。
 多くの武器類持ち込みについては、騎士たちの間でも賛否が分かれたが、結局のところ対戦相手が認めれば問題にならない。

 テント前列で、試合を観戦していた団長は、試合と同時に始まった剣の打ち合いを見て、一つ大きく唸った。


「ううむ。アイツ……思ったよりやるなぁ」

「そのようですね。いつまでもつのか分かりませんが」


 どこか冷めた口調で返答するジュリー。

 
「ちょっと彼に厳し目じゃないか?ジュリー」

「厳しいですか?普通ですよ」

「それなら良いが」


 団長は、何故だかピリピリしているジュリーに苦笑いを浮かべた。


(ジュリーは冷めた態度だが、ユリシーズは動きも、剣速も、並の騎士よりは格段に上だ)


 そう団長は考える。


「ですが、あのままでは黒騎士には及ばないでしょう。じわじわ追い詰められるだけです」

「確かに、全力でアレではそうだろうな。だがそんなことは、最初からわかっていたことだ。簡単に終わらないための、あの装備だろう?」

「効果的に使いこなせなければ、恥をかくだけです」

「やっぱり厳しくないか?」


 ジュリーはそっぽを向く。
 その時、会場がざわめいた。
 

「わ?なんだっ?あれ!」


 王子殿下の声で、二人は競技場に視線を戻した。


「ユーリーさんが、小麦粉をまき散らしたみたいですね」


 後方の席から、オレガノが答えた。
 粉塵が漂っている空間から、バックステップでユリシーズがとび出して来る。
 王宮テントからは、彼が着地するより早く、右手でナイフを放つのが見えた。
 着地後に、すかさず二本。
 ついで瞬時に構え直し更に二本、見えない空間に向かってナイフを投げつける。


「相手が見えないのに何の意味が……」


 ジュリーが冷めた声で言いかけた時、粉塵の向こう側で、金属がぶつかる音が短く二度聞こえた。


「おい。攻撃通っているぞ!」

「まさか……」


 団長が声を上げ、ジュリーは息を呑む。
 その時ユリシーズが地面を蹴った。
 左手にはロングソード、右手には例の魔法具を携えている。

 小麦粉のもやの中に突入すると同時に、ユリシーズは魔法具を投げつけた。
 そして、そのまま突っ込む速度を殺さず跳び上がると、モヤの向こうにいる黒騎士に斬りかかって行ったようだ。

 小さな水音が聞こえたすぐ後に、剣がぶつかり合ったような金属音が大きく響く。


「どうなった?」


 団長が声を上げたが、王宮テント側からは、モヤの向こうで何が起きているのか、はっきりと確認することができない。

 その直後、もう一度大きな金属音が、会場に響き渡った。
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