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41.負の連鎖
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「お母様、お願いです。お父様とお話をさせて下さいませ。私は、お父様のお気持ちを、お父様の言葉で聞きたい」
間に人を挟むと、どうしてもその人の主観が入ってしまう。私を傷付けないように、だとか、そう言った優しい嘘は欲しくない。
同席したいと言うお母様を何とか宥め、お父様のお部屋に向かう。
だって絶対にお母様がいると気不味くて本音が聞けないと思うから仕方がないわ。
ノックをすると、やたらと背が高い、険しい顔をした男性が出てきた。
「何の用だ」
凄い。これでも王女なので、こんなにもぞんざいな扱いは初めてだ。
「お前っ!王女様に向かって何と言う口の利き方だっ!」
私に付いてきた護衛が声を荒らげる。
「待って。下がりなさい」
この人には逆らってはいけない気がする。
「お父様のお話が聞きたくて来たの。入ってもいいかしら」
「……何の為に」
「お父様のことが知りたいから。誰かからじゃなくて、お父様から直接聞かないと納得できないのよ」
しばらく私を見つめ、一つため息を吐いてから扉を開けてくれた。
「さっきまで少しパニックを起こしていた。ちゃんと話せるかどうかは分からんぞ」
お父様が?まさか……
「お母様とお話したから?」
「……お前が初めてだ。あいつを知りたいからと、ちゃんと話を聞きに来たのは」
「だってお母様だって」
「あれは話を聞きに来たんじゃない。話をしに来ていたんだ」
「そう、やっぱり噛み合っていなかったのね」
「睨んで悪かったな」
「いいわ。貴方は誰?護衛じゃないでしょ?」
とっても強そうだけど。
「アロイスの直属部隊の隊長だ」
「私はナディアよ」
「ブラスだ」
ブラスさんか。アロイスって名前で呼ぶのね。仲良しさんだ。
「アロイス、王女が来た。話せるか?」
「……ナディア?」
お父様だ。少し痩せられたわ。……視線が合わない。本当に見えていないのね。
「突然来てごめんなさい、お体は大丈夫ですか?」
「いや、もう会ってくれないと思っていたから、来てくれて嬉しいよ」
ん、何か初っ端からすれ違いを感じる。
「それはお兄様のせいですか?」
「ああ、そうか……ビニシオと君が同じだと決めつけていた。ごめん」
お父様は敏い方だ。だから、先回りし過ぎてしまうのだろうか。
「私はお父様のことが知りたくて来ました」
「私のこと?なぜ?」
「私の大切な家族だから。噂話に惑わされて失うなんて嫌だからです」
「……噂話で合ってるんじゃないかな」
「何があったかは分かります。でも、何故、の部分が知りたい。それは傲慢でしょうか」
知りたいからといって、すべてを暴くのは正しくないと分かってはいる。でも、家族を理解したいというこの気持ちは、どちらに分けられるのだろう。
「14歳のお前が背負うべきものではないよ」
「何歳であろうとも、知る権利はあると思うし、これでも王族なのですよ」
お父様は断れない。だってたぶん、私達に罪悪感があるから。
「王女、俺は席を外す。ドアの前にいるから何かあったら声を掛けてくれ」
ということは話してくれるのね?
「あ!待ってください!出来ればここにいて欲しいのですけど」
「いいのか?」
「はい。お父様は言葉を飲み込みがちなので、フォローしていただけると助かります」
いつもそうだった。思い返して見ると、お父様はいつも優しく微笑んでいるけれど、口数は多くなかった。それは、いつも言葉を選んで、最善のものだけ言葉にしていたのだろう。確かに話術としては素晴らしい。でも、私が知りたいのは飲み込んでしまっている本音の方だ。
「娘の方がお前を理解しているな」
「ブラス」
「はいはい」
今、お母様の嫌味を言ったわね?
「私にとってはお母様も大切な家族ですからね?」
「俺にとってはアロイスが一番大切な友人だからな」
なるほど。立ち位置を教えてくれて感謝します。
「分かったわ。友人としてフォローして」
「了解。まず、何から知りたい?」
何から……それはやっぱり。
「愛妾をつくることになった経緯?」
「お前はどう思ったんだ」
「あの頃はただ驚いて。私の目にはお父様とお母様はとても仲良しに見えていたから、どうして?って信じられなかった。
ただ、今になってみると、お父様がご自分のお気持ちを語ったことは無い気がして。いつも私達のお話を聞いてくれるばかりだったことに気が付いたの。
だから、お父様は私達に心を開いてくれていなかったのかなって不安になったわ」
私達が笑ったり怒ったり、時には泣いてしまった時。お父様はいつでも優しく微笑んで話を聞いてくれて、慰めたりしてくれた。ではその逆は?
「ごめん、違うんだ」
それから、お父様はご自分の感情について教えてくれた。それは、今まで想像もしたことのないことだった。
感じられないって何?私達が皆で笑っていても、泣いていても、どれだけ側にいても感じることが出来ないの?
それは何て……ああ、言葉が見つからない。
ただ、お父様にとって世界とは、誰が共にいても空虚で乾いたものだったのだろうと想像する事しかできなかった。
「彼女を見つけた瞬間、気持ちが溢れた。そんなこと、物心ついてから初めてのことだった。
………ごめん、酷いことを言っているよね。でも、どうしようもなくて」
そうね。私達家族ですら与えられなかった感情を、見ず知らずの女性を見つけた途端に溢れさせるだなんて酷い話だ。でも、突如溢れたものは、お父様にどうこう出来るものでも無かったのだろう。
まずは令嬢の話を聞いた。求婚者が気持ち悪かった。
「……死ねばいいのに。逮捕したら良かったのでは?」
「ベレニスの甥っ子。面倒な奴だったんだ」
何て運の悪い令嬢なのかしら。
お父様が令嬢にしてしまった事を聞いて叫びそうになる。
どうしよう、本当に犯罪者だった!
ピンチよ、ナディア!
「え、それは本当に捕まえようよ」
反射で口から逮捕礼状が出る。
だって国王だからって無罪は駄目でしょ!
それでもとりあえず頑張って最後まで聞いた。泣きそうだった。
何だろう、気が遠くなりそうな負の連鎖。駄目な大人しかいない。
やっぱり令嬢と護衛の人が不憫過ぎて仕方がない。
これはヤバイ。そもそもどうして愛妾にしたの。せめてそれくらいは防げたと思うの!
契約書があっても無効でしょう?確か、愛妾は既婚者だと決まっている。妻では無いから、その純潔を奪ってはいけないって。それなのにどうして?
「まさか……お母様も加担しているの?」
だって、側妃や愛妾は王妃の管轄。王妃の承諾も必要なはずだわ。
え……どうして?なぜそんな……
「傷物になったと噂されるより、国王の愛妾の方がマシだと考えたのだろう。父親が書類にサインしていたし」
マシ……マシだろうか?私だったら凄く嫌だけど。だって襲った相手と仲良く出来るものなの?出来ないわよね?すんごく苦痛じゃない!死にたくなるレベルよ?!
貴族としてのプライドを守るため?
でも、その令嬢が本当にそれを望んだの?
「……違うわね。それも理由の一つだろうけど。一番の理由は、お父様に国王でいてもらわないと困るから。王が罪を犯しただなんて、国が揺らぐからだわ」
これが国を守るということなの。その為なら、一人の傷付いた女性を更に窮地に追い込めるものなのね。
せめて隠蔽だけにしてあげたら、それこそまだマシだったのに。
『お父様が愛妾を迎える事になりました』
この意味合いが変わってしまったわ。お母様も私達も被害者じゃない。王家は加害者だ。立派に犯罪組織だ。
お父様は王ではなくなるじゃない。それなら捕らえてしまうべきでは?
お母様も隠蔽に加担している。例え善意であったとしても、罪を隠した事実は消えない。本来は結ばれないはずの契約を履行した。どれも理由があればやっていいわけではないのだ。本来は。
「……王族面倒臭いわ」
下手に権力を持ってるから。
でも駄目ね。王族全部を裁いたって令嬢にとっては迷惑なだけだわ。
これは罰を与えれば解決とか、そういう問題では無いのね。だってそんなもので傷付いた心は救えない。
私は、何が出来るだろう。
「お父様、私の思ったことを正直に言ってもいいですか?」
間に人を挟むと、どうしてもその人の主観が入ってしまう。私を傷付けないように、だとか、そう言った優しい嘘は欲しくない。
同席したいと言うお母様を何とか宥め、お父様のお部屋に向かう。
だって絶対にお母様がいると気不味くて本音が聞けないと思うから仕方がないわ。
ノックをすると、やたらと背が高い、険しい顔をした男性が出てきた。
「何の用だ」
凄い。これでも王女なので、こんなにもぞんざいな扱いは初めてだ。
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この人には逆らってはいけない気がする。
「お父様のお話が聞きたくて来たの。入ってもいいかしら」
「……何の為に」
「お父様のことが知りたいから。誰かからじゃなくて、お父様から直接聞かないと納得できないのよ」
しばらく私を見つめ、一つため息を吐いてから扉を開けてくれた。
「さっきまで少しパニックを起こしていた。ちゃんと話せるかどうかは分からんぞ」
お父様が?まさか……
「お母様とお話したから?」
「……お前が初めてだ。あいつを知りたいからと、ちゃんと話を聞きに来たのは」
「だってお母様だって」
「あれは話を聞きに来たんじゃない。話をしに来ていたんだ」
「そう、やっぱり噛み合っていなかったのね」
「睨んで悪かったな」
「いいわ。貴方は誰?護衛じゃないでしょ?」
とっても強そうだけど。
「アロイスの直属部隊の隊長だ」
「私はナディアよ」
「ブラスだ」
ブラスさんか。アロイスって名前で呼ぶのね。仲良しさんだ。
「アロイス、王女が来た。話せるか?」
「……ナディア?」
お父様だ。少し痩せられたわ。……視線が合わない。本当に見えていないのね。
「突然来てごめんなさい、お体は大丈夫ですか?」
「いや、もう会ってくれないと思っていたから、来てくれて嬉しいよ」
ん、何か初っ端からすれ違いを感じる。
「それはお兄様のせいですか?」
「ああ、そうか……ビニシオと君が同じだと決めつけていた。ごめん」
お父様は敏い方だ。だから、先回りし過ぎてしまうのだろうか。
「私はお父様のことが知りたくて来ました」
「私のこと?なぜ?」
「私の大切な家族だから。噂話に惑わされて失うなんて嫌だからです」
「……噂話で合ってるんじゃないかな」
「何があったかは分かります。でも、何故、の部分が知りたい。それは傲慢でしょうか」
知りたいからといって、すべてを暴くのは正しくないと分かってはいる。でも、家族を理解したいというこの気持ちは、どちらに分けられるのだろう。
「14歳のお前が背負うべきものではないよ」
「何歳であろうとも、知る権利はあると思うし、これでも王族なのですよ」
お父様は断れない。だってたぶん、私達に罪悪感があるから。
「王女、俺は席を外す。ドアの前にいるから何かあったら声を掛けてくれ」
ということは話してくれるのね?
「あ!待ってください!出来ればここにいて欲しいのですけど」
「いいのか?」
「はい。お父様は言葉を飲み込みがちなので、フォローしていただけると助かります」
いつもそうだった。思い返して見ると、お父様はいつも優しく微笑んでいるけれど、口数は多くなかった。それは、いつも言葉を選んで、最善のものだけ言葉にしていたのだろう。確かに話術としては素晴らしい。でも、私が知りたいのは飲み込んでしまっている本音の方だ。
「娘の方がお前を理解しているな」
「ブラス」
「はいはい」
今、お母様の嫌味を言ったわね?
「私にとってはお母様も大切な家族ですからね?」
「俺にとってはアロイスが一番大切な友人だからな」
なるほど。立ち位置を教えてくれて感謝します。
「分かったわ。友人としてフォローして」
「了解。まず、何から知りたい?」
何から……それはやっぱり。
「愛妾をつくることになった経緯?」
「お前はどう思ったんだ」
「あの頃はただ驚いて。私の目にはお父様とお母様はとても仲良しに見えていたから、どうして?って信じられなかった。
ただ、今になってみると、お父様がご自分のお気持ちを語ったことは無い気がして。いつも私達のお話を聞いてくれるばかりだったことに気が付いたの。
だから、お父様は私達に心を開いてくれていなかったのかなって不安になったわ」
私達が笑ったり怒ったり、時には泣いてしまった時。お父様はいつでも優しく微笑んで話を聞いてくれて、慰めたりしてくれた。ではその逆は?
「ごめん、違うんだ」
それから、お父様はご自分の感情について教えてくれた。それは、今まで想像もしたことのないことだった。
感じられないって何?私達が皆で笑っていても、泣いていても、どれだけ側にいても感じることが出来ないの?
それは何て……ああ、言葉が見つからない。
ただ、お父様にとって世界とは、誰が共にいても空虚で乾いたものだったのだろうと想像する事しかできなかった。
「彼女を見つけた瞬間、気持ちが溢れた。そんなこと、物心ついてから初めてのことだった。
………ごめん、酷いことを言っているよね。でも、どうしようもなくて」
そうね。私達家族ですら与えられなかった感情を、見ず知らずの女性を見つけた途端に溢れさせるだなんて酷い話だ。でも、突如溢れたものは、お父様にどうこう出来るものでも無かったのだろう。
まずは令嬢の話を聞いた。求婚者が気持ち悪かった。
「……死ねばいいのに。逮捕したら良かったのでは?」
「ベレニスの甥っ子。面倒な奴だったんだ」
何て運の悪い令嬢なのかしら。
お父様が令嬢にしてしまった事を聞いて叫びそうになる。
どうしよう、本当に犯罪者だった!
ピンチよ、ナディア!
「え、それは本当に捕まえようよ」
反射で口から逮捕礼状が出る。
だって国王だからって無罪は駄目でしょ!
それでもとりあえず頑張って最後まで聞いた。泣きそうだった。
何だろう、気が遠くなりそうな負の連鎖。駄目な大人しかいない。
やっぱり令嬢と護衛の人が不憫過ぎて仕方がない。
これはヤバイ。そもそもどうして愛妾にしたの。せめてそれくらいは防げたと思うの!
契約書があっても無効でしょう?確か、愛妾は既婚者だと決まっている。妻では無いから、その純潔を奪ってはいけないって。それなのにどうして?
「まさか……お母様も加担しているの?」
だって、側妃や愛妾は王妃の管轄。王妃の承諾も必要なはずだわ。
え……どうして?なぜそんな……
「傷物になったと噂されるより、国王の愛妾の方がマシだと考えたのだろう。父親が書類にサインしていたし」
マシ……マシだろうか?私だったら凄く嫌だけど。だって襲った相手と仲良く出来るものなの?出来ないわよね?すんごく苦痛じゃない!死にたくなるレベルよ?!
貴族としてのプライドを守るため?
でも、その令嬢が本当にそれを望んだの?
「……違うわね。それも理由の一つだろうけど。一番の理由は、お父様に国王でいてもらわないと困るから。王が罪を犯しただなんて、国が揺らぐからだわ」
これが国を守るということなの。その為なら、一人の傷付いた女性を更に窮地に追い込めるものなのね。
せめて隠蔽だけにしてあげたら、それこそまだマシだったのに。
『お父様が愛妾を迎える事になりました』
この意味合いが変わってしまったわ。お母様も私達も被害者じゃない。王家は加害者だ。立派に犯罪組織だ。
お父様は王ではなくなるじゃない。それなら捕らえてしまうべきでは?
お母様も隠蔽に加担している。例え善意であったとしても、罪を隠した事実は消えない。本来は結ばれないはずの契約を履行した。どれも理由があればやっていいわけではないのだ。本来は。
「……王族面倒臭いわ」
下手に権力を持ってるから。
でも駄目ね。王族全部を裁いたって令嬢にとっては迷惑なだけだわ。
これは罰を与えれば解決とか、そういう問題では無いのね。だってそんなもので傷付いた心は救えない。
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