29 / 58
29.その罪の名は
しおりを挟む 灰色の空に舞う黒い翼
揺蕩う白い煙
混じり合わない二つの影
鳥の巣頭は僕を怒ったりしなかった。
呆れたのなら、もう放っておいてくれればいいのに――。
怪我の手当てを終えても、鳥の巣頭は僕の部屋から動こうとしなかった。風呂に入ってジョイントの匂いを落としておいで、とだけ言って、一人掛けのソファーに辛そうに座ったままだった。
「ベッドに寝転んでいるといいよ、身体、辛いんだろ?」
心配して言ってあげたのに、こいつはむすっとした顔のまま頭を振った。僕は吐息をひとつ吐いて浴室に向かった。
部屋に戻ってもどうせまだあいつがいるのだ、と思うと腹立たしくて、わざとゆっくりと湯船に浸かった。こうしていた方が、ジョイントの夢から覚める時の、あの身体にずっしりとかかってくる重力が幾分マシに感じられるから。
僕たちは、どうしてこの肉の重さに耐えていられるのだろう――。不思議で堪らない。精神はこの白い煙の助けさえあれば、どこまでも高く飛翔することだって可能なのに。
あんな下らない奴らですら、ジョイントの白い煙は愛で包んでくれるのに――。
鳥の巣頭みたいな、馬鹿で頭のカチンコチンに凝り固まった奴には、解らない。
神に近づくことが人として生まれてきた意味だというのなら、この重たくて汚い肉体を引きずるようにして生きるよりも、たとえ、この身体に多少の損傷を及ぼそうとも、ジョイントの力でこの肉体の檻の縛りを解き放ち法悦を得る方が、よほど神の御意志にかなっている。
ゆるゆると揺れるお湯の中で身を捻り窓を覗く。灰色の冬空を。代わり映えのしない陰鬱な空。僕の光は白い煙に導かれるのに、あいつは意地でも邪魔をする。
と、白樺の林を、黒い影が過ぎった。――ような気がした。
片羽の大鴉が僕を嗤った。
飛ぶのに、そんなもの必要ないよ――、って。
部屋に戻ると、鳥の巣頭はもういなかった。
安心してベッドに横たわった。
お腹が空いた。ジョイントを吸うとお腹が空くんだ。
あの大空を飛ぶから、お腹が空くんだ。
学校に戻ってからも、鳥の巣頭とはぎくしゃくしたままだ。ボート部の先輩方は、さすがにもう僕と遊ぶ気はないようだった。
また振り出しだ。
僕が着々と敷いた布石を鳥の巣頭がぶち壊す。いつもそうだ。あいつは僕の疫病神。そのくせしたり顔で僕の生活の全てを支配しようとするんだ。自分が僕の面倒を全てみてあげているような顔をして。
大嫌いだ……。
でも、もう一度あのパブに行きたくて、鳥の巣頭に声をかけた。あんな怖い地区の小汚い店に、一人で行く勇気なんてなかったから。
大鴉はもう、僕の部屋から見える川沿いの林に翼を休めに来ない。代わりに新入生の一団がツリーイングしている。どいつもこいつも大鴉の真似をして、ロープを引っ掛けた木の枝にみっともなく登っている。あんなもの見たって面白くもなんともない。木から降りる時だって、おっかなびっくりで伝い降りるだけ。大鴉みたいに見事なまでに美しく飛ぶ奴なんて一人もいない。
ピーチク煩いこの小雀らのせいで、大鴉はこの林に来なくなったんだ!
確かめたかった。天使くんがまだあの店にいるかどうか。僕の大鴉に近づいたりしていないかどうか。
休日の外出時は私服の着用が推奨されているのに、あの時の新入生は制服だった。休み明けで気が緩んでいるかもしれないし気になるんだ、と言うと、鳥の巣頭は驚いたように目を大きく見開いて僕の顔を見つめ、それからぱぁっと嬉しそうに笑った。久しぶりだ、こいつのこんな顔。
「そうだね、きみの言う通りだ。少し前にもあの辺りの地区で恐喝事件があったんだよ。見まわりがてら行ってみようか」
鳥の巣頭はうきうきと背筋を伸ばす。
「そんなふうに下級生のことを心配してくれていたなんて、ちっとも知らなかったよ」
そして、また以前のように饒舌に喋り始めた。
名家の子弟ばかりが通う有名私立校である僕たちの母校は、街の不良どもに目をつけられやすい。
もともと外出時は制服着用だったのを、公立校の連中や、地元のならず者とのトラブルを少しでも避けるようにと、休日時の私服着用を許可して欲しいと進言したのはソールスベリー先輩なのだそうだ。特に、まだ学校にも不慣れで狙われやすい下級生のうちは、上級生が外出につき添って警護するように規則で定めるよう申しで、規則化したのも彼の派閥の功績なのだ、と鳥の巣頭は、まるで自分の手柄でもあるかのように自慢げに喋っていた。
こいつ、いつの間に白い彼の信奉者に成りさがっていたんだ? でも、その彼が後見をする大鴉は、夜ごと、その危険な区域を遊び歩いている――。
この事実に鳥の巣頭はきゅっと口元を引きしめて、厳しい表情を示した。
「なんとかしないとね」
どうせ取りしまったって、あの大鴉のことだから、ひらりひらりと飛び立って逃げるに決まっている。それよりも天使くんだ――。いまだに大鴉を追いかけ回しているのか、その方が気になる。
答えは案の定だ。
天使くんは、相変わらず壁際の古びたピアノを弾いていた。
前に来たときよりも音が明るい。
僕にはそれが腹立たしくて堪らない。
その日は空いていたから、僕たちは窓辺の席に座った。鳥の巣頭はカレーを頼まなかった。壁の黒板に、白いチョークで大きく売り切れの文字が書かれていたから。
紅茶を注文し、しばらく顔を見合わせたまま、黙ってその場に座っていた。刻々と、ステンドグラスが一部嵌め込まれた窓ガラスの向こう側が、薄らと広がる闇に沈んで行く。窓外を通りすぎた一団に、鳥の巣頭は緊張した面持ちで立ちあがりかける。僕はこいつの腕を掴み、耳許で囁いた。
「馬術部の先輩がいる。僕がここに残って様子を探るから、彼を送ってあげて」
「でも……」
「きみじゃ警戒される。それに、これ以上新入生が巻きこまれたりしたら、大ごとになりかねないだろ? 送って、すぐに迎えにきて」
カラカラーン、と勢いよくドアが開く。どやどやと踏み込んで来た一団を一瞥することもなく、鳥の巣頭はピアノを弾いている天使くんに歩み寄り、天使くんは素直に頷き立ちあがった。
店の主人と喋っていたその一団は、がやがやと騒がしく厨房に続く扉を開け、階段を上がって行った。足音と、古い階段の軋む音が僕の席にまで大きく響いていた。
けれど、その中の一人がにやっと笑い、顎をしゃくって僕に合図をするのを、見逃しはしなかった。
馬術部の先輩ではないけれどね。だって、馬術部から生徒会に入った人なんていないもの――。
鳥の巣頭と天使くんが店を出るのを見送ってから、僕はこの店の主人に声をかけた。
「ご主人、二階にも部屋があるのですか? さっきの一団に友人がいたもので。僕も上がっても、かまわないでしょうか?」
揺蕩う白い煙
混じり合わない二つの影
鳥の巣頭は僕を怒ったりしなかった。
呆れたのなら、もう放っておいてくれればいいのに――。
怪我の手当てを終えても、鳥の巣頭は僕の部屋から動こうとしなかった。風呂に入ってジョイントの匂いを落としておいで、とだけ言って、一人掛けのソファーに辛そうに座ったままだった。
「ベッドに寝転んでいるといいよ、身体、辛いんだろ?」
心配して言ってあげたのに、こいつはむすっとした顔のまま頭を振った。僕は吐息をひとつ吐いて浴室に向かった。
部屋に戻ってもどうせまだあいつがいるのだ、と思うと腹立たしくて、わざとゆっくりと湯船に浸かった。こうしていた方が、ジョイントの夢から覚める時の、あの身体にずっしりとかかってくる重力が幾分マシに感じられるから。
僕たちは、どうしてこの肉の重さに耐えていられるのだろう――。不思議で堪らない。精神はこの白い煙の助けさえあれば、どこまでも高く飛翔することだって可能なのに。
あんな下らない奴らですら、ジョイントの白い煙は愛で包んでくれるのに――。
鳥の巣頭みたいな、馬鹿で頭のカチンコチンに凝り固まった奴には、解らない。
神に近づくことが人として生まれてきた意味だというのなら、この重たくて汚い肉体を引きずるようにして生きるよりも、たとえ、この身体に多少の損傷を及ぼそうとも、ジョイントの力でこの肉体の檻の縛りを解き放ち法悦を得る方が、よほど神の御意志にかなっている。
ゆるゆると揺れるお湯の中で身を捻り窓を覗く。灰色の冬空を。代わり映えのしない陰鬱な空。僕の光は白い煙に導かれるのに、あいつは意地でも邪魔をする。
と、白樺の林を、黒い影が過ぎった。――ような気がした。
片羽の大鴉が僕を嗤った。
飛ぶのに、そんなもの必要ないよ――、って。
部屋に戻ると、鳥の巣頭はもういなかった。
安心してベッドに横たわった。
お腹が空いた。ジョイントを吸うとお腹が空くんだ。
あの大空を飛ぶから、お腹が空くんだ。
学校に戻ってからも、鳥の巣頭とはぎくしゃくしたままだ。ボート部の先輩方は、さすがにもう僕と遊ぶ気はないようだった。
また振り出しだ。
僕が着々と敷いた布石を鳥の巣頭がぶち壊す。いつもそうだ。あいつは僕の疫病神。そのくせしたり顔で僕の生活の全てを支配しようとするんだ。自分が僕の面倒を全てみてあげているような顔をして。
大嫌いだ……。
でも、もう一度あのパブに行きたくて、鳥の巣頭に声をかけた。あんな怖い地区の小汚い店に、一人で行く勇気なんてなかったから。
大鴉はもう、僕の部屋から見える川沿いの林に翼を休めに来ない。代わりに新入生の一団がツリーイングしている。どいつもこいつも大鴉の真似をして、ロープを引っ掛けた木の枝にみっともなく登っている。あんなもの見たって面白くもなんともない。木から降りる時だって、おっかなびっくりで伝い降りるだけ。大鴉みたいに見事なまでに美しく飛ぶ奴なんて一人もいない。
ピーチク煩いこの小雀らのせいで、大鴉はこの林に来なくなったんだ!
確かめたかった。天使くんがまだあの店にいるかどうか。僕の大鴉に近づいたりしていないかどうか。
休日の外出時は私服の着用が推奨されているのに、あの時の新入生は制服だった。休み明けで気が緩んでいるかもしれないし気になるんだ、と言うと、鳥の巣頭は驚いたように目を大きく見開いて僕の顔を見つめ、それからぱぁっと嬉しそうに笑った。久しぶりだ、こいつのこんな顔。
「そうだね、きみの言う通りだ。少し前にもあの辺りの地区で恐喝事件があったんだよ。見まわりがてら行ってみようか」
鳥の巣頭はうきうきと背筋を伸ばす。
「そんなふうに下級生のことを心配してくれていたなんて、ちっとも知らなかったよ」
そして、また以前のように饒舌に喋り始めた。
名家の子弟ばかりが通う有名私立校である僕たちの母校は、街の不良どもに目をつけられやすい。
もともと外出時は制服着用だったのを、公立校の連中や、地元のならず者とのトラブルを少しでも避けるようにと、休日時の私服着用を許可して欲しいと進言したのはソールスベリー先輩なのだそうだ。特に、まだ学校にも不慣れで狙われやすい下級生のうちは、上級生が外出につき添って警護するように規則で定めるよう申しで、規則化したのも彼の派閥の功績なのだ、と鳥の巣頭は、まるで自分の手柄でもあるかのように自慢げに喋っていた。
こいつ、いつの間に白い彼の信奉者に成りさがっていたんだ? でも、その彼が後見をする大鴉は、夜ごと、その危険な区域を遊び歩いている――。
この事実に鳥の巣頭はきゅっと口元を引きしめて、厳しい表情を示した。
「なんとかしないとね」
どうせ取りしまったって、あの大鴉のことだから、ひらりひらりと飛び立って逃げるに決まっている。それよりも天使くんだ――。いまだに大鴉を追いかけ回しているのか、その方が気になる。
答えは案の定だ。
天使くんは、相変わらず壁際の古びたピアノを弾いていた。
前に来たときよりも音が明るい。
僕にはそれが腹立たしくて堪らない。
その日は空いていたから、僕たちは窓辺の席に座った。鳥の巣頭はカレーを頼まなかった。壁の黒板に、白いチョークで大きく売り切れの文字が書かれていたから。
紅茶を注文し、しばらく顔を見合わせたまま、黙ってその場に座っていた。刻々と、ステンドグラスが一部嵌め込まれた窓ガラスの向こう側が、薄らと広がる闇に沈んで行く。窓外を通りすぎた一団に、鳥の巣頭は緊張した面持ちで立ちあがりかける。僕はこいつの腕を掴み、耳許で囁いた。
「馬術部の先輩がいる。僕がここに残って様子を探るから、彼を送ってあげて」
「でも……」
「きみじゃ警戒される。それに、これ以上新入生が巻きこまれたりしたら、大ごとになりかねないだろ? 送って、すぐに迎えにきて」
カラカラーン、と勢いよくドアが開く。どやどやと踏み込んで来た一団を一瞥することもなく、鳥の巣頭はピアノを弾いている天使くんに歩み寄り、天使くんは素直に頷き立ちあがった。
店の主人と喋っていたその一団は、がやがやと騒がしく厨房に続く扉を開け、階段を上がって行った。足音と、古い階段の軋む音が僕の席にまで大きく響いていた。
けれど、その中の一人がにやっと笑い、顎をしゃくって僕に合図をするのを、見逃しはしなかった。
馬術部の先輩ではないけれどね。だって、馬術部から生徒会に入った人なんていないもの――。
鳥の巣頭と天使くんが店を出るのを見送ってから、僕はこの店の主人に声をかけた。
「ご主人、二階にも部屋があるのですか? さっきの一団に友人がいたもので。僕も上がっても、かまわないでしょうか?」
1,089
お気に入りに追加
2,854
あなたにおすすめの小説
(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)
青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。
だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。
けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。
「なぜですか?」
「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」
イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの?
これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない)
因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。
(完結)「君を愛することはない」と言われて……
青空一夏
恋愛
ずっと憧れていた方に嫁げることになった私は、夫となった男性から「君を愛することはない」と言われてしまった。それでも、彼に尽くして温かい家庭をつくるように心がければ、きっと愛してくださるはずだろうと思っていたのよ。ところが、彼には好きな方がいて忘れることができないようだったわ。私は彼を諦めて実家に帰ったほうが良いのかしら?
この物語は憧れていた男性の妻になったけれど冷たくされたお嬢様を守る戦闘侍女たちの活躍と、お嬢様の恋を描いた作品です。
主人公はお嬢様と3人の侍女かも。ヒーローの存在感増すようにがんばります! という感じで、それぞれの視点もあります。
以前書いたもののリメイク版です。多分、かなりストーリーが変わっていくと思うので、新しい作品としてお読みください。
※カクヨム。なろうにも時差投稿します。
※作者独自の世界です。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
余命六年の幼妻の願い~旦那様は私に興味が無い様なので自由気ままに過ごさせて頂きます。~
流雲青人
恋愛
商人と商品。そんな関係の伯爵家に生まれたアンジェは、十二歳の誕生日を迎えた日に医師から余命六年を言い渡された。
しかし、既に公爵家へと嫁ぐことが決まっていたアンジェは、公爵へは病気の存在を明かさずに嫁ぐ事を余儀なくされる。
けれど、幼いアンジェに公爵が興味を抱く訳もなく…余命だけが過ぎる毎日を過ごしていく。

婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。

【完結】私はいてもいなくても同じなのですね ~三人姉妹の中でハズレの私~
紺青
恋愛
マルティナはスコールズ伯爵家の三姉妹の中でハズレの存在だ。才媛で美人な姉と愛嬌があり可愛い妹に挟まれた地味で不器用な次女として、家族の世話やフォローに振り回される生活を送っている。そんな自分を諦めて受け入れているマルティナの前に、マルティナの思い込みや常識を覆す存在が現れて―――家族にめぐまれなかったマルティナが、強引だけど優しいブラッドリーと出会って、少しずつ成長し、別離を経て、再生していく物語。
※三章まで上げて落とされる鬱展開続きます。
※因果応報はありますが、痛快爽快なざまぁはありません。
※なろうにも掲載しています。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる