9 / 58
9.薄氷の上を歩く
しおりを挟む 怪盗トリッカーの提案を、しばらくエルマーは口を引き結んで考えていたが、短く言い切った。
「……駄目だ」
「ならどうやって彼を止めると言うの?」
「……俺が囮になるから、お前がクリフォードを止めろ」
「……あなた、馬鹿じゃないの?」
思わず怪盗トリッカーは普段のイヴリルの口調に崩れてしまったが、エルマーは「ああ、もう。うるさいなっ!?」と言い返す。
「怪盗だろうが捕縛対象だろうが、女を囮に身内の暴走止める奴がどこにいるんだよ!? そもそも身内がおかしくなったのに、どうしてお前を囮に使うんだよ! お前だって、盗みたいものさっさと盗まず、なんで付き合ってくれるんだよ」
普段の子供なのか熱血漢なのかよくわからない幼馴染に正論を叩きつけられ、思わず怪盗トリッカーも言い返す。ほとんどイヴリルがまろび出ているが、格好のせいなのか魔道具のせいなのか、見えても勘付かれることはなかった。
「なによ……あの人が手柄欲しさに焦っているのが見てられなかったし、臭いものに蓋をしたくなかったのよ……いけない?」
「いや。あいつ、モテるからなあ」
(それ今関係あるのかしら)
そう思ったことは、口にはしなかった。結局はエルマーが「俺が囮」と言って聞かず、そろそろこちらの銃声で援軍が来てもおかしくないのだから、決着をつけたほうがいいと判断し、エルマーが揉み合っている間に、怪盗トリッカーがどうにかクリフォードを気絶させる方向で話は落ち着いた。
「じゃあ……銃は危ないからな? そしてクリフォードを抑え込めたら……お前を捕縛する」
「できたらね、騎士さん」
こうしてふたりは、遮蔽からクリフォードに向かって駆け出した。クリフォードは錯乱したままエルマーに銃を向ける。
「やっぱり……君は僕を馬鹿にして……!」
「お前頭いい癖して、ほんっとうに馬鹿だな!?」
これ以上引き金を引かせまいと、エルマーはクリフォードの手首を強く握って固定する。ふたりはギリギリと、手首を外す外さないで組み合いがはじまる。
「年なんて、誰もどうしようもないだろ!? 上から比べられる、下だと見向きもされない! そんなの、貴族も騎士も平民も、なんにも変わりゃしないよ! でもお前は、王立学園だと成績だって上位で、養子縁組先だってよりどりみどりだ! どれだけお前の兄上たちが立派だとしても、家に迎え入れる以上は優秀な人間が欲しいに決まってんだろ! その優秀な兄上たちばっかり見るの辞めろよ! ちょっとは同い年のほうも向けよ!」
「で、も……君は……!」
「うちは別に稼業だから継ぐだけで、そこに選ばれたとか恵まれたとか、そんなんはないよ! だからクリフォードは羨ましいし、妬ましいけど。そんなの、お前を追いやったところで俺が偉くも強くもなる訳ないだろ!」
だんだん、エルマーの手を振り解こうとするクリフォードの力が弱まってきた。それを見計らって、怪盗トリッカーは駆けて行った。彼女は魔道具の力を切った。
「……!? 怪盗、トリッカー……?」
「ごきげんよう、騎士さん。あなたの妬みや嫉み、よく聞かせてもらったわ。それを抱えて生きるのは大変ね。でも」
怪盗トリッカーはできる限り言葉を選んだ。
クリフォードの悩みは、おそらくエルマーよりもイヴリルのほうがよくわかっているという自負はあるが。彼が欲しいものは、きっと同情や同調ではない。
「それを見せずに抱えて、誇り高く真っ直ぐに生きるあなたは、とても素敵だと思うわ。いつか私を捕まえてね、待っているから」
優秀であることが当たり前である中、称賛ひとつなく生きることなんて、不可能に近いだろう。
怪盗トリッカーはひとつお辞儀をすると、鳥籠を開いた。
女神像の形が、吹き抜ける風に当たって崩れ落ちた砂上の城のように、どんどんと擦り減って、鳥籠の中へと入って行ってしまった。それに彼女は戸を閉めると、そのまま駆け抜けて行ってしまった。
揉み合っていたはずのエルマーとクリフォードは、呆気に取られてそれを見守っていたが、それも一瞬だった。
「ま、待て! 怪盗トリッカー! 俺たちを騙したのか!?」
「騎士さん、私まだ捕まる訳にはいかないの。全部終わったら捕まえに来てね」
そう言い残して、怪盗トリッカーは開け放った窓から飛び立ってしまった。
(明日、きっとエルマーは怒っているわね。でも……クリフォードとちゃんと仲直りできてたらいいんだけれど)
彼女は心底ふたりの仲を心配していたのだが、それを伝える術はなかった。
****
次の日、イヴリルが王立学園に向かうと、背筋を伸ばして歩いているエルマーが見えた。
「おはよう」
「ああ、おはよう……また怪盗トリッカーに逃げられた……新聞なんていい気なもんさ。王立美術館の遺産を盗まれたってさ!」
「そう……」
実際問題、女神像が盗まれたことで美術館関係者が相当混乱していることが新聞記事に書かれていたが、さすがに王のお膝元で盗まれたせいなのか国も気まずいと思ったのか、取り扱い方が普段の怪盗トリッカーの記事に比べたらだいぶ小さなものだった。
しかし新聞で護衛銃騎士団をあげつらわれたことがご立腹なエルマーからしてみれば、取り扱いの大きい小さいはあまり関係ないらしく、いつものように怒っていた。
「全く! 国の芸術をなんだと思ってるんだ! でも……今回ばかりはあんまり怒りたくないというか」
「あら? なにかあったの?」
イヴリルは自分が脱出してからのいきさつが気になり、思わずエルマーの顔を覗き込んでみるが、職務の話だからなのか、女子に話すには恥ずかしいと思っているのか、なかなか口を割ってはくれない。
「やあやあ、相変わらず君たちは仲がいいね!」
ふたりで見つめ合い……というより、イヴリルがどうにかエルマーの真意を覗き込もうとしたが、エルマーがなにかを察したのか頑なに目を合わせなかった……をしているのに、突然声をかけられた。
颯爽と歩く様は、先日会ったときと同じく自信たっぷりな風情のクリフォードであった。それにエルマーは「おはよう」と挨拶をする。
「おはようクリフォード。今朝も元気ね?」
「おはようイヴリル。そしてエルマー。僕は元気だよ」
「そりゃ元気でなによりだよ」
「うん……せっかく探偵が乗り込んでいったというのに、怪盗の罠にはまってしまって醜態をさらしてしまった。次はそうはいかないよ」
そうきっぱりと言うクリフォードの姿に、イヴリルはほっとする半分、複雑さ半分という心地であった。
(お兄さんたちに対するコンプレックスをどう解消したかはわからないけど、矛先を治めることはできたみたいね。エルマーに続いて追いかけてくる人が増えたのは困るけど……彼の感情をただ、臭いものに蓋をしなくって済んだみたい)
イヴリルはほっとひと息ついた中、エルマーは彼の態度に鼻息を噴いた。
「怪盗トリッカーを捕まえるのは俺だからな。絶対に負けないから」
「そういうのって、ふたりで仲良く捕まえるものじゃないの?」
騎士の競争心がいまいちわからないイヴリルがそう尋ねると、なぜかクリフォードとエルマー、ほぼ同時に言ってのけた。
「そういうのじゃないから」
イヴリルからしてみれば、そういうのが一番、よくわからないのだった。
「……駄目だ」
「ならどうやって彼を止めると言うの?」
「……俺が囮になるから、お前がクリフォードを止めろ」
「……あなた、馬鹿じゃないの?」
思わず怪盗トリッカーは普段のイヴリルの口調に崩れてしまったが、エルマーは「ああ、もう。うるさいなっ!?」と言い返す。
「怪盗だろうが捕縛対象だろうが、女を囮に身内の暴走止める奴がどこにいるんだよ!? そもそも身内がおかしくなったのに、どうしてお前を囮に使うんだよ! お前だって、盗みたいものさっさと盗まず、なんで付き合ってくれるんだよ」
普段の子供なのか熱血漢なのかよくわからない幼馴染に正論を叩きつけられ、思わず怪盗トリッカーも言い返す。ほとんどイヴリルがまろび出ているが、格好のせいなのか魔道具のせいなのか、見えても勘付かれることはなかった。
「なによ……あの人が手柄欲しさに焦っているのが見てられなかったし、臭いものに蓋をしたくなかったのよ……いけない?」
「いや。あいつ、モテるからなあ」
(それ今関係あるのかしら)
そう思ったことは、口にはしなかった。結局はエルマーが「俺が囮」と言って聞かず、そろそろこちらの銃声で援軍が来てもおかしくないのだから、決着をつけたほうがいいと判断し、エルマーが揉み合っている間に、怪盗トリッカーがどうにかクリフォードを気絶させる方向で話は落ち着いた。
「じゃあ……銃は危ないからな? そしてクリフォードを抑え込めたら……お前を捕縛する」
「できたらね、騎士さん」
こうしてふたりは、遮蔽からクリフォードに向かって駆け出した。クリフォードは錯乱したままエルマーに銃を向ける。
「やっぱり……君は僕を馬鹿にして……!」
「お前頭いい癖して、ほんっとうに馬鹿だな!?」
これ以上引き金を引かせまいと、エルマーはクリフォードの手首を強く握って固定する。ふたりはギリギリと、手首を外す外さないで組み合いがはじまる。
「年なんて、誰もどうしようもないだろ!? 上から比べられる、下だと見向きもされない! そんなの、貴族も騎士も平民も、なんにも変わりゃしないよ! でもお前は、王立学園だと成績だって上位で、養子縁組先だってよりどりみどりだ! どれだけお前の兄上たちが立派だとしても、家に迎え入れる以上は優秀な人間が欲しいに決まってんだろ! その優秀な兄上たちばっかり見るの辞めろよ! ちょっとは同い年のほうも向けよ!」
「で、も……君は……!」
「うちは別に稼業だから継ぐだけで、そこに選ばれたとか恵まれたとか、そんなんはないよ! だからクリフォードは羨ましいし、妬ましいけど。そんなの、お前を追いやったところで俺が偉くも強くもなる訳ないだろ!」
だんだん、エルマーの手を振り解こうとするクリフォードの力が弱まってきた。それを見計らって、怪盗トリッカーは駆けて行った。彼女は魔道具の力を切った。
「……!? 怪盗、トリッカー……?」
「ごきげんよう、騎士さん。あなたの妬みや嫉み、よく聞かせてもらったわ。それを抱えて生きるのは大変ね。でも」
怪盗トリッカーはできる限り言葉を選んだ。
クリフォードの悩みは、おそらくエルマーよりもイヴリルのほうがよくわかっているという自負はあるが。彼が欲しいものは、きっと同情や同調ではない。
「それを見せずに抱えて、誇り高く真っ直ぐに生きるあなたは、とても素敵だと思うわ。いつか私を捕まえてね、待っているから」
優秀であることが当たり前である中、称賛ひとつなく生きることなんて、不可能に近いだろう。
怪盗トリッカーはひとつお辞儀をすると、鳥籠を開いた。
女神像の形が、吹き抜ける風に当たって崩れ落ちた砂上の城のように、どんどんと擦り減って、鳥籠の中へと入って行ってしまった。それに彼女は戸を閉めると、そのまま駆け抜けて行ってしまった。
揉み合っていたはずのエルマーとクリフォードは、呆気に取られてそれを見守っていたが、それも一瞬だった。
「ま、待て! 怪盗トリッカー! 俺たちを騙したのか!?」
「騎士さん、私まだ捕まる訳にはいかないの。全部終わったら捕まえに来てね」
そう言い残して、怪盗トリッカーは開け放った窓から飛び立ってしまった。
(明日、きっとエルマーは怒っているわね。でも……クリフォードとちゃんと仲直りできてたらいいんだけれど)
彼女は心底ふたりの仲を心配していたのだが、それを伝える術はなかった。
****
次の日、イヴリルが王立学園に向かうと、背筋を伸ばして歩いているエルマーが見えた。
「おはよう」
「ああ、おはよう……また怪盗トリッカーに逃げられた……新聞なんていい気なもんさ。王立美術館の遺産を盗まれたってさ!」
「そう……」
実際問題、女神像が盗まれたことで美術館関係者が相当混乱していることが新聞記事に書かれていたが、さすがに王のお膝元で盗まれたせいなのか国も気まずいと思ったのか、取り扱い方が普段の怪盗トリッカーの記事に比べたらだいぶ小さなものだった。
しかし新聞で護衛銃騎士団をあげつらわれたことがご立腹なエルマーからしてみれば、取り扱いの大きい小さいはあまり関係ないらしく、いつものように怒っていた。
「全く! 国の芸術をなんだと思ってるんだ! でも……今回ばかりはあんまり怒りたくないというか」
「あら? なにかあったの?」
イヴリルは自分が脱出してからのいきさつが気になり、思わずエルマーの顔を覗き込んでみるが、職務の話だからなのか、女子に話すには恥ずかしいと思っているのか、なかなか口を割ってはくれない。
「やあやあ、相変わらず君たちは仲がいいね!」
ふたりで見つめ合い……というより、イヴリルがどうにかエルマーの真意を覗き込もうとしたが、エルマーがなにかを察したのか頑なに目を合わせなかった……をしているのに、突然声をかけられた。
颯爽と歩く様は、先日会ったときと同じく自信たっぷりな風情のクリフォードであった。それにエルマーは「おはよう」と挨拶をする。
「おはようクリフォード。今朝も元気ね?」
「おはようイヴリル。そしてエルマー。僕は元気だよ」
「そりゃ元気でなによりだよ」
「うん……せっかく探偵が乗り込んでいったというのに、怪盗の罠にはまってしまって醜態をさらしてしまった。次はそうはいかないよ」
そうきっぱりと言うクリフォードの姿に、イヴリルはほっとする半分、複雑さ半分という心地であった。
(お兄さんたちに対するコンプレックスをどう解消したかはわからないけど、矛先を治めることはできたみたいね。エルマーに続いて追いかけてくる人が増えたのは困るけど……彼の感情をただ、臭いものに蓋をしなくって済んだみたい)
イヴリルはほっとひと息ついた中、エルマーは彼の態度に鼻息を噴いた。
「怪盗トリッカーを捕まえるのは俺だからな。絶対に負けないから」
「そういうのって、ふたりで仲良く捕まえるものじゃないの?」
騎士の競争心がいまいちわからないイヴリルがそう尋ねると、なぜかクリフォードとエルマー、ほぼ同時に言ってのけた。
「そういうのじゃないから」
イヴリルからしてみれば、そういうのが一番、よくわからないのだった。
1,678
お気に入りに追加
2,854
あなたにおすすめの小説
(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)
青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。
だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。
けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。
「なぜですか?」
「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」
イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの?
これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない)
因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。
(完結)「君を愛することはない」と言われて……
青空一夏
恋愛
ずっと憧れていた方に嫁げることになった私は、夫となった男性から「君を愛することはない」と言われてしまった。それでも、彼に尽くして温かい家庭をつくるように心がければ、きっと愛してくださるはずだろうと思っていたのよ。ところが、彼には好きな方がいて忘れることができないようだったわ。私は彼を諦めて実家に帰ったほうが良いのかしら?
この物語は憧れていた男性の妻になったけれど冷たくされたお嬢様を守る戦闘侍女たちの活躍と、お嬢様の恋を描いた作品です。
主人公はお嬢様と3人の侍女かも。ヒーローの存在感増すようにがんばります! という感じで、それぞれの視点もあります。
以前書いたもののリメイク版です。多分、かなりストーリーが変わっていくと思うので、新しい作品としてお読みください。
※カクヨム。なろうにも時差投稿します。
※作者独自の世界です。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

溺愛されている妹がお父様の子ではないと密告したら立場が逆転しました。ただお父様の溺愛なんて私には必要ありません。
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるレフティアの日常は、父親の再婚によって大きく変わることになった。
妾だった継母やその娘である妹は、レフティアのことを疎んでおり、父親はそんな二人を贔屓していた。故にレフティアは、苦しい生活を送ることになったのである。
しかし彼女は、ある時とある事実を知ることになった。
父親が溺愛している妹が、彼と血が繋がっていなかったのである。
レフティアは、その事実を父親に密告した。すると調査が行われて、それが事実であることが判明したのである。
その結果、父親は継母と妹を排斥して、レフティアに愛情を注ぐようになった。
だが、レフティアにとってそんなものは必要なかった。継母や妹ともに自分を虐げていた父親も、彼女にとっては排除するべき対象だったのである。
余命六年の幼妻の願い~旦那様は私に興味が無い様なので自由気ままに過ごさせて頂きます。~
流雲青人
恋愛
商人と商品。そんな関係の伯爵家に生まれたアンジェは、十二歳の誕生日を迎えた日に医師から余命六年を言い渡された。
しかし、既に公爵家へと嫁ぐことが決まっていたアンジェは、公爵へは病気の存在を明かさずに嫁ぐ事を余儀なくされる。
けれど、幼いアンジェに公爵が興味を抱く訳もなく…余命だけが過ぎる毎日を過ごしていく。

婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。

口は禍の元・・・後悔する王様は王妃様を口説く
ひとみん
恋愛
王命で王太子アルヴィンとの結婚が決まってしまった美しいフィオナ。
逃走すら許さない周囲の鉄壁の護りに諦めた彼女は、偶然王太子の会話を聞いてしまう。
「跡継ぎができれば離縁してもかまわないだろう」「互いの不貞でも理由にすればいい」
誰がこんな奴とやってけるかっ!と怒り炸裂のフィオナ。子供が出来たら即離婚を胸に王太子に言い放った。
「必要最低限の夫婦生活で済ませたいと思います」
だが一目見てフィオナに惚れてしまったアルヴィン。
妻が初恋で絶対に別れたくない夫と、こんなクズ夫とすぐに別れたい妻とのすれ違いラブストーリー。
ご都合主義満載です!

【完結】私はいてもいなくても同じなのですね ~三人姉妹の中でハズレの私~
紺青
恋愛
マルティナはスコールズ伯爵家の三姉妹の中でハズレの存在だ。才媛で美人な姉と愛嬌があり可愛い妹に挟まれた地味で不器用な次女として、家族の世話やフォローに振り回される生活を送っている。そんな自分を諦めて受け入れているマルティナの前に、マルティナの思い込みや常識を覆す存在が現れて―――家族にめぐまれなかったマルティナが、強引だけど優しいブラッドリーと出会って、少しずつ成長し、別離を経て、再生していく物語。
※三章まで上げて落とされる鬱展開続きます。
※因果応報はありますが、痛快爽快なざまぁはありません。
※なろうにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる