ご愛妾様は今日も無口。

「セレスティーヌ、お願いだ。一言でいい。私に声を聞かせてくれ」
今日もアロイス陛下が懇願している。

「……ご愛妾様、陛下がお呼びです」
「ご愛妾様?」
「……セレスティーヌ様」

名前で呼ぶとようやく俺の方を見た。
彼女が反応するのは俺だけ。陛下の護衛である俺だけなのだ。

軽く手で招かれ、耳元で囁かれる。
後ろからは陛下の殺気がだだ漏れしている。
死にたくないから止めてくれ!

「……セレスティーヌは何と?」
「あのですね、何の為に?と申されております。これ以上何を搾取するのですか、と」

ビキッ!と音がしそうなほど陛下の表情が引き攣った。

違うんだ。本当に彼女がそう言っているんです!

国王陛下と愛妾と、その二人に巻きこまれた護衛のお話。

設定緩めのご都合主義です。
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