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【小話】
ちびっ子小話
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【がんばれ、王子様!(アイリス編)】
「アイリスはどんな人と結婚したい?」
「どうしたの、アイクさま」
「僕の今後の目標にしたいから教えてくれるかな」
「ん~?いいけど内緒ね?私はね、お父様みたいな人がいいの」
「…どのあたりかな」
「お父様はね、すっごく強いの。剣術も体術も凄いのよ!」
「……そうだね」
「あとね、頭もいいの。5ヶ国も話せるのよ。凄いでしょう?」
「…………そうだね」
「あと、すっごく優しいのよ。でも、私が悪いことをしたらちゃんと叱ってくれるの。お母様も時々デコピンされちゃうのよ?」
「…痛いのに嬉しいの?」
「だって私を心配してくれて、ちゃんといい子になれるように教えてくれてるのよ。どうでもいい子なら叱らないでしょ?あれはね、愛なの」
「…愛」
「そう、お母様の受け売りだけど!」
「君達は素敵な家族だね」
「ふふっ、ありがと。あ、あとはお顔!お父様はとっても綺麗で、笑ってくれると幸せな気持ちになるの。
ようするに、全部大好きよ!」
「……うん。スゴイね、心が折れそうだ」
「大丈夫?でも、アイク様も好きよ?だって優しいもん。騎士になりたい私を馬鹿にしないでくれてありがとう」
「アイリス…!僕もっ、僕もね君のことがす…」
「迎えに来たぞ、アイリス」
「お父様!一緒に帰れるの?」
「もちろん。悪い虫が付くと困るからな」
「?虫さんくらい怖くないよ?」
「そうかアイリスは強いからな」
「そうよ、でも、もっとも───っと強くなるの!だから、また稽古を付けてくださいっ!」
「マナーのお勉強も頑張ったらな。
では、アイザック殿下。これで失礼させて頂きます」
「アイク様、ごきげんよう!」
「あ、ああ。アイリス、また遊びに来てね!ユリシーズ様っ!僕は諦めませんからねっ!」
「いつでもねじ伏せて差し上げますので、頑張ってください。楽しみにしていますよ」
「お父様、ユリシーズ様の弱点は何ですか?」
「ジャスミン夫人や子供達だろうな」
「…それ、突付いたら瞬殺されますよね」
「そうだな」
「……僕、いつか勝てるでしょうか」
「あー……頑張ればいつか?」
「分かりました!がんばりますね!」
【がんばれ、王子様!(アンブローズ編)】
「アンブローズは何が好きかな」
「むししゃん」
「ああ、昆虫が好きなんだね」
「ありしゃん、おみじゅだめの、だんごしゃんへいきの。じゃぶじゃぶないの、あゆくの、しゅごいね?」
「……ん?」
「あんよ、ちゃうの。ありしゃん、ちょうちょしゃんいっしょ、だんごしゃん、ちゃうの。どちて?むししゃん、いっちょ」
「………ユリシーズ様を探そうか」
(実は迷子のアンブローズを発見しただけ)
「見つけて下さりありがとうございます」
「いえ、あの。ねえ、アンブローズ。さっきの虫さんのお話をもう一度教えてくれる?」
「んと、( 呪文 )なのよ」
「ああ、蟻は水が駄目でダンゴ虫は平気。でもじゃぶじゃぶ泳ぐのではなく歩いているそうです。
それと、蟻と蝶は足の数が同じで、ダンゴ虫は違う。同じ虫なのに如何して?と言う質問ですね」
「……アンブローズ、ごめん。僕はまだ君のお兄様にはなれないようだ」
【人物紹介】
アイザック第一王子(アイクは愛称) 5歳
アイリスが大好き。
でも、ユリシーズのガードが固い上に、理想の男性がそのユリシーズだと知り、ちょっとショック。勝てる気がしない。
アンブローズも可愛いと思うが、放たれる呪文の解析が追い付かない。
解析精度が上がるか、アンブローズの会話が上手になるか。どちらが先かは不明。
「アイリスはどんな人と結婚したい?」
「どうしたの、アイクさま」
「僕の今後の目標にしたいから教えてくれるかな」
「ん~?いいけど内緒ね?私はね、お父様みたいな人がいいの」
「…どのあたりかな」
「お父様はね、すっごく強いの。剣術も体術も凄いのよ!」
「……そうだね」
「あとね、頭もいいの。5ヶ国も話せるのよ。凄いでしょう?」
「…………そうだね」
「あと、すっごく優しいのよ。でも、私が悪いことをしたらちゃんと叱ってくれるの。お母様も時々デコピンされちゃうのよ?」
「…痛いのに嬉しいの?」
「だって私を心配してくれて、ちゃんといい子になれるように教えてくれてるのよ。どうでもいい子なら叱らないでしょ?あれはね、愛なの」
「…愛」
「そう、お母様の受け売りだけど!」
「君達は素敵な家族だね」
「ふふっ、ありがと。あ、あとはお顔!お父様はとっても綺麗で、笑ってくれると幸せな気持ちになるの。
ようするに、全部大好きよ!」
「……うん。スゴイね、心が折れそうだ」
「大丈夫?でも、アイク様も好きよ?だって優しいもん。騎士になりたい私を馬鹿にしないでくれてありがとう」
「アイリス…!僕もっ、僕もね君のことがす…」
「迎えに来たぞ、アイリス」
「お父様!一緒に帰れるの?」
「もちろん。悪い虫が付くと困るからな」
「?虫さんくらい怖くないよ?」
「そうかアイリスは強いからな」
「そうよ、でも、もっとも───っと強くなるの!だから、また稽古を付けてくださいっ!」
「マナーのお勉強も頑張ったらな。
では、アイザック殿下。これで失礼させて頂きます」
「アイク様、ごきげんよう!」
「あ、ああ。アイリス、また遊びに来てね!ユリシーズ様っ!僕は諦めませんからねっ!」
「いつでもねじ伏せて差し上げますので、頑張ってください。楽しみにしていますよ」
「お父様、ユリシーズ様の弱点は何ですか?」
「ジャスミン夫人や子供達だろうな」
「…それ、突付いたら瞬殺されますよね」
「そうだな」
「……僕、いつか勝てるでしょうか」
「あー……頑張ればいつか?」
「分かりました!がんばりますね!」
【がんばれ、王子様!(アンブローズ編)】
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「むししゃん」
「ああ、昆虫が好きなんだね」
「ありしゃん、おみじゅだめの、だんごしゃんへいきの。じゃぶじゃぶないの、あゆくの、しゅごいね?」
「……ん?」
「あんよ、ちゃうの。ありしゃん、ちょうちょしゃんいっしょ、だんごしゃん、ちゃうの。どちて?むししゃん、いっちょ」
「………ユリシーズ様を探そうか」
(実は迷子のアンブローズを発見しただけ)
「見つけて下さりありがとうございます」
「いえ、あの。ねえ、アンブローズ。さっきの虫さんのお話をもう一度教えてくれる?」
「んと、( 呪文 )なのよ」
「ああ、蟻は水が駄目でダンゴ虫は平気。でもじゃぶじゃぶ泳ぐのではなく歩いているそうです。
それと、蟻と蝶は足の数が同じで、ダンゴ虫は違う。同じ虫なのに如何して?と言う質問ですね」
「……アンブローズ、ごめん。僕はまだ君のお兄様にはなれないようだ」
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アイザック第一王子(アイクは愛称) 5歳
アイリスが大好き。
でも、ユリシーズのガードが固い上に、理想の男性がそのユリシーズだと知り、ちょっとショック。勝てる気がしない。
アンブローズも可愛いと思うが、放たれる呪文の解析が追い付かない。
解析精度が上がるか、アンブローズの会話が上手になるか。どちらが先かは不明。
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