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「お父しゃま、お母しゃま、おはようございましゅ」
「おはよう、レーヴェ」
「お母しゃま、アディは?」
「残念ながらまだ寝てるわ。ご飯を食べたら会いに行きましょうか」
「はーい!」
今日もウチの王子様は可愛いわ。
レオンハルトは3歳、アデリナは1歳。二人とも間違いなくハルの子供!と分かるくらい父親似。私と似ているのはレーヴェの瞳の色と、アディの髪が柔らかな癖っ毛なことくらいかしら。
家族が美しすぎて日々天国です。
でも、こんなに順調に子供を授かれるとは思わなかった。
初夜は本当に大変だった……ハルが。
私が少しでも痛そうにすると、やっぱり止めようと逃げ腰になり、大丈夫だよと宥めたりなんだりととっても時間をかけて、それでもやっぱりと怖がるので。
「私には女の魅力が無いのね?!」とキレた。
そんな筈ない。ただロッテを傷付けるのが怖いんだと言いながらも、ようやく覚悟を決めてくれて結ばれる事ができた。
確かに痛みはあったけど、私は本当に嬉しかったの。ハルも幸せそうだった……のだけど。
すべてが終わり、ハルが気付いてしまったのだ。破瓜の血に。だって初めてだったから仕方がないわよね。私は当たり前だと思っていたからケロッとしていたのだけど。
ハルは蒼白になって泣いてしまった。
もう二度と傷付けないと誓ったのに、と。
あれは本当に申し訳なかったと反省したわ。
それでもいつかは通る道。頑張って立ち直ってもらおうと、必死に慰めました。これは怪我ではなく夫婦になった証なのよ、と。
でも、そこまで私を傷付けたくないと思ってくれているハルのことが更に愛しくなり。たくさんのキスと愛の言葉を降らせながら抱き締めて眠った。
いまではいい思い出ね。
「レーヴェ、春になったらお祖父様達に会いに行けるわよ。パーティーがあるの。あとね、最近子猫が生まれたんですって」
「ねこしゃん!ちいちゃい?だっこしていい?いついく?明日?明日いく?」
うん、パーティーはどうでもいいのね。
「そうね、もう少し暖かくなってからよ」
「ねこしゃん!早くいきたいでしゅ!」
「ちょっと伝えるのが早かったんじゃない?また何時いつ攻撃が始まるよ」
「そうね。失敗したわ」
何時いつ攻撃とは、毎日のように、いつ行くの?明日?明日?とひたすら聞いてくること。どうして攻撃と同じで大変なやつです。
「レーヴェ、マリウスも同じ船で行くんだよ」
「ほんと?」
「お仕事のパーティーだから、一緒に行くんだ。たくさん遊んでもらえるね」
マリウスはギル先輩の息子さん。先輩と違って笑顔が可愛い小さな紳士で、レーヴェを弟のように可愛がってくれている。
「そうよ。だから船で何をして遊ぶか、お荷物は何を持っていくか決めなきゃ。お祖父様達へのおみやげも選ばなきゃだし、レーヴェのお仕事がたくさんあるわ。頑張れるかしら?」
「はい、がんばりゅ!えとね、きかくちょ?をちゅくりましゅ!」
可愛いい。可愛すぎる。どこで覚えたの企画書なんて。ハルが肩を震わせて笑うのを耐えてるわ。
「そうね、頑張ってちょうだい。楽しみにしてるわ」
「おまかしぇくだちゃい!」
もう無理!ハルと二人で大笑いしたら、レーヴェが拗ねてしまった。ごめんね、でも可愛過ぎだもの。
魔導具の開発が成功した。10年以上かかったわね。でもまだまだ改良の余地がある。
それでも、新技術として認められるだけの物ができた。そのお祝いとして完成披露パーティーが開かれるのだ。
陛下には間違っても領地をくれたりや陞爵はお断りだと前もってハルから手紙を出してもらった。管理できないものはいらないし、ギレッセンから離れるつもりもない。
家族や友人に会えるのが楽しみだわ。
今はもう、国に帰るのもあの頃の同級生に会うのも怖くない。たまに後ろめたそうな顔をして逃げて行く人がいるのを見て、可哀想に。と思うくらいね。
謝罪することなく、たぶん誰にも話す事もできず。忘れようと努力したのに、まさかハルと結婚しているから焦っているのでしょう。
私は今更そんな昔の事に関心はないのに。
勝手に胸の中に罪悪感を抱いたまま生きていけばいいんじゃないかしら。
「さて、お姫様は起きたかしら?」
「アディおきた?おはようしにいこ!」
「ハルは?」
「もちろん一緒に行くよ」
うん、今日もいい日になりそうだわ。
【End.】
「おはよう、レーヴェ」
「お母しゃま、アディは?」
「残念ながらまだ寝てるわ。ご飯を食べたら会いに行きましょうか」
「はーい!」
今日もウチの王子様は可愛いわ。
レオンハルトは3歳、アデリナは1歳。二人とも間違いなくハルの子供!と分かるくらい父親似。私と似ているのはレーヴェの瞳の色と、アディの髪が柔らかな癖っ毛なことくらいかしら。
家族が美しすぎて日々天国です。
でも、こんなに順調に子供を授かれるとは思わなかった。
初夜は本当に大変だった……ハルが。
私が少しでも痛そうにすると、やっぱり止めようと逃げ腰になり、大丈夫だよと宥めたりなんだりととっても時間をかけて、それでもやっぱりと怖がるので。
「私には女の魅力が無いのね?!」とキレた。
そんな筈ない。ただロッテを傷付けるのが怖いんだと言いながらも、ようやく覚悟を決めてくれて結ばれる事ができた。
確かに痛みはあったけど、私は本当に嬉しかったの。ハルも幸せそうだった……のだけど。
すべてが終わり、ハルが気付いてしまったのだ。破瓜の血に。だって初めてだったから仕方がないわよね。私は当たり前だと思っていたからケロッとしていたのだけど。
ハルは蒼白になって泣いてしまった。
もう二度と傷付けないと誓ったのに、と。
あれは本当に申し訳なかったと反省したわ。
それでもいつかは通る道。頑張って立ち直ってもらおうと、必死に慰めました。これは怪我ではなく夫婦になった証なのよ、と。
でも、そこまで私を傷付けたくないと思ってくれているハルのことが更に愛しくなり。たくさんのキスと愛の言葉を降らせながら抱き締めて眠った。
いまではいい思い出ね。
「レーヴェ、春になったらお祖父様達に会いに行けるわよ。パーティーがあるの。あとね、最近子猫が生まれたんですって」
「ねこしゃん!ちいちゃい?だっこしていい?いついく?明日?明日いく?」
うん、パーティーはどうでもいいのね。
「そうね、もう少し暖かくなってからよ」
「ねこしゃん!早くいきたいでしゅ!」
「ちょっと伝えるのが早かったんじゃない?また何時いつ攻撃が始まるよ」
「そうね。失敗したわ」
何時いつ攻撃とは、毎日のように、いつ行くの?明日?明日?とひたすら聞いてくること。どうして攻撃と同じで大変なやつです。
「レーヴェ、マリウスも同じ船で行くんだよ」
「ほんと?」
「お仕事のパーティーだから、一緒に行くんだ。たくさん遊んでもらえるね」
マリウスはギル先輩の息子さん。先輩と違って笑顔が可愛い小さな紳士で、レーヴェを弟のように可愛がってくれている。
「そうよ。だから船で何をして遊ぶか、お荷物は何を持っていくか決めなきゃ。お祖父様達へのおみやげも選ばなきゃだし、レーヴェのお仕事がたくさんあるわ。頑張れるかしら?」
「はい、がんばりゅ!えとね、きかくちょ?をちゅくりましゅ!」
可愛いい。可愛すぎる。どこで覚えたの企画書なんて。ハルが肩を震わせて笑うのを耐えてるわ。
「そうね、頑張ってちょうだい。楽しみにしてるわ」
「おまかしぇくだちゃい!」
もう無理!ハルと二人で大笑いしたら、レーヴェが拗ねてしまった。ごめんね、でも可愛過ぎだもの。
魔導具の開発が成功した。10年以上かかったわね。でもまだまだ改良の余地がある。
それでも、新技術として認められるだけの物ができた。そのお祝いとして完成披露パーティーが開かれるのだ。
陛下には間違っても領地をくれたりや陞爵はお断りだと前もってハルから手紙を出してもらった。管理できないものはいらないし、ギレッセンから離れるつもりもない。
家族や友人に会えるのが楽しみだわ。
今はもう、国に帰るのもあの頃の同級生に会うのも怖くない。たまに後ろめたそうな顔をして逃げて行く人がいるのを見て、可哀想に。と思うくらいね。
謝罪することなく、たぶん誰にも話す事もできず。忘れようと努力したのに、まさかハルと結婚しているから焦っているのでしょう。
私は今更そんな昔の事に関心はないのに。
勝手に胸の中に罪悪感を抱いたまま生きていけばいいんじゃないかしら。
「さて、お姫様は起きたかしら?」
「アディおきた?おはようしにいこ!」
「ハルは?」
「もちろん一緒に行くよ」
うん、今日もいい日になりそうだわ。
【End.】
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