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私はまだ誰にも返事を送っていなかった。
手紙って何か違うのよね。文章にすると綺麗事で纏めてしまうというか……どこか本音ではない感じ。
結局3人にはもうすぐ王都に戻るから、会って話をしましょう、というメッセージのみを送った。
殿下には送れなかった。彼がどこにいるのか分からなかったのだ。
すべてが終わったら会いに行こう。
魔法も誤解も無い状態で話がしたい。
王都に戻ってすぐ、父と共に登城するよう通達が来た。王宮に行くのは久しぶりだわ。王子妃教育で通っていた頃が懐かしい。
謁見の間には、私達だけでなく幾人もの人がいた。私が渡した資料に載せた生徒と両親、学園長と教師達だ。
すごい、一気に方を付けるおつもりかしら。
「ブリッチェ伯爵も呼ばれたのですか?いや、今回の事件は驚きましたね。今時魔法が存在するとは思いませんでしたよ」
そんなに気軽に声を掛けてくるとは思いませんでしたよ?
「……やぁ、バーデン伯爵。なぜここに呼ばれたかは知っているのだよね?」
「学園で魔法による集団催眠のようなことがあったらしいね。手紙には当事者である娘にしっかり確認をしておくようにと書いてあったよ。
それを読んで初めて知ったから本当に驚いたさ。学園からもそんな話は聞かされていなかったし困ったものだ」
「なるほど。お嬢さんは何と?うちの娘の話と同じだろうか」
そう言って父が後ろに立っているバーデン嬢に視線を向ける。気まずそうにしているので、真実は語っていなさそう。
「殿下を自分の思い通りに操って、周りにそれを信じ込ませたと聞いてるよ。恐ろしい話だな」
「本当に恐ろしいね。自分のした事をどこまで隠すつもりなのかな。悪事は必ずバレるのに。あなたもそう思うだろう?バーデン伯爵令嬢」
お父様の様子がおかしい事にやっと気が付いたのだろう。バーデン伯爵が娘に視線をやる。
「……マヌエラ、お前何か」
「国王陛下、並びに王太子殿下がお見えになります!」
話を止め、扉に向き直り頭を下げる。
バーデン伯爵は真実に辿り着く時間が足りなかったわね。どうなるかしら?
陛下と一緒に入ってきたのは王太子殿下のみ。王妃様の姿はない。
「今回、とても残念な事件が起きた。一年に渡る長い期間、学園で魔法が使用された。犯人逮捕と使用した魔導具の回収は終わり、魔法の影響が無くなったことは確認できたので安心してほしい」
よかった。ちゃんと魔導具は見つかったのね。
「さて、君達はなぜここに呼ばれたか分かるだろうか。そうだな、学園長に聞いてみよう。なぜだと思う?」
「は、学園内での事件に気付くことができず、誠に申し訳ございません。その責任を取る為かと思っております」
「君は魔法が解けてから何をしていた?」
「魔法は門外漢ですので、陛下が派遣して下さった調査団にお任せする形になっておりました」
陛下はため息をつき、冷たい視線で全員を見渡す。残念ながら、皆何が悪いのか分かっていないようだ。魔法に掛かった被害者のつもりなのだろう。
「ブリッチェ伯爵令嬢、こちらへ。
では質問を変えよう。なぜここに彼女が呼ばれたか分かるか?」
「……魔法の影響で殿下との仲が悪化し、その、婚約白紙になった被害者だからではないでしょうか」
「なるほどな。どうだ、リーゼロッテ。合っているかな。この場はお前の為に用意したものだ。遠慮なく話してくれていい」
え、陛下ったら丸投げですか?こんなにも大勢の人達の前で?学園長やら侯爵やら色々いますけど。この人達に遠慮なく言っていいの?
「……あとから私が捕まるとかないですよね?」
「もちろんだ。1年も黙ってきたのだ。言いたいことを言っていい。私からももちろん謝罪はするが、それでは足りないだろう。この場が詫びの一つだ。受け取ってくれ」
嬉しいような、楽して狡いような。
まぁいいわ。ありがたく受け取りましょう。
「分かりました。では、ありがたく言いたい事を言わせて頂きますね。
皆様、私はブリッチェ伯爵家のリーゼロッテと申します。ジークハルト第二王子殿下の元婚約者です。
私は一年もの間、学園で虐めにあってきました。この場に来ていただいた方達は、実際に手を出して来た方とそのご家族です。先生は私が訴えても無視をしたり、逆に私が悪いと叱責してきた人達です。
もちろん、覚えていますよね?」
手紙って何か違うのよね。文章にすると綺麗事で纏めてしまうというか……どこか本音ではない感じ。
結局3人にはもうすぐ王都に戻るから、会って話をしましょう、というメッセージのみを送った。
殿下には送れなかった。彼がどこにいるのか分からなかったのだ。
すべてが終わったら会いに行こう。
魔法も誤解も無い状態で話がしたい。
王都に戻ってすぐ、父と共に登城するよう通達が来た。王宮に行くのは久しぶりだわ。王子妃教育で通っていた頃が懐かしい。
謁見の間には、私達だけでなく幾人もの人がいた。私が渡した資料に載せた生徒と両親、学園長と教師達だ。
すごい、一気に方を付けるおつもりかしら。
「ブリッチェ伯爵も呼ばれたのですか?いや、今回の事件は驚きましたね。今時魔法が存在するとは思いませんでしたよ」
そんなに気軽に声を掛けてくるとは思いませんでしたよ?
「……やぁ、バーデン伯爵。なぜここに呼ばれたかは知っているのだよね?」
「学園で魔法による集団催眠のようなことがあったらしいね。手紙には当事者である娘にしっかり確認をしておくようにと書いてあったよ。
それを読んで初めて知ったから本当に驚いたさ。学園からもそんな話は聞かされていなかったし困ったものだ」
「なるほど。お嬢さんは何と?うちの娘の話と同じだろうか」
そう言って父が後ろに立っているバーデン嬢に視線を向ける。気まずそうにしているので、真実は語っていなさそう。
「殿下を自分の思い通りに操って、周りにそれを信じ込ませたと聞いてるよ。恐ろしい話だな」
「本当に恐ろしいね。自分のした事をどこまで隠すつもりなのかな。悪事は必ずバレるのに。あなたもそう思うだろう?バーデン伯爵令嬢」
お父様の様子がおかしい事にやっと気が付いたのだろう。バーデン伯爵が娘に視線をやる。
「……マヌエラ、お前何か」
「国王陛下、並びに王太子殿下がお見えになります!」
話を止め、扉に向き直り頭を下げる。
バーデン伯爵は真実に辿り着く時間が足りなかったわね。どうなるかしら?
陛下と一緒に入ってきたのは王太子殿下のみ。王妃様の姿はない。
「今回、とても残念な事件が起きた。一年に渡る長い期間、学園で魔法が使用された。犯人逮捕と使用した魔導具の回収は終わり、魔法の影響が無くなったことは確認できたので安心してほしい」
よかった。ちゃんと魔導具は見つかったのね。
「さて、君達はなぜここに呼ばれたか分かるだろうか。そうだな、学園長に聞いてみよう。なぜだと思う?」
「は、学園内での事件に気付くことができず、誠に申し訳ございません。その責任を取る為かと思っております」
「君は魔法が解けてから何をしていた?」
「魔法は門外漢ですので、陛下が派遣して下さった調査団にお任せする形になっておりました」
陛下はため息をつき、冷たい視線で全員を見渡す。残念ながら、皆何が悪いのか分かっていないようだ。魔法に掛かった被害者のつもりなのだろう。
「ブリッチェ伯爵令嬢、こちらへ。
では質問を変えよう。なぜここに彼女が呼ばれたか分かるか?」
「……魔法の影響で殿下との仲が悪化し、その、婚約白紙になった被害者だからではないでしょうか」
「なるほどな。どうだ、リーゼロッテ。合っているかな。この場はお前の為に用意したものだ。遠慮なく話してくれていい」
え、陛下ったら丸投げですか?こんなにも大勢の人達の前で?学園長やら侯爵やら色々いますけど。この人達に遠慮なく言っていいの?
「……あとから私が捕まるとかないですよね?」
「もちろんだ。1年も黙ってきたのだ。言いたいことを言っていい。私からももちろん謝罪はするが、それでは足りないだろう。この場が詫びの一つだ。受け取ってくれ」
嬉しいような、楽して狡いような。
まぁいいわ。ありがたく受け取りましょう。
「分かりました。では、ありがたく言いたい事を言わせて頂きますね。
皆様、私はブリッチェ伯爵家のリーゼロッテと申します。ジークハルト第二王子殿下の元婚約者です。
私は一年もの間、学園で虐めにあってきました。この場に来ていただいた方達は、実際に手を出して来た方とそのご家族です。先生は私が訴えても無視をしたり、逆に私が悪いと叱責してきた人達です。
もちろん、覚えていますよね?」
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