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今回の対応は早かった。まさか領地まで調査に来るとは思わなかった。
「はじめまして。研究員のアドラーと申します。休養中のところ押しかけて申し訳ありません」
「リーゼロッテ・ブリッチェです。遠方までお越しいただきありがとうございます」
若い方ね、もっとご年配の方が来られるかと思ったわ。移動距離が長いから若手が回されたとか?
「さっそくですが、お嬢様が魔法に掛けられていたと思われた理由などお聞きしてもよろしいでしょうか」
「はい、こちらを用意しておきました。私が覚えている範囲ですが、約一年学園で起きた出来事と生徒達の行動などをまとめたものです。私の主観にはなりますが、前回お調べいただいたことと照らし合わせていただけるとよろしいかと」
「これは助かります。この様にしっかりとまとめていただけて感謝します」
前回の調査で、殿下と1~2を争う被害者である私に一言も聞きに来なかったのはもの申したいところ。今相手を怒らせてもいいことは無いから我慢するけど。
よっぽど殿下の不始末を隠したかったのかしら。あと学園側もかな。ホントに狡いわ。
「そちらの調査内容も開示していただけるのですよね?被害者の私が何も知らないなんておかしいですもの。マルティナ様の能力は禁忌に当たるそうですが、隠され続けた結果がこれです。殿下も私も魔法が解けず、大変迷惑していますのよ?」
「それは、そのですね」
「あの時。殿下の力があと少し強ければ。打ちどころがあと少しでも悪ければ、私は死に至った可能性もあります。それとも?あれは魔法ではなく殿下の意思でなされた殺人行動だったというのですか?」
「とんでもありません!殿下がそんな!」
「では、どの様な魔法だったのか。被害者である私が納得いくように教えてくださいませ」
ニッコリと微笑みこちらのペースに持って行く。若い子で良かった。爵位も高くないのだろう。私程度の圧であせりまくっている。
「魔法は魅了ではない。マルティナ様の意思に沿う行動をさせることができる。違いますか?」
「どうして!」
「簡単です。あの頃の私がありえない思考をしていたからです。
殿下に冷たくされた時、私は所詮伯爵令嬢だから殿下にふさわしくなかった、と考えました。でも、私はそんなことを思ったことが一度もなかったの」
だっていずれ臣籍降下するなら、我が家のような資産家は嬉しいでしょう?新しい爵位を用意する必要が無くなるし、資金面で王家の後ろ盾になれる。でも爵位は高くないから、いずれ子供の代になっても王位を狙われることもない。皇太子と争う気の無い第二王子には程よい爵位なのよね。
「それなのに、なぜ伯爵家程度などという考えになったの?考えられるのは公女がそう思っていたということよ。伯爵令嬢の私より公女である自分の方がふさわしい。そう考えていたのでは?」
本当に腹立たしいわ。公女だからなんだというの?言いたくないけど、庶子の公女にそこまでの旨味があるかしら。今更婚姻での繋がりが必要なほどの国でもないし、あるのは美貌だけじゃない。
あら、少し格好いいわね。私の美しさにひれ伏しなさい!とか言って正々堂々戦ってほしかったわ。
「あと、前回は本当にきちんと調査をしたのですか?私のもとにはどなたもいらっしゃいませんでしたね」
なんだか虐めてる気分。でもおかしいでしょう?私は怪我までしたのよ?殿下の婚約者だったし、普通は聞きに来るでしょう。
「あの……申し訳ありません!」
「謝って欲しいわけではありません。私は真実が知りたいのです。お願いです、私はこの苦しみを終らせたいのよ…」
涙は出ないけど、心情的泣き落としで!
切なげに視線を落とす。
「…じつは、最初はちゃんと調査に伺う予定だったんです。ですが王妃様が……あの、お嬢様は心も身体も傷付いているのに調査だなんて許されないとおっしゃって。
ただ、お嬢様からは事が大きくなるのは誰の為にもならないから、できるだけ穏便に終わらせてほしいと言われたと」
「……えっ?」
王妃様が……
そっか、私より可愛い息子を取ったのね。
でも、そんな息子を暴力を犯す人間だと決めつけているくせに!身勝手さに吐き気がするわ。
魔法がなくても権力がございますって?
本当にこんな国捨てようかな。
「はじめまして。研究員のアドラーと申します。休養中のところ押しかけて申し訳ありません」
「リーゼロッテ・ブリッチェです。遠方までお越しいただきありがとうございます」
若い方ね、もっとご年配の方が来られるかと思ったわ。移動距離が長いから若手が回されたとか?
「さっそくですが、お嬢様が魔法に掛けられていたと思われた理由などお聞きしてもよろしいでしょうか」
「はい、こちらを用意しておきました。私が覚えている範囲ですが、約一年学園で起きた出来事と生徒達の行動などをまとめたものです。私の主観にはなりますが、前回お調べいただいたことと照らし合わせていただけるとよろしいかと」
「これは助かります。この様にしっかりとまとめていただけて感謝します」
前回の調査で、殿下と1~2を争う被害者である私に一言も聞きに来なかったのはもの申したいところ。今相手を怒らせてもいいことは無いから我慢するけど。
よっぽど殿下の不始末を隠したかったのかしら。あと学園側もかな。ホントに狡いわ。
「そちらの調査内容も開示していただけるのですよね?被害者の私が何も知らないなんておかしいですもの。マルティナ様の能力は禁忌に当たるそうですが、隠され続けた結果がこれです。殿下も私も魔法が解けず、大変迷惑していますのよ?」
「それは、そのですね」
「あの時。殿下の力があと少し強ければ。打ちどころがあと少しでも悪ければ、私は死に至った可能性もあります。それとも?あれは魔法ではなく殿下の意思でなされた殺人行動だったというのですか?」
「とんでもありません!殿下がそんな!」
「では、どの様な魔法だったのか。被害者である私が納得いくように教えてくださいませ」
ニッコリと微笑みこちらのペースに持って行く。若い子で良かった。爵位も高くないのだろう。私程度の圧であせりまくっている。
「魔法は魅了ではない。マルティナ様の意思に沿う行動をさせることができる。違いますか?」
「どうして!」
「簡単です。あの頃の私がありえない思考をしていたからです。
殿下に冷たくされた時、私は所詮伯爵令嬢だから殿下にふさわしくなかった、と考えました。でも、私はそんなことを思ったことが一度もなかったの」
だっていずれ臣籍降下するなら、我が家のような資産家は嬉しいでしょう?新しい爵位を用意する必要が無くなるし、資金面で王家の後ろ盾になれる。でも爵位は高くないから、いずれ子供の代になっても王位を狙われることもない。皇太子と争う気の無い第二王子には程よい爵位なのよね。
「それなのに、なぜ伯爵家程度などという考えになったの?考えられるのは公女がそう思っていたということよ。伯爵令嬢の私より公女である自分の方がふさわしい。そう考えていたのでは?」
本当に腹立たしいわ。公女だからなんだというの?言いたくないけど、庶子の公女にそこまでの旨味があるかしら。今更婚姻での繋がりが必要なほどの国でもないし、あるのは美貌だけじゃない。
あら、少し格好いいわね。私の美しさにひれ伏しなさい!とか言って正々堂々戦ってほしかったわ。
「あと、前回は本当にきちんと調査をしたのですか?私のもとにはどなたもいらっしゃいませんでしたね」
なんだか虐めてる気分。でもおかしいでしょう?私は怪我までしたのよ?殿下の婚約者だったし、普通は聞きに来るでしょう。
「あの……申し訳ありません!」
「謝って欲しいわけではありません。私は真実が知りたいのです。お願いです、私はこの苦しみを終らせたいのよ…」
涙は出ないけど、心情的泣き落としで!
切なげに視線を落とす。
「…じつは、最初はちゃんと調査に伺う予定だったんです。ですが王妃様が……あの、お嬢様は心も身体も傷付いているのに調査だなんて許されないとおっしゃって。
ただ、お嬢様からは事が大きくなるのは誰の為にもならないから、できるだけ穏便に終わらせてほしいと言われたと」
「……えっ?」
王妃様が……
そっか、私より可愛い息子を取ったのね。
でも、そんな息子を暴力を犯す人間だと決めつけているくせに!身勝手さに吐き気がするわ。
魔法がなくても権力がございますって?
本当にこんな国捨てようかな。
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