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11.ラウラ(3)
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王都に到着して一晩たった。
恥ずかしくて死ぬかと思った……
昨夜は本気で泣いた。
だって!まさか頭の先からつま先まで触れていない所がないくらいに暴かれるとは思っていなかったのよ!
最初に言われたわ。初めてだから優しくする、まだ最後まではしないと。ずっと探してきたお前を確かめたいんだ、と。
安心した私が馬鹿だった。
そうね、確かに最後まではされなかった。痛いこともされなかったから優しいと言えるのか……
いえ、あれは優しくない。まっっっっったく優しくなどない!
恥ずかしいからやめてと、おかしくなってしまうから許してほしいと何度も訴えた!
なのに……
ではここは?こっちなら?さっきとどちらが好き?あと少しだけ我慢だよ。
言葉巧みに翻弄し、口づけで言葉を塞がれた。
しまいに本気で泣き出したときに、
「泣かないでおくれ、愛しい番。
でも……私が泣かせているのかと思うと滾るな……」
爛々とした眼で私の泣き顔を見つめながら嬉しそうに言われ、二度と本気で泣いてはいけないと悟った。
翌朝、国王陛下の呼び出しが有り、渋々だが王宮へ向かってくれて本当によかった。
あのままでは、あまりの辛さにもういいから、最後までしていいから終わらせて!と口走ってしまいそうだった……
だって、私は初めての経験に何度か気を失ったのだ。でも意識を取り戻すと再開される。その繰り返しだった。
番として感じてくれるまでって何?
番の感覚はないと何度も言ってるのに!
あれは体から堕とすための拷問のようなものだろう。
番の扱いってこんなものなの?
悪魔の所業としか思えない。愛などどこにあるのか。
性奴隷と何が違うのかまったく分からないわ。
1日でこれではこの先どうなるのか恐ろしい。
けど、とりあえず寝かせてください……
馬車での長い移動疲れと昨夜の精神疲労のため、彼が王宮から戻ってくるまで気絶するように眠ってしまったのだった。
国王陛下に結婚するまで最後まで致すことは許さないと命令されたらしい。
大層ご不満そうだったが私的には万々歳だ。
できれば閨ごと全般止めて欲しかった。
私はずっと公爵様……いえ、アデルバート様の寝室で生活している。
朝から夜までずっとだ。
私を他の人の眼に触れさせたくないと意味の分からないことを言われたせいだ。
あと、名前ではなく公爵様と呼ぶとお仕置きされる。
痛くはないが恥ずか死ぬことばかりだ。
呼び間違えないように必死です。
偶にアデルバート様が一緒なら庭園を散策できる。
彼に抱きかかえられて。
もう不満が爆発しそうだ。
滅多に部屋から出してもらえず、自力で歩かせてもらえず、ご飯すら彼に口に運ばれる始末だ。
頭がおかしくなりそう!
反対にアデルバート様はいつでもご機嫌よろしくて美しい笑顔を振りまいている。
たまに合う使用人の方たちも、主人の幸せそうな顔を見て、本当に良かったですねと称えてくれる。
誰も私の気持ちなど気にしてくれない……
先日、国王陛下との謁見があった。
少しだけ期待していた。アデルバート様をたしなめてくれないかと。しかし、わかってはいたが私の味方ではなかった。
今の彼はようやく番が見つかってタガが外れてるだけらしい。
何もしないでいいから心を満たしてやってくれと言われた。
番とは愛玩動物なのかしら。
公爵夫人の仕事は他に任せればいいって。では、本当の公爵夫人は、妻は他にいて、私は閨専用ペットなのか。
王妃様も味方じゃない。
アデルバート様が嫌がるからデビュタントは無しですって。そんな貴族っているの?
貧乏な我が家ですら、少し遅らせてでも執り行ってくれようとしていたのに。
デビュタント、番のお披露目、婚約式はすべて無し。
というか結婚式にすべてをまとめる?
披露宴も無しだから本当に式だけ。
それも始終ベールを被り、衣装は肌を見せないもの。
誓いの言葉以外声すら出すなと。
何それ?
我が家への支援はすぐに行われたらしい。
これはその代償。
私の人生がそんな高額だったと喜べばいいのだろうか。
彼の部屋という鳥かごから出ることも許されず、番という名前のお人形のように生きる…
心が折れそう、いいえ、心が死にそうだわ。
誰か一人でいいから私の名前を呼んで
番という人形ではないと信じさせて……
恥ずかしくて死ぬかと思った……
昨夜は本気で泣いた。
だって!まさか頭の先からつま先まで触れていない所がないくらいに暴かれるとは思っていなかったのよ!
最初に言われたわ。初めてだから優しくする、まだ最後まではしないと。ずっと探してきたお前を確かめたいんだ、と。
安心した私が馬鹿だった。
そうね、確かに最後まではされなかった。痛いこともされなかったから優しいと言えるのか……
いえ、あれは優しくない。まっっっっったく優しくなどない!
恥ずかしいからやめてと、おかしくなってしまうから許してほしいと何度も訴えた!
なのに……
ではここは?こっちなら?さっきとどちらが好き?あと少しだけ我慢だよ。
言葉巧みに翻弄し、口づけで言葉を塞がれた。
しまいに本気で泣き出したときに、
「泣かないでおくれ、愛しい番。
でも……私が泣かせているのかと思うと滾るな……」
爛々とした眼で私の泣き顔を見つめながら嬉しそうに言われ、二度と本気で泣いてはいけないと悟った。
翌朝、国王陛下の呼び出しが有り、渋々だが王宮へ向かってくれて本当によかった。
あのままでは、あまりの辛さにもういいから、最後までしていいから終わらせて!と口走ってしまいそうだった……
だって、私は初めての経験に何度か気を失ったのだ。でも意識を取り戻すと再開される。その繰り返しだった。
番として感じてくれるまでって何?
番の感覚はないと何度も言ってるのに!
あれは体から堕とすための拷問のようなものだろう。
番の扱いってこんなものなの?
悪魔の所業としか思えない。愛などどこにあるのか。
性奴隷と何が違うのかまったく分からないわ。
1日でこれではこの先どうなるのか恐ろしい。
けど、とりあえず寝かせてください……
馬車での長い移動疲れと昨夜の精神疲労のため、彼が王宮から戻ってくるまで気絶するように眠ってしまったのだった。
国王陛下に結婚するまで最後まで致すことは許さないと命令されたらしい。
大層ご不満そうだったが私的には万々歳だ。
できれば閨ごと全般止めて欲しかった。
私はずっと公爵様……いえ、アデルバート様の寝室で生活している。
朝から夜までずっとだ。
私を他の人の眼に触れさせたくないと意味の分からないことを言われたせいだ。
あと、名前ではなく公爵様と呼ぶとお仕置きされる。
痛くはないが恥ずか死ぬことばかりだ。
呼び間違えないように必死です。
偶にアデルバート様が一緒なら庭園を散策できる。
彼に抱きかかえられて。
もう不満が爆発しそうだ。
滅多に部屋から出してもらえず、自力で歩かせてもらえず、ご飯すら彼に口に運ばれる始末だ。
頭がおかしくなりそう!
反対にアデルバート様はいつでもご機嫌よろしくて美しい笑顔を振りまいている。
たまに合う使用人の方たちも、主人の幸せそうな顔を見て、本当に良かったですねと称えてくれる。
誰も私の気持ちなど気にしてくれない……
先日、国王陛下との謁見があった。
少しだけ期待していた。アデルバート様をたしなめてくれないかと。しかし、わかってはいたが私の味方ではなかった。
今の彼はようやく番が見つかってタガが外れてるだけらしい。
何もしないでいいから心を満たしてやってくれと言われた。
番とは愛玩動物なのかしら。
公爵夫人の仕事は他に任せればいいって。では、本当の公爵夫人は、妻は他にいて、私は閨専用ペットなのか。
王妃様も味方じゃない。
アデルバート様が嫌がるからデビュタントは無しですって。そんな貴族っているの?
貧乏な我が家ですら、少し遅らせてでも執り行ってくれようとしていたのに。
デビュタント、番のお披露目、婚約式はすべて無し。
というか結婚式にすべてをまとめる?
披露宴も無しだから本当に式だけ。
それも始終ベールを被り、衣装は肌を見せないもの。
誓いの言葉以外声すら出すなと。
何それ?
我が家への支援はすぐに行われたらしい。
これはその代償。
私の人生がそんな高額だったと喜べばいいのだろうか。
彼の部屋という鳥かごから出ることも許されず、番という名前のお人形のように生きる…
心が折れそう、いいえ、心が死にそうだわ。
誰か一人でいいから私の名前を呼んで
番という人形ではないと信じさせて……
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