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ちとせ、13歳<4>
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ちぃちゃんの学校が始まってしばらくして、ひさしぶりに休みの日に遊びに行くことになった。
ちょうど「はるかぜ光画部」の写真展の出展料を支払いに行く用事があったのでちぃちゃんを連れて「はるかぜ」へ行った。
お店に入るとマスターのイチノセさんだけだった。
「こんにちは、今日はようこさん居ないんですか?」
「やあ、けんごくん、今ちょっと買い物に行ってもらってるんだ」
「そうなんですね」
「すぐに帰ってくると思うから待ってなよ、コーヒーでいいかい?…とそっちの女の子は?」
「僕の友達です、ちぃちゃん、ミックスジュースでいいかい?」
ちぃちゃんはうなずいた。
しばらくしてようこさんが帰ってきた。
「あら、けんごくんいらっしゃい」
「こんにちは、写真展の出展料支払いに来ました」
「わかったわ、荷物片付けるからちょっと待ってて」
ようこさんは店の奥に荷物を抱えて行った。
しばらくして誰かがお店に入ってきた。
「こんにちはー」
「はるかぜ光画部」のメンバー、スズキさんだった。
「やあ、けんごくん元気かい?」
「スズキさん、お久しぶりですね」
「今日はどうしたの?」
「写真展の出展料を払いにきました」
「そっかーそろそろ準備しないとねー」
しばらくスズキさんと話しているとようこさんが戻ってきた。
「じゃあ写真展受付しておくわね」
「ところであの女の子、噂のけんごくんの彼女かしら?」
「ええまぁ…」
ようこさんはちぃちゃんに声をかけた。
「こんにちは、お名前は?」
「ちとせっていいます」
「ちとせちゃんね、何年生かな?」
「はい!中学一年です」
「かわいいねぇー」
ちぃちゃんはちょっと照れていた。
「わたしにもあんな頃があったのねー」
ようこさんが感慨深い表情をしていると、スズキさんが「へぇー、ようこさんにもあんな頃があったんですね」とツッコんだ。
「当たり前じゃない、失礼ね!」
みんなで笑っているとようこさんが何かを思いついたような表情をした。
「ねぇけんごくん、彼女時間まだ大丈夫?」
「大丈夫ですけど…」
「いいこと思いついちゃった、ちょっと彼女借りるわね」
…とちぃちゃんを連れてお店のバックヤードへと消えていった。
しばらくして二人が戻ってきた。
よくみるとちぃちゃんは綺麗にメイクしてもらっていた。
「どう?可愛くできたでしょ、わたしの化粧品だからちょっと彼女の肌色にはあってないけどあとはライティングでなんとかなるでしょ」
「なんか恥ずかしいな…」
「マスター、スタジオ借りますね」
「いいよー」
「さぁ、ちとせちゃんをモデルにスタジオ撮影会しちゃおう!」
「これは楽しそうだね」…とスズキさんがバッグからカメラを取り出した。
ギャラリースペースの奥にあるスタジオでちぃちゃんをモデルに撮影会が始まった。
最初はぎこちない動きだったちぃちゃんもようこさんの指導でだんだんポージングにも慣れていたようで楽しそうな表情をしていた。
「楽しそうじゃない」
お客さんがいなくなったのを見計らってマスターがスタジオを見に来た。
マスターのイチノセさんは元報道カメラマンで事故で大怪我をしたのをきっかけに引退してこのお店をはじめたそうだ。
怪我の後遺症で脚が悪く、杖が手放せない。
「彼女けっこうモデルの素質あるよね、上手に育てたら大化けするかもね」
イチノセさんが笑いながら言った。
ちぃちゃんはメイクが気に入ったのかそのまま帰ると言い出した。
「メイクのことならいつでも教えてあげるからまたいらっしゃいね」
帰り際にそう言ってようこさんは見送ってくれた。
「今日は楽しかったーまた連れてきてね!」
そう言ってちぃちゃんは満足げな顔をしていた。
ちとせ、13歳<了>
ちょうど「はるかぜ光画部」の写真展の出展料を支払いに行く用事があったのでちぃちゃんを連れて「はるかぜ」へ行った。
お店に入るとマスターのイチノセさんだけだった。
「こんにちは、今日はようこさん居ないんですか?」
「やあ、けんごくん、今ちょっと買い物に行ってもらってるんだ」
「そうなんですね」
「すぐに帰ってくると思うから待ってなよ、コーヒーでいいかい?…とそっちの女の子は?」
「僕の友達です、ちぃちゃん、ミックスジュースでいいかい?」
ちぃちゃんはうなずいた。
しばらくしてようこさんが帰ってきた。
「あら、けんごくんいらっしゃい」
「こんにちは、写真展の出展料支払いに来ました」
「わかったわ、荷物片付けるからちょっと待ってて」
ようこさんは店の奥に荷物を抱えて行った。
しばらくして誰かがお店に入ってきた。
「こんにちはー」
「はるかぜ光画部」のメンバー、スズキさんだった。
「やあ、けんごくん元気かい?」
「スズキさん、お久しぶりですね」
「今日はどうしたの?」
「写真展の出展料を払いにきました」
「そっかーそろそろ準備しないとねー」
しばらくスズキさんと話しているとようこさんが戻ってきた。
「じゃあ写真展受付しておくわね」
「ところであの女の子、噂のけんごくんの彼女かしら?」
「ええまぁ…」
ようこさんはちぃちゃんに声をかけた。
「こんにちは、お名前は?」
「ちとせっていいます」
「ちとせちゃんね、何年生かな?」
「はい!中学一年です」
「かわいいねぇー」
ちぃちゃんはちょっと照れていた。
「わたしにもあんな頃があったのねー」
ようこさんが感慨深い表情をしていると、スズキさんが「へぇー、ようこさんにもあんな頃があったんですね」とツッコんだ。
「当たり前じゃない、失礼ね!」
みんなで笑っているとようこさんが何かを思いついたような表情をした。
「ねぇけんごくん、彼女時間まだ大丈夫?」
「大丈夫ですけど…」
「いいこと思いついちゃった、ちょっと彼女借りるわね」
…とちぃちゃんを連れてお店のバックヤードへと消えていった。
しばらくして二人が戻ってきた。
よくみるとちぃちゃんは綺麗にメイクしてもらっていた。
「どう?可愛くできたでしょ、わたしの化粧品だからちょっと彼女の肌色にはあってないけどあとはライティングでなんとかなるでしょ」
「なんか恥ずかしいな…」
「マスター、スタジオ借りますね」
「いいよー」
「さぁ、ちとせちゃんをモデルにスタジオ撮影会しちゃおう!」
「これは楽しそうだね」…とスズキさんがバッグからカメラを取り出した。
ギャラリースペースの奥にあるスタジオでちぃちゃんをモデルに撮影会が始まった。
最初はぎこちない動きだったちぃちゃんもようこさんの指導でだんだんポージングにも慣れていたようで楽しそうな表情をしていた。
「楽しそうじゃない」
お客さんがいなくなったのを見計らってマスターがスタジオを見に来た。
マスターのイチノセさんは元報道カメラマンで事故で大怪我をしたのをきっかけに引退してこのお店をはじめたそうだ。
怪我の後遺症で脚が悪く、杖が手放せない。
「彼女けっこうモデルの素質あるよね、上手に育てたら大化けするかもね」
イチノセさんが笑いながら言った。
ちぃちゃんはメイクが気に入ったのかそのまま帰ると言い出した。
「メイクのことならいつでも教えてあげるからまたいらっしゃいね」
帰り際にそう言ってようこさんは見送ってくれた。
「今日は楽しかったーまた連れてきてね!」
そう言ってちぃちゃんは満足げな顔をしていた。
ちとせ、13歳<了>
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