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龍神のうろこ<2>
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やがて祠の建て直しの工事が始まり、僕は御神体の運び出しに立ち会うことになった。
それまでにうちの神社の境内に仮の祠を建ててあり、そこに運び込むことになっていた。
作業の安全を祈る祝詞をあげたあと、芝衛門社長とおばあさんを含め村の人たちが見守る中、
現場の作業員のおじさんたち(たまの一件の時に来てくれていた人もいた)が丁寧に壊れた祠を解体しながら御神体を箱に収めて運び出していく。
芝右衛門社長が乗ってきたワンボックス車に僕も御神体を収めた箱と一緒に乗り込んだ。
そしてうちの神社に着くと仮の祠に納めて、作業員のおじさんたちが帰って行った後、僕は祝詞をあげていた。
「ここも悪くないな」
気がつくとうろこちゃんがあらわれてそう言った。
「もともとここの祭神の一部だったんだから、そう思うのも当たり前かもね」
「そうかもな…」
うろこちゃんと笑い合っているとみずきさんがやってきた。
「ふふっ、早速仲良くなってるのね、でも不思議ね、自分の分身とこうやって向かい合うなんて…」
僕は2人の身に何か起こるのではないかと少し身構えたけど、それは杞憂に終わった。
二人が並ぶと本当に親子のようにそっくりだった。
「しばらくお世話になります…なんかやりにくいな」
「気を使わなくていいのよ、あくまでも別人格と言っていい存在なのだから」
「そう言ってもらえるとありがたい」
「でもあまりたけるくんと仲良くしてるとにあちゃんが妬くわよ」
「わかった、気をつけるよ…」
当のにあはというとちぐささんの神楽舞の教室でまおといっしょに地元の子供達の世話に追われていたのだった。
「にあちゃん、最近教室に来る子増えてない?」
「増えてるよね…いい事だけどお世話が大変よね」
最近ご奉仕を終えて家に帰るとすっかり疲れ果てているにあに、
「今度二人でどこか行こうか?」
と言うと
「うん!たけると一緒ならどこでもいい」
にあは笑顔で返してきた。
次の日、僕とにあは旅行会社でもらったパンフレットを拡げてどこに行くかを考えていた。
にあは人混みが苦手だから山あいの静かな場所がいいかな…
そうやって二人で相談している時間が何よりも楽しかった。
そして僕とにあは少しお休みをもらって二人で旅行に行くことになった。
それまでにうちの神社の境内に仮の祠を建ててあり、そこに運び込むことになっていた。
作業の安全を祈る祝詞をあげたあと、芝衛門社長とおばあさんを含め村の人たちが見守る中、
現場の作業員のおじさんたち(たまの一件の時に来てくれていた人もいた)が丁寧に壊れた祠を解体しながら御神体を箱に収めて運び出していく。
芝右衛門社長が乗ってきたワンボックス車に僕も御神体を収めた箱と一緒に乗り込んだ。
そしてうちの神社に着くと仮の祠に納めて、作業員のおじさんたちが帰って行った後、僕は祝詞をあげていた。
「ここも悪くないな」
気がつくとうろこちゃんがあらわれてそう言った。
「もともとここの祭神の一部だったんだから、そう思うのも当たり前かもね」
「そうかもな…」
うろこちゃんと笑い合っているとみずきさんがやってきた。
「ふふっ、早速仲良くなってるのね、でも不思議ね、自分の分身とこうやって向かい合うなんて…」
僕は2人の身に何か起こるのではないかと少し身構えたけど、それは杞憂に終わった。
二人が並ぶと本当に親子のようにそっくりだった。
「しばらくお世話になります…なんかやりにくいな」
「気を使わなくていいのよ、あくまでも別人格と言っていい存在なのだから」
「そう言ってもらえるとありがたい」
「でもあまりたけるくんと仲良くしてるとにあちゃんが妬くわよ」
「わかった、気をつけるよ…」
当のにあはというとちぐささんの神楽舞の教室でまおといっしょに地元の子供達の世話に追われていたのだった。
「にあちゃん、最近教室に来る子増えてない?」
「増えてるよね…いい事だけどお世話が大変よね」
最近ご奉仕を終えて家に帰るとすっかり疲れ果てているにあに、
「今度二人でどこか行こうか?」
と言うと
「うん!たけると一緒ならどこでもいい」
にあは笑顔で返してきた。
次の日、僕とにあは旅行会社でもらったパンフレットを拡げてどこに行くかを考えていた。
にあは人混みが苦手だから山あいの静かな場所がいいかな…
そうやって二人で相談している時間が何よりも楽しかった。
そして僕とにあは少しお休みをもらって二人で旅行に行くことになった。
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