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出会い
エディの誤解
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そして僕は今現在四方八方から剣を突き付けられている。エディと似たような軍服を着た人たちとそのすぐそばにどこかのお嬢様っぽい人がいる。
怖すぎて顔を上げられない。
途中までは順調に気絶させられていたはず。しかし、いくつかの天幕のそばにエディについて話している人たちがいて気になって聞いたのが運のつきだった。慣れない風魔法の探知の隙をつかれ、つかまりあっという間に引き出されてしまった。何やってんの僕。
「おい、貴様何者だ。ここで何をしている。」
お嬢様?っぽい人のそばにいる騎士が言う。何ってどう答えればいいんだろ。この人たちエディの味方っぽい会話をしていたけど、僕を騙すためだったら?あー僕ここで殺されちゃうのかな。せっかく神様が助けてくれたのに。
「聞いていますの?あなた。」
「えっう、はい」
「ならば答えろ、なぜここにいる?」
「えっと…」
抜け出せる?だけど少なくとも気絶させる方法は大人数過ぎてここでは使えない。
「もういいわ。縛っておきなさい。」
「はっ」
そうして、僕は縛られ天幕の一つに放り込まれた。
ここからどうやって抜け出そう。エディを無事に逃がそうと思っていたのに自分が捕まっちゃ元も子もない。とりあえず縄をほどこう。剣は回収されたが足の付け根に隠しておいたナイフや魔法は使える。これで…よしっと。幸い天幕の周辺にはあまり人がいない。これならいける。
すばやく天幕から抜け出し、自分の剣を回収し自分の気配を風魔法でつつみこむようにした。僕に気づいて剣をぬいた騎士を風魔法でかわし、剣を受け流す。大丈夫、数人しかこちらにはいない。あっちのほうにお嬢様っぽい人がいるからかな。しかし、思ったより数が早く、剣を抜かずに戦うのには限界がきそうだ。
「くっ!なんだ、これは!」
「剣が…。」
周りにいた精霊たちが僕の味方をするように、騎士の動きを鈍くしたり剣を奪おうとし、眠らせていっている。もしかして僕の味方をしてくれたのか。
『そうだよ~。精霊はシヅルのことが大好きだからね。』
『シリル様!来てくださってんですか。すみません、ありがとうございます。あのっエディはどこに?』
『そこにいるよ…。もう、アイツより自分のことをもっと心配しなよね。』
そこって……、どういうこと?シリル様が指した方向へ走る。そこではお嬢様っぽい人の前で跪いているエディがいる。そして何人かは僕にもうすでに気づいている。
「シヅル!無事か⁉」
「貴様!どうやって抜け出した!」
どうしよう。エディを連れ出すぐらいなら簡単だが、下手に攻撃すると危険だし剣を抜かなければならない。ここは抵抗しない方がいい。エディの近くでゆっくり膝をつきそばに剣を置く。ついでに両手も挙げ、敵意がないことを示す。
『大丈夫だよ。ソイツに対する悪意はそんなに感じられない。どちらかというと、シヅルに対する警戒の方が大きい。』
『ってことは、エディの敵ではないってこと…?』
『そんなもんわかんないけど……。』
「ノルク様は、なぜそんな怪しいやつを庇いますの⁉」
怪しいやつって…。確かに今の僕はローブに分厚い眼鏡、そして鼻までも覆い隠すような前髪、これは怪しいことこの上ない恰好だよなぁ。
「お言葉ですがアンジェラ様、そんなものとは言わないでください。シヅルはオレの命の恩人です。」
「命の…恩人?」
「はい。捨てられ瀕死のオレを助けてくれました。」
「ツ!」
それを聞いた彼女は怒りに頬を染めた。というか捨てられたってどういうことだ?
その時だった。馬のいななきとともに目の前に人が降り立った。
「殿下、ここからは俺に。」
「ノルク卿…。分かりましたわ。皆剣を下ろしなさい。」
誰だろう。ノルクってことはエディの関係者?エディとその人は知り合いのようだった。
「アレフ兄さん…」
「エディ、久しぶりだな。お前を害した奴らは殿下が罰を下してくださった。しっかり殿下の命を聞き、自分本位に考えるな。騎士としてふさわしい行動を忘れるな。」
「えっはい!」
それだけ言うと、彼は次々と騎士たちへ指示を出していき、エディは何やら殿下?と話始めた。その話を聞く限りなんとなくわかってきた。要はエディと殿下?が前世の少女漫画で出てきそうなすれ違いをしてしまったのだろう。
「それで…こいつは?」
「エディアス様によりますと、命の恩人だそうです。」
「そうか。顔を上げてもらっていいだろうか。ッ!」
おそるおそる顔をあげてみると、僕は思わず目を見開いた。
彼はとても綺麗な人だった。黒髪短髪にエメラルドの鋭い眼つきで均整の取れた美しい顔立ち、そして大きくしなやかな体。騎士団の制服だろうか、よく似合っている。
しかし、彼も思わずといった声が漏れ出たようだ。やっぱり顔も全然見えないって怪しすぎたのだろう。しかし素顔をさらして罵倒されるよりましだろうと自分に思い込ませる。
「名前は…?」
「し、シヅルです。」
「事情を聴いてもいいか?」
「あっうっ、」
どうしよううまく話せない。自分が本当に話下手なのが嫌になる。こんなところで何してんだろ。エディを逃がすって言って結局見つかるし、今もさっきもまともな受け答えができない自分に苛立つ。
怖すぎて顔を上げられない。
途中までは順調に気絶させられていたはず。しかし、いくつかの天幕のそばにエディについて話している人たちがいて気になって聞いたのが運のつきだった。慣れない風魔法の探知の隙をつかれ、つかまりあっという間に引き出されてしまった。何やってんの僕。
「おい、貴様何者だ。ここで何をしている。」
お嬢様?っぽい人のそばにいる騎士が言う。何ってどう答えればいいんだろ。この人たちエディの味方っぽい会話をしていたけど、僕を騙すためだったら?あー僕ここで殺されちゃうのかな。せっかく神様が助けてくれたのに。
「聞いていますの?あなた。」
「えっう、はい」
「ならば答えろ、なぜここにいる?」
「えっと…」
抜け出せる?だけど少なくとも気絶させる方法は大人数過ぎてここでは使えない。
「もういいわ。縛っておきなさい。」
「はっ」
そうして、僕は縛られ天幕の一つに放り込まれた。
ここからどうやって抜け出そう。エディを無事に逃がそうと思っていたのに自分が捕まっちゃ元も子もない。とりあえず縄をほどこう。剣は回収されたが足の付け根に隠しておいたナイフや魔法は使える。これで…よしっと。幸い天幕の周辺にはあまり人がいない。これならいける。
すばやく天幕から抜け出し、自分の剣を回収し自分の気配を風魔法でつつみこむようにした。僕に気づいて剣をぬいた騎士を風魔法でかわし、剣を受け流す。大丈夫、数人しかこちらにはいない。あっちのほうにお嬢様っぽい人がいるからかな。しかし、思ったより数が早く、剣を抜かずに戦うのには限界がきそうだ。
「くっ!なんだ、これは!」
「剣が…。」
周りにいた精霊たちが僕の味方をするように、騎士の動きを鈍くしたり剣を奪おうとし、眠らせていっている。もしかして僕の味方をしてくれたのか。
『そうだよ~。精霊はシヅルのことが大好きだからね。』
『シリル様!来てくださってんですか。すみません、ありがとうございます。あのっエディはどこに?』
『そこにいるよ…。もう、アイツより自分のことをもっと心配しなよね。』
そこって……、どういうこと?シリル様が指した方向へ走る。そこではお嬢様っぽい人の前で跪いているエディがいる。そして何人かは僕にもうすでに気づいている。
「シヅル!無事か⁉」
「貴様!どうやって抜け出した!」
どうしよう。エディを連れ出すぐらいなら簡単だが、下手に攻撃すると危険だし剣を抜かなければならない。ここは抵抗しない方がいい。エディの近くでゆっくり膝をつきそばに剣を置く。ついでに両手も挙げ、敵意がないことを示す。
『大丈夫だよ。ソイツに対する悪意はそんなに感じられない。どちらかというと、シヅルに対する警戒の方が大きい。』
『ってことは、エディの敵ではないってこと…?』
『そんなもんわかんないけど……。』
「ノルク様は、なぜそんな怪しいやつを庇いますの⁉」
怪しいやつって…。確かに今の僕はローブに分厚い眼鏡、そして鼻までも覆い隠すような前髪、これは怪しいことこの上ない恰好だよなぁ。
「お言葉ですがアンジェラ様、そんなものとは言わないでください。シヅルはオレの命の恩人です。」
「命の…恩人?」
「はい。捨てられ瀕死のオレを助けてくれました。」
「ツ!」
それを聞いた彼女は怒りに頬を染めた。というか捨てられたってどういうことだ?
その時だった。馬のいななきとともに目の前に人が降り立った。
「殿下、ここからは俺に。」
「ノルク卿…。分かりましたわ。皆剣を下ろしなさい。」
誰だろう。ノルクってことはエディの関係者?エディとその人は知り合いのようだった。
「アレフ兄さん…」
「エディ、久しぶりだな。お前を害した奴らは殿下が罰を下してくださった。しっかり殿下の命を聞き、自分本位に考えるな。騎士としてふさわしい行動を忘れるな。」
「えっはい!」
それだけ言うと、彼は次々と騎士たちへ指示を出していき、エディは何やら殿下?と話始めた。その話を聞く限りなんとなくわかってきた。要はエディと殿下?が前世の少女漫画で出てきそうなすれ違いをしてしまったのだろう。
「それで…こいつは?」
「エディアス様によりますと、命の恩人だそうです。」
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しかし、彼も思わずといった声が漏れ出たようだ。やっぱり顔も全然見えないって怪しすぎたのだろう。しかし素顔をさらして罵倒されるよりましだろうと自分に思い込ませる。
「名前は…?」
「し、シヅルです。」
「事情を聴いてもいいか?」
「あっうっ、」
どうしよううまく話せない。自分が本当に話下手なのが嫌になる。こんなところで何してんだろ。エディを逃がすって言って結局見つかるし、今もさっきもまともな受け答えができない自分に苛立つ。
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