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出会い
騎士 エディアス
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彼はとてもいい声をしている。しかも顔がいいって、もうこれ前世で言ったらアイドルかなんかになってるだろ。異世界の人ってみんなこうなのかな。だとしたら僕じゃ怪物か何かかと思われるんじゃ…ととっさに思い、急いでローブのフードを被った。
「えーと、まぁ僕が助けたっていうか…。そのちゃんと助けられたか分かんないし、倒れてたのを見つけられたのも偶然だし。」
あ~もう僕話し方下手かよ!!めっちゃ怪しいやつじゃん。駄目な自分がいやになる。
「えっいやそんなことないです。あんなとこに倒れてるのをほっとかず助けてくれたんですから。」
あっ優しい。というかめっちゃ笑顔キラキラ。
それから彼は倒れていた事情を話してくれた。要約すると、彼は騎士団に所属していて任務にあたっていたところを他の団員に騙され、殺されかけたのだと言う。
「もうだめかと思いました。本当にありがとうございました!」
「いえ、とんでもないです。僕は治療するの下手くそだし…」
「そんなことないです!もっとひどい怪我だと思ってたのに、なんかもう治りかけの部分もありますし。」
お世辞が上手な人だな。あっそうだ。
「あのっおかゆ食べますか?そんな美味しくないかもしれないけど…」
「えっいいんですか!?実はさっきからめちゃくちゃお腹すいてて。」
まさか食べてもらえるとは思わなかった。まぁずっと寝てたんだからお腹空いて当たり前か。
「うわっすごくいい匂いがする!ほんとに食べていいんですか?」
彼は目をキラキラさせている。よっぽどお腹が空いてたんだな。
「ん~、すげぇうまいっっ!…です。」
「敬語外してもらって大丈夫です。」
「ありがとう。敬語はあんまり使わないから苦手でさ。でもあんたも敬語外してくれよ。恩人に敬語使われるってなんかな…」
「わ、わかった。」
「あっそれと名前!オレはエディアス・ノルク・ヴァルムフィールド。エディって皆言うけど好きに呼んでな!」
「えっと僕はシヅルです。シヅルって呼んでください。」
「シヅルな、覚えた!敬語、戻ってるよ。」
「あっ」
エディは優しい。こんな怪しげな僕にさえ親しげに接してくれる。それに会話が得意そう。こんなに長く人と話したのなんて久しぶりな気がする。
「ところでさ、シヅルはどうしてこんなところに住んでるんだ?」
「こんなのところって?」
こんなところとはどういうことだろう。日本でも森に住むのは珍しいけど異世界でもそうなのかな。
「まさか知らないのか?ここは【幻惑の森】だ。幻惑の森ってのは大陸1魔物の数が多くて高ランクの冒険者とか、オレみたいな国に従う騎士でも奥までは行けないほど危険なんだ。」
初耳情報すぎる。ここってそんなに危険だったのか。もしかして僕すごい強い人だと思われてる?でも神様からもらったスキルだから当たり前か。
「でも精霊がけっこう多くて契約したさで毎年何人か入ってるな。シヅルもそんな感じか?」
「あぁうん。精霊に会いたくて」
なんで森の奥にいるかなんて聞かれた時のことを全く考えていなかった。エディが鈍くてよかった。
──
投稿遅くなってすみません。これからは週2回(予定では水曜日と日曜日)にあげられるよう頑張ります。
読んでくださっている皆様、励みになっています。本当にありがとうございます。🙇♂️
「えーと、まぁ僕が助けたっていうか…。そのちゃんと助けられたか分かんないし、倒れてたのを見つけられたのも偶然だし。」
あ~もう僕話し方下手かよ!!めっちゃ怪しいやつじゃん。駄目な自分がいやになる。
「えっいやそんなことないです。あんなとこに倒れてるのをほっとかず助けてくれたんですから。」
あっ優しい。というかめっちゃ笑顔キラキラ。
それから彼は倒れていた事情を話してくれた。要約すると、彼は騎士団に所属していて任務にあたっていたところを他の団員に騙され、殺されかけたのだと言う。
「もうだめかと思いました。本当にありがとうございました!」
「いえ、とんでもないです。僕は治療するの下手くそだし…」
「そんなことないです!もっとひどい怪我だと思ってたのに、なんかもう治りかけの部分もありますし。」
お世辞が上手な人だな。あっそうだ。
「あのっおかゆ食べますか?そんな美味しくないかもしれないけど…」
「えっいいんですか!?実はさっきからめちゃくちゃお腹すいてて。」
まさか食べてもらえるとは思わなかった。まぁずっと寝てたんだからお腹空いて当たり前か。
「うわっすごくいい匂いがする!ほんとに食べていいんですか?」
彼は目をキラキラさせている。よっぽどお腹が空いてたんだな。
「ん~、すげぇうまいっっ!…です。」
「敬語外してもらって大丈夫です。」
「ありがとう。敬語はあんまり使わないから苦手でさ。でもあんたも敬語外してくれよ。恩人に敬語使われるってなんかな…」
「わ、わかった。」
「あっそれと名前!オレはエディアス・ノルク・ヴァルムフィールド。エディって皆言うけど好きに呼んでな!」
「えっと僕はシヅルです。シヅルって呼んでください。」
「シヅルな、覚えた!敬語、戻ってるよ。」
「あっ」
エディは優しい。こんな怪しげな僕にさえ親しげに接してくれる。それに会話が得意そう。こんなに長く人と話したのなんて久しぶりな気がする。
「ところでさ、シヅルはどうしてこんなところに住んでるんだ?」
「こんなのところって?」
こんなところとはどういうことだろう。日本でも森に住むのは珍しいけど異世界でもそうなのかな。
「まさか知らないのか?ここは【幻惑の森】だ。幻惑の森ってのは大陸1魔物の数が多くて高ランクの冒険者とか、オレみたいな国に従う騎士でも奥までは行けないほど危険なんだ。」
初耳情報すぎる。ここってそんなに危険だったのか。もしかして僕すごい強い人だと思われてる?でも神様からもらったスキルだから当たり前か。
「でも精霊がけっこう多くて契約したさで毎年何人か入ってるな。シヅルもそんな感じか?」
「あぁうん。精霊に会いたくて」
なんで森の奥にいるかなんて聞かれた時のことを全く考えていなかった。エディが鈍くてよかった。
──
投稿遅くなってすみません。これからは週2回(予定では水曜日と日曜日)にあげられるよう頑張ります。
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