2 / 85
出会い
人を拾う
しおりを挟む
転移してからだいたい3か月、僕はいつものように自堕落な生活を送っている。朝ゆっくり起きて好きなだけ本を読み漁り、たまに食欲がわいたときになにかをつまむ。そんな生活のせいで、せっかく習得したスキルを使う場面がなく、体力は落ちていくばかりだ。そして、ふと思った。
…さすがにまずいのでは!?
いやだって客観的に見て僕、やばくない?今世界で一番楽に生きてるんじゃない?というかこのままこんな生活を続けたら1年後にはトドかなんかにでもなってるんじゃ…。うん、ゾッとする。
よし!一念発起、外にでてみよう!!
まあかといってすぐに外に出られるわけじゃない。前の世界で根っからのインドア系根暗系男子高校生だった僕に、神様のおかげでいくら安全といえど森の散策は難しい。
そんなときこそ、風魔法!何気にこの世界に来てからの初めての魔法じゃないか?家の周りに風をまとわせ、動植物の気配、動きを察知してみる。うん、特に大きな問題もないし、大丈夫だろ。とりあえず剣を持ち、この世界に来たときから愛用しているローブを羽織る。さぁ、異世界初の外出だ!!
「うわぁ…!」
なんだここは。前の世界でもみたことのない、幻想的な景色だ。美しい小鳥の囀りに木々の間から漏れ出る太陽の光、木々や草を通ってきた風の不思議な香り。あそこのふわふわしているのは神様のいっていた精霊なのかな。なんかすごいいい。よし、歩いてもっと見てみよう。風魔法で察知しながら進んでいく。その時、信じがたいものを目にした。
「え?」
えっ、ちょっちょっと待って、これ…人!?一見すると、騎士みたいだ。どうしてこんなところに人が?神様は人があんま来ないとこに転移させるって言ってたのに。倒れてるけど生きてるのかな?放っておく?あれ、でもこれで生きてて僕が助けなかったら人道的にヤバくない?僕のせいで今生きてるのに死んだら僕は最早人殺しなんじゃ…。
えぇい、やるっきゃない!
風魔法でその人を持ち上げ家まで運ぶ。ベットは1個しかないから、自分のベットに寝かせて服を脱がせる。すごい傷だな、いや、だけどよく見ると背中の大きな傷以外はかすり傷だ。家に置いてあった応急処置の手順本に従い、治療をしてみる。風魔法の応用で固まりかけている血や汚れを取り、背中を止血する。
ふう、多少荒いけどやれることはやった。
ん?あれ、なんで僕こんなできたんだ?保健委員だった頃はもうやるなって怒られるぐらいだったのに。もしかして神様ができるようにしてくれたのかな。きっとそうだ、神様はこんな僕にでも優しいから。
あれ、なんか安心したら眠くなってきた…
…さすがにまずいのでは!?
いやだって客観的に見て僕、やばくない?今世界で一番楽に生きてるんじゃない?というかこのままこんな生活を続けたら1年後にはトドかなんかにでもなってるんじゃ…。うん、ゾッとする。
よし!一念発起、外にでてみよう!!
まあかといってすぐに外に出られるわけじゃない。前の世界で根っからのインドア系根暗系男子高校生だった僕に、神様のおかげでいくら安全といえど森の散策は難しい。
そんなときこそ、風魔法!何気にこの世界に来てからの初めての魔法じゃないか?家の周りに風をまとわせ、動植物の気配、動きを察知してみる。うん、特に大きな問題もないし、大丈夫だろ。とりあえず剣を持ち、この世界に来たときから愛用しているローブを羽織る。さぁ、異世界初の外出だ!!
「うわぁ…!」
なんだここは。前の世界でもみたことのない、幻想的な景色だ。美しい小鳥の囀りに木々の間から漏れ出る太陽の光、木々や草を通ってきた風の不思議な香り。あそこのふわふわしているのは神様のいっていた精霊なのかな。なんかすごいいい。よし、歩いてもっと見てみよう。風魔法で察知しながら進んでいく。その時、信じがたいものを目にした。
「え?」
えっ、ちょっちょっと待って、これ…人!?一見すると、騎士みたいだ。どうしてこんなところに人が?神様は人があんま来ないとこに転移させるって言ってたのに。倒れてるけど生きてるのかな?放っておく?あれ、でもこれで生きてて僕が助けなかったら人道的にヤバくない?僕のせいで今生きてるのに死んだら僕は最早人殺しなんじゃ…。
えぇい、やるっきゃない!
風魔法でその人を持ち上げ家まで運ぶ。ベットは1個しかないから、自分のベットに寝かせて服を脱がせる。すごい傷だな、いや、だけどよく見ると背中の大きな傷以外はかすり傷だ。家に置いてあった応急処置の手順本に従い、治療をしてみる。風魔法の応用で固まりかけている血や汚れを取り、背中を止血する。
ふう、多少荒いけどやれることはやった。
ん?あれ、なんで僕こんなできたんだ?保健委員だった頃はもうやるなって怒られるぐらいだったのに。もしかして神様ができるようにしてくれたのかな。きっとそうだ、神様はこんな僕にでも優しいから。
あれ、なんか安心したら眠くなってきた…
91
お気に入りに追加
150
あなたにおすすめの小説
悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
*
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
【完結】ここで会ったが、十年目。
N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化)
我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。
(追記5/14 : お互いぶん回してますね。)
Special thanks
illustration by おのつく 様
X(旧Twitter) @__oc_t
※ご都合主義です。あしからず。
※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。
※◎は視点が変わります。
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
公爵家の次男は北の辺境に帰りたい
あおい林檎
BL
北の辺境騎士団で田舎暮らしをしていた公爵家次男のジェイデン・ロンデナートは15歳になったある日、王都にいる父親から帰還命令を受ける。
8歳で王都から追い出された薄幸の美少年が、ハイスペイケメンになって出戻って来る話です。
序盤はBL要素薄め。
龍の寵愛を受けし者達
樹木緑
BL
サンクホルム国の王子のジェイドは、
父王の護衛騎士であるダリルに憧れていたけど、
ある日偶然に自分の護衛にと推す父王に反する声を聞いてしまう。
それ以来ずっと嫌われていると思っていた王子だったが少しずつ打ち解けて
いつかはそれが愛に変わっていることに気付いた。
それと同時に何故父王が最強の自身の護衛を自分につけたのか理解す時が来る。
王家はある者に裏切りにより、
無惨にもその策に敗れてしまう。
剣が苦手でずっと魔法の研究をしていた王子は、
責めて騎士だけは助けようと、
刃にかかる寸前の所でとうの昔に失ったとされる
時戻しの術をかけるが…

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

実はαだった俺、逃げることにした。
るるらら
BL
俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!
実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。
一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!
前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。
!注意!
初のオメガバース作品。
ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。
バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。
!ごめんなさい!
幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に
復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる