上 下
6 / 11
現在

ファミレス

しおりを挟む
「急にすみません、わざわざありがとうございます。」

「いえ、何かあったんですか?」


私は宮野の誘いに悩んだ挙句行くことにした。二人で話せば何か裏を探れるんじゃないかと思った。


「いえ、特段何があったわけではありません。ただ前の話が少し気になりまして・・・」

「前の話ですか?」

「はい、実は・・私学生時代はオカ研に入っていたくらいオカルト系の話題が好きで、前は頑張って抑えていたんですが話を聞きたくてうずうずしていたんです。」


_________全然隠れてなかったけどな・・・

あの日向けられたキラキラの笑顔を思い浮かべながら考える。

「もし川本さんが良ければ、体験したお話を聞かせていただけないですか?」

目の奥をキラキラさせながら聞くその姿は犬そっくりで私は思わず了承した。

それからはほとんど私の話を宮野が聞いているだけで知れた宮野の実態は宮野がオカルト好きだと言うことだけだった。

一通り話を聞いて満足したようで、前より柔らかい表情で美味しそうにグラタンを頬張っている。



このままでは埒が開かない。もちろん祥子の言っていることもわかる。けど今私の前でご飯を頬張るこの人がとても悪人には思えない。私は私がこの目で見たものを信じる。_________


「宮野さん」

「?」

口に頬張ったばかりの彼は目をきょとんとさせてまっすぐこっちを見ている。

「私もやります、その、ボランティア?ってやつ」

「!?」

驚いた彼は飲み込んでからききかえした。

「いいんですか!?」

「はい、断る理由も今のところないですし。あ、ただもしヤバいなと思うことがあったらすぐに逃げます。」

「もちろんそうしてください!いや~めっちゃ嬉しいな~、あ、あれだったら田川も呼びませんか?このまま歓迎会ということで!」


のちに到着した田川さんも一緒に歓迎会をすることになった。

「なるほど、そういうことになってたんですね、宮野さんよかったですね」

「良かった?なんでですか?」

「宮野が川本さんの霊感の話を聞いてからもうずっっっっと川本さんに入ってほしいってうるさかったんです。」

「え、うるs・・?」

「あ~そういうことですか」

「いや、あ~じゃないでしょ」

確かにこの前の態度とわざわざ心霊話を聞くためだけに会えるか聞いてきたのも考えると頷ける。

二人は付き合っているわけではないが田川さんの治療の期間も含め一年以上一緒にいるそうで、関係的には同僚と似ているから最初の自己紹介の時も同僚と紹介したそうだった。

「もしわからないことがあればなんでも聞いてください!」

「ありがとうございます。あの、早速になるんですけど、活動の正式名称とかはないんですか?」

「あ、やっぱりそこ気になりますよね~、実は二人でやってる間はつけなくていいから、次メンバーが増えたらその人と一緒に考えようって話してたんです。」

そうして3人で考え始めるが、なかなかいいものが浮かばない。

考えた挙句口を開いた。

「ARTとかどうですか?ADHDのA、霊感のR、多重人格のTでART」

「おお、それいいですね!田川はどう?俺はいいと思う」

「私もいいと思います、かっこいいですね」

満場一致ARTに決まった。ドリンクバーのジュースで祝杯をあげる。

「それじゃあ、これからのARTの活躍を願って!乾杯!」

これが、ボランティア団体ARTの始まりだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

親戚のおじさんに犯された!嫌がる私の姿を見ながら胸を揉み・・・

マッキーの世界
大衆娯楽
親戚のおじさんの家に住み、大学に通うことになった。 「おじさん、卒業するまで、どうぞよろしくお願いします」 「ああ、たっぷりとかわいがってあげるよ・・・」 「・・・?は、はい」 いやらしく私の目を見ながらニヤつく・・・ その夜。

エレベーターで一緒になった男の子がやけにモジモジしているので

こじらせた処女
BL
 大学生になり、一人暮らしを始めた荒井は、今日も今日とて買い物を済ませて、下宿先のエレベーターを待っていた。そこに偶然居合わせた中学生になりたての男の子。やけにソワソワしていて、我慢しているというのは明白だった。  とてつもなく短いエレベーターの移動時間に繰り広げられる、激しいおしっこダンス。果たして彼は間に合うのだろうか…

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

ああ、高校生になった連れ子が私を惑わす・・・目のやり場に困る私はいらぬ妄想をしてしまい

マッキーの世界
大衆娯楽
連れ子のいる女性と再婚し、早10年が経った。 6歳だった子供もすでに16歳となり、高校に通う年齢となった。 中学の頃にはすでに胸も膨らみ、白いスポーツブラをするようになり、ベランダに

お父さん!義父を介護しに行ったら押し倒されてしまったけど・・・

マッキーの世界
大衆娯楽
今年で64歳になる義父が体調を崩したので、実家へ介護に行くことになりました。 「お父さん、大丈夫ですか?」 「自分ではちょっと起きれそうにないんだ」 「じゃあ私が

連れ子が中学生に成長して胸が膨らむ・・・1人での快感にも目覚て恥ずかしそうにベッドの上で寝る

マッキーの世界
大衆娯楽
連れ子が成長し、中学生になった。 思春期ということもあり、反抗的な態度をとられる。 だが、そんな反抗的な表情も妙に俺の心を捉えて離さない。 「ああ、抱きたい・・・」

息子を目の前で殺された若い母親がそのまま犯されちゃう話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

処理中です...