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第十二章
腕(かいな)の中のリリアーナ 104
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「サファイア様、ルイス様がいらっしゃいました」
まだ怒り冷めやらぬサファイアに、侍女がおずおずと告げる途中で……
「サファイア!」
警備の騎士を押し退けて、ルイスが強引に入ってきた。ソファにいるサファイアの目の前に跪き、すぐさまその手を取ろうとする。
「バーナード達から話は聞いた…」
サファイアはその手をパンッ、と払いのけた。
「聞いたなら分かっているでしょう!? 凄く怖かったし、アレクセイ兄様まで煩わせて、ちょっとやそっとじゃ許せないわ!!」
拳を握り締め、怒りに燃えた瞳で、キッ、とルイスを睨みつける。
「貴方のせいではないけど、上に立つ者として…………何で……そんな目でじーっと見ているの?」
ルイスは頬を紅潮させ、キラキラと目を輝かせて、その表情は喜びに満ちていた。最後にうっとりと……溜息をつく。
「君の怒った顔や、きつい口調――手もパンっ、て、久し振りだ…」
「………」
そうだ……恋人モードになってからすっかり忘れていたけど、こういうのが好きな人だった。
「ルイス、私は怒っているのだけど――」
ルイスが喜ばないように、怒りを抑えて口にするが、その抑え口調と表情も、彼のツボを刺激する。しかし、これ以上うっとりしてはいけない事に、ルイスはきちんと気付いていた。
「サファイアごめん。バーナード達によく言い聞かせるから、許してはくれないだろうか?」
「……本当に怖かったんだから……!」
ルイスはうんうんと、サファイアの話を聞いている。
「わたし、ラトヴィッジに…」
「うん。来なくていい」
「……え、」
気勢をそがれて、サファイアはルイスを見返す。
「無理強いするつもりはない。君は残るといい……というか、それが普通なんだけどね」
ルイスは微笑んだが、サファイアは笑ってはいなかった。サファイアはルイスのために、共にラトヴィッジへ行く心づもりがあった。それがあっさりと拒絶されたようで、彼女はちょっと淋しくなる。ルイスがサファイアの手を掴もうと、また手を伸ばしてきたが、スッとサファイアは手を引いた。
「だってルイスは……前に、東屋の近くで私を……私をっ、……」
”押し倒してまで”とは言いづらく、頬を赤らめるサファイア。
「うん、あの時は頭に血が上っていて、君は可愛いし、連れて帰りたかったし……本当に申し訳なかったと思っている。二度とあんな真似はしないから、安心をして? 君と一緒に帰らなくても、もう大丈夫だから」
「もう大丈夫……ルイスは私に、一緒にラトヴィッジには、帰ってほしくないの?」
サファイアは顔を俯けて、口も小さく尖らせて、少しだけ泣いてしまいそうになった。これではまるで子供みたいだ。だけど、きっと喜んでくれると思ったのに……。
「………は?」
扉の外からはぼそぼそと、”女慣れしていない男はこれだから”とか、”全く女心が分かってませんな”とか、聞こえてくる。
「バーナードにローマイヤ、聞こえてる。盗み聞きはやめろ」
シーンと静まり返る中、ルイスはサファイアの手をしっかりと、しかし優しく掴まえて自分の手の中に包み込む。
「もちろん、連れて帰りたいさ」
言い聞かせるようにゆっくりと、言葉を慎重に選んで話す。
「でも結婚したら、なかなか帰ってはこれない。前にも言ったように、リーフシュタインに屋敷を建ててプレゼントはする。でも多分、帰国はよくても年に一回、それもそんなに長くは滞在できないだろう」
サファイアがチラッと視線を上げると、ルイスが真摯な態度でこちらを見つめていた。
「俺が即位したら益々帰れなくなる。君は王妃になるからね……その事を考えたら、今は残るほうがいいんだ。本当は一緒に来てほしいけどね……とても……いや、凄く」
ルイスは自分を考えに入れず、私の為だけを思って言ってくれている――。
サファイアは視線を落として、もじもじと恥かしそうに言った。
「ごめんなさい。拗ねたりして……」
「いや、可愛い」
「?」
「”一緒に、帰ってほしくはないの?”とか、拗ねた様子とか、凄く可愛い」
耳まで赤く染め上げて俯くサファイアを、愛おしげに見つめるルイス。彼女の両脇に手をついて顔を近づける。
「サファイア…可愛い……」
彼の身体と両腕に閉じ込められて、ただでさえドキドキしているのに、俯いた顔まで覗き込まれて、サファイアはどうしていいか分からなくなった。
チュッ、と軽く触れるキス。真っ赤になって身体を固くしているサファイアに、ルイスが至近距離で首を傾げた。
「いつもより緊張しているみたいだけど……?」
「……だって、こ、こんな風にキスするの初めて。何だか閉じ込められたみたいで、ドキドキする……」
「俺もドキドキする」
「えっ、……」
「こうやって腕の中に閉じ込めると、君は自分のものだという喜びで、胸が酷く高鳴る。愛しいサファイア……もう、逃げられないよ。放さないし、誰にも渡しはしない」
片手を背凭れに、もう片手は身体の脇に突き、ルイスが更に距離を縮める。小柄なサファイアをすっぽりと、長身の身体で覆うようにして顔を寄せてきた。触れる唇は優しいのに、サファイアへの独占欲は露に示す。
(以前は独占欲が強い男性は好きじゃなかったのに……)
ルイスに所有され、独占される事に喜びを感じ、驚きを禁じえないサファイア。
ルイスはサファイアの頬にくちづけて、耳元まで唇を這わせ、ふわふわした金髪に隠れている耳朶を甘く噛んだ。
「んっ!」
「うん?」
「くすぐったい……」
本当は気持ちよくて、思わず声が出てしまったのだが、恥かしくてそんなこと言えはしない。しかし、ルイスは察したようで……。
「可愛い……サファイア」
鼻の頭にキスを落とし、首筋に顔を埋めてきた。
「やっ、……んっ、」
「しっ、――高官達に聞こえてしまうよ」
「じゃあ、そんなところにキスしないで」
「そんなところって、どんなところ?」
「……………」
耳の付け根まで真っ赤になって、黙り込むサファイア。顔を離した彼がくすりと笑う。
「ここ?」
「やだぁ、……ぁ……」
サファイアの可愛らしい喘ぎ声が漏れないように、ルイスは深く唇を重ねた。
廊下では、その高官達が扉に張り付きダンボになっていた。周囲はラトヴィッジの面々で埋め尽くされている。扉から耳を離し振り返ったバーナードは、頬を僅かに紅潮させてこほん、と咳払いをする。
「どうやら、……丸く収まったようだ」
『おお~!』と周囲から喜びの声が上がる。
「それで、サファイア様は共に我が国へいらっしゃるのですか!?」
「そこまでは分からないのだが……」
ラザファムが遅れて到着をした。
「部屋の前で集会ですか?」
「ラザファム殿、喜んでください! サファイア様の怒りが収まったのです!!」
「それは凄い。どんな魔法を使ったのですか?」
「実は王子が…」
「だから!! やめてって言っているでしょうーーー!!!」
気持ちのよい、晴れ渡った朝――。
サファイアの声と共に、パーンッ、と小気味良い音が、静寂に包まれた廊下に響き渡る。キイィ、と扉が開いて、片方の頬を赤く腫らしたルイスが姿を現した。
まだ怒り冷めやらぬサファイアに、侍女がおずおずと告げる途中で……
「サファイア!」
警備の騎士を押し退けて、ルイスが強引に入ってきた。ソファにいるサファイアの目の前に跪き、すぐさまその手を取ろうとする。
「バーナード達から話は聞いた…」
サファイアはその手をパンッ、と払いのけた。
「聞いたなら分かっているでしょう!? 凄く怖かったし、アレクセイ兄様まで煩わせて、ちょっとやそっとじゃ許せないわ!!」
拳を握り締め、怒りに燃えた瞳で、キッ、とルイスを睨みつける。
「貴方のせいではないけど、上に立つ者として…………何で……そんな目でじーっと見ているの?」
ルイスは頬を紅潮させ、キラキラと目を輝かせて、その表情は喜びに満ちていた。最後にうっとりと……溜息をつく。
「君の怒った顔や、きつい口調――手もパンっ、て、久し振りだ…」
「………」
そうだ……恋人モードになってからすっかり忘れていたけど、こういうのが好きな人だった。
「ルイス、私は怒っているのだけど――」
ルイスが喜ばないように、怒りを抑えて口にするが、その抑え口調と表情も、彼のツボを刺激する。しかし、これ以上うっとりしてはいけない事に、ルイスはきちんと気付いていた。
「サファイアごめん。バーナード達によく言い聞かせるから、許してはくれないだろうか?」
「……本当に怖かったんだから……!」
ルイスはうんうんと、サファイアの話を聞いている。
「わたし、ラトヴィッジに…」
「うん。来なくていい」
「……え、」
気勢をそがれて、サファイアはルイスを見返す。
「無理強いするつもりはない。君は残るといい……というか、それが普通なんだけどね」
ルイスは微笑んだが、サファイアは笑ってはいなかった。サファイアはルイスのために、共にラトヴィッジへ行く心づもりがあった。それがあっさりと拒絶されたようで、彼女はちょっと淋しくなる。ルイスがサファイアの手を掴もうと、また手を伸ばしてきたが、スッとサファイアは手を引いた。
「だってルイスは……前に、東屋の近くで私を……私をっ、……」
”押し倒してまで”とは言いづらく、頬を赤らめるサファイア。
「うん、あの時は頭に血が上っていて、君は可愛いし、連れて帰りたかったし……本当に申し訳なかったと思っている。二度とあんな真似はしないから、安心をして? 君と一緒に帰らなくても、もう大丈夫だから」
「もう大丈夫……ルイスは私に、一緒にラトヴィッジには、帰ってほしくないの?」
サファイアは顔を俯けて、口も小さく尖らせて、少しだけ泣いてしまいそうになった。これではまるで子供みたいだ。だけど、きっと喜んでくれると思ったのに……。
「………は?」
扉の外からはぼそぼそと、”女慣れしていない男はこれだから”とか、”全く女心が分かってませんな”とか、聞こえてくる。
「バーナードにローマイヤ、聞こえてる。盗み聞きはやめろ」
シーンと静まり返る中、ルイスはサファイアの手をしっかりと、しかし優しく掴まえて自分の手の中に包み込む。
「もちろん、連れて帰りたいさ」
言い聞かせるようにゆっくりと、言葉を慎重に選んで話す。
「でも結婚したら、なかなか帰ってはこれない。前にも言ったように、リーフシュタインに屋敷を建ててプレゼントはする。でも多分、帰国はよくても年に一回、それもそんなに長くは滞在できないだろう」
サファイアがチラッと視線を上げると、ルイスが真摯な態度でこちらを見つめていた。
「俺が即位したら益々帰れなくなる。君は王妃になるからね……その事を考えたら、今は残るほうがいいんだ。本当は一緒に来てほしいけどね……とても……いや、凄く」
ルイスは自分を考えに入れず、私の為だけを思って言ってくれている――。
サファイアは視線を落として、もじもじと恥かしそうに言った。
「ごめんなさい。拗ねたりして……」
「いや、可愛い」
「?」
「”一緒に、帰ってほしくはないの?”とか、拗ねた様子とか、凄く可愛い」
耳まで赤く染め上げて俯くサファイアを、愛おしげに見つめるルイス。彼女の両脇に手をついて顔を近づける。
「サファイア…可愛い……」
彼の身体と両腕に閉じ込められて、ただでさえドキドキしているのに、俯いた顔まで覗き込まれて、サファイアはどうしていいか分からなくなった。
チュッ、と軽く触れるキス。真っ赤になって身体を固くしているサファイアに、ルイスが至近距離で首を傾げた。
「いつもより緊張しているみたいだけど……?」
「……だって、こ、こんな風にキスするの初めて。何だか閉じ込められたみたいで、ドキドキする……」
「俺もドキドキする」
「えっ、……」
「こうやって腕の中に閉じ込めると、君は自分のものだという喜びで、胸が酷く高鳴る。愛しいサファイア……もう、逃げられないよ。放さないし、誰にも渡しはしない」
片手を背凭れに、もう片手は身体の脇に突き、ルイスが更に距離を縮める。小柄なサファイアをすっぽりと、長身の身体で覆うようにして顔を寄せてきた。触れる唇は優しいのに、サファイアへの独占欲は露に示す。
(以前は独占欲が強い男性は好きじゃなかったのに……)
ルイスに所有され、独占される事に喜びを感じ、驚きを禁じえないサファイア。
ルイスはサファイアの頬にくちづけて、耳元まで唇を這わせ、ふわふわした金髪に隠れている耳朶を甘く噛んだ。
「んっ!」
「うん?」
「くすぐったい……」
本当は気持ちよくて、思わず声が出てしまったのだが、恥かしくてそんなこと言えはしない。しかし、ルイスは察したようで……。
「可愛い……サファイア」
鼻の頭にキスを落とし、首筋に顔を埋めてきた。
「やっ、……んっ、」
「しっ、――高官達に聞こえてしまうよ」
「じゃあ、そんなところにキスしないで」
「そんなところって、どんなところ?」
「……………」
耳の付け根まで真っ赤になって、黙り込むサファイア。顔を離した彼がくすりと笑う。
「ここ?」
「やだぁ、……ぁ……」
サファイアの可愛らしい喘ぎ声が漏れないように、ルイスは深く唇を重ねた。
廊下では、その高官達が扉に張り付きダンボになっていた。周囲はラトヴィッジの面々で埋め尽くされている。扉から耳を離し振り返ったバーナードは、頬を僅かに紅潮させてこほん、と咳払いをする。
「どうやら、……丸く収まったようだ」
『おお~!』と周囲から喜びの声が上がる。
「それで、サファイア様は共に我が国へいらっしゃるのですか!?」
「そこまでは分からないのだが……」
ラザファムが遅れて到着をした。
「部屋の前で集会ですか?」
「ラザファム殿、喜んでください! サファイア様の怒りが収まったのです!!」
「それは凄い。どんな魔法を使ったのですか?」
「実は王子が…」
「だから!! やめてって言っているでしょうーーー!!!」
気持ちのよい、晴れ渡った朝――。
サファイアの声と共に、パーンッ、と小気味良い音が、静寂に包まれた廊下に響き渡る。キイィ、と扉が開いて、片方の頬を赤く腫らしたルイスが姿を現した。
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