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第十二章
腕(かいな)の中のリリアーナ 85
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「うっ、うぐっ……」
「すいません。大きい声を出されたら、周囲の人間やラザファムに気付かれてしまうので」
ブレンダンは口を塞いでいた右手を外すと、サファイアに向かってにこやかに微笑んだ。サファイアはこんな時に慌てもせず、笑みを浮かべるブレンダンの神経が分からない。
「今なら皆の注意が酔っ払いとラザファムに集まっているので抜け出せます」
彼は紅いベルベットの大判のストールを、サファイアの頭から被せた。
「これでサファイア様である事も、お召しになっているラベンダー色のドレスも隠れますよ。ルイス王子やラザファムから見つけにくくなります」
「ええ……」
「サファイア様がいなくなったと知ったら、あの二人は慌てふためくでしょうね。特にルイス王子は……」
ブレンダンは想像をしたのかクスクスと笑いをこぼし、サファイアはその様子を見て不快感を募らせる。
「さあ、急ぎましょう。さすが、姫君に付く騎士だけあって、ラザファムがもう喧嘩を収めてしまいそうです――」
急きたてられ、腰を抱かれるようにリードをされてその場を後にした。彼の腕の中でサファイアがもがく。
「身体が近いんだけど……!」
「気の強いサファイア様が戻ってきましたね。せっかくあとちょっとで抜け出せるのに、騒ぐと周囲に正体が知れてしまいますよ?」
にやけた顔をキッと睨みつけた。
「私は知れても構わないけど、貴方の立場は非常にまずくなると思うわ」
「いいなぁ、その鼻っ柱の強さ」
サファイアに一瞬迷いが生じる。
(胡散臭いこの男に付いて行って大丈夫かしら……)
身の危険も感じ、ここでやめたほうが懸命だろうかと考える。しかし、サファイアはアレクセイが苦労していた事を知っていた。『証拠がなかなか掴めない』とこぼしていたことも。
(そう、アレクセイ兄様の……いいえ、血税に苦しんでいる領民の為にも、私が証拠を押さえなくては。いざとなったら大声を出せば、警護に当たっている騎士がすぐに駆けつけてくれるだろう)
大広間から回廊へ出ると、何人かが人いきれから逃げるように、そこここに置かれたソファで休んでいた。今日の舞踏会は二階の大広間で執り行われている。この庭園に面した回廊からは月明かりの下、幻想的な美しい眺めを遠くまで見渡す事ができた。
ブレンダンはサファイアを連れて、足早に客人達の前を通り過ぎる。
「今の、サファイア姉様だったわ……」
広間から離れた人気のない柱の陰で、カイトとリリアーナが休んでいた。近い場所だと人が多く、好奇心に満ちた視線に晒されるからだ。
「紅いストールに包まれていたから、分かりにくかったけど」
「なぜブレンダンと――」
カイトが呟きながら辺りを見回し、扉の向こう、広間の中に立っているフランチェスカを見つける。フランは今日、パーティー会場の手伝いに入っていた。
「リリアーナ様、あそこにフランチェスカがいます。私はサファイア様の後を追いますので、彼女と一緒にいて下さい」
頷くリリアーナにカイトがサファイア達の後を追って駆け出そうとしたところ――
「――っ!」
胸を押さえて足を止め、いきなり苦しそうに屈みこんだ。
「カイト!!」
「大丈夫……ですっ、リリアーナ様は、早くフランの……っ、……」
息も荒く、額には脂汗が浮かんでいる。
「大丈夫じゃないわ! 待って、人を呼んでくる……!」
「この発作は、すぐに……治まります……慣れているので平気……です」
リリアーナはサファイアの姿が廊下の端の階段に、消えていくのを見て焦った。
(このままだと見失ってしまう)
「私が追う! カイトはここで休んでいて、行き先が分かったらすぐ戻ってくるから!」
「駄目です!」
リリアーナが身を翻し、カイトが伸ばした手は僅かに届かず、空を掴む。
「今日は駄目です! 騎士が、……少な……!」
苦しい中、懸命に出した声もリリアーナには届かなかった。
***
「どこまで行くの?」
「屋外に出ます」
ブレンダンは一階に降りて周囲を確認すると、目の前の小さな扉から外に出た。
(この方向はローズガーデンかしら……)
ローズガーデン、それは四季折々に様々な種類の薔薇が咲く庭園。恋人達の逢引の場所――
ストールを被せられている上に、夜でもあるため、サファイアは視界が狭く歩きにくい。それなのにブレンダンは早足でサファイアに合わせてもくれず、終いにはついて来れないサファイアを、小脇に抱えて歩き始めた……。
(私は荷物? 荷物なわけ? それにさっきも言ったのに……)
「私は自分で歩けるわ、下ろして!」
「変だなぁ、ここいら辺の筈なのに……」
ブレンダンがサファイアを抱えなおそうと、一旦地面に下ろした。人の話も聞かずまた手を伸ばしてくるブレンダンに、怒り心頭に達したサファイアが片足を振り上げる。
「身体が近いって言ったでしょう! それに私は荷物じゃないわよ!」
ブレンダンの足を思い切りピンヒールで踏みつけた。
「うぐぅっ――、」
ブレンダンが喉まで出かけた叫び声を必死に抑え、伸ばした手を引っ込める。大声を上げて騎士に見つかりでもしたら、せっかく抜け出した努力が水の泡になってしまう。
彼から離れてサファイアは立ち、紅いストールがシュルルと音を立てて、足元に落ちた。
金髪が月光を受けて輝き、怒り気味にアーモンド型の目を吊り上げた彼女は大層美しかった。
「ブレンダン、なに騒いでるんだ?」
栗色の髪をした貴族の子息らしき若者が、薔薇の小道からひょいと出て来る。
「わ、サファイア姫だ。かぁわいい! 凄い……本当に連れてこれたんだな」
その若者はサファイアに近付いた後に振り返り、しゃがみ込んでいるブレンダンを不思議そうに見やった。ムッとしているサファイアにすぐ合点がいったようで、にやにやしながら意地悪く聞く。
「ブレンダン、その足はどうしたんだ?」
ブレンダンが睨みつける。
「ちょっと足を挫いただけさ。それよりきちんと挨拶をしろよ」
その若者は優雅な仕草でサファイアの手を取り、その甲にくちづけた。
「アロイス・フォン・ヴァイスベッカーと申します」
「ヴァイスベッカー男爵のご子息かしら?」
「ご存知でいらっしゃるのですか? 光栄です」
(ええ、素行の悪さをね――)
「ブレンダン、なぜ部屋を用意しなかったんだい? ローズガーデンは確かにロマンチックだけれど屋外だし、巡回中の騎士に出くわすかもしれないし、落ち着かないじゃないか」
「仕方がないだろう? 今日は遠方からの客が多くて、空き部屋がなかったんだから」
「え……」
サファイアはそんな話は聞いていない。空き部屋もあるはずだ。でも、確かに思い当たる節もある。いつもは開いている部屋が、なぜか施錠されていて入れなかったのだ。
心の中で首を傾げながらも、二人の話を聞いていた。
「ここは四方を薔薇の茂みに囲まれていて、人目につかない場所だ。警備の騎士も今日は少ないみたいだし、ちょうどいいだろう」
そうだ、それもサファイアは感じていたのだ。小脇に抱えられて運ばれている時に、紅いストールから覗き見ていたのだが、警備の騎士を殆ど見かけなかった。
「預けたやつは持ってきてくれたか?」
「ああ、ここに……」
ブレンダンに言われてアロイスがポケットから、白いハンカチに包まれた物を取り出す。ブレンダンがそれを受け取り手の上で広げると、中からは紙巻タバコが現れた。
(多分、中身は………。どうにかして気付かれないよう持ち帰らないと)
サファイアは気を引き締めた。
***
ラザファムが駆けつけてきた騎士仲間に、喧嘩していた奴等を引き渡す。サファイアの居た場所に戻ろうとすると、血相を変えたルイスにいきなり胸倉を掴まれた。
「サファイア姫はどこにいる!!」
「どこってそこに――」
サファイアが居た場所に目を向けたが、影も形も見当たらない。臍を噛む思いのラザファムに、ルイスが深刻な顔つきで言った。
「ブレンダンの姿もどこにも見当たらない――」
***
(こんな時に……!!)
カイトをまた例の痛みが襲っていた。回を増すごとに酷くなる。ギリギリと歯を食いしばりながら立ち上がり、リリアーナを追おうとしたが、またすぐその場でしゃがみ込んだ。
『なにやっているんだ、すぐに追え!!』
頭の中に大人カイトの声が響く。
「できるくらいならとっくに追っている!!」
『呼吸を整えろ、身体から痛みを逃がすんだ』
「呼吸? 複式呼吸か?」
『お前、じーちゃんに禅の呼吸法を習ってないのか?』
「――うるさい! お前がつべこべ言うと痛みが増すから黙っていろ!」
『全く……』
大人カイトが溜息を吐いた。
『身体を貸せ――』
「すいません。大きい声を出されたら、周囲の人間やラザファムに気付かれてしまうので」
ブレンダンは口を塞いでいた右手を外すと、サファイアに向かってにこやかに微笑んだ。サファイアはこんな時に慌てもせず、笑みを浮かべるブレンダンの神経が分からない。
「今なら皆の注意が酔っ払いとラザファムに集まっているので抜け出せます」
彼は紅いベルベットの大判のストールを、サファイアの頭から被せた。
「これでサファイア様である事も、お召しになっているラベンダー色のドレスも隠れますよ。ルイス王子やラザファムから見つけにくくなります」
「ええ……」
「サファイア様がいなくなったと知ったら、あの二人は慌てふためくでしょうね。特にルイス王子は……」
ブレンダンは想像をしたのかクスクスと笑いをこぼし、サファイアはその様子を見て不快感を募らせる。
「さあ、急ぎましょう。さすが、姫君に付く騎士だけあって、ラザファムがもう喧嘩を収めてしまいそうです――」
急きたてられ、腰を抱かれるようにリードをされてその場を後にした。彼の腕の中でサファイアがもがく。
「身体が近いんだけど……!」
「気の強いサファイア様が戻ってきましたね。せっかくあとちょっとで抜け出せるのに、騒ぐと周囲に正体が知れてしまいますよ?」
にやけた顔をキッと睨みつけた。
「私は知れても構わないけど、貴方の立場は非常にまずくなると思うわ」
「いいなぁ、その鼻っ柱の強さ」
サファイアに一瞬迷いが生じる。
(胡散臭いこの男に付いて行って大丈夫かしら……)
身の危険も感じ、ここでやめたほうが懸命だろうかと考える。しかし、サファイアはアレクセイが苦労していた事を知っていた。『証拠がなかなか掴めない』とこぼしていたことも。
(そう、アレクセイ兄様の……いいえ、血税に苦しんでいる領民の為にも、私が証拠を押さえなくては。いざとなったら大声を出せば、警護に当たっている騎士がすぐに駆けつけてくれるだろう)
大広間から回廊へ出ると、何人かが人いきれから逃げるように、そこここに置かれたソファで休んでいた。今日の舞踏会は二階の大広間で執り行われている。この庭園に面した回廊からは月明かりの下、幻想的な美しい眺めを遠くまで見渡す事ができた。
ブレンダンはサファイアを連れて、足早に客人達の前を通り過ぎる。
「今の、サファイア姉様だったわ……」
広間から離れた人気のない柱の陰で、カイトとリリアーナが休んでいた。近い場所だと人が多く、好奇心に満ちた視線に晒されるからだ。
「紅いストールに包まれていたから、分かりにくかったけど」
「なぜブレンダンと――」
カイトが呟きながら辺りを見回し、扉の向こう、広間の中に立っているフランチェスカを見つける。フランは今日、パーティー会場の手伝いに入っていた。
「リリアーナ様、あそこにフランチェスカがいます。私はサファイア様の後を追いますので、彼女と一緒にいて下さい」
頷くリリアーナにカイトがサファイア達の後を追って駆け出そうとしたところ――
「――っ!」
胸を押さえて足を止め、いきなり苦しそうに屈みこんだ。
「カイト!!」
「大丈夫……ですっ、リリアーナ様は、早くフランの……っ、……」
息も荒く、額には脂汗が浮かんでいる。
「大丈夫じゃないわ! 待って、人を呼んでくる……!」
「この発作は、すぐに……治まります……慣れているので平気……です」
リリアーナはサファイアの姿が廊下の端の階段に、消えていくのを見て焦った。
(このままだと見失ってしまう)
「私が追う! カイトはここで休んでいて、行き先が分かったらすぐ戻ってくるから!」
「駄目です!」
リリアーナが身を翻し、カイトが伸ばした手は僅かに届かず、空を掴む。
「今日は駄目です! 騎士が、……少な……!」
苦しい中、懸命に出した声もリリアーナには届かなかった。
***
「どこまで行くの?」
「屋外に出ます」
ブレンダンは一階に降りて周囲を確認すると、目の前の小さな扉から外に出た。
(この方向はローズガーデンかしら……)
ローズガーデン、それは四季折々に様々な種類の薔薇が咲く庭園。恋人達の逢引の場所――
ストールを被せられている上に、夜でもあるため、サファイアは視界が狭く歩きにくい。それなのにブレンダンは早足でサファイアに合わせてもくれず、終いにはついて来れないサファイアを、小脇に抱えて歩き始めた……。
(私は荷物? 荷物なわけ? それにさっきも言ったのに……)
「私は自分で歩けるわ、下ろして!」
「変だなぁ、ここいら辺の筈なのに……」
ブレンダンがサファイアを抱えなおそうと、一旦地面に下ろした。人の話も聞かずまた手を伸ばしてくるブレンダンに、怒り心頭に達したサファイアが片足を振り上げる。
「身体が近いって言ったでしょう! それに私は荷物じゃないわよ!」
ブレンダンの足を思い切りピンヒールで踏みつけた。
「うぐぅっ――、」
ブレンダンが喉まで出かけた叫び声を必死に抑え、伸ばした手を引っ込める。大声を上げて騎士に見つかりでもしたら、せっかく抜け出した努力が水の泡になってしまう。
彼から離れてサファイアは立ち、紅いストールがシュルルと音を立てて、足元に落ちた。
金髪が月光を受けて輝き、怒り気味にアーモンド型の目を吊り上げた彼女は大層美しかった。
「ブレンダン、なに騒いでるんだ?」
栗色の髪をした貴族の子息らしき若者が、薔薇の小道からひょいと出て来る。
「わ、サファイア姫だ。かぁわいい! 凄い……本当に連れてこれたんだな」
その若者はサファイアに近付いた後に振り返り、しゃがみ込んでいるブレンダンを不思議そうに見やった。ムッとしているサファイアにすぐ合点がいったようで、にやにやしながら意地悪く聞く。
「ブレンダン、その足はどうしたんだ?」
ブレンダンが睨みつける。
「ちょっと足を挫いただけさ。それよりきちんと挨拶をしろよ」
その若者は優雅な仕草でサファイアの手を取り、その甲にくちづけた。
「アロイス・フォン・ヴァイスベッカーと申します」
「ヴァイスベッカー男爵のご子息かしら?」
「ご存知でいらっしゃるのですか? 光栄です」
(ええ、素行の悪さをね――)
「ブレンダン、なぜ部屋を用意しなかったんだい? ローズガーデンは確かにロマンチックだけれど屋外だし、巡回中の騎士に出くわすかもしれないし、落ち着かないじゃないか」
「仕方がないだろう? 今日は遠方からの客が多くて、空き部屋がなかったんだから」
「え……」
サファイアはそんな話は聞いていない。空き部屋もあるはずだ。でも、確かに思い当たる節もある。いつもは開いている部屋が、なぜか施錠されていて入れなかったのだ。
心の中で首を傾げながらも、二人の話を聞いていた。
「ここは四方を薔薇の茂みに囲まれていて、人目につかない場所だ。警備の騎士も今日は少ないみたいだし、ちょうどいいだろう」
そうだ、それもサファイアは感じていたのだ。小脇に抱えられて運ばれている時に、紅いストールから覗き見ていたのだが、警備の騎士を殆ど見かけなかった。
「預けたやつは持ってきてくれたか?」
「ああ、ここに……」
ブレンダンに言われてアロイスがポケットから、白いハンカチに包まれた物を取り出す。ブレンダンがそれを受け取り手の上で広げると、中からは紙巻タバコが現れた。
(多分、中身は………。どうにかして気付かれないよう持ち帰らないと)
サファイアは気を引き締めた。
***
ラザファムが駆けつけてきた騎士仲間に、喧嘩していた奴等を引き渡す。サファイアの居た場所に戻ろうとすると、血相を変えたルイスにいきなり胸倉を掴まれた。
「サファイア姫はどこにいる!!」
「どこってそこに――」
サファイアが居た場所に目を向けたが、影も形も見当たらない。臍を噛む思いのラザファムに、ルイスが深刻な顔つきで言った。
「ブレンダンの姿もどこにも見当たらない――」
***
(こんな時に……!!)
カイトをまた例の痛みが襲っていた。回を増すごとに酷くなる。ギリギリと歯を食いしばりながら立ち上がり、リリアーナを追おうとしたが、またすぐその場でしゃがみ込んだ。
『なにやっているんだ、すぐに追え!!』
頭の中に大人カイトの声が響く。
「できるくらいならとっくに追っている!!」
『呼吸を整えろ、身体から痛みを逃がすんだ』
「呼吸? 複式呼吸か?」
『お前、じーちゃんに禅の呼吸法を習ってないのか?』
「――うるさい! お前がつべこべ言うと痛みが増すから黙っていろ!」
『全く……』
大人カイトが溜息を吐いた。
『身体を貸せ――』
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