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後日談

21 もう、待てない ☆

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「……え?」
「うん?」
「ちょっと待って」
「待てない。分かるだろう?」
「”もう大丈夫”って言ったじゃない」
「………”これだけ濡れていれば、挿入しても痛みはない、大丈夫だ”って意味だ」
「”大丈夫、これで終わりだ”って意味じゃないの!?」

 グリフィスが片眉を上げてニヤリと笑う。

「俺がそんな事を言うとでも?」
「そうよね……って、待って!」
「もう、待たない」

 グリフィスは蜜口に当てていたたかぶりを、じわじわと呑み込ませていく。

「やあっ、だめ……!」

 中を押し広げられる感覚は本当に久しぶりで、クリスには刺激が強すぎた。内壁を擦られる快感に、喉から細い声を出して、おとがいをのけ反らせる。

「――っ、そんなに締め付けないでくれ」

 絡みついて蠕動ぜんどうする膣壁に、息を詰めながら、グリフィスはずっ…、と腰を押し進めた。さほど入っていないにも拘わらず、クリスの身体が震え始める。

「はぁ…、あぁっ…いや、ぁ……」
「クリス?」
「いや、あっ、ぁ、ああっ、あぁあああああ!」

 びくん、びくん、と身体を痙攣させて、クリスはあっという間に達してしまった。まだ痙攣するクリスを宥めるように髪を撫で、グリフィスが上体を傾ける。彼女の首筋にくちづけながら囁いた。

「入れただけで、達してしまったのか?」

 恥ずかしそうに顔を背けるクリスの首筋を、甘く噛む。

「あんっ、」
「中が、締まった」
「もう! そういうことを言わないっ、あ、だめっ……」

 グリフィスが再び挿入をし始めた。

「いや、……いやぁ、イったばかりなのに、ああっ、」

 ずんっと最奥まで貫かれる。

「あっ―……」
「”いや”じゃないだろう?」

 耳元で囁かれる低くて甘い声が、クリスの官能を刺激する。

「だって、気持ち…よすぎて……んっ、」

 グリフィスがゆっくりと腰を回した。大きな雄に蜜壁が擦られ、腰が溶けてしまいそうなほど気持ちがいい。

「いやぁっ、……ぁ、そこ……」

 途端に彼は、ぴたりと動きを止めてしまった。

「あ、………」
「”いや”なのか?」

(わ、分かっているくせに……!)

 ボッと赤面するクリスを、口元に笑みを湛えて見下ろすグリフィス。

「…い、…いい……」
「ん?」

 勇気を出して言ったのに、グリフィスはとても意地悪だ。聞こえているのに聞こえない振りをする。

「いいのっ、……あっ、」

 彼が抽挿を開始した。

「ああっ、いいっ!」

 グリフィスの背に手を回し、クリスが身体をのけ反らせて、広い背中に爪を立てる。

「いいの! いいっ、はあっ、グリフィス…もっとぉ……」

 快楽に身もだえするクリスを目にして、グリフィスも我慢の限界に達した。

「クリス!」

 ずんっと勢いよく奥を穿つ。

「あぁんっ!…はあぁ……」

 求めていたものを与えられて、クリスの身体が激しい愉悦でわなないた。喉を反り返し、背中をシーツに擦りつけて、悦びも露わに身悶える。楔の先端を子宮口に押し付けられ、いやらしくかき回された。

「ひぃいっ、いっ、いやぁ……!」
「身体は”いい”と言っているぞ」

 快楽に耐えられくなり逃げようとする腰を、大きな手ががっしりと掴んだ。
穿ちながら突く場所を微妙に変え、グリフィスがじっとクリスを観察する。余裕のないクリスはそれに気づかない。

「ここか――」
「やぁっ! あ、ああっ…だめぇ……!」

 酷く感じる部分を集中的に狙われて、激しく何度もそこを穿たれ、クリスは身体を引きつらせる。
 
「あ、ああっ、またイくっ、イっちゃうぅううう!」 
「……っ、」

 達したクリスの蜜壁が、グリフィスの雄に纏わりつき、精を搾り取ろうときつく蠢く。グリフィスは歯を食いしばり、己を一際強く叩きつけた。放たれた熱い飛沫は、クリスの奥をじわりと満たす。
 
「はあぁぁ……」

 ゆっくりとクリスの身体が、下降線を辿っていった……辿っていった……辿って…

「これって、……まさか……」

 クリスの中で、グリフィスの雄が元気を取り戻し、グッと腰を掴まれた。

「え……、」


***

今回のムーンの題名は”いやーーー!!”になります。
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