儚くも花は咲く

那如

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少女の存在

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任務が完了した後、
仁はボスに報告した。

ボスは膨大な敷地の屋敷に住んでいる
そこに仁達は居候している。

ただ、厄介なのがそのボスが
父であることだ。
だから居候と言っても住まざるおえない。

何時でも出て行くつもりの仁だか瑠花が父に懐いている以上出て行くわけにはいかない。静、絵里奈、雅、怜於、瑠花

誰1人でも欠けてはならない
あいつらを守れるのは俺しかいない
いや、俺が寂しいのかもしれない...
と仁は今日この頃思っていた。

そんな仁の切羽詰まった顔を見た
1人の少女

「仁兄...?」

と可愛らしい声
小さくて今にも消え入りそうなか細い声

「仁兄、どうしたの?具合悪い?静姉
呼ぶ...?」

質問攻めの少女は仁に駆け寄り抱きついた
少女の華奢な小さな身体を
仁と同じ目線の高さまで抱き上げる

少女は一言で言うと“天使”

仁を含め使用人、屋敷に住む全員が
癒されている。その中でも特に父が溺愛しているだろう...。

真っ白な肌にピンクの頬
銀髪のゆるいウェーブの長い髪を揺らし
銀色と青を含んだ綺麗な瞳を瞬きする
目を伏せると長い睫毛が影をつける

それらが全てを惹き付ける

髪の色や瞳の色にしても
仁達にとっても例外ではない

仁はワインレッドの髪色のクセ毛は
無造作に肩まであり燃えるような切れ長の目に深紅の瞳

静は漆黒の髪色を艶やかに腰の辺りで切りそろえてある少し長めの前髪から覗かせたアメジストのような紫の瞳

絵里奈は傷みを知らない綺麗な茶髪はストレートのショートボブ色素の薄い茶色の瞳

雅は金髪に緩いウェーブ金混じりの青い瞳
瑠花とは唯一血の繋がった兄妹である

怜於はダークブラウンの短髪に丸みの目を
意地悪に目を細めるダークブラウンの瞳

この6人は誰から見ても美しい
中性的、妖艶、端正な顔立ちの彼等には
ぴったりだろう

それを普段から一緒にいる目の肥えた彼等でさえ瑠花の美しさは物語っていた

抱き抱えたままの仁は
そう思ってたに違いない。

心配する瑠花を余所に

「お前は本当に可愛いな...」

普段クールな仁からすれば頬が緩んでる自分に苦笑した

瑠花は無垢で純粋

そんな少女は妹のような存在である以上に
彼等には必要不可欠な存在なのかもしれない

歪んだ世界に一つの光を照らすような
1人の少女の存在が......






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