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職人の街ドワーレ(5)
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「おっそーい!」
一條は、自分の戦場に着いて、いの一番に紀宝からそんな言葉を賜った。
――そこまで遅くはない気もするが。
実際、一條が離れてたのは、時間にすれば十分程度である。
しかし、その原因は一條側にあり、短い間とはいえ紀宝と高井坂の二人に任せっぱなしだったのは確かだ。
――こういう時は男の方が折れるもんだ、って言うし。
考えた所で、隣に並ぶ様に後退してきた高井坂も何度か片目で瞬きをして、目配せの様な事をしてきている。
が、こちらは正直腹立たしさの方が勝っていた。
とりあえず親友には頷いておき、一條は改めて紀宝の台詞に応える。
「うん。待たせちゃってごめんね?」
告げた瞬間、
「ぐああっ!」
隣から今にも死にそうな声が響いた。
見れば、盾役が満足げな表情を浮かべ、剣を持ったまま器用に親指を上げている。
「あまりの可愛さに俺は致命傷を受けたぜ……流石だ。親友」
一條は心底嫌そうな顔をした。
「心底嫌そうな顔するなよ! ちょっとぐっと来るだろ!」
「大概気持ち悪い奴だなお前も」
「ありがとうございます!」
無視した。
「で、何か進展あった?」
紀宝への質問に、まず大きなため息が返ってくる。
「なにもー。私としてはジャンヌの一撃待ち。後は……シャラならあいつの攻撃を素で耐えられるのが分かった位」
「なにその怪情報」
「ちょびっとは傷になったって。ホントに。流石に無傷じゃねぇって」
横で主張されるが、見た目では判断つかない程度の傷と言う事なのだろう。
とはいえ、こうなると高井坂の生身での防御力はとんでもない領域にある事になる。
――あいつの攻撃を、ねぇ。
未だに胸から剣を生やし、左も手首辺りまで伸びている人型を見るが、相変わらずその不気味な出で立ちには慣れない。
「そんくらい後で馬糞塗っときゃ治るわよ」
「買い取り1ゴールドで傷治ったら凄くね俺!?」
戦闘が終わる度に馬糞の海へ飛び込む全裸男を想像してしまい、一條もげんなりした。
「……そうなったら絶交だし、一緒に歩きたくないなぁ」
「塗らないから一緒に歩こう!?」
もう一度心底嫌そうな表情を見せたまま、一條は持っている剣の刃先を指先で器用に挟み、高井坂へ差し出す。
「おぅ、すまん。助かる」
傍目でも分かる程に、彼の剣はその役目を終えている。
大盾の方もへこみ等が散見されるが、生憎と現物は持ってないので、そちらはまだ現役で頑張って貰うしかない。
先程の話を聞くに、むしろ必要性が論じられそうだが、無いよりは良いだろう。
「それじゃ、私が遠距離砲撃かますから一回それに合わせて貰える? ジャンヌさん?」
聞き慣れない単語に、一條が首を傾げれば、高井坂も首を横に振っている。
不思議な面持ちのまま、既に残り二本となった剣にため息をつきつつ構えていると、紀宝が動いた。
「ふっ」
それは、突撃する様な動きではなく、不必要な程に大きな一歩の踏み込み。
一條でも分かる程の陽動行為。
だが、ロキにはそれと看破する術は無かったのか、釣られる様に一匹が飛び込んでくる。
当然見越した上で紀宝は後ろへ下がるが、直後に短い間隔の足取りで前へ出た。
「行くぞっ」
呆けていた一條は高井坂に言われ、慌てて一歩を踏み出す。
まるで状況は読めないが、彼には伝わる何かがあるらしい。
瞬間、
「いぃぃぃやっ!」
裂帛の声と共に突き出された右拳。
空中に居る黒犬型ロキの脇腹辺りを正確に捉え、叩き込まれたが、結果はそれだけに終わらない。
一條が見守る中で、黒犬はやはり声を挙げず、しかし、空を水平にかっ飛んでいく。
「は、はぁ!?」
自分でも素っ頓狂な声だと分かるが、最早起こってる事態に理解が追いつかなかった。
それだけの異常な光景である。
「名付けて対人型ロキ黒犬砲!」
「ネーミングセンス最悪じゃん!」
追い越しがてら掛けられた紀宝の声に素直な気持ちをぶつけつつ、一條と高井坂も一目散に走った。
異様なのはロキ側も同じらしく、人型へと向かう間に障害はない。
流石に空を飛んでる弾丸と化した犬には追いつけそうにないが、どう反応するかは興味も湧く。
そして、結果はすぐに訪れた。
何てことは無い。
避けようともしない人型は黒犬型と激突。派手な衝撃音と共に、上半身のみが後ろへ折れ曲がっていくと言う異様な姿勢になっているが、黒犬型が大空に弾んで直後に消失した為、少なくとも相応の威力だったのは事実である。
――うわこわー。
感想は勿論、それだけの打撃を受けて尚、平然と上半身を戻し始めている敵に対してだ。
紀宝に対しては最早そういった感想すら抱かない程、この短い間に慣れてしまっている自分が居た。
「それはそれとしてっ!」
一條が言い放った次の瞬間には、上半身を発条の様に戻し、その反動をも利用した、直上からの細い右腕が振ってくる。
相手の射程圏に足を踏み入れた証拠だ。
「シャラ!」
「あい、よっ!」
威力を上げる為に腰を落とし、踏み込んでいるとはいえ、女性の身としては高いと言える一條の更に上を、高井坂の大盾が覆い被さる様に伸びてくる。
「ふんぬ!」
後ろで力む声が聞こえ、ほぼ同時に大盾が音と共に揺れた。
無事に向こうの初撃を防御したならば、手番はこちらだ。
剣を持つ手に力を込める。
「サーンキュ!」
一條の声に合わせて、即座に頭上の障害物が取り払われた。ついでとばかりに、右から来ていた黒犬をそれで殴り飛ばしていく。
周囲に不安要素はなく、眼前には、無防備な姿を晒した黒い人間を模した存在。
表情は相変わらず読み取れるものではないが、
――驚愕、してくれてれば良いんだけど!
「はあぁぁっ!」
気合いを入れ、垂直に振り上げた剣は、完璧にロキの右腕を胴体から切り離した。
止まらない。
返す刀で首を狙う流れだったが、
「っ!?」
下から飛んできた黒い棒に不意を突かれた。
一瞬反応が遅れたものの、柄、腕、胸当て。使える全てを使って防御。
同時に軽く後方へ飛べば、衝撃もかなり緩和される。
「ぐえっ」
お陰で真後ろに居た高井坂を巻き込んだが、二人揃って距離も離せる上、更に分散した事で被害は無いに等しい。
威力までは完全に逃がせなかったが、当たれば確実に致命傷であったそれを回避出来ただけでも、御の字と言う所だろう。
――右腕斬り飛ばされたのに前蹴りとか普通しないだろ。
心中で毒づいたまでは良かったが、衝撃が足に響いたのか、よろけて片膝を付く不格好さを見せた。
周囲を確認すれば、今走っていった分を飛ぶ事で往復してきた事になる。
「つあー……効いたー」
悪態を付いた所へ、ここぞとばかりに黒犬型の追撃が来る。
左から二匹、右から三匹。
避ける間も、迎撃する間もないが、一條の心に悲観はない。
「シャラ!」
「応! させねぇよ!」
左から飛んできた紀宝が空中で疾風の如き足技で叩き伏せれば、右の三匹は高井坂の壁の様な盾の突撃で纏めて押し飛ばされた。
「頼りになるなぁホント」
――……二人の方が活躍してる気がしないでもないけど。
一息入れて立ち上がり、両脇の二人に対して親指を上げれば、向こうも同じ形で応える。
「悪い、シャラ。平気……だな。うん」
「いや平気だけどさぁ……」
微妙に納得していない表情を見せるが、それがかえって彼の無事を示していた。
「人間と思っちゃうから、ありえん体勢から不意打ちが来るんだよな」
一條は、先程防いだ部分を見ていくが、幸いにしていずれも問題はない。剣の柄くらいは壊れてると覚悟したが、それも杞憂に終わった。
「ま、ね。硬いし効いてるかも分りづらいからやりにくいったら」
「後ろも周囲もギリギリだし、また回復されたらやべぇ。とっとと片付けないとだ」
「おう」
「それじゃ、盾役に任せようかな」
紀宝の言葉に、高井坂が嫌そうな表情を見せる。一條は直接見た訳ではないし、現状、命に別状はないが、それでもこの世界に来て明確な一撃を喰らったのは確かなのである。
常人であれば、そんな相手にもう一度突っ込めと言われて即行動に移せる者は皆無だろう。
誰あろう一條自身が、つい今し方そんな攻撃を貰う寸前だったのだ。
――まぁ、気持ちは分かる。
それへの回答を迷っていたが、一條は背中を二度、軽く小突かれる。
急かされているのか、気合いを入れろと言う合図かを逡巡し、軽いため息で腹を括った。
傍から見ればあざといとも取れそうな、満面の笑みを浮かべ、大仰な位に構えをとる。
「シャラ、ファイ、オー」
一條が思ってた以上に良い声で発した応援に、
「よしきたー!」
盾役の大男が即座に進行を開始した。
奇声を発しているのが頭の痛くなる所だが、大盾の強攻撃と剣の弱攻撃を巧みに使い分けながら突き進む姿から、何も考えてない訳ではなさそうである。
「ほら行くわよジャンヌ」
「はい。……俺、なんか自分の性別を忘れそうになるよ。切ない」
何とも言えない表情を見せる紀宝を追う様にして、一條も一歩を踏み出した。
一條は、自分の戦場に着いて、いの一番に紀宝からそんな言葉を賜った。
――そこまで遅くはない気もするが。
実際、一條が離れてたのは、時間にすれば十分程度である。
しかし、その原因は一條側にあり、短い間とはいえ紀宝と高井坂の二人に任せっぱなしだったのは確かだ。
――こういう時は男の方が折れるもんだ、って言うし。
考えた所で、隣に並ぶ様に後退してきた高井坂も何度か片目で瞬きをして、目配せの様な事をしてきている。
が、こちらは正直腹立たしさの方が勝っていた。
とりあえず親友には頷いておき、一條は改めて紀宝の台詞に応える。
「うん。待たせちゃってごめんね?」
告げた瞬間、
「ぐああっ!」
隣から今にも死にそうな声が響いた。
見れば、盾役が満足げな表情を浮かべ、剣を持ったまま器用に親指を上げている。
「あまりの可愛さに俺は致命傷を受けたぜ……流石だ。親友」
一條は心底嫌そうな顔をした。
「心底嫌そうな顔するなよ! ちょっとぐっと来るだろ!」
「大概気持ち悪い奴だなお前も」
「ありがとうございます!」
無視した。
「で、何か進展あった?」
紀宝への質問に、まず大きなため息が返ってくる。
「なにもー。私としてはジャンヌの一撃待ち。後は……シャラならあいつの攻撃を素で耐えられるのが分かった位」
「なにその怪情報」
「ちょびっとは傷になったって。ホントに。流石に無傷じゃねぇって」
横で主張されるが、見た目では判断つかない程度の傷と言う事なのだろう。
とはいえ、こうなると高井坂の生身での防御力はとんでもない領域にある事になる。
――あいつの攻撃を、ねぇ。
未だに胸から剣を生やし、左も手首辺りまで伸びている人型を見るが、相変わらずその不気味な出で立ちには慣れない。
「そんくらい後で馬糞塗っときゃ治るわよ」
「買い取り1ゴールドで傷治ったら凄くね俺!?」
戦闘が終わる度に馬糞の海へ飛び込む全裸男を想像してしまい、一條もげんなりした。
「……そうなったら絶交だし、一緒に歩きたくないなぁ」
「塗らないから一緒に歩こう!?」
もう一度心底嫌そうな表情を見せたまま、一條は持っている剣の刃先を指先で器用に挟み、高井坂へ差し出す。
「おぅ、すまん。助かる」
傍目でも分かる程に、彼の剣はその役目を終えている。
大盾の方もへこみ等が散見されるが、生憎と現物は持ってないので、そちらはまだ現役で頑張って貰うしかない。
先程の話を聞くに、むしろ必要性が論じられそうだが、無いよりは良いだろう。
「それじゃ、私が遠距離砲撃かますから一回それに合わせて貰える? ジャンヌさん?」
聞き慣れない単語に、一條が首を傾げれば、高井坂も首を横に振っている。
不思議な面持ちのまま、既に残り二本となった剣にため息をつきつつ構えていると、紀宝が動いた。
「ふっ」
それは、突撃する様な動きではなく、不必要な程に大きな一歩の踏み込み。
一條でも分かる程の陽動行為。
だが、ロキにはそれと看破する術は無かったのか、釣られる様に一匹が飛び込んでくる。
当然見越した上で紀宝は後ろへ下がるが、直後に短い間隔の足取りで前へ出た。
「行くぞっ」
呆けていた一條は高井坂に言われ、慌てて一歩を踏み出す。
まるで状況は読めないが、彼には伝わる何かがあるらしい。
瞬間、
「いぃぃぃやっ!」
裂帛の声と共に突き出された右拳。
空中に居る黒犬型ロキの脇腹辺りを正確に捉え、叩き込まれたが、結果はそれだけに終わらない。
一條が見守る中で、黒犬はやはり声を挙げず、しかし、空を水平にかっ飛んでいく。
「は、はぁ!?」
自分でも素っ頓狂な声だと分かるが、最早起こってる事態に理解が追いつかなかった。
それだけの異常な光景である。
「名付けて対人型ロキ黒犬砲!」
「ネーミングセンス最悪じゃん!」
追い越しがてら掛けられた紀宝の声に素直な気持ちをぶつけつつ、一條と高井坂も一目散に走った。
異様なのはロキ側も同じらしく、人型へと向かう間に障害はない。
流石に空を飛んでる弾丸と化した犬には追いつけそうにないが、どう反応するかは興味も湧く。
そして、結果はすぐに訪れた。
何てことは無い。
避けようともしない人型は黒犬型と激突。派手な衝撃音と共に、上半身のみが後ろへ折れ曲がっていくと言う異様な姿勢になっているが、黒犬型が大空に弾んで直後に消失した為、少なくとも相応の威力だったのは事実である。
――うわこわー。
感想は勿論、それだけの打撃を受けて尚、平然と上半身を戻し始めている敵に対してだ。
紀宝に対しては最早そういった感想すら抱かない程、この短い間に慣れてしまっている自分が居た。
「それはそれとしてっ!」
一條が言い放った次の瞬間には、上半身を発条の様に戻し、その反動をも利用した、直上からの細い右腕が振ってくる。
相手の射程圏に足を踏み入れた証拠だ。
「シャラ!」
「あい、よっ!」
威力を上げる為に腰を落とし、踏み込んでいるとはいえ、女性の身としては高いと言える一條の更に上を、高井坂の大盾が覆い被さる様に伸びてくる。
「ふんぬ!」
後ろで力む声が聞こえ、ほぼ同時に大盾が音と共に揺れた。
無事に向こうの初撃を防御したならば、手番はこちらだ。
剣を持つ手に力を込める。
「サーンキュ!」
一條の声に合わせて、即座に頭上の障害物が取り払われた。ついでとばかりに、右から来ていた黒犬をそれで殴り飛ばしていく。
周囲に不安要素はなく、眼前には、無防備な姿を晒した黒い人間を模した存在。
表情は相変わらず読み取れるものではないが、
――驚愕、してくれてれば良いんだけど!
「はあぁぁっ!」
気合いを入れ、垂直に振り上げた剣は、完璧にロキの右腕を胴体から切り離した。
止まらない。
返す刀で首を狙う流れだったが、
「っ!?」
下から飛んできた黒い棒に不意を突かれた。
一瞬反応が遅れたものの、柄、腕、胸当て。使える全てを使って防御。
同時に軽く後方へ飛べば、衝撃もかなり緩和される。
「ぐえっ」
お陰で真後ろに居た高井坂を巻き込んだが、二人揃って距離も離せる上、更に分散した事で被害は無いに等しい。
威力までは完全に逃がせなかったが、当たれば確実に致命傷であったそれを回避出来ただけでも、御の字と言う所だろう。
――右腕斬り飛ばされたのに前蹴りとか普通しないだろ。
心中で毒づいたまでは良かったが、衝撃が足に響いたのか、よろけて片膝を付く不格好さを見せた。
周囲を確認すれば、今走っていった分を飛ぶ事で往復してきた事になる。
「つあー……効いたー」
悪態を付いた所へ、ここぞとばかりに黒犬型の追撃が来る。
左から二匹、右から三匹。
避ける間も、迎撃する間もないが、一條の心に悲観はない。
「シャラ!」
「応! させねぇよ!」
左から飛んできた紀宝が空中で疾風の如き足技で叩き伏せれば、右の三匹は高井坂の壁の様な盾の突撃で纏めて押し飛ばされた。
「頼りになるなぁホント」
――……二人の方が活躍してる気がしないでもないけど。
一息入れて立ち上がり、両脇の二人に対して親指を上げれば、向こうも同じ形で応える。
「悪い、シャラ。平気……だな。うん」
「いや平気だけどさぁ……」
微妙に納得していない表情を見せるが、それがかえって彼の無事を示していた。
「人間と思っちゃうから、ありえん体勢から不意打ちが来るんだよな」
一條は、先程防いだ部分を見ていくが、幸いにしていずれも問題はない。剣の柄くらいは壊れてると覚悟したが、それも杞憂に終わった。
「ま、ね。硬いし効いてるかも分りづらいからやりにくいったら」
「後ろも周囲もギリギリだし、また回復されたらやべぇ。とっとと片付けないとだ」
「おう」
「それじゃ、盾役に任せようかな」
紀宝の言葉に、高井坂が嫌そうな表情を見せる。一條は直接見た訳ではないし、現状、命に別状はないが、それでもこの世界に来て明確な一撃を喰らったのは確かなのである。
常人であれば、そんな相手にもう一度突っ込めと言われて即行動に移せる者は皆無だろう。
誰あろう一條自身が、つい今し方そんな攻撃を貰う寸前だったのだ。
――まぁ、気持ちは分かる。
それへの回答を迷っていたが、一條は背中を二度、軽く小突かれる。
急かされているのか、気合いを入れろと言う合図かを逡巡し、軽いため息で腹を括った。
傍から見ればあざといとも取れそうな、満面の笑みを浮かべ、大仰な位に構えをとる。
「シャラ、ファイ、オー」
一條が思ってた以上に良い声で発した応援に、
「よしきたー!」
盾役の大男が即座に進行を開始した。
奇声を発しているのが頭の痛くなる所だが、大盾の強攻撃と剣の弱攻撃を巧みに使い分けながら突き進む姿から、何も考えてない訳ではなさそうである。
「ほら行くわよジャンヌ」
「はい。……俺、なんか自分の性別を忘れそうになるよ。切ない」
何とも言えない表情を見せる紀宝を追う様にして、一條も一歩を踏み出した。
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