解放

かひけつ

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第3章 ~よう

■⑲

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☆sideシン
そこはまさに地獄絵図だった。ただでさえ、アピスのロボ(?)に手間取らされているのに、核の何倍もの威力の爆発がもう起こっている。

 「シィーーーーン!!まぁーだかーーー!!!」

 「……」

爆発ごと時間を遅らせているため、時間がかかればかかるほど、体積が増えれば増えるほど、負担は跳ね上がる。

 〔…待たせた〕

リンを連れて現実世界で息をする。それをいち早く理解したケイトがロボを即座に無力化する。

 「ロボのデータも抜いたから壊していいわよ」

ケイトがロボとの交戦をしながらもデータを抜き取り、爆発の遅延に関与していた。え、霊が入れないエリアじゃなかったのかって…?ケイト単体なら来れたらしい。

 <凄すぎるな……。人類最強の頭脳っていったところか…>

ケイトはそれだけでなく、リンの周りに光や熱、放射線などをシャットアウトする空間を作っていた。名前を付けるなら『プロテクター』と言ったところだろうか。

 「リン、あなたがやる?」

リンは首を小さく振る。

 「そう…」

 「わたしたちでやる」

リンの思考が共有されてる。リンの想像を現実に変えるため、オレに力を貸せという意図だ。オレは何も言わずに力を貸す。

 《世界は、私を拒絶する》

リンは手を胸の前に持っていき、そこから水平に腕を薙ぐ。爆発は丸ごと時空が歪む。時を止めたのか、次元を変えたか。解釈や視点によって変わるが、要は一時的に爆発を無害にしている。

 《凍るもう一つの世界で、ゆっくりと原型を崩されいていく》

腕を爆発の方向に向ければ、核にとって大事な中性子や放射能などがバラバラにされていく。プラズマのような状態は一瞬だけで、無害な原子に変換される。

 《浄化された心は、そらへと還る》

自然と握りしめていた手を空へ開くと、空中に霧散させても大丈夫となったソレが解放される。

 《別れの時、どうかあなたにも笑っていて欲しい》

リンは腕を下ろして、下を向く。

 <終わった…>

ここにいる誰しもが思った。そう、終わってしまった。

 <名前を付けるなら……>

それが無粋だということに気付き、それ以上何も言わないことにした。
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~このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係なく、すべて空想です~                                                    敬語や言葉選びはよく考えてはいるつもりだが、拙い文は長い目で見てやって欲しい。更新は調整中だが、頑張って完結予定。 X始めました!!! →https://x.com/kahiketu                                                   世界観は独特で人を選ぶかもだけど、結構ジャンルは荒ぶると思う。ただ、単純にホラーとミステリーは得意じゃないから触れないかも。好きなのは、ファンタジー、異能、神、科学、記憶、(デス)ゲームなど。幽霊や呪いも使いはする(ホラーにはならないはず)。 辻褄を合わせたがるので、凝り性。設定チュウ(毒)                                                    得意でないのは、恋愛やミステリー(=謎解き)、あとハーレムとか、R18系は基本無理。
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