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第3章 ~よう
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アピスは立ち上がり、声高らかに宣言する。
「俺の勝ちだぁ!!!ここまで持ってこれたことは褒めてやってもいいが、所詮この程度。俺に届きやしない。意味なんてないんだよ。お前らの人生も、力も、何もかもなぁあ」
そう。二分の一の確率なんて、アピスには障害ですらない。
〔………〕
アピスは自らの勝利をいいことにいつもの煽りを披露するが、虚しさを伴っていた。当たり前だ。独りしかその勝利を祝っていない。ここには、一人もアピスの勝利を妬み苛立つ人がいないからである。
「…なにか仕組んだか?」
あまりのあっけなさ故かこちらに睨みを効かせる。
リンは動かなかった。絶望の淵に立たされたので、当然とも言えた。アピスはそれすらも怪しむ。
「生気がねぇーなぁ…お前ら…俺をはめたな?」
ズゥドドドド……ン
閃光と共に爆風が辺りを包む。オレはその攻撃を見逃さなかった...。アピスはリンに向かって殴り掛かったかと思ったら腕が爆散した。リンだけでなく、台も椅子も吹き飛びこの部屋に風穴ができる。
ガラガラ…
「おいおい。化けの皮が剥がれてるぞ」
アピスの指摘通り、リンは所々モザイクかかってしまった。突然の見知らぬ攻撃でリンを細部まで作り込むのが上手くできなかったのだ。
「おい。話せ。俺の体にはさっきの爆弾が山ほど入ってる。起爆してもいいんだぞ?何より、お前らの目標であるメハは俺の手の中にある。お前らが今さらどうこうしても、もう、おせぇんだよ」
〔それはこっちの台詞だよ…〕
知っていた。オレに運命を変える力がなかったように、お前も運命を今さら揺るがすことなどできやしないことを。
〈でも…、何も言えない…〉
そう、たとえこいつが直ぐ死ぬ運命だったとしても、オレは云いたいことを言えない。怒りよりも怖さが勝っているのだ。
〈未来が全て見えたわけではないから、あいつが立ち向かってくる気がして仕方ない。オレが余計なことを言って今後に悪い影響があるのが怖すぎる〉
オレの取れる選択肢なんて決まっていた。
「俺の勝ちだぁ!!!ここまで持ってこれたことは褒めてやってもいいが、所詮この程度。俺に届きやしない。意味なんてないんだよ。お前らの人生も、力も、何もかもなぁあ」
そう。二分の一の確率なんて、アピスには障害ですらない。
〔………〕
アピスは自らの勝利をいいことにいつもの煽りを披露するが、虚しさを伴っていた。当たり前だ。独りしかその勝利を祝っていない。ここには、一人もアピスの勝利を妬み苛立つ人がいないからである。
「…なにか仕組んだか?」
あまりのあっけなさ故かこちらに睨みを効かせる。
リンは動かなかった。絶望の淵に立たされたので、当然とも言えた。アピスはそれすらも怪しむ。
「生気がねぇーなぁ…お前ら…俺をはめたな?」
ズゥドドドド……ン
閃光と共に爆風が辺りを包む。オレはその攻撃を見逃さなかった...。アピスはリンに向かって殴り掛かったかと思ったら腕が爆散した。リンだけでなく、台も椅子も吹き飛びこの部屋に風穴ができる。
ガラガラ…
「おいおい。化けの皮が剥がれてるぞ」
アピスの指摘通り、リンは所々モザイクかかってしまった。突然の見知らぬ攻撃でリンを細部まで作り込むのが上手くできなかったのだ。
「おい。話せ。俺の体にはさっきの爆弾が山ほど入ってる。起爆してもいいんだぞ?何より、お前らの目標であるメハは俺の手の中にある。お前らが今さらどうこうしても、もう、おせぇんだよ」
〔それはこっちの台詞だよ…〕
知っていた。オレに運命を変える力がなかったように、お前も運命を今さら揺るがすことなどできやしないことを。
〈でも…、何も言えない…〉
そう、たとえこいつが直ぐ死ぬ運命だったとしても、オレは云いたいことを言えない。怒りよりも怖さが勝っているのだ。
〈未来が全て見えたわけではないから、あいつが立ち向かってくる気がして仕方ない。オレが余計なことを言って今後に悪い影響があるのが怖すぎる〉
オレの取れる選択肢なんて決まっていた。
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