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第3章 ~よう
塵モ⑨
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☆sideシン
アピスのターン。
「上書きだ…!設置[確証と嘲笑を呼ぶ愉悦]」
<非常にマズイ……>
ただでさえ山札も手札もみられている監視状態。カードの効果が弱くなるのを視野に入れると……。キツいとしか言えない。
<その上…>
反撃の一手であった、リンの伏せも[確証と嘲笑を呼ぶ愉悦]によって破壊される。逆転の芽を摘まれたに等しい、絶望的な盤面。
「…って、伏せはねーのかよw」
「……」
<……?10ターン目のリンは、伏せを宣言だけして、なにもしてなかったということか…>
「総攻撃」
3000ダメージが城に通る。
いずれにしても、盤面ゼロ、手札ゼロ、リンの城の耐久値は1000だ。
「これで、お前さんにターンが渡る。慈悲のラストターンだ」
「…そうね」
まるで、このターンでトドメまでいけたような口ぶりだ。
<オレはそれを肯定も否定もできない…>
リンにターンが回り、山札を引く。
「……[互譲]」
〔……〕
魔法[互譲]:相手と譲り合って落としどころを決めるする。
[互譲]のように自由にできたのは、メハがシステムの反映するのを努力したからだ。リンを喜ばせるため、考えさせるため、社会性を身に着けるため色々含めて、[the best]はリンのためのゲームだ。
<ここが、勝負だぞリン。頼む>
スゥーー
小さいが部屋に音で満たす。目を開けられなかった。
<運ゲーと言っても過言でない。オレが言うのもアレだが、神頼みでしかない>
「わたしは、手札が欲しい」
<よし!頑張りすぎてない!>
アピスは動かなかった。リンをただ眺めるだけだ。
「どうか、したの?」
リンの純粋な問いにアピスは応える。
「そうだね。じゃあオレは墓地を回収したい」
「何枚?」
「君は手札を増やしたいなら墓地から五枚引こう」
「山札を、引きたい」
そこは譲らない姿勢を見せる。
「…いいだろう」
<通った!!>
ここしかないと言えた。戦力が低いものばかりのリンのデッキに真っ向から抵抗する手段なんてない。
「三枚」
「もっと」
「仕方ねぇーな。五枚で手を打とう」
「ありがと」
「墓地からも三枚、欲しいな」
<リンたちがなぜ、奇数にこだわっているのかというと[確証と嘲笑を呼ぶ愉悦]によりカードの効果が半減するので、不公平さがないようにみせてかけている。あえてアピスが歩み寄っている>
アピスの眼は仲良くしたがっている眼ではない。あれは、楽しんでいる。完全に勝ち確証した上で遊んでいる。アピスとリンの話し合いは、そのまま進む。
山札-5 墓地-3 手札+5+3
これはアピス。つまり、リンは、
山札-3 墓地-2 手札+3+2
厳しい盤面ではある。でも、死んでない。
アピスのターン。
「上書きだ…!設置[確証と嘲笑を呼ぶ愉悦]」
<非常にマズイ……>
ただでさえ山札も手札もみられている監視状態。カードの効果が弱くなるのを視野に入れると……。キツいとしか言えない。
<その上…>
反撃の一手であった、リンの伏せも[確証と嘲笑を呼ぶ愉悦]によって破壊される。逆転の芽を摘まれたに等しい、絶望的な盤面。
「…って、伏せはねーのかよw」
「……」
<……?10ターン目のリンは、伏せを宣言だけして、なにもしてなかったということか…>
「総攻撃」
3000ダメージが城に通る。
いずれにしても、盤面ゼロ、手札ゼロ、リンの城の耐久値は1000だ。
「これで、お前さんにターンが渡る。慈悲のラストターンだ」
「…そうね」
まるで、このターンでトドメまでいけたような口ぶりだ。
<オレはそれを肯定も否定もできない…>
リンにターンが回り、山札を引く。
「……[互譲]」
〔……〕
魔法[互譲]:相手と譲り合って落としどころを決めるする。
[互譲]のように自由にできたのは、メハがシステムの反映するのを努力したからだ。リンを喜ばせるため、考えさせるため、社会性を身に着けるため色々含めて、[the best]はリンのためのゲームだ。
<ここが、勝負だぞリン。頼む>
スゥーー
小さいが部屋に音で満たす。目を開けられなかった。
<運ゲーと言っても過言でない。オレが言うのもアレだが、神頼みでしかない>
「わたしは、手札が欲しい」
<よし!頑張りすぎてない!>
アピスは動かなかった。リンをただ眺めるだけだ。
「どうか、したの?」
リンの純粋な問いにアピスは応える。
「そうだね。じゃあオレは墓地を回収したい」
「何枚?」
「君は手札を増やしたいなら墓地から五枚引こう」
「山札を、引きたい」
そこは譲らない姿勢を見せる。
「…いいだろう」
<通った!!>
ここしかないと言えた。戦力が低いものばかりのリンのデッキに真っ向から抵抗する手段なんてない。
「三枚」
「もっと」
「仕方ねぇーな。五枚で手を打とう」
「ありがと」
「墓地からも三枚、欲しいな」
<リンたちがなぜ、奇数にこだわっているのかというと[確証と嘲笑を呼ぶ愉悦]によりカードの効果が半減するので、不公平さがないようにみせてかけている。あえてアピスが歩み寄っている>
アピスの眼は仲良くしたがっている眼ではない。あれは、楽しんでいる。完全に勝ち確証した上で遊んでいる。アピスとリンの話し合いは、そのまま進む。
山札-5 墓地-3 手札+5+3
これはアピス。つまり、リンは、
山札-3 墓地-2 手札+3+2
厳しい盤面ではある。でも、死んでない。
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~このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係なく、すべて空想です~ 敬語や言葉選びはよく考えてはいるつもりだが、拙い文は長い目で見てやって欲しい。更新は調整中だが、頑張って完結予定。 X始めました!!! →https://x.com/kahiketu 世界観は独特で人を選ぶかもだけど、結構ジャンルは荒ぶると思う。ただ、単純にホラーとミステリーは得意じゃないから触れないかも。好きなのは、ファンタジー、異能、神、科学、記憶、(デス)ゲームなど。幽霊や呪いも使いはする(ホラーにはならないはず)。 辻褄を合わせたがるので、凝り性。設定チュウ(毒) 得意でないのは、恋愛やミステリー(=謎解き)、あとハーレムとか、R18系は基本無理。
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