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第3章 ~よう
塵モ
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《オレはその子と話し合いをしていた。
〔オレは責任を持って約束を果たす。だから、一つ芝居をお願いしていいか?〕
これが成立しなければ、オレらの作戦は不可能と言えた。だから、頭を下げる。誠意を見せるために。
「頭なんて下げなくていいん…です、神様。……それより本当に殺してくれるんだよね?」
震える声色からその子の過去が垣間見える。
〔約束する〕
「お願いします。救って下さい。もう、死ぬことしか救われないんです」
〔一応、本人には確認するからな。それだけは譲れない〕
「分かっています。…きっと、そうしてくれと言うと思います」
〔…そうか〕
オレらは利害一致したことでようやく進めることを噛み締めながら》
[塵も積もれば山となる]
その言葉はよく耳にしていたからこそ違和感を覚えることは少なくなった。第一印象は違う。
「なぜ、重力の影響下で話をしているのだろうか?」だった。惑星に生活するにおいて無重力を考える必要はないし、それを言えば話がこじれるからきっと誰も何も言いはしない。
それでも、違和感は残る。違和感はそれだけでないのだから。
山は確かに大きい。丘でさえ雄大さを感じられる。便利なものに囲まれ楽をする人間であっても鬱陶しくも大きいのだから、それ以外の動物にとっては尚更と言える。でも、それは主観的な価値観だと知っている。
宇宙の始まり、無から有が生まれ、塵が星となった。
塵は星になれるのだ。
それを知ったら、山なんて目ではない。私が、諺を作るなら、塵も……
永い夢を観ていた。どう足掻いてもハッピーエンドにならない数々の犠牲が、オレの精神を蝕んだ。だが、オレは卑怯者だ。これをオレが受け入れ、最善の決断を下すことでその罪悪感から逃れようとする屑だ。どこかで言われた「アピスと同罪」は正直的を得ていた。オレはあいつの次くらいには悪魔だ。
〔真実をここでうだうだ言う必要はないか……〕
進むしかないのだ。リンは、ここさえ乗り切ればもう自由になれるのだ。アピスなんかに囚われることもない。もし、アピスが邪魔してきたとしてもオレが今度こそ何も起こらないうちに回避してやる。
<それでも、リンが不幸になったら……>
どうしても考えてしまう。あまりにも凄惨な夢だったが故に、弱気で心細さを感じてしまうのだろう。そんな時こそ奮い立たせるのだ。
〔…そうなってしまったら、今度こそ完璧に立ち回らせてもらうぞ……!〕
そうならないための決意の表明で自分を鼓舞するのであった。
〔オレは責任を持って約束を果たす。だから、一つ芝居をお願いしていいか?〕
これが成立しなければ、オレらの作戦は不可能と言えた。だから、頭を下げる。誠意を見せるために。
「頭なんて下げなくていいん…です、神様。……それより本当に殺してくれるんだよね?」
震える声色からその子の過去が垣間見える。
〔約束する〕
「お願いします。救って下さい。もう、死ぬことしか救われないんです」
〔一応、本人には確認するからな。それだけは譲れない〕
「分かっています。…きっと、そうしてくれと言うと思います」
〔…そうか〕
オレらは利害一致したことでようやく進めることを噛み締めながら》
[塵も積もれば山となる]
その言葉はよく耳にしていたからこそ違和感を覚えることは少なくなった。第一印象は違う。
「なぜ、重力の影響下で話をしているのだろうか?」だった。惑星に生活するにおいて無重力を考える必要はないし、それを言えば話がこじれるからきっと誰も何も言いはしない。
それでも、違和感は残る。違和感はそれだけでないのだから。
山は確かに大きい。丘でさえ雄大さを感じられる。便利なものに囲まれ楽をする人間であっても鬱陶しくも大きいのだから、それ以外の動物にとっては尚更と言える。でも、それは主観的な価値観だと知っている。
宇宙の始まり、無から有が生まれ、塵が星となった。
塵は星になれるのだ。
それを知ったら、山なんて目ではない。私が、諺を作るなら、塵も……
永い夢を観ていた。どう足掻いてもハッピーエンドにならない数々の犠牲が、オレの精神を蝕んだ。だが、オレは卑怯者だ。これをオレが受け入れ、最善の決断を下すことでその罪悪感から逃れようとする屑だ。どこかで言われた「アピスと同罪」は正直的を得ていた。オレはあいつの次くらいには悪魔だ。
〔真実をここでうだうだ言う必要はないか……〕
進むしかないのだ。リンは、ここさえ乗り切ればもう自由になれるのだ。アピスなんかに囚われることもない。もし、アピスが邪魔してきたとしてもオレが今度こそ何も起こらないうちに回避してやる。
<それでも、リンが不幸になったら……>
どうしても考えてしまう。あまりにも凄惨な夢だったが故に、弱気で心細さを感じてしまうのだろう。そんな時こそ奮い立たせるのだ。
〔…そうなってしまったら、今度こそ完璧に立ち回らせてもらうぞ……!〕
そうならないための決意の表明で自分を鼓舞するのであった。
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