46 / 136
第3章 ~よう
始め③
しおりを挟む
☆sideシン
それを初めて目にした時、世界の色が消えてしまうような錯覚に陥った。
ザ ァ ン!!!!
リンのいた場所にレーザーが飛んでくる。
「…」
〔リ、リン!大丈夫か!?〕
レーザーの一発目はほぼ不意打ちかつ心臓を目掛けた殺意が非常に高いものだった。目の前を通過したから、よりその凶悪さが分かる。
これは人の反射スピードでは不可能なレベルだ
リンの入った部屋にはレーザーを出したと思われる穴が壁にあった。ソレは無音で、壁に覆われる。それ以上に鼻につくのは、例のアピスからのメッセージは
[避けてみやがれ]
「…!」
ザザザァン
別の角度から三本の線が出来上がる。リンはソレを華麗に躱し、その軌道がさせる姿勢は人間が瞬時にとれるものではない。そして、レーザーの発射口が動く。
「…っ!」
それはつまり、線が面を描くこととなる。リンは関節を外し、無理矢理、後退する。
〔リン!大丈夫か!?〕
リンは静かに首肯し、関節をはめ直す。追尾するように舞うレーザーの線はさらに増えて間隔を減らして飛んでくる。
「【減速】」
たまらず、リンは『時』を遅延させながら、オレに目線を送る。意味は「コレ操作できる?」
〔厳しい〕
「そう」
ゆっくりになった世界で僅かな沈黙ができる。
「私を『変形』できる?」
〔……〕
あまり、したくないが、ケイトがアイコンタクトでやらない選択肢を潰される。
〔……はぁ、【変形】〕
リンは元々の身体ほど小さくなり、合間を縫って、縫って縫って縫ってそれでも不可能なレーザーの網を小さく跳躍する。
「【雷】」
数十の雷撃の線がむき出しとなっているレーザーの発射口に直撃する。平然と視界に入るレーザーの発射口全てに攻撃する。
「っ」
リンが息を飲む。それで、気付く。
発射口は避雷針で直撃を回避した
さらに増えた発射口から、分かってましたと言わんばかりの追いレーザー。空中にいるリンは体勢を変えることも難しい。だが、リンの顔に焦りはない。
〔【変形】〕
レーザーを避けるようにリンの身体が歪む。安全地帯に足を伸ばし、そこで身体を整える。
〔怪我とかないよな?〕
「うん」
〔気づいてるよな?〕
「…うん」
オレが込めた意味を、思念で伝えた上で頷く。
一つ目がレーザーの発射口が明らかに偏っていること
前方ばかりでまだ避け易い。これが心理的罠かもしれないこと。前からしかレーザーはこないと思い込んではいけない。
二つ目は、攻撃が誘導されていたこと
『砂』は使いにくいし、『風』も破壊には向かない。『水』は悪くないが、水滴が零れたりしたら乱反射が起こる可能性も含めてリスクがでかい。その結果が『雷』で様子見の選択を取らされたわけだが、やはり対策を取られいていた。水圧のカッターなら壁ごと切れるだろう。ただ発射口の偏りがもう一つの心理戦に持ち込む。
「セカンドラウンド」
リンは静かに臨戦態勢に入る。
それを初めて目にした時、世界の色が消えてしまうような錯覚に陥った。
ザ ァ ン!!!!
リンのいた場所にレーザーが飛んでくる。
「…」
〔リ、リン!大丈夫か!?〕
レーザーの一発目はほぼ不意打ちかつ心臓を目掛けた殺意が非常に高いものだった。目の前を通過したから、よりその凶悪さが分かる。
これは人の反射スピードでは不可能なレベルだ
リンの入った部屋にはレーザーを出したと思われる穴が壁にあった。ソレは無音で、壁に覆われる。それ以上に鼻につくのは、例のアピスからのメッセージは
[避けてみやがれ]
「…!」
ザザザァン
別の角度から三本の線が出来上がる。リンはソレを華麗に躱し、その軌道がさせる姿勢は人間が瞬時にとれるものではない。そして、レーザーの発射口が動く。
「…っ!」
それはつまり、線が面を描くこととなる。リンは関節を外し、無理矢理、後退する。
〔リン!大丈夫か!?〕
リンは静かに首肯し、関節をはめ直す。追尾するように舞うレーザーの線はさらに増えて間隔を減らして飛んでくる。
「【減速】」
たまらず、リンは『時』を遅延させながら、オレに目線を送る。意味は「コレ操作できる?」
〔厳しい〕
「そう」
ゆっくりになった世界で僅かな沈黙ができる。
「私を『変形』できる?」
〔……〕
あまり、したくないが、ケイトがアイコンタクトでやらない選択肢を潰される。
〔……はぁ、【変形】〕
リンは元々の身体ほど小さくなり、合間を縫って、縫って縫って縫ってそれでも不可能なレーザーの網を小さく跳躍する。
「【雷】」
数十の雷撃の線がむき出しとなっているレーザーの発射口に直撃する。平然と視界に入るレーザーの発射口全てに攻撃する。
「っ」
リンが息を飲む。それで、気付く。
発射口は避雷針で直撃を回避した
さらに増えた発射口から、分かってましたと言わんばかりの追いレーザー。空中にいるリンは体勢を変えることも難しい。だが、リンの顔に焦りはない。
〔【変形】〕
レーザーを避けるようにリンの身体が歪む。安全地帯に足を伸ばし、そこで身体を整える。
〔怪我とかないよな?〕
「うん」
〔気づいてるよな?〕
「…うん」
オレが込めた意味を、思念で伝えた上で頷く。
一つ目がレーザーの発射口が明らかに偏っていること
前方ばかりでまだ避け易い。これが心理的罠かもしれないこと。前からしかレーザーはこないと思い込んではいけない。
二つ目は、攻撃が誘導されていたこと
『砂』は使いにくいし、『風』も破壊には向かない。『水』は悪くないが、水滴が零れたりしたら乱反射が起こる可能性も含めてリスクがでかい。その結果が『雷』で様子見の選択を取らされたわけだが、やはり対策を取られいていた。水圧のカッターなら壁ごと切れるだろう。ただ発射口の偏りがもう一つの心理戦に持ち込む。
「セカンドラウンド」
リンは静かに臨戦態勢に入る。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
鍵の王~才能を奪うスキルを持って生まれた僕は才能を与える王族の王子だったので、裏から国を支配しようと思います~
真心糸
ファンタジー
【あらすじ】
ジュナリュシア・キーブレスは、キーブレス王国の第十七王子として生を受けた。
キーブレス王国は、スキル至上主義を掲げており、高ランクのスキルを持つ者が権力を持ち、低ランクの者はゴミのように虐げられる国だった。そして、ジュナの一族であるキーブレス王家は、魔法などのスキルを他人に授与することができる特殊能力者の一族で、ジュナも同様の能力が発現することが期待された。
しかし、スキル鑑定式の日、ジュナが鑑定士に言い渡された能力は《スキル無し》。これと同じ日に第五王女ピアーチェスに言い渡された能力は《Eランクのギフトキー》。
つまり、スキル至上主義のキーブレス王国では、死刑宣告にも等しい鑑定結果であった。他の王子たちは、Cランク以上のギフトキーを所持していることもあり、ジュナとピアーチェスはひどい差別を受けることになる。
お互いに近い境遇ということもあり、身を寄せ合うようになる2人。すぐに仲良くなった2人だったが、ある日、別の兄弟から命を狙われる事件が起き、窮地に立たされたジュナは、隠された能力《他人からスキルを奪う能力》が覚醒する。
この事件をきっかけに、ジュナは考えを改めた。この国で自分と姉が生きていくには、クズな王族たちからスキルを奪って裏から国を支配するしかない、と。
これは、スキル至上主義の王国で、自分たちが生き延びるために闇組織を結成し、裏から王国を支配していく物語。
【他サイトでの掲載状況】
本作は、カクヨム様、小説家になろう様、ノベルアップ+様でも掲載しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる