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第3章 ~よう
きめ⑥
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☆sideシン
みんなが前を向いていた。
<オレのエゴで過剰に干渉するのはよくない。理性を持って、問題点を話し合った上でのGOサインだ。踏みとどまる理由はない>
「ねぇ」
オレが覚悟を決めているとリンが声を上げた。オレとルコの近くで、そう言ったためルコが返事をする。
「どうしたの?」
「異能、スタミナ…あるの?」
「……」
「えっと…その、使用、限度?」
ここにいるみんなが『スタミナ』の一言でわかったのだ。だが、沈黙してしまう。
〔妖精にはリンが考えるようにMPみたいなもんが存在する。エネルギーだな。だが、自然回復で妖精のMPは回復するし、流れる対象に異能を使うため妖精は循環されMPがない妖精しかいないことはそうないんだ〕
「それも、ある…けど」
〔リンが言いたいのは、異能の使用者のこともだろ?使用者は基本子供。それは、適応しやすく悪影響を受けにくいからだ。ルコが生前使用したのは、蝕むと分かった上で異能を使わざるをえなかったからだ。リンは子供だよ。でも、ボロボロなんだ。その土台が不安定であれば異能の使用は正直避けたい〕
<だから、その肉体を改造させてくれなんて言ったらグルバンやケイトに向ける顔がなくなる。………ん?何か見落としている>
オレは何か大事なことを忘れてしまった感覚に陥りながらも、リンに諭す。
〔だからリンはまず、その身体を完全に癒して万全に〕
「改造しよ」
「ん?」
あまりに脈絡がないリンの発言にルコが反射的にハテナが浮かんでいる。その笑みと相まってぎこちない。
〔リン……〕
「それ…最善でしょ」
「ままま待って!リンちゃんの身体を改造する気なの?」
ルコの頭がオレらの話に追いついたようだ。ケイトは依然として黙っていた。
〔改造といってもガチガチの戦闘に備えた改造人間にするわけじゃなくて、あくまで今出てる症状と病を消してついでに目を視えるようにしようかなってだけだよ〕
「…うっそれはセーフなのか……」
ルコは感情と論理で葛藤していた。
「そうしないと…メハが」
言葉はずっと棒読みのように感情が現れない。が、その言葉からリンの本気度合いが窺える。
「わては賛成じゃ」
「っ…」
ルコが息を飲む。そして、情に訴えかけるような目つきでオレを見る。ルコはきっとオレらが完全に効率だけを考えて、リンを兵器化させることを恐れているのだろう。もしくは、これまでの人間性からケイトやオレを信じたいが確証が欲しいといったところだろうか。
〔安心してくれ、ケイトもオレも人じゃない兵器にさせる気はないぞ。あくまでリンの身体をまず病やアピスの仕込んだ毒を治して、人外一歩手前までスペックを高める。あと目を視えるようにさせる。改造なんて、言い方が悪かったな。それでも、ダメかい?〕
オレはルコそして、オレらを見守るグルバンに伝わるように簡潔に説明する。辺りに漂っていたちょっとした殺気はオレの言葉で静まる。
「…分かった。私よりもリンを大切に思っている二人もそう言ってるし、リンも許諾している。私から言えることはないでしょ」
「ルコ」
ガササッ!
辺りに小さく風が引き起こる。それは場の緊張か、誰かの感情の表出か。
みんなが前を向いていた。
<オレのエゴで過剰に干渉するのはよくない。理性を持って、問題点を話し合った上でのGOサインだ。踏みとどまる理由はない>
「ねぇ」
オレが覚悟を決めているとリンが声を上げた。オレとルコの近くで、そう言ったためルコが返事をする。
「どうしたの?」
「異能、スタミナ…あるの?」
「……」
「えっと…その、使用、限度?」
ここにいるみんなが『スタミナ』の一言でわかったのだ。だが、沈黙してしまう。
〔妖精にはリンが考えるようにMPみたいなもんが存在する。エネルギーだな。だが、自然回復で妖精のMPは回復するし、流れる対象に異能を使うため妖精は循環されMPがない妖精しかいないことはそうないんだ〕
「それも、ある…けど」
〔リンが言いたいのは、異能の使用者のこともだろ?使用者は基本子供。それは、適応しやすく悪影響を受けにくいからだ。ルコが生前使用したのは、蝕むと分かった上で異能を使わざるをえなかったからだ。リンは子供だよ。でも、ボロボロなんだ。その土台が不安定であれば異能の使用は正直避けたい〕
<だから、その肉体を改造させてくれなんて言ったらグルバンやケイトに向ける顔がなくなる。………ん?何か見落としている>
オレは何か大事なことを忘れてしまった感覚に陥りながらも、リンに諭す。
〔だからリンはまず、その身体を完全に癒して万全に〕
「改造しよ」
「ん?」
あまりに脈絡がないリンの発言にルコが反射的にハテナが浮かんでいる。その笑みと相まってぎこちない。
〔リン……〕
「それ…最善でしょ」
「ままま待って!リンちゃんの身体を改造する気なの?」
ルコの頭がオレらの話に追いついたようだ。ケイトは依然として黙っていた。
〔改造といってもガチガチの戦闘に備えた改造人間にするわけじゃなくて、あくまで今出てる症状と病を消してついでに目を視えるようにしようかなってだけだよ〕
「…うっそれはセーフなのか……」
ルコは感情と論理で葛藤していた。
「そうしないと…メハが」
言葉はずっと棒読みのように感情が現れない。が、その言葉からリンの本気度合いが窺える。
「わては賛成じゃ」
「っ…」
ルコが息を飲む。そして、情に訴えかけるような目つきでオレを見る。ルコはきっとオレらが完全に効率だけを考えて、リンを兵器化させることを恐れているのだろう。もしくは、これまでの人間性からケイトやオレを信じたいが確証が欲しいといったところだろうか。
〔安心してくれ、ケイトもオレも人じゃない兵器にさせる気はないぞ。あくまでリンの身体をまず病やアピスの仕込んだ毒を治して、人外一歩手前までスペックを高める。あと目を視えるようにさせる。改造なんて、言い方が悪かったな。それでも、ダメかい?〕
オレはルコそして、オレらを見守るグルバンに伝わるように簡潔に説明する。辺りに漂っていたちょっとした殺気はオレの言葉で静まる。
「…分かった。私よりもリンを大切に思っている二人もそう言ってるし、リンも許諾している。私から言えることはないでしょ」
「ルコ」
ガササッ!
辺りに小さく風が引き起こる。それは場の緊張か、誰かの感情の表出か。
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