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第3章 ~よう
きめ⑤
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[リンの現状
・メハが奪われている。安否不明。
・メハの奪還。
・メハがいるのはネットワークの根幹となるサーバーが置かれてある電波塔だようだ。アピスのことだ。罠があるに違いない。
リンのスペック
・知力 知識はそれほど多くないが、知っている事実が常軌を逸しているのでメハ奪還作戦で問題はない程度。
・身体能力 体調に難があるが、万全な体調であれば、自身の肉体を最大限活かすことができる。病気で弱っているのが痛手。
・持久力 身体的にはそこまで持久力はない。精神面での集中力は持続する。
・異能 全属性に親和性があると思われる。流れるのを把握するが人並み以上に優れている。射程は5mはいけるだろう。
・インターネットスキル メハに頼っていて、ないに等しい。
・仲間 霊や神などの味方はいるが、現実に直接的に助けてくれるかというと難しい。
リンの容態
・体調 元から良くない状態なのに、麻痺読的なものを盛られた。おそらく、リンのお世話役が持ってきた食事に薬物を混入したと思われる。
・目 目が見えない。が、流眼のような知覚備えているため日常生活で困ることはないだろう。ルコの得意とする予測の劣化版ができる。
・先天的体質 霊や妖精に好かれやすい]
〔まぁこんなところかな〕
「アピスから奪い返す、か…」
苦い表情をしたのはルコだった。
〔どう思う?〕
「そりゃあ、なるべく避けたい道ではあるけど…。私もアピスにボロ負けした人間だから、あいつの強さは痛いほど分かる。でも、譲れないものがあるのも、分かる」
〔ステルス作戦なんて通用しないよな……〕
「それは、無理だろうね。長期戦はおすすめしない。あいつは、情報を徹底的に集めて、その上で勝機が確証されるほどの条件が揃ってからじゃないと勝負しない。相手の手札を完封した上で、根性とか、友情とか、異能とか奇跡的な逆転をも潰せるように用意をしてくる。常勝無敗。それだけのことはしてる」
〔リン…〕
「嫌」
「???」
「……」
リンには出て欲しくないと言い終わる前に断られる。ルコはオレとリンのやりとりに困惑してるようだった。ケイトは、目を閉じていた。関渉しない意思表明に思える。
〔どうしたらいいもんかねー〕
「意味が分からないんだけど??」
〔簡潔に言うと、リンは自らメハを助けに行きたいんだってさ〕
「なっ…っ………るほど」
ルコは驚き、思い付き、同情し、とりあえず、煮え切らないままであっても、とりあえず、呑み込んだ。
〔オレは正直賛同したくない。巻き込みたくないし、危険すぎる。だが、本人の意志が固い〕
「……」
ルコにだけ聞こえるように『声』を送る。
〔一応、親の許可は取っている〕
「!!……。ケイトさんはなんて言ったの…?」
〔過保護にならなくてもいいんじゃないか?みたいなことを言われはした〕
「……勝算は?」
〔助けるだけならいけると思う〕
「…そう」
ルコはオレから顔を逸らしてリンに歩み寄る。そのまましゃがんで優しい声を出す。
「リン」
「ルコ、さん」
「あはは、「さん」は嫌かな。「お姉ちゃん」とか、なんでも良いよ」
「……ルコ、姉」
「うん。それでいいよ」
「ん」
「リン…」
「…ルコ姉?」
「無理しないでよ」
「……」
「私もねリンみたいに一生懸命、大切なものを守ろうとしたことあるの。それでさ、私の被害とか他者の犠牲とかを特に考慮しなかったんだよね……。大切なものを見失って、かなり手痛い結末になったの」
リンは何も言わない。
「リンの顔を見たらさ…。分かるんだよ。アピスの脅威を理解してるんだろうし、その上で覚悟を決めてることくらいさ……。でも、見れば見るほど私は自分を重ねてしまうの」
「行くよ」
リンは曲がることはなかった。
「……うん。止まらないのは分かってるよ。でも、もう一度言わせて……。無理、しないでね」
「……善処…する」
「ふふふ。お願いね。シンも、よろしく」
暗にリンに無理をさせるなと伝えてくるルコに小さく頷く。ルコに任せて良かったとケイトに目配せすれば、微笑を携えて聖母の如き柔和なオーラを放っていた。
・メハが奪われている。安否不明。
・メハの奪還。
・メハがいるのはネットワークの根幹となるサーバーが置かれてある電波塔だようだ。アピスのことだ。罠があるに違いない。
リンのスペック
・知力 知識はそれほど多くないが、知っている事実が常軌を逸しているのでメハ奪還作戦で問題はない程度。
・身体能力 体調に難があるが、万全な体調であれば、自身の肉体を最大限活かすことができる。病気で弱っているのが痛手。
・持久力 身体的にはそこまで持久力はない。精神面での集中力は持続する。
・異能 全属性に親和性があると思われる。流れるのを把握するが人並み以上に優れている。射程は5mはいけるだろう。
・インターネットスキル メハに頼っていて、ないに等しい。
・仲間 霊や神などの味方はいるが、現実に直接的に助けてくれるかというと難しい。
リンの容態
・体調 元から良くない状態なのに、麻痺読的なものを盛られた。おそらく、リンのお世話役が持ってきた食事に薬物を混入したと思われる。
・目 目が見えない。が、流眼のような知覚備えているため日常生活で困ることはないだろう。ルコの得意とする予測の劣化版ができる。
・先天的体質 霊や妖精に好かれやすい]
〔まぁこんなところかな〕
「アピスから奪い返す、か…」
苦い表情をしたのはルコだった。
〔どう思う?〕
「そりゃあ、なるべく避けたい道ではあるけど…。私もアピスにボロ負けした人間だから、あいつの強さは痛いほど分かる。でも、譲れないものがあるのも、分かる」
〔ステルス作戦なんて通用しないよな……〕
「それは、無理だろうね。長期戦はおすすめしない。あいつは、情報を徹底的に集めて、その上で勝機が確証されるほどの条件が揃ってからじゃないと勝負しない。相手の手札を完封した上で、根性とか、友情とか、異能とか奇跡的な逆転をも潰せるように用意をしてくる。常勝無敗。それだけのことはしてる」
〔リン…〕
「嫌」
「???」
「……」
リンには出て欲しくないと言い終わる前に断られる。ルコはオレとリンのやりとりに困惑してるようだった。ケイトは、目を閉じていた。関渉しない意思表明に思える。
〔どうしたらいいもんかねー〕
「意味が分からないんだけど??」
〔簡潔に言うと、リンは自らメハを助けに行きたいんだってさ〕
「なっ…っ………るほど」
ルコは驚き、思い付き、同情し、とりあえず、煮え切らないままであっても、とりあえず、呑み込んだ。
〔オレは正直賛同したくない。巻き込みたくないし、危険すぎる。だが、本人の意志が固い〕
「……」
ルコにだけ聞こえるように『声』を送る。
〔一応、親の許可は取っている〕
「!!……。ケイトさんはなんて言ったの…?」
〔過保護にならなくてもいいんじゃないか?みたいなことを言われはした〕
「……勝算は?」
〔助けるだけならいけると思う〕
「…そう」
ルコはオレから顔を逸らしてリンに歩み寄る。そのまましゃがんで優しい声を出す。
「リン」
「ルコ、さん」
「あはは、「さん」は嫌かな。「お姉ちゃん」とか、なんでも良いよ」
「……ルコ、姉」
「うん。それでいいよ」
「ん」
「リン…」
「…ルコ姉?」
「無理しないでよ」
「……」
「私もねリンみたいに一生懸命、大切なものを守ろうとしたことあるの。それでさ、私の被害とか他者の犠牲とかを特に考慮しなかったんだよね……。大切なものを見失って、かなり手痛い結末になったの」
リンは何も言わない。
「リンの顔を見たらさ…。分かるんだよ。アピスの脅威を理解してるんだろうし、その上で覚悟を決めてることくらいさ……。でも、見れば見るほど私は自分を重ねてしまうの」
「行くよ」
リンは曲がることはなかった。
「……うん。止まらないのは分かってるよ。でも、もう一度言わせて……。無理、しないでね」
「……善処…する」
「ふふふ。お願いね。シンも、よろしく」
暗にリンに無理をさせるなと伝えてくるルコに小さく頷く。ルコに任せて良かったとケイトに目配せすれば、微笑を携えて聖母の如き柔和なオーラを放っていた。
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