解放

かひけつ

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第3章 ~よう

きめ③

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☆sideシン
リンが、そして、ケイトまでもが尊重している行動に抑止する権利はオレにはないと、心は中立へと揺らぐ。

 〔…作戦立てるにしても、グルバンとルコが来てからにしよう〕

 「そうじゃな」

ケイトと共にリンを連れ去った建物に注目する。すると、後ろで気が緩んでしまうような声が聞こえる。

 「お姉さん。さっきはありがと」

 「……ふっ、年寄りのお節介よ。わてはばーさんで十分だよ」

 「心が綺麗。お姉さんみたいな、おば様になりたい」

 「……」

 「む?変。お姉さんみたいな心で年を取り」

 「いいの。いいの。分かるから…」

 「あ…」

ケイトがリンを擬似的に抱き上げる。それは『風の妖精』を通してのことで感覚などない。でも、確かに触れ合っている。リンほどの年頃なら子ども扱いされるのを嫌って抵抗してもおかしくないが、静かにされるがままに抱かれる。ケイトは後ろ向きで顔が見えないが、確認せずしと泣いて喜んでいるのだろう。



休んでいる間もリンに何度も体調を確認したが、「問題ないいいよ」の一点張り……。メハの行方を捜索してくれた霊が帰ってくれたのと同時くらいに、ルコが戻ってきた。負けたわけではなさそうだが、勝ち誇る感じもない。

 「ダメだったっぽい。たぶん、殺せてない」

 〔後で、戦闘で得た情報を共有したい。今はゆっくり話を聞いてくれ〕

 「……えぇそうするわ」

ルコはオレにだけ聞こえる声で耳打ちする。

 「あの親バカは少し離れてみんなの話を聞くって私の言うこと聞かなくってさ。『わしにはリンにもケイトにも彼女らを取り巻くこの世界の住民に顔向けできやしない。わしは幸福になどなってはいけないんじゃ』とか言ってさぁ!相変わらず頑固なんだよ!!」

 〔まあまあ、いいんじゃないか?下手に開き直った罪人よりか、更生したいという心あるし、何より周りの人を傷けることはない〕

ルコは少々キレ気味である。オレは苦笑しながらなだめる。

 「でも…」

ルコの眼は多少の同情が見て取れる。彼女は「そこまでの仕打ちしなくてもいいんじゃない?」と言いたいのだろう。だが、そこをうだうだと論じれるほどの余裕はない。オレの表情に、または雰囲気に出てしまったのか、ルコは軽く頭を押さえる。

 「ごめん……。話し合いをしなきゃだったね」

 〔理解してくれて助かる〕

 「さて、始めて良さそうじゃな」

ケイトが全てを分かっていたかのような落ち着いた流れを作り出す。
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~このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係なく、すべて空想です~                                                    敬語や言葉選びはよく考えてはいるつもりだが、拙い文は長い目で見てやって欲しい。更新は調整中だが、頑張って完結予定。 X始めました!!! →https://x.com/kahiketu                                                   世界観は独特で人を選ぶかもだけど、結構ジャンルは荒ぶると思う。ただ、単純にホラーとミステリーは得意じゃないから触れないかも。好きなのは、ファンタジー、異能、神、科学、記憶、(デス)ゲームなど。幽霊や呪いも使いはする(ホラーにはならないはず)。 辻褄を合わせたがるので、凝り性。設定チュウ(毒)                                                    得意でないのは、恋愛やミステリー(=謎解き)、あとハーレムとか、R18系は基本無理。
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