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第3章 ~よう
確かめ②
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――sideメハ
私も[塵も積もれば]を一体場に出しながら、魔法カードを発動させる。
魔法カード[火の手]:指定した列にいる兵、設置に1000のダメージ。
子供とは言ってもドラゴンの[子ドラゴン]はまだしも、戦力1000の[塵も積もれば]には一溜りもない。が、揺らめく火の海から彼らは立っていた。数は減っていて無事とは言えない。が、小さくも力強く光る眼光は守るために、そして、なにかを背負う者の眼であった。実を言うと、[塵も積もれば]は同名のカードが同じ攻撃で同じタイミングで墓地に送られる時、一体の[塵も積もれば]を場に残せるのである。
「た、、立ち上がるなんて!体は限界だろううに……!悔しいがカッコイイ」
「知ってるクセに」
私のわざとらしい演技は簡単に見透かされてしまったが、言いたいことは伝わっているようだ。言いたかったことも伝わっているものだ。
「ならばこちらも本気だ~~!」
設置カード[捕虜小屋]:自身の城の耐久値を1000減少させ、自陣の前衛に設置する。相手の兵を一体この小屋に拘束する。拘束された兵は外部から小屋を無効化、破壊されない限り、行動不可。次のターン以降、拘束した兵を人質か処刑することができる。
メハの城 残り9000
「捕虜はもちろん、子ドラよ!そして、ターンエンド」
「ん」
とりわけ[子ドラゴン]に執着する様子も見せずに、カードを一枚加えているようだ。
「じぃや、[巫女]」
[巫女]の効果で、魔法カード[お祓い]を手に入れたことだろう。[巫女]は和解願いというなんとも戦場に似つかわしくない平和主義者で、ゲームの方向性を変える可能性すらある。こっちにとって、下手に断ると自身の国民からヘイトを買ったり、特に理由もなく殺してしまうと[巫女]の退場効果は十分強いので厄介である。
「次男、前進」
<へぇ~長男はいないってことね>
生き残ったのが長男であったとしても、リンが感情移入をしてくれているのを肌身で感じられて、このゲームを作ってよかったと強く思う。
「エンド」
「分かったわ」
山札を引く。お気に入りが来たのを見て思わずにやける。
「まず、[戦車]で、[老騎士]を」
メハの城 残り7500
[戦車]の登場により、城の耐久値が減る。一応、兵である[戦車]は登場で戦力2000以下の兵を破壊できる。[巫女]を初手で狙っても良かったのだが、[老騎士]は[巫女]を守るために出された。リンがわざわざ宣言すること必要もなくなるからそれだけである。
「そして、設置[捕虜小屋]を後退」
設置も移動禁止ではない。それもあくまで次いで、本命を出す。
「魔法[またとなきこの日に]」
リンも特に驚かない。いつもの光景だからだ。その顔から「今日はなにかな?」とこちらを窺っているように見える。このカードを作ってよかったとつくづく想う――
私も[塵も積もれば]を一体場に出しながら、魔法カードを発動させる。
魔法カード[火の手]:指定した列にいる兵、設置に1000のダメージ。
子供とは言ってもドラゴンの[子ドラゴン]はまだしも、戦力1000の[塵も積もれば]には一溜りもない。が、揺らめく火の海から彼らは立っていた。数は減っていて無事とは言えない。が、小さくも力強く光る眼光は守るために、そして、なにかを背負う者の眼であった。実を言うと、[塵も積もれば]は同名のカードが同じ攻撃で同じタイミングで墓地に送られる時、一体の[塵も積もれば]を場に残せるのである。
「た、、立ち上がるなんて!体は限界だろううに……!悔しいがカッコイイ」
「知ってるクセに」
私のわざとらしい演技は簡単に見透かされてしまったが、言いたいことは伝わっているようだ。言いたかったことも伝わっているものだ。
「ならばこちらも本気だ~~!」
設置カード[捕虜小屋]:自身の城の耐久値を1000減少させ、自陣の前衛に設置する。相手の兵を一体この小屋に拘束する。拘束された兵は外部から小屋を無効化、破壊されない限り、行動不可。次のターン以降、拘束した兵を人質か処刑することができる。
メハの城 残り9000
「捕虜はもちろん、子ドラよ!そして、ターンエンド」
「ん」
とりわけ[子ドラゴン]に執着する様子も見せずに、カードを一枚加えているようだ。
「じぃや、[巫女]」
[巫女]の効果で、魔法カード[お祓い]を手に入れたことだろう。[巫女]は和解願いというなんとも戦場に似つかわしくない平和主義者で、ゲームの方向性を変える可能性すらある。こっちにとって、下手に断ると自身の国民からヘイトを買ったり、特に理由もなく殺してしまうと[巫女]の退場効果は十分強いので厄介である。
「次男、前進」
<へぇ~長男はいないってことね>
生き残ったのが長男であったとしても、リンが感情移入をしてくれているのを肌身で感じられて、このゲームを作ってよかったと強く思う。
「エンド」
「分かったわ」
山札を引く。お気に入りが来たのを見て思わずにやける。
「まず、[戦車]で、[老騎士]を」
メハの城 残り7500
[戦車]の登場により、城の耐久値が減る。一応、兵である[戦車]は登場で戦力2000以下の兵を破壊できる。[巫女]を初手で狙っても良かったのだが、[老騎士]は[巫女]を守るために出された。リンがわざわざ宣言すること必要もなくなるからそれだけである。
「そして、設置[捕虜小屋]を後退」
設置も移動禁止ではない。それもあくまで次いで、本命を出す。
「魔法[またとなきこの日に]」
リンも特に驚かない。いつもの光景だからだ。その顔から「今日はなにかな?」とこちらを窺っているように見える。このカードを作ってよかったとつくづく想う――
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~このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係なく、すべて空想です~ 敬語や言葉選びはよく考えてはいるつもりだが、拙い文は長い目で見てやって欲しい。更新は調整中だが、頑張って完結予定。 X始めました!!! →https://x.com/kahiketu 世界観は独特で人を選ぶかもだけど、結構ジャンルは荒ぶると思う。ただ、単純にホラーとミステリーは得意じゃないから触れないかも。好きなのは、ファンタジー、異能、神、科学、記憶、(デス)ゲームなど。幽霊や呪いも使いはする(ホラーにはならないはず)。 辻褄を合わせたがるので、凝り性。設定チュウ(毒) 得意でないのは、恋愛やミステリー(=謎解き)、あとハーレムとか、R18系は基本無理。
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