解放

かひけつ

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第3章 ~よう

どう

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☆sideシン
オレは中継点……。データをまとめて、次の中継点もしくは、中継点の増設も可能ではあるし、ケイトも勝てるって言っていた。まだ……まだ、詰んでいない。

 いや………

グワァン!!

 <本当に??????????????>

フラッシュバックと感情の反芻がダブって頭がバグりかける。

 〔はぁ……はぁ………フーーーー…………〕

人格に歪みができたのか、単純な情緒不安定か。分からないし、どうしようもない。

 <役割を…全うしろ……>

無理して725個の世界線を覗き見た。中継点となって幾千の世界を視た者達からも、過去に遡ってまで足掻いた者からも、大した戦果がなかった。

パラパラ……

[・拠点=アピス細胞→親和力高い(異能を通しにくい壁&武器)
・『ザ・ワン』は異能が全て『No.1』クラス。『妖精』を奴隷化させている?
・武術や武器を用いる。肉体変形可能で防御手段に長ける。関節、重量、力、絡め手がとにかく多彩。接近戦は勝てなそうだし、遠距離であっても有効打なし。
・空気中にもアピス細胞が散布、集まって成形し、『ザ・ワン』の損傷も補完できる。その上、こっちの異能が使いずらくなる。【流弾】や肉体補助も異能を多用するのでモロ弱体化影響
・いつでもリンを狙い撃ちできるよう超高速で部屋を駆け巡らせる粒子も勿論、親和力MAX。
・光線や毒霧、異常重力、五感刺激を始めとした多数の悪意。スリップダメージのように放っておくと蝕まれるタイプの設置型でありながら、機械や異能として操るからクソ。自衛のため異能で外気を入れずに呼吸を保つように制御しなければならない。
・『パーフェクトボディー』の『霊体』、『オリジナル始祖』、ルピカ、一般人といった人質
・メハやケイト、オレなどの『声』や容姿パクリなどで精神攻撃&即死コンボ
・とにかく、【瞬間移動テレポ】がうざい

リン対策メタ
・【時間断絶】→【時間加速アクセル】、【テレポ】
・【流弾】→光線、【テレポ】、肉壁、肉体再生
・『予測』→人外挙動で通じない。
・高い親和力→互角の親和力&ここにあるものはアピス細胞などで異能の対象に不適。『エンジニアスペシャリスト』特製の罠だらけ。
・【波紋】、【波動】その他武術も通用しない
・現状発動されたら止めようがない【アクセル・バーニング・ソウル】は『ザ・ワン』が改良した本当にどうしようもないゴミ技]

視ることで得れた情報は各自まとめパターン解析に励んだ。溢れ出る詰みポイント、完全なリン・異能メタ、人質、トラウマ刺激、もう対処しようがない。

 <これに勝てるってどういうことだ?>

正直ケイトがここまで分かっていたか分からない。いや、それは確認した。何度かケイトに教えを請いに行ったが、「2人ならできる」「勝算はある」以外の情報はくれなかった。

 <……見落としか……?>

もう一度…確認すべきか…。

 [パターン解析
・エレベーターから着地→部屋変形で串刺しを狙われるが空中へ回避→『ザ・ワン』からの三重エア発勁遠当てを【次元回避】→周囲から無数の手を【アクセル】で退避→【アクセル】纏った手が追うが、【波紋】で薙ぎ払う→『ザ・ワン』がリンを掴み、毒と武術で敗北
・エレベーターから着地→一時的に拮抗→【テレポ】で臓器損傷&腹を蹴られ→リンの体内からアピスが生まれる→死
・エレベーターから着地→リンの大地顎アースアップワードは異能で防御され→遠距離も近距離も通用せず【テレポ】で死
・初手、リンの遠当て連打→回避され【テレポ】で即死
・【アクセル】には【アクセル】で対抗され、接近戦にもつれこみ死。
・『ザ・ワン』が無防備で仁王立ち→接近時のアピスの「止まれ」を無視して攻撃→ルピカを殺してしまう→焦って後手に回り死。
・メハの声や顔、オレの声を作ったりなどで錯乱させる→精神集中→中毒死
・幻覚や惑わせを『無心』で突破しても→『ザ・ワン』は逃げながら、人質を殺し続ける→焦りが出たら【テレポ】で即死
・『無心』を貫き通しても【アクセル・バーニング・ソウル】で確定死
・エレベーターから抜け出すと【テレポ】で不意打ち
・リンと過去戻りすると、必ず『ザ・ワン』が【テレポ】→即死
・オレだけ過去戻り→ケイトに手助け願い→「勝算はある」と却下される]

 『ザ・ワン』の言動にヒントがあるのだろうか?

《なぁ神様よぉ!!何度目だぁ~~~~?》《…はぁ、全部だろ?》《戦力を見誤らさせて、全力が出せても潰すために決まってるだろ??》《止まれ》《その感触を忘れるなよ?》《やぁ、ハジメまして?》《お前が殺したんだよぉ!!》《止まってリン!!》《俺には心が読めるんだよ》《中2くせー名前嫌いなんだよ…》《どこに勝算を覚えたんだよ?》《世界線を予習したって、実力差埋めるものじゃない。まだ現状が飲み込めないのか?》

 <どこに勝算があると言うんだ…>

憶えのある感覚がにじり寄る。

 <来る、な…>

《死にたくない!嫌だ、嫌だぁ!!》《リン!苦しまないで…ね…》《た、助け…》《あ、あが、おヴぉ…ゴポポ…》《リンさ…ま》《あぁああああ…かぁっ…はぁ…はぁ…はぁ…》《お 前 も 同 罪 だ》《リン…》

人質の断末魔は、世界線をチラっとしか見ていないオレにでも深く…深く突き刺さる。

 〔許してくれ…。頼むから……。もう止めてくれ〕

 「シン」

凛と静寂に響く声があった。強く美しいその輝きが儚さを虚しさを強めてしまうのだ。
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~このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係なく、すべて空想です~                                                    敬語や言葉選びはよく考えてはいるつもりだが、拙い文は長い目で見てやって欲しい。更新は調整中だが、頑張って完結予定。 X始めました!!! →https://x.com/kahiketu                                                   世界観は独特で人を選ぶかもだけど、結構ジャンルは荒ぶると思う。ただ、単純にホラーとミステリーは得意じゃないから触れないかも。好きなのは、ファンタジー、異能、神、科学、記憶、(デス)ゲームなど。幽霊や呪いも使いはする(ホラーにはならないはず)。 辻褄を合わせたがるので、凝り性。設定チュウ(毒)                                                    得意でないのは、恋愛やミステリー(=謎解き)、あとハーレムとか、R18系は基本無理。
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