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御新規入ります
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『え、男?!』
「あら、いらっしゃい。」
学校では見たことのないような美形な男がいた。
「あれ?男が1人?2人?声は?可愛子ちゃんは?」
「ま、待て隼人。多分あれだよ、動画とかそんなとこの声だろ。こんなイケメン達からあんな声が聞こえるはずがない!」
「えー?それってこの声のことかなー?」
3人の目線が一斉に1人のイケメンに向く。
「え、優希、今あのイケメンから声聞こえたよね?」
「お、おう。」
2人が驚きでキョドってる間に駿の目がカッと開いて2人を見る。
「待って!今の声ってもしかして!2年一の美女!佳那ちゃんじゃないか!」
『えーーー!!!!!』
3人の目が合うと声が揃った。
「あれ?バレちゃったかなー?実際ここではこの声なんだけどね。どう?ギャップ萌えする?」
佳那らしきイケメンは少し低めの声とクスッと笑いながら3人を見ながら言った。
「ちょっと佳那、遊ばないでくれる?ちゃんとゲストとして扱わなきゃでしょ?」
「ま、待て、今のハスキーっぽい声、そしてメガネ!もしかしてあなたは穂乃果さんではないでしょうか!」
駿がそう言った瞬間、もう1人のイケメンは眼を点にして固まっていた。すると周りをキョロキョロしながら
「え、うん。穂乃果だけど。なんでわかったの?声?メガネ?それだけ?!すっご。え、怖っ。」
びっくりしながら言う穂乃果よりも驚きながら目が飛び出そうなくらいに目を開いて、駿と優希は驚いていた。
「いやいやいや待てよ!駿、どうゆういことだ?お前がそこまで女子に詳しすぎるのも怖いけど、この2人はあの美女達じゃないのか?!」
「そ、そ、そうだよ。俺は分からないよ。駿は女好きだから分かるとしても俺は全く分からないよ。」
2人は尋常じゃない量の瞬きをしながら話していた。その時、イケメン2人の後ろにあったカーテンが揺れて中からまた1人出てきた。
「あらあら、今回の新規は随分と騒がしいゲストなんだね。ねぇ、3人とも?」
『はっ!!』
3人はすぐに分かった。先の2人がいた事、そしてこの前に起こっていたこと。この部屋に自分たちよりも先に入った女子のこと。
「ま、まさかあなた様は…」
駿が震えながら言うと、もう1人のイケメンは髪をかきあげながら3人の前に名乗り出た。
「うん。僕が結華だよ。」
彼はニコニコしながら話した。
「お疲れ様だよね。ここまでつけてきちゃってさ、びっくりしたでしょ?私が急に消えるから。駿君は見つけてくれたけど、まさか3人揃って入ってくるとはね?」
3人は驚きのあまり固まってしまい、言葉を失っていた。
「あれ、言葉失っちゃいましたね結華さん。」
そう華が言うと穂乃果はクスクスと笑いながら
「ここまでの反応は今までで1番じゃないか?中々面白い子を連れてきたねー。てか、結華が連れてきたの?」
「いや?追っかけてきたからついてこれるかなー?ってちょっと遊んでみたんだ。」
結華は不気味とも取れる笑顔を浮かべながら2人と話していた。
「そっか、じゃあゲストとして扱わなきゃね。ほら佳那ご案内して、結華も責任取ってね?」
『はーい。』
駿ら3人は魂が抜けたように引っ張られ動かされ椅子に座った。
部屋の奥はバーのようになっていてテーブルやカウンターなど学校の中とは思えないような内装になっていた。
「さて3人。そろそろお話はできるかな?」
『は、はい。』
結華に言われると、か弱く細い声で答えた。
「どうして3人は私をつけていたんだい?」
そう聞くと3人は下の方を見て黙ってしまった。すると、結華かニコッと笑って話し始めた。
「そうだよね、3人とも話せないよね、可愛い結華ちゃんがどこに行って何をしているのかストーカーをしてたなんて言えないもんねー?」
「うぅ、俺、泣きそうだよぉ。」
結華からの詰問を前に駿は二人を見てプルプルと震えながら言った。
「いや、待てよ。もしかしたら堂々としてれば助かるんじゃないか?」
駿とは真逆に希望を持つ言葉を発したのは隼人だった。
「結華様。我々は放課後どこかに消える結華様を見て、この学校内の誰かに脅され呼び出されているのではと思い、守るために後をつけたまでです。何もやましい気持ちはございません!」
必死に目を開け正面を向いて話す隼人は左手でギュッと自身の太ももをつねっていた。
「へー。なるほどね。それで脅されてたかな?」
「いや、むしろ脅してるのに近いですよ。」
そう佳那が話に入ってくると、3人は一斉に佳那の方に救いの目を向けていた。
「え、ちょ、そんな目で見ないでくださいよ。待って、やばい。助けて穂乃果さん!」
「ごめん、全然聞いてなかった。」
2人がわちゃわちゃとするのを見ていると
「なんかこう見るとやっぱり女子なのかもな。」
と優希が呟いた。
「もしかしてときめいちゃったー?あれー?男装してる子にときめいちゃったのかなー?」
優希の声が聞こえたのか、結華は明らかに分かっているような、煽る言い方をしていた。
「ごめんなさい!いじめないでください!」
咄嗟に優希が結華に向かって言うと
「冗談だよ、ばーか。」
さっきまでとは違う、少し高い声。女子の結華の声が聞こえた。3人の中1人の胸には「ズキュンッ」と声が矢のようにささってしまった。
その日は何も進展はなく、下校のチャイムと共に皆帰ったのであった。
「なぁ、あの3人って本当になんなんだろな。」
「でも駿が好きな感じだったんじゃないの?」
「まぁそうだけど。ギャップがありすぎるよね。ひっくり返っても足りないくらいあったし。」
そんな二人の会話を横目に隼人は何か考えるような素振りをしていた。電柱にぶつかりそうになる隼人を止めた後、優希が隼人の肩に手をつきながら言った。
「どうした?なんか気になることでもあんの?」
「いやさ、あの部屋ってどう見てもカフェじゃんか?実際飲み物あったし、てことはこの後行ったらお金払えるのかな?貢げるのかな?推せるのかな!」
「あっ、駿、良かった。隼人はいつも通りだったわ。」
「お前はなんでいつも冷静でいられるんだよ!てか冷静なのか!いや、これは隼人だわ!俺と優希を見てみろよ!こんなだぞ!」
男子高校生3人はそんな会話をしながら、少し暗くなった歩道を騒がしく帰っていった。
「あら、いらっしゃい。」
学校では見たことのないような美形な男がいた。
「あれ?男が1人?2人?声は?可愛子ちゃんは?」
「ま、待て隼人。多分あれだよ、動画とかそんなとこの声だろ。こんなイケメン達からあんな声が聞こえるはずがない!」
「えー?それってこの声のことかなー?」
3人の目線が一斉に1人のイケメンに向く。
「え、優希、今あのイケメンから声聞こえたよね?」
「お、おう。」
2人が驚きでキョドってる間に駿の目がカッと開いて2人を見る。
「待って!今の声ってもしかして!2年一の美女!佳那ちゃんじゃないか!」
『えーーー!!!!!』
3人の目が合うと声が揃った。
「あれ?バレちゃったかなー?実際ここではこの声なんだけどね。どう?ギャップ萌えする?」
佳那らしきイケメンは少し低めの声とクスッと笑いながら3人を見ながら言った。
「ちょっと佳那、遊ばないでくれる?ちゃんとゲストとして扱わなきゃでしょ?」
「ま、待て、今のハスキーっぽい声、そしてメガネ!もしかしてあなたは穂乃果さんではないでしょうか!」
駿がそう言った瞬間、もう1人のイケメンは眼を点にして固まっていた。すると周りをキョロキョロしながら
「え、うん。穂乃果だけど。なんでわかったの?声?メガネ?それだけ?!すっご。え、怖っ。」
びっくりしながら言う穂乃果よりも驚きながら目が飛び出そうなくらいに目を開いて、駿と優希は驚いていた。
「いやいやいや待てよ!駿、どうゆういことだ?お前がそこまで女子に詳しすぎるのも怖いけど、この2人はあの美女達じゃないのか?!」
「そ、そ、そうだよ。俺は分からないよ。駿は女好きだから分かるとしても俺は全く分からないよ。」
2人は尋常じゃない量の瞬きをしながら話していた。その時、イケメン2人の後ろにあったカーテンが揺れて中からまた1人出てきた。
「あらあら、今回の新規は随分と騒がしいゲストなんだね。ねぇ、3人とも?」
『はっ!!』
3人はすぐに分かった。先の2人がいた事、そしてこの前に起こっていたこと。この部屋に自分たちよりも先に入った女子のこと。
「ま、まさかあなた様は…」
駿が震えながら言うと、もう1人のイケメンは髪をかきあげながら3人の前に名乗り出た。
「うん。僕が結華だよ。」
彼はニコニコしながら話した。
「お疲れ様だよね。ここまでつけてきちゃってさ、びっくりしたでしょ?私が急に消えるから。駿君は見つけてくれたけど、まさか3人揃って入ってくるとはね?」
3人は驚きのあまり固まってしまい、言葉を失っていた。
「あれ、言葉失っちゃいましたね結華さん。」
そう華が言うと穂乃果はクスクスと笑いながら
「ここまでの反応は今までで1番じゃないか?中々面白い子を連れてきたねー。てか、結華が連れてきたの?」
「いや?追っかけてきたからついてこれるかなー?ってちょっと遊んでみたんだ。」
結華は不気味とも取れる笑顔を浮かべながら2人と話していた。
「そっか、じゃあゲストとして扱わなきゃね。ほら佳那ご案内して、結華も責任取ってね?」
『はーい。』
駿ら3人は魂が抜けたように引っ張られ動かされ椅子に座った。
部屋の奥はバーのようになっていてテーブルやカウンターなど学校の中とは思えないような内装になっていた。
「さて3人。そろそろお話はできるかな?」
『は、はい。』
結華に言われると、か弱く細い声で答えた。
「どうして3人は私をつけていたんだい?」
そう聞くと3人は下の方を見て黙ってしまった。すると、結華かニコッと笑って話し始めた。
「そうだよね、3人とも話せないよね、可愛い結華ちゃんがどこに行って何をしているのかストーカーをしてたなんて言えないもんねー?」
「うぅ、俺、泣きそうだよぉ。」
結華からの詰問を前に駿は二人を見てプルプルと震えながら言った。
「いや、待てよ。もしかしたら堂々としてれば助かるんじゃないか?」
駿とは真逆に希望を持つ言葉を発したのは隼人だった。
「結華様。我々は放課後どこかに消える結華様を見て、この学校内の誰かに脅され呼び出されているのではと思い、守るために後をつけたまでです。何もやましい気持ちはございません!」
必死に目を開け正面を向いて話す隼人は左手でギュッと自身の太ももをつねっていた。
「へー。なるほどね。それで脅されてたかな?」
「いや、むしろ脅してるのに近いですよ。」
そう佳那が話に入ってくると、3人は一斉に佳那の方に救いの目を向けていた。
「え、ちょ、そんな目で見ないでくださいよ。待って、やばい。助けて穂乃果さん!」
「ごめん、全然聞いてなかった。」
2人がわちゃわちゃとするのを見ていると
「なんかこう見るとやっぱり女子なのかもな。」
と優希が呟いた。
「もしかしてときめいちゃったー?あれー?男装してる子にときめいちゃったのかなー?」
優希の声が聞こえたのか、結華は明らかに分かっているような、煽る言い方をしていた。
「ごめんなさい!いじめないでください!」
咄嗟に優希が結華に向かって言うと
「冗談だよ、ばーか。」
さっきまでとは違う、少し高い声。女子の結華の声が聞こえた。3人の中1人の胸には「ズキュンッ」と声が矢のようにささってしまった。
その日は何も進展はなく、下校のチャイムと共に皆帰ったのであった。
「なぁ、あの3人って本当になんなんだろな。」
「でも駿が好きな感じだったんじゃないの?」
「まぁそうだけど。ギャップがありすぎるよね。ひっくり返っても足りないくらいあったし。」
そんな二人の会話を横目に隼人は何か考えるような素振りをしていた。電柱にぶつかりそうになる隼人を止めた後、優希が隼人の肩に手をつきながら言った。
「どうした?なんか気になることでもあんの?」
「いやさ、あの部屋ってどう見てもカフェじゃんか?実際飲み物あったし、てことはこの後行ったらお金払えるのかな?貢げるのかな?推せるのかな!」
「あっ、駿、良かった。隼人はいつも通りだったわ。」
「お前はなんでいつも冷静でいられるんだよ!てか冷静なのか!いや、これは隼人だわ!俺と優希を見てみろよ!こんなだぞ!」
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