ひどくされても好きでした

白い靴下の猫

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141. 丈夫でお得

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「ミケ、ミケ、大丈夫?」

ぽやん。

シェドだぁ。
また会えて、うれしい。

「お腹が、ぽかぽか、するの」

「調子に乗って無理させました、ごめんね。お腹、つらくない?」

「うん、しあわせ」

「よかったぁ。ミケ、おねがい。木登りでいいから、運動しよう。体力つけてください。唇青くして泣くんだもん。壊しちまうかと、思った」

「シェド、ドМ」

知ってるぞー。最後、私が、変な泣き方したら、出さないでやめようとした。

「うるさいな。どうせドМだよ。ミケに子どもができたら、お父さん邪魔ね、とか言って、ポイってされるだろーなーって思いながら、プロポーズしてるんだから」

??

「・・・されてないよ?プロポーズ」

「結婚式したい、っていったろうが」

「・・・式だけしたいのかと」

「なんでだよ。結婚してください。もちろん本拠地は、魔の森かフェルニアで」

「よ、よろこんで。ポットでも、日陰者でも、いいです。浮気されても、壊されても、ヤギさんでも、いいです」

「ぜんっぜん、良くない!俺はミケに独占されて、尻に敷かれて、自分の子どもにミケとられて、それでもミケミケ言って何十年も過ごすの!」

「・・・ベストなそれで、おねがいします?」

ふわっとした抱っこが、シェドばかり見ていた、幼児の私も、少女の私も、今の私も抱きしめた。

私の世界はシェドでできている。
残りは全部異世界で、攻撃してくる奴らは、全員異世界からの侵略者認定。

そう思ったら、なんか、半端な悪意が怖くなくなった。

生きているのかどうかもしらないけれど、親とか、多分もう平気。
フロラインをたたき起こして、ルードをつつきまわしながら黒の魔素を捨てる、とかもいける気がする。ちゃんと警戒感付きで。

もともと私は、自分が好きなものには弱々のめろめろだけれど、敵には強いのだ。
敵だと決めてしまえれば、嫌いだろうが殺意が湧こうが、恐怖で竦んだりはしない。ライヒにもティムマインにも竦んだことはない。

後はもう、大事なものを守って大事にして、可愛いものを見つけて可愛がって、好きな人を見つめて好きまくる。

そんな生き方をするの。

力こぶを作ってみる。うわ、貧相!
ピクニックにいったら、木登りをしよう。
で、お弁当はレガスさんに教わってしょっぱくして、それが欲しくなるまで汗かいちゃおうかな。

ふふふ

ねぇ、シェド、私って、丈夫でお得だね。

おしまい
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