ひどくされても好きでした

白い靴下の猫

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139. ※執着実況中

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シェドは、優しかった。
キスも触れ方も、私が特別なのだと、言い聞かせるように。甘くて、優しい。
私が強請ると、なんでも、応えてくれた。

体がナカまで喜んで、シェドのモノに懐きまわる。

口なんて開きっぱなしで、我ながらだらしのない顔をしているのだろうなと思うけれど、シェドは蜂蜜のようなとろあま顔で私をみてうれしいって言ってくれるから。なんかもう、取り繕う気にもなれない。

お湯ふかマットは、セームタオルの大きな袋みたいなのにシャワーが3つ突き刺さって、お湯で膨らむ優れものでした。
横になっても痛く無いし、温かいし、寝返りすると、じゅわってお湯がにじみ出て、ほのぼの気持ちがいいです。

お湯ふかマットに抱かれながら、お腹にも、シェドの温かい、が広がった後、抱きしめられて、幸せ過ぎで、ぐたっとシェドに凭れていたら、『執着』も、やって良い?って、聞かれた。

んー?それって、やってみようか、で、できるものだっけ?
よくわからないけど、おねがいしますのコクン。

そうしたら、私の額にキスをしたあと、シェドの指が、花芯に吸い付いたみたいになって。
それを、すごくゆっくりと、うごかす。

「あっ、んっ」

イってから、あまり時間がたってないせいか、ちょっと辛くて涙が浮いたら、『ごめんごめん』って言って、ソナ印のとろとろ液をつけて、最初よりもっとふんわりの優しいさわり方になった。

ぬるぬるで、するするで。引っかかったり引き攣れたりもしなくて、ゆっくりでやさしいから。おふろの湯気みたいにふんわりの気持ちいいで、とろん。

シェドは、私を横抱きみたいに座らせて触りながら、このまましばらく話でもしよっか、っていって。

シェドに、聞きたいこととか、腹が立ったこととかあったら言っていいというから。

言いたくなさそうだった『嫉妬』の話を、わざと聞いてみる。

「パチドのときは、ね、私にライヒの魔力が入って不適合したとき、嫉妬してくれたみたいだったの。覚えている?」

「覚えています、ごめんなさい」

うーむ。シェドは、わりとパチドの話を避けるのよね。ある意味シェドだったわけだし、私の命の恩人でもあるのに、どうも扱いが邪険。

「ま、こんなに私がシェドシェドしていたら、嫉妬はないかぁ」

シェドは、なぜだか、不満そうな顔をした。

「ルカには、嫉妬を感じる、ぞ」

「んー、家族愛ね。私は、チャドさんに嫉妬したこと、ないなぁ。負け?」

「ちがう・・・。ライヒとかは、ミケの好みじゃないから。ルイスやヒューゴもだけど、昔から粗暴なやつ見ると、顔に、はっきり嫌い、って出る。でも、ルカは、好み、だろ」

おう、確かに。昔の私は、素敵な男性=シェド一択。乱暴な男とか、すでに生き物として不要認定だった。それでいくと、幼少期の私が見てもルカは花丸。

「なーるほど!確かに!ルカはいいヤツ!」

にぱにぱ。

「・・・あいつは、ミケを守れるし、ミケが好きだし、フェルニアに祝福されて、結婚式したし」

しょぼん。一人百面相。
でも、足の間、ぬるぬるされるのが、続いていて、むずむずがひどくなってくると、ものすごく甘えたくなるから。普段言いにくいことも、するっと口から出たりする。

「だから、置いて行くの?ムーガルには連れて行かないって、言った」

「は?俺が行かないから、連れて行かないだけで、置いてくとか言ってない。おれ、今の境界仕事何とかしたら、ムーガル軍辞めるよ。ちゃんとムーガル王にも言った」

そうなの?!
うわぁ。むずむずと、ぬるぬるの勢いで、ゲットしてしまった、青い鳥がもう一羽だぁ。

「へへ、うれしい。あっち側、みんなクラムルとかうちの親みたいで、苦手だったの」

甘えんぼ万歳、って、悦に入っていたら、ぬるぬるする手を、すこしだけ強くされた。
ちょっとだけ、じっとしているのが、大変。

「言ってなかったの、忘れていた。そういえば、タイキにも終わっていると言われたな。ごめん。えーと、でも、気がかり、は、もうちょっと早く言ってくれると、嬉しいです」

気がかり、は、どちらかと言うと、ぬるぬるされている足の間、なのですが。
ふんわりが、じわじわになって、じわじわが、じんじんになって。今はもう、痺れるみたいになってきてしまって。

ふぃ。やっぱりずっとは無理です、って、わかってほしくて、もぞもぞすると、シェドは、摩擦があるのが悪いと思ったのか、とろとろ液の方をもっと足した。

ぬるぬる。つるつる。

「んんっ、シェド、意地悪、してる?」

「んー、意地悪っていうか願掛け?ぬるぬる1分つづけると、ミケと1年ずっと一緒、っていう換算で執着中。さっき、嘘っこって思われたから、実況を試みようかと」

願掛け?!
触られ始めたから、何分経ったかな。

実況って何のだろう、と、だんだん働かなくなっていく頭で考えていると、シェドは私の手を自分のモノのところに持って行って、『実況中』って。

温かくて、とくとく言っているけど、触って良いものでしょうか?

「触っても、痛く無いの?」

シェドは、すこし驚いたように、目をぱちぱちさせてから答える。

「優しくしてくれれば痛く無いよ。嫌だったりする?それとも、珍しい?」

あ、そうか。入れかわり、立ち代わり、男が来たから、慣れていると思ったのかな。

「公妾の時、がんじがらめだったのは、触れられると、鉤爪とか牙とか出るからで、手も口も完全封印だったから、触るもキスもないよ。大丈夫だったのルカ位・・ひゃん」

ぬるぬる。すりすり。ぬるぬるぬる。
ほんのすこしだけ、ぬるぬるを早くされて気付く。
花芯の痺れはジリジリと広がって、四肢の神経を責め立てるほどになっている。

やだ、これってゆでガエル?
脱出の機会を失った体が、いつの間にか、なんで暴れずにいられるのか不思議なほどの堪らない感覚に苛まれていた。

「ルカは、平気だったんだ。くやしーぞ?」

シェドが普通に会話を続けようとするのに、もう、どうやってもついて行ける気がしない。
追い打ちをかけるように、シェドは、私にシェドのモノを握らせた。

「あ、んんッ、シェド、ぬるぬる、も、や。願掛け、やめよ?」

「やだ。えーと、おれのも、ぬるぬるしてくれると、気がまぎれるかな、とか」

シェドはそう言って、シェドを緩く握っている私の手の上から、とろとろ液をかけてしまった。
ぐーとか、ぱーとか、つるつるとか、触りまわしてみる。にぎりなおすと、どくんどくんしているし、気がまぎれるどころか、すっごく、妖しい感触ですが?!

思わず、ぎゅうと握ってしまうと、シェドが眉を寄せて熱い息を吐いた。

「ふぁ、ん、ひょっとして、シェドも、気持ちよかったり、するの?」

「どして、そこでひょっとするのかに、驚くほど、気持ち良いに決まっていますが?」

「みゅ、ん、男の人は、出すとき、しか、気持ち良くない、のかとっ、んうっ」

シェドのキスが、降ってきて、口の中が、嬲りまわされる。なんか、キスが、いつもより、ねちねちで、いやらしい感じ?
口じゃない所に、されているみたいな、想像が、ボン!で、いたたまれないのに。

ぬるぬるする手が、止らなくて、痺れ切った花芯が、ビクビクと勝手に震え始める。

「あ、あ、ああ。も、くるし、よ。シェド」

顔をシェドにぐりぐり押し付けて、ぬるぬる攻撃に、もう耐えられないと訴えると、カチカチになったシェドのモノがビクンと震えた。
こういう実況は、どうなんでしょうか!

「あ、のね。ミケが、一杯一杯で我慢してくれている顔、とか見ると、すごく、下も、そそられます。ごめん。ミケが、苦しそうとかは、嫌なはずなんだけど、も、直球で」

おそろしいことに、言われている意味が、ちょっと、わかる、かも。
だって、シェドが、ひくってなるのが、私のせいだと思うと、色々ズキンとするのだ。
だから、ひうひう喉を言わせておきながら、甘えんぼ、ふたたび。

「痛く、した時も、気持ち、よかったの?緑で、自分も、痛くして、出さなかった、よ」

「良すぎて、ショック死しそう、でした。だって、俺につらくされているのに、痛い間も抱きついて、びしょびしょにして、俺を思って我慢しくれて、とか、卒倒しそうです」

なんか、痺れたからだは、つらいのだけれど、寂しかったのが、するっとほどけて。
はじめて、気持ちいいを、逃がさず拾って、体にたくさん詰め込みたいなと、思った。

私の好き、は、私の気持ちいいに、繋がっていたけれど。

私の気持ちいい、が、シェドの好き、から、流れて来たり、私の好きが、シェドの気持ちいいに流れていったりするのだと、知らなかった。

「シェド、気持ちいい。気持ちいいのに、寂しくない、です。好きだから、されてるみたいで、温かくて、嬉し、い。ふぃ、ん、くぅ」

シェドはちょっと切なそうな顔をした。

「ずっと、気持ちいいのは、寂しかったの?今も、好きだから『みたい』なの?」

寂しかった。ずっと寂しかった。

「んぅ、ぬるぬる、苦しいよぉ」

私がそう言うと、シェドは、よく効くお薬みたいにとろとろ液を追加する。
痺れ切った花芯は、もう、良く滑ってもどころか、風がそよいでも苦しいのに。
なんで自分が暴れずに、されるがままなのか、よくわからない。

「じゃぁ、ミケは、どっちがいい?ぬるぬるされながら挿れられて、苦しいまま突かれちゃうのと、今すぐぬるぬるやめて、明日のピクニックまでバイバイ」

「バイバイはいや!」

もうこれは脊髄反射。

「あー、んじゃ、バイバイの前にハグとよしよしとお休みのキスつき」

痺れに思考を邪魔されながらも、これは、結構考える。
ハグとよしよしとお休みのキスがあれば、寂しいのはなくなるはずだし、起きたらピクニックって、いい事ばっかりでは?

・・・なのに、今の寂しくないが甘すぎて、ただの寂しくないでは満足できないかもしれないと、痺れたズクズクが、主張する。

体はもうあちこち勝手に反り返って、汗を飛び散らせて苦しがっているのに。蜜口から何が出ているのかわからないくらい、びしょびしょなのに。

「ふぃ、選べない、うぁ、んん。寂しくなくなり、たい」

死にたく、なくなりたい。
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