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134. 強情
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こんの、強情!!
ミケの折れなさは、どこの異世界合金かと突っ込みたくなるほどで。
これ以上は無理だと。もうこれ以上の痛みは、心の傷だの恐怖の記憶だの残してしまいそうで、踏み込めないと、責めているシェドの方が音を上げる。
魔道具が仕掛けられている気配は、ない。ミケの気持ちとミケの魔素の揺れはシンクロしたままで、どう揺さぶっても異物に乱されている気配はなかった。
残りは、鎌かけと誘導尋問で何とかするしかない。
暗示だけなら、ミケが自分の中の記憶の不整合にさえ気づけば、ほどける。
とりあえず、仕入れた情報を一生懸命分析。
一番意外だったうえに、怪しいのは、レンネル夫妻。
そう言えばレンツもグリーンも、ミケの両親が監禁所で金をせしめたと言っていたか?パチドにミケを下賜するとき、グリーンは何と言った?
『妻にすると言ってきた奴は、ミケの親に金まで払っていたぞ』
レンネルと繋がっていた男が、監禁所に、いた?
ミケの腹を執拗に打ったのはそいつだろうか。
監禁所から送り付けられて来た時の、ミケの下腹部にあった鞭の跡を、まざまざと思いだせる。
沢山打たれたというが、パチドが見た時に残っていた鞭の跡は1種類だ。パチドは、性的な処理より、拷問を優先したやつがいたのだろうと結論したが、レンネルの仕込みだったとは。
無意識にフロラインが居た以上、腹を打たれるのは最も耐えがたかったはずで、ミケの受けた苦しみを思うと、正直全員殺してやりたい。でも、それ以前に、最も耐えがたい、を、あんな親がなぜ知っている?レンネルが、ミケにちゃんとメシを食わさないという意味では充分腹の虐待だろうが、外傷という意味では、ミケの腹に虐待の痕はなかったのに?
色責めだ、拷問だと何度も気絶させられて、無意識下のフロラインまで痛めつけられて、親に心まで折られて弱っていくミケになら、大した能力のない魔術師でも、暗示とか、かけられるだろうか?
普通に考えると、無理だ。気絶していても、魔素はミケを守り続ける。逆にいえば、魔素を抑える方法があれば、可能。
「ミケ。監禁所で、魔素を使い切ったり、フロラインに乗っ取られた時みたいに、手放したこと、ある?」
きょとん
ちがうか。
ミケの魔素は、簡単に麻酔になるけれど。使い切るとか考えにくい。
残っているのは、精神の平静を欠いたミケ自身に魔素を抑えさせる方法だろうか。
「監禁所で、沢山の男に、ひどくされて、平静だった?だれかに手助け・・」
一瞬、ミケの顔が、歪んだ。
しまった、内容の詰めに焦りすぎて、言葉の選び方の方で地雷を踏んだ。
ミケが想い出したくない時間を、そうと知っていながら、俺が、簡単にただの虐めのネタにしたと思われたのだと、わかる。
ミケの素直なカラダは、本当に、瞬間的に干上がって、つら過ぎる嘘をおしだす。
「別に。キャパ広で、公妾上がりだから、どうということは、なかった・・」
ミケの意識が俺から遠くなっていくのがわかって、ミケの肩を揺する。
「違う、ミケ。そう言うことを聞いているんじゃない。痛くて、苦しかったのは、わかってる。どう自分を守った?魅了を、使った?自分の魔素で麻酔をした?助けてやると言って、だれかが寄ってこなかった?」
ぼやん。そんな感じで、糸の切れたようなミケが、俺を見る。
「パチドをもう一度見てから、死にたくて、私の辱めバリエーションで一杯の、あいつらの頭の中をたくさん探って。気持ち、悪かった。あんな私が、生き延びるなんて、汚い。あの親のように、汚い。はやく、潰れてしまわないと。シェドを怒らせる前に」
「ミケ、ミケ、レンネルが言ったの?汚くて、早く潰れないと、俺が怒るって?なぁ、ミケ、しっかりして。俺は、どういう時に怒るの?家を傾けた時?木登りに失敗した時?魔剣をつかんだ時?ミケが足を焼き落とそうとしたとき?俺、本当に怒っていた?」
冷えていくミケの体を必死にさすって。涙の流れる頬に何度も口づけて、ミケの意識を保つ。
「言わない。シェド、怒ったもの。私、痛くても、危ないことしないで我慢するって約束したもの。私が、悪いの。でも、あの時は、痛くて死んじゃうのが、悔しかったの。今は悔しくないから、大丈夫。痛くして、シェド。私、我慢できるよ?」
怒って、危なくて、痛くて、我慢する、約束?
そんな過去はない。系統的に近いものがあるとすれば、一回だけだ。
だが、痛くても我慢するって約束、ではない。
そんなものするわけがないのだ。
ミケはシェドとの約束は、無理でも守ってしまいかねないのに。教育と銘打って、いつ鞭打たれるかわからないような環境にいるミケに、そんなあぶない約束、させるわけがない。
「ミケが鞭でぶたれたのに、あちこち麻痺させて、遊びにきた時?なぁ、ミケ、あの時、痛くても我慢する約束なんて、してないだろう?一緒に安全な麻酔方法、たくさん探したの、覚えてないか?」
ミケぐらい魔素があれば、いろいろな方法で痛みを止められる。
侵害受容器、末梢神経、知覚神経、自律神経、ニューロン、シナプス、脊髄後角、視床、大脳、神経伝達物質の抑制に、下行性抑制。操り放題だ。何が悲しくて、ひたすら我慢しろ、などと約束させねばならないわけだ?
「シェド・・怒った。すごく怖くて、怖くて、捨てられると思った」
「どちらかと言うと、レンネルにだが、確かに、怒ったな。ひとつでいいのに、5個も6個も麻痺かけてあるから、こんなに一杯かけるなと、怒鳴った。でも、そのあとすぐ一緒に手をつないで、リンゴを食いに行ったぞ。腹を満たしてから、どれが良い麻酔になるか、試して、ミケの方が上手で、俺、いっぱい褒めたよな?」
「りんご、たべた。あれ?・・・うん、ほめられた」
「あんなに食ったのに、ミケ、怯えていたのか?手をつないでスキップだったの、捨てられそうだったからか?あんなに褒められる程いい麻酔の方法を沢山見つけて、なんで、死ぬまで痛いのを我慢、なんて約束になる?」
「・・・約束、しなかった?」
「してない。ミケ。いつから、そんな風に思っていたの?両足の傷が痛かったとき?背中が痛かった時?それとも、監禁所の時だけ?」
「周りの大人の魔力が高い頃は、麻痺とかの小細工はむりで。他にすることがたくさんでも無理で、毒みたいに、ずっと続く場合も、使いにくくて。あれ?でも、約束破りとか、思わなかった。え?シェドが死んじゃったから?」
「うーんと、約束破りとか思わなかった理由が、シェドが死んじゃったから、だったら、監禁所の時も一緒だな?」
「え?あれ?なんで?」
「思い出してくれて、えらい、ミケ。多分、監禁所で、暗示か、記憶のすり替えか、そんなの、された。方法は、わからないけど、魔道具でないなら、直接的な魔術で」
「・・・」
ミケを気遣いながらも、考え込むように自分の髪の毛に手を突っ込んで眉根を寄せるシェドをみて。
ミケは、シェドがずっと、エッチ以外の何かに気をとられていたことがわかった。自分を傷つけて楽しもうとしたわけでもないことも、納得した。
それでも、ミケは、私はまだ、カラダがおかしな動きをしますけどもさ、って、ふてくされ気味で。
そんな中で、シェドを観察しはじめ、ミケは、2秒で飛び上がる。
シェド、首から緑の液が垂れてる!!
がばっ
飛び起きて、両手が自由にされていたのを幸いと、見かけ化粧道具、の箱をあさる。
中和剤はどこ?!赤いやつ!!
「シェド、首!緑のが、ついてる!痛い?中和剤・・」
シェドは、あちゃ、という顔をして、緑の液を手で拭った。
て、手で触ったらだめでしょう?!痛いのが広がっちゃう。
がちゃ
ふざけてんのか、このトゲトゲの危険物!シェドの首にはまっている首輪に、入っている自分の魔素を思い切り叩きつけてフックをはずす。二度と使えないだろうけれど知ったことか。
と、首輪がはずれた下から出てきたのは、ちょっと散ったとかいうレベルではない量で、おまけに。
え・・・これ、いつ付けたの?
つけられた部分がうっすら赤くなっていて、皮膚に近い部分の液体は、ほぼ透明・・・って、自然に効果がきれたんだ。じゃ、つけたのは、1時間以上前?もっと?
へなへなへな
「・・・シェドなんか、嫌い」
なんか色々ショックで、口をついて、言葉が出ていた。
シェドが、ものすごく痛そうな顔をして、ごめん、っていう。
伸ばそうとしていた手を、引っ込める。
この人、自分で痛さ試しながら、私に使っていたの?
しかも首って。皮薄いし急所だし、嘔吐反射とかショックがでやすいから、あーいう薬、塗ったらだめって。ロイさんがいっていた、使用上の注意だよ?
エロどころじゃないじゃない。
・・・お仕置きでも、執着でも、ないじゃない。
知りたいことがあって、探っただけなんだ。
多分、私の不安定の発作をみたから。
黒の魔素にぼひゃっとアクセスするところを見たから。
洗脳とか、脳内に魔道具の移植とか疑って、やった。
恥ずかしい。自分だけ、乱れまくって、変態さんみたいになって、すごく恥ずかしい。
涙がでべでべ出て、ひっく、ひっくなって。ベッドの隅っこに小さくなって膝を抱える。
シェドが青い顔をして、私になんか言っている。
知らないもん。
シェドが、寄って来ようとするから、まくらでブロックした。
シェドはもう一回ごめんって言って、私に、睡眠導入をかけた。
眠い。そういえばもうすっかり朝だ。
「ごめん。ごめんな。すぐ戻って、ちゃんと謝るから、すこし眠っていて」
ミケの折れなさは、どこの異世界合金かと突っ込みたくなるほどで。
これ以上は無理だと。もうこれ以上の痛みは、心の傷だの恐怖の記憶だの残してしまいそうで、踏み込めないと、責めているシェドの方が音を上げる。
魔道具が仕掛けられている気配は、ない。ミケの気持ちとミケの魔素の揺れはシンクロしたままで、どう揺さぶっても異物に乱されている気配はなかった。
残りは、鎌かけと誘導尋問で何とかするしかない。
暗示だけなら、ミケが自分の中の記憶の不整合にさえ気づけば、ほどける。
とりあえず、仕入れた情報を一生懸命分析。
一番意外だったうえに、怪しいのは、レンネル夫妻。
そう言えばレンツもグリーンも、ミケの両親が監禁所で金をせしめたと言っていたか?パチドにミケを下賜するとき、グリーンは何と言った?
『妻にすると言ってきた奴は、ミケの親に金まで払っていたぞ』
レンネルと繋がっていた男が、監禁所に、いた?
ミケの腹を執拗に打ったのはそいつだろうか。
監禁所から送り付けられて来た時の、ミケの下腹部にあった鞭の跡を、まざまざと思いだせる。
沢山打たれたというが、パチドが見た時に残っていた鞭の跡は1種類だ。パチドは、性的な処理より、拷問を優先したやつがいたのだろうと結論したが、レンネルの仕込みだったとは。
無意識にフロラインが居た以上、腹を打たれるのは最も耐えがたかったはずで、ミケの受けた苦しみを思うと、正直全員殺してやりたい。でも、それ以前に、最も耐えがたい、を、あんな親がなぜ知っている?レンネルが、ミケにちゃんとメシを食わさないという意味では充分腹の虐待だろうが、外傷という意味では、ミケの腹に虐待の痕はなかったのに?
色責めだ、拷問だと何度も気絶させられて、無意識下のフロラインまで痛めつけられて、親に心まで折られて弱っていくミケになら、大した能力のない魔術師でも、暗示とか、かけられるだろうか?
普通に考えると、無理だ。気絶していても、魔素はミケを守り続ける。逆にいえば、魔素を抑える方法があれば、可能。
「ミケ。監禁所で、魔素を使い切ったり、フロラインに乗っ取られた時みたいに、手放したこと、ある?」
きょとん
ちがうか。
ミケの魔素は、簡単に麻酔になるけれど。使い切るとか考えにくい。
残っているのは、精神の平静を欠いたミケ自身に魔素を抑えさせる方法だろうか。
「監禁所で、沢山の男に、ひどくされて、平静だった?だれかに手助け・・」
一瞬、ミケの顔が、歪んだ。
しまった、内容の詰めに焦りすぎて、言葉の選び方の方で地雷を踏んだ。
ミケが想い出したくない時間を、そうと知っていながら、俺が、簡単にただの虐めのネタにしたと思われたのだと、わかる。
ミケの素直なカラダは、本当に、瞬間的に干上がって、つら過ぎる嘘をおしだす。
「別に。キャパ広で、公妾上がりだから、どうということは、なかった・・」
ミケの意識が俺から遠くなっていくのがわかって、ミケの肩を揺する。
「違う、ミケ。そう言うことを聞いているんじゃない。痛くて、苦しかったのは、わかってる。どう自分を守った?魅了を、使った?自分の魔素で麻酔をした?助けてやると言って、だれかが寄ってこなかった?」
ぼやん。そんな感じで、糸の切れたようなミケが、俺を見る。
「パチドをもう一度見てから、死にたくて、私の辱めバリエーションで一杯の、あいつらの頭の中をたくさん探って。気持ち、悪かった。あんな私が、生き延びるなんて、汚い。あの親のように、汚い。はやく、潰れてしまわないと。シェドを怒らせる前に」
「ミケ、ミケ、レンネルが言ったの?汚くて、早く潰れないと、俺が怒るって?なぁ、ミケ、しっかりして。俺は、どういう時に怒るの?家を傾けた時?木登りに失敗した時?魔剣をつかんだ時?ミケが足を焼き落とそうとしたとき?俺、本当に怒っていた?」
冷えていくミケの体を必死にさすって。涙の流れる頬に何度も口づけて、ミケの意識を保つ。
「言わない。シェド、怒ったもの。私、痛くても、危ないことしないで我慢するって約束したもの。私が、悪いの。でも、あの時は、痛くて死んじゃうのが、悔しかったの。今は悔しくないから、大丈夫。痛くして、シェド。私、我慢できるよ?」
怒って、危なくて、痛くて、我慢する、約束?
そんな過去はない。系統的に近いものがあるとすれば、一回だけだ。
だが、痛くても我慢するって約束、ではない。
そんなものするわけがないのだ。
ミケはシェドとの約束は、無理でも守ってしまいかねないのに。教育と銘打って、いつ鞭打たれるかわからないような環境にいるミケに、そんなあぶない約束、させるわけがない。
「ミケが鞭でぶたれたのに、あちこち麻痺させて、遊びにきた時?なぁ、ミケ、あの時、痛くても我慢する約束なんて、してないだろう?一緒に安全な麻酔方法、たくさん探したの、覚えてないか?」
ミケぐらい魔素があれば、いろいろな方法で痛みを止められる。
侵害受容器、末梢神経、知覚神経、自律神経、ニューロン、シナプス、脊髄後角、視床、大脳、神経伝達物質の抑制に、下行性抑制。操り放題だ。何が悲しくて、ひたすら我慢しろ、などと約束させねばならないわけだ?
「シェド・・怒った。すごく怖くて、怖くて、捨てられると思った」
「どちらかと言うと、レンネルにだが、確かに、怒ったな。ひとつでいいのに、5個も6個も麻痺かけてあるから、こんなに一杯かけるなと、怒鳴った。でも、そのあとすぐ一緒に手をつないで、リンゴを食いに行ったぞ。腹を満たしてから、どれが良い麻酔になるか、試して、ミケの方が上手で、俺、いっぱい褒めたよな?」
「りんご、たべた。あれ?・・・うん、ほめられた」
「あんなに食ったのに、ミケ、怯えていたのか?手をつないでスキップだったの、捨てられそうだったからか?あんなに褒められる程いい麻酔の方法を沢山見つけて、なんで、死ぬまで痛いのを我慢、なんて約束になる?」
「・・・約束、しなかった?」
「してない。ミケ。いつから、そんな風に思っていたの?両足の傷が痛かったとき?背中が痛かった時?それとも、監禁所の時だけ?」
「周りの大人の魔力が高い頃は、麻痺とかの小細工はむりで。他にすることがたくさんでも無理で、毒みたいに、ずっと続く場合も、使いにくくて。あれ?でも、約束破りとか、思わなかった。え?シェドが死んじゃったから?」
「うーんと、約束破りとか思わなかった理由が、シェドが死んじゃったから、だったら、監禁所の時も一緒だな?」
「え?あれ?なんで?」
「思い出してくれて、えらい、ミケ。多分、監禁所で、暗示か、記憶のすり替えか、そんなの、された。方法は、わからないけど、魔道具でないなら、直接的な魔術で」
「・・・」
ミケを気遣いながらも、考え込むように自分の髪の毛に手を突っ込んで眉根を寄せるシェドをみて。
ミケは、シェドがずっと、エッチ以外の何かに気をとられていたことがわかった。自分を傷つけて楽しもうとしたわけでもないことも、納得した。
それでも、ミケは、私はまだ、カラダがおかしな動きをしますけどもさ、って、ふてくされ気味で。
そんな中で、シェドを観察しはじめ、ミケは、2秒で飛び上がる。
シェド、首から緑の液が垂れてる!!
がばっ
飛び起きて、両手が自由にされていたのを幸いと、見かけ化粧道具、の箱をあさる。
中和剤はどこ?!赤いやつ!!
「シェド、首!緑のが、ついてる!痛い?中和剤・・」
シェドは、あちゃ、という顔をして、緑の液を手で拭った。
て、手で触ったらだめでしょう?!痛いのが広がっちゃう。
がちゃ
ふざけてんのか、このトゲトゲの危険物!シェドの首にはまっている首輪に、入っている自分の魔素を思い切り叩きつけてフックをはずす。二度と使えないだろうけれど知ったことか。
と、首輪がはずれた下から出てきたのは、ちょっと散ったとかいうレベルではない量で、おまけに。
え・・・これ、いつ付けたの?
つけられた部分がうっすら赤くなっていて、皮膚に近い部分の液体は、ほぼ透明・・・って、自然に効果がきれたんだ。じゃ、つけたのは、1時間以上前?もっと?
へなへなへな
「・・・シェドなんか、嫌い」
なんか色々ショックで、口をついて、言葉が出ていた。
シェドが、ものすごく痛そうな顔をして、ごめん、っていう。
伸ばそうとしていた手を、引っ込める。
この人、自分で痛さ試しながら、私に使っていたの?
しかも首って。皮薄いし急所だし、嘔吐反射とかショックがでやすいから、あーいう薬、塗ったらだめって。ロイさんがいっていた、使用上の注意だよ?
エロどころじゃないじゃない。
・・・お仕置きでも、執着でも、ないじゃない。
知りたいことがあって、探っただけなんだ。
多分、私の不安定の発作をみたから。
黒の魔素にぼひゃっとアクセスするところを見たから。
洗脳とか、脳内に魔道具の移植とか疑って、やった。
恥ずかしい。自分だけ、乱れまくって、変態さんみたいになって、すごく恥ずかしい。
涙がでべでべ出て、ひっく、ひっくなって。ベッドの隅っこに小さくなって膝を抱える。
シェドが青い顔をして、私になんか言っている。
知らないもん。
シェドが、寄って来ようとするから、まくらでブロックした。
シェドはもう一回ごめんって言って、私に、睡眠導入をかけた。
眠い。そういえばもうすっかり朝だ。
「ごめん。ごめんな。すぐ戻って、ちゃんと謝るから、すこし眠っていて」
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