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91. ※噛みあと

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ミケは、浴槽から身を起こした。
髪にまいたタオルが床に落ちて。
ライヒに対するよりもよっぽど怯えて、委縮したミケが、そこにいた。

ミケの視線の先には、くだんの3点セットがあって。
シャンプーを取ろうとして転がり出ただけだったのだが、ミケは気絶している間に使われたとでも思ったのだろうか。

浴槽から出て、落ちたタオルを体に引き寄せて、首を横に振りながら後ずさっていく。
今までの所業から考えたら、洗ってやっていただけだなんて信じられなくて当然なのに、ミケの怯えぶりが応えすぎて、余計にシェドの正気が追いやられて行く。

「なんだ、試されたいのか?」

そいつは鉄の玉のついた棒だけを拾い上げて、後ずさるミケを追った。

ライヒに試してくれと乞う場面が、尾を引いて。
『また』イキ狂わせてやるといったライヒへの嫉妬が抑えられなくて。
結局最悪の行動をとる。

「やだ、嫌。シェドがそんなに、怒る程、悪いことしてない」

「どうだかな」

浴室の先はシェドの私室だと言うのに、いったいどこへ逃げる気だと問うように、ゆっくりとミケについて行く。

もともと、気絶前に散々突きまくられた負荷と、意識を取り戻して間もないのとで、足元がふらついているのに、後ろ向きで歩いていれば転びかけるのも道理で。

テーブルにぶつかってよろめくミケを片手ですくいとり、上半身をうつ伏せにテーブルに押し付けてしまう。

「や、めてぇ!おねがい!おねがい!」

抱えていたタオルはテーブルとミケの上半身に挟まって、背面は無防備なままさらけ出された。

「何を、おねがい、しているわけだ?続きか?」

前回はミケがのぼせて早めに切り上げたので、鉄の玉のゲージは、まだ半分以上残っている。

「ひ、ひどいことしないで・・」

「痛く無ければ、いいのか?」

そう言いながら、柄をもって、振動させた鉄の玉をミケの足の間に滑らせた。
ミケはテーブルにしがみつくようにして、声をこらえている。

体を割り込ませて、みけの足を大きく開かせ、柄を短くもって、鉄の玉を強めに花芯に押し当てる。

「んっ、うううっ、くくぅっ」

声を上げまいと抵抗していたミケの喉から、噛み殺した喘ぎが漏れはじめ、膝を折って脛をばたつかせ、上半身を浮かせ、何とか花芯を逃がそうとし始める。
そいつはミケの体を一切逃がさず、愛液を流し始めた蜜口に指を突き立てて、花芯側と、腸壁側を、交互にこすり上げた。

「うああっ。きぁ。ああああっ」

声を我慢できなくなったミケは、指の動きに合わせて、吠えるような悲鳴を上げた。

指を2本に増やし、飽くことなく中を開いて行く。
しばらくすると、ミケは辛そうに机に爪を立て始めた。

昔、合わない魔素を取り込んで苦しくて、床に爪を立てるたびに、爪を割ってしまって後悔した記憶を共有するそいつは、蜜口から指を抜いて、爪を立てている方のミケの手を取って、背中側にまわしてしまう。

「おかしな抵抗をするから、苦しいんだろうが。素直にイってしまえ」

もう1度蜜口に指を突き立て、恥骨の抵抗がなくなった少し先の膣壁を、指を曲げるようにして小刻みに圧迫してやる。

「あーーっ、いやっ、だめぇ!」

パタパタと愛液を拭きこぼしながら、ミケは体を震わせた。

机に突っ伏してしまったミケの肌を撫でてやりながら、

「イキ狂うって、どんなんだろうな」

とそいつが呟く。

「ひっ」

ミケが小さく悲鳴を上げて、ぐったりしていた体を縮める。

そうか、経験が、あるわけだ。
レンツは、ミケによく公妾がつとまったなと言ったパチドに、イキやすいから、と答えた。
パチドに群がる男たちが、口々にこの女の痴態を語った。
フロラインの魂をもったままのこの女の痴態をだ!

震わせた鉄の玉を、今度は蜜口の中に突き立てて、ゆっくりと出し入れを繰り返すように動かしてやった。
そしてもう一方の手で、花芯と花びらを思うさま嬲る。

「あっ、あぅ、ひあっ。も、ゆるして」

誰にでも簡単に許しを請うんだな。
そう思うと、鉄の玉を出し入れするスピードも、花芯を嬲る強さも、容赦なく増やせた。

「いやっ、いや、いやぁっ」
イクまで降りてこられないところまで押し上げられて、ミケは頭を振りたてる。

「ひ、あ、いいーーーっ」

立て続けの絶頂で、息を乱し、両腕からすっかり力が抜けてだらりと横に投げ出してしまったミケに、休ませるつもりはないと、声をかける。

「随分と、イイんだな」

「ち、が、ひっ」

男根を押し当てられても、もうミケは体をずらすことさえできないようだった。
何度でも懲りずに欲を溜める男根が、うるみ切った蜜口に嬉々として滑り込んでいった。

ミケの中は、柔らかくて、優しくて、迎え入れてくれているようで。
濡れはしてもほぐれていない時とは全く別の器官のような気がしてくる。

ゆすり、円を掻き、突き上げ。
好きな女の胎の中を、思う存分泳ぎ回る快楽が頭を痺れさせて、目を閉じると、まるでミケも望んでいるかのような錯覚に陥るのに。

「も、やめ、てぇ。やだよ、こわいよぉ」

目を開けて見えるミケは、泣きそうで泣けない顔のまま、追い詰められて。
浅い呼吸と焦点の合わない目でやめてくれと繰り返す。

「・・・泣けよ、ミケ。泣いたら、やめてやる」

昔のシェドを見て泣いたように。
ひとりだけが特別だった頃のように。

「・・・くせに」

テーブルに顔をつけてしまった、ミケの言葉が聞きとりにくくて、ミケの両手首をもって自分の方に引っ張った。

「うう・・」

両肩をきめられたような形で強引に机から体をうかせられ、その力の全てでより深く突き刺されて、ミケが苦し気に呻く。

「何と言った?」

答えがなくても、動かずに我慢できる時間など数秒で。
腰を打ち付ける度に、がくがくと首が揺れるミケを、両手を引っ張る反動を使って、奥の奥まで抉った。

ろくに悲鳴も上げられなり、呻くだけになったミケの膝ががくんと折れる。
机にぶつかりそうで、あわてて右の手首を離して、腕を差し入れたが、バランスが崩れて一緒に床に転がる羽目になった。

顔が見たくて、ミケを仰向けにしてから、はずれてしまった結合を戻す。

床の上に落ちても、なお貫かれ続けるミケは、はくはくという浅い呼吸で閉じられなくなった口から、悲痛としか言いようのない声を絞り出した。

「ひとりじゃ、泣けないの、知っていたくせに!」

そうか。今は、ひとりだから、泣けないのか。
知っていた、って、過去形、で言うんだな。『俺』は、もう、お前の唯一ではないと。
フロライン、フロライン、フロライン。なぜおれを捨てた。

テーブルの下に落ちていた鉄の玉の柄を引き寄せて手に持つと、ミケの絶望的な目がそれを追った。

挿入を少し浅めにし、鉄の玉を花芯に圧しつけたまま振動を開始する。
俺は少し動きにくくなったけれど、その方が、よくミケの顔が見えていい。
浅い抜き差しと、花芯への直接的な責めで、ミケの体に震えるように力が入っていく。

「た、すけ、て」

哀願には答えず、かえって、鉄の玉をぐりぐりと押し付けてやった。

「っっーーーーー!」

床の上で、足がピンと伸びて、内股がわなないた。

イったのだと思うが、かまわずに同じ動きを続ける。
花芯を振動で痛めつけながら鉄の玉を少し上側にずらし、男根を深くまで埋めた。
ナカの具合があまりに良くて、抉るスピードが自然と速まっていく。

うつろな目のふちで、零れそうで零れない涙のふくらみをみていると、俺がここにいると体が認めるまで、甚振り続けてやりたくてたまらない。
射精をこらえて、花芯の責めを激しくすると、ミケは何度も痙攣した。

自分の快感だけに没頭して、耐えきれずに射精した途端。

いつ握ったのかわからない、机にあったはずの小刀を握った自分の右手が自分に向かってきて、シェドの首を、裂いた。

「ち」

噴き出す血のあまりの多さと急激な血圧低下にひるんだ『俺』の隙をついて。
シェドはかろうじて正気といえる自分で、そいつを押しのけた。

シェドが自分を治癒出来る記憶はあっても、そいつに同じことが出来るかは別問題で。
噴き出す血の量を見れば、体を明け渡すか退くかの二択しかない。

流れていく血をしばらく見てから、そいつは退いて行った。
まだ、狂っていない。そう、自分に言い聞かせて。
シェドは、左手で首の傷をふさぎ、右手でミケを抱え起こそうとした。
だが、ミケの首ががっくり落ちて、血の気が引く。

ミケは、舌を出して気絶していた。
いっそ完全に狂った方が楽だったのではないかと思えるような後悔がシェドを襲った。
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