ひどくされても好きでした

白い靴下の猫

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43. ※腰砕け

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甲高い悲鳴をあげた後も、ひくひくと体を振るわせ、ベッドから転がり落ちそうになったミケをあわてて抑える。
ベッドの木枠に折り返した長さから考えて、落下すれば、相当な勢いで股が擦られてしまう。

荒い息をつくミケから、噛みバサミ付きのゴムと、首の鎖をどけ、ついでに体を木枠の方に引っ張り上げて、股のゴムも緩めてやる。

ゴムは、腰の鎖の内側を通してあるので、股から離れはしないが、引っ張られなくなればずいぶん楽なはずだ。

体の戒めを緩められてほっとしたミケは、一括りにされた両手の指を組み、その上に額を付けた、祈るようなポーズで、ベッドの上に、仰向けに伸びてしまった。

体中に汗をびっしょり噴出させて、乳首は真っ赤に腫れ、顔は涙だけとは思えない液体でぐしゃぐしゃだ。

休ませてやるか。
水差しを取りに行こうとミケから体を離すと、ミケが小さくささやいた。

「やく、そく」
「?」
顔を覗き込むと、すがるような目が帰って来た。

「がんばったら、優しくしてくれるって・・」

おいおい
「腫れ上がったトコを舐められたいって?・・・折檻好きか?」

「ちがう、けど」

一旦は目を逸らすが、離れようとすると何度も俺を見る。
なるほど、ほんの少しでも『そいつ』の優しさを感じたいってわけか。

「わかった。約束したからな」

そういって、乳首に舌を這わせる。
両方の乳首に唾液をたっぷりまとわりつかせてからは、4本の指を時間差で動かして、触るか触らないかの柔らかなタッチを続けた。

「ふぁ、くぅん、ん」

痛みが引いて来たのか、俺の唇や指先を追うように、必死で乳首を突き出す。
たまに、少しだけ強めに圧をかけてやるが、あとは、ひたすら優しく舐め、指の腹をそよがせてなぜてやる。

「あん、あっ、ああん」

安心しきった顔で目をつむり、気持ちよさげな喘ぎ声だ。

「痛いか?」
「痛く、ない」

答えてしまってから、「痛く無くなるまで」だったのを思い出したのだろう。
泣きそうな顔で目を開けた。

「そうか」

右の乳首の上でそよがせる指の強さはそのままに、左の愛撫を舌に変える。残った手は股間に這わせ、じりじりと表現するしかないゆっくりさで筒を後ろにすべらせていく。

筒が動くところまで後ろにずらすと、かわいらしく立ち上がった花芯がぴょこんと顔を出したのが振動でわかる。
それを指でかるくつついて、場所を確かめ、しばらく筒にまかれた革紐の圧迫から解放してやった後、またそろそろと筒を戻していく。

ミケは一瞬身を固くしたが、あっという間に優しくされる乳首への刺激に溶けていく。つくづく柔らかな動きに弱い女だと思う。

溶けてしまったミケをそっと横向きにして、乳房をやわやわと揉みながら、耳を食んでやると、体を丸めるようにして膝を曲げた。

「あ、あう、んくく」

両腕を伸ばしたまま、丸まってしまったミケの背中側に回って、

「色っぽく喘ぐもんだな」

と、耳のそばでささやくと、切れ切れに、ごめんなさい、と返ってきた。

『そいつ』に優しさのご褒美をねだっておきながら、どうやら『俺』の折檻はまだ終わっていないと思っているらしい。
まぁ、確かに、骨の髄まで苦しみ抜かせて後悔で心を折ってやると息巻いて始めた折檻にしては腰砕けかもしれない。

ミケの肌はしっとりとした手触りで、思わず肌を合わせたくなる。背中の傷に触れてしまわないか心配だったが、肩甲骨の間は深くくぼんで、背後から抱きしめても彼女の悲鳴はあがらなかった。

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